有価証券報告書-第85期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/25 13:41
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164項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は雇用や所得環境の改善を背景に緩やかな回復がみられましたが、米国の通商政策に起因する影響の他、期末に生じた中東情勢の緊迫化の影響により不透明感が一段と増しております。
海外経済においては、米国では物価上昇や雇用情勢の停滞がみられるものの、緩やかな持ち直しが期待されます。欧州でも緩やかな持ち直しの動きがみられます。中国では不動産市場の停滞もあり、景気の減速が見受けられます。また総じて期末に生じた中東情勢の緊迫化により、不透明感が高まっております。
当社グループを取り巻くエレクトロニクス業界におきましては、車載市場においては米国での関税政策の影響による不透明感が続きました。半導体市場については生成AI用途向けを中心に引き続き堅調に推移し、産業機器市場では一部に持ち直しの動きがみられました。
このような状況のもと、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(イ)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ89億38百万円増加し、390億37百万円となりました。主な増加は、吉野川電線株式会社の株式を取得し連結の範囲に含めたこと等により、現金及び預金が41億19百万円、原材料及び貯蔵品が20億96百万円であります。有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ5億31百万円減少し、124億58百万円となりました。主な減少は、機械装置及び運搬具(純額)6億66百万円であります。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ95億56百万円増加し、566億62百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ23億38百万円増加し、70億39百万円となりました。主な増加は、支払手形及び買掛金7億82百万円、短期借入金5億43百万円、未払法人税等5億46百万円であります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ22億75百万円増加し、59億61百万円となりました。主な増加は、長期借入金17億38百万円であります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ46億14百万円増加し、130億1百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ49億42百万円増加し、436億61百万円となりました。主な増加は、為替換算調整勘定22億80百万円、親会社株主に帰属する当期純利益16億42百万円であり、主な減少は、剰余金の配当6億63百万円であります。
この結果、自己資本比率は74.8%(前連結会計年度末は82.2%)となりました。
(ロ)経営成績
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は384億23百万円(前年同期比24.7%増)となりました。売上高が増加したことにより、営業利益は44億16百万円(同94.7%増)となりました。経常利益は46億39百万円(同81.4%増)となりました。吉野川電線株式会社の株式を取得し連結の範囲に含めたことによる負ののれん発生益が4億39百万円、投資有価証券の売却により投資有価証券売却益が5億72百万円、減損損失が24億71百万円発生したことにより、当連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純利益は16億42百万円(同18.9%減)となりました。
主なセグメント別の業績の概要は、以下のとおりです。
(電線・加工品)
車載用ケーブルは新規量産品により売上が堅調に推移しました。エネルギー産業関連ケーブルは北米市場の旺盛な需要等を背景に好調に推移しました。半導体検査装置用ケーブルは復調傾向にあります。医療用ケーブルは新製品が堅調な推移をみせました。産業機器用ケーブルは、2025年7月の吉野川電線株式会社の連結範囲への追加とFA分野の一部回復傾向を受け増加しました。以上により、売上高は335億20百万円(前年同期比27.9%増)となりました。売上の増加等により、セグメント利益は44億41百万円(同101.0%増)となりました。
(電子・医療部品)
電子の分野では、ネットワーク機器において専門用途品の好調な推移に加え、第2四半期までの大型OEM案件により増加しました。医療部品の分野においては、得意先在庫調整の影響もあり売上が減少しました。以上により、売上高は48億76百万円(前年同期比7.0%増)となりました。売上が増加したことによりセグメント利益は9億6百万円(同0.6%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の獲得36億46百万円、投資活動による資金の支出19億23百万円、財務活動による資金の獲得15億29百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額の増加が10億60百万円となり、期首に比べ43億13百万円増加し、151億16百万円(前連結会計年度比39.9%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、36億46百万円の資金の獲得(前連結会計年度は38億88百万円の資金の獲得)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益31億79百万円であり、主な減少要因は、棚卸資産の増加額22億87百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、19億23百万円の資金の支出(前連結会計年度は22億42百万円の資金の支出)となりました。主な増加要因は、定期預金の払戻による収入54億8百万円であり、主な減少要因は、定期預金の預入による支出51億77百万円、有形固定資産の取得による支出16億47百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、15億29百万円の資金の獲得(前連結会計年度は9億12百万円の資金の支出)となりました。主な増加要因は、長期借入による収入40億円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出17億18百万円、配当金の支払額6億63百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
電線・加工品(百万円)25,730133.7
電子・医療部品(百万円)4,128101.7
報告セグメント(百万円)29,859128.1
その他(百万円)--
合計(百万円)29,859128.1

(注)金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
(ロ)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
受注高前年同期比(%)受注残高前年同期比(%)
電線・加工品(百万円)39,126146.911,384197.0
電子・医療部品(百万円)4,70495.81,68490.7
報告セグメント(百万円)43,830138.913,069171.2
その他(百万円)2156.0450.9
合計(百万円)43,851138.813,074171.0

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
(ハ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
電線・加工品(百万円)33,520127.9
電子・医療部品(百万円)4,876107.0
報告セグメント(百万円)38,396124.8
その他(百万円)2680.5
合計(百万円)38,423124.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
Premier PV, LLC--3,97910.4

(注)前連結会計年度においては当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容
当社グループの経営成績は、電線・加工品、電子・医療部品における需要変動及び銅・石油価格等の変動、ま
た、当社グループが関わる製品群の多様化・短命化、価格競争の激化、顧客のグリーン調達強化等により影響を受けます。これらの状況を踏まえ、主に付加価値の高い製品は国内生産、量産品は海外生産と分業体制の強化、環境負荷物質のシステム管理体制の確立、高成長や安定した収益が見込まれる分野への経営資源の戦略的投入等により、競争力・収益力向上に努めております。
なお、今後の見通しにつきましては、米国関税政策の見直しや中東情勢の緊迫化に伴う原油・石油化学製品の価格の上昇、供給不安など、先行きの不透明感が一段と増しております。
当社の関連する市場においては、デジタル化・AIの進展により大量のデータ通信を必要とする分野の拡大が加速しています。通信インフラの高度化も進む中、当社の高速かつ安定した伝送特性を持つ通信ケーブルはIoT機器の接続に不可欠な役割を果たしています。また、自動車市場では電装化の進展、ADAS機能の向上により、車載用ケーブルは引き続き堅調な推移が見込まれます。産業分野における工場の自動化、医療分野における分析技術の高度化など、優れた耐久性や信頼性により当社のケーブルが重要な役割を担う領域が広がり続けています。北米では脱炭素の取り組みとしてだけでなく、旺盛な電力需要のもとメガソーラー発電所の建設が進んでおり、当社のエネルギー産業関連ケーブルの需要も引き続き見込まれます。
a.経営成績の分析
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、売上高、営業利益、経常利益等を重要な経営指標としております。
車載用ケーブルは新規量産品により売上が堅調に推移しました。エネルギー産業関連ケーブルは北米市場の旺盛な需要等を背景に好調に推移しました。半導体検査装置用ケーブルは復調傾向にあります。医療用ケーブルは新製品が堅調な推移をみせました。産業機器用ケーブルは、7月の吉野川電線株式会社の連結範囲への追加とFA分野の一部回復傾向を受け増加しました。
電子の分野では、ネットワーク機器において専門用途品の好調な推移に加え、第2四半期までの大型OEM案件により増加しました。医療部品の分野においては、得意先在庫調整の影響もあり売上が減少しました。
以上の結果、売上高は384億23百万円(前連結会計年度比24.7%増)となりました。
売上総利益は、売上増加により99億32百万円(同37.5%増)となりました。
営業利益は、44億16百万円(同94.7%増)となりました。
経常利益は、46億39百万円(同81.4%増)となりました。
特別利益には、吉野川電線株式会社の株式を取得し連結の範囲に含めたことによる負ののれん発生益が4億39百万円、投資有価証券の売却により投資有価証券売却益が5億72百万円が含まれております。
特別損失には、減損損失が24億71百万円含まれております。
この結果、税金等調整前当期純利益は31億79百万円(同26.2%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、16億42百万円(同18.9%減)となりました。
b.財政状態の分析
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況」の「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
c.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況」の「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
d.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主な資金需要は、運転資金及び設備投資資金等であります。これらの資金につきましては営業活動による収入のほか、安定的な支払能力を確保するため、資金繰りの状況や金融情勢を勘案し、銀行からの借入れにより調達しております。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、さまざまな項目について会計上の見積りを行う必要がありますが、特に以下の事項は、会計上の見積りの判断が当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(棚卸資産の評価)
当社グループは、棚卸資産を収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により評価しております。当社は見込み生産を行うことがあり、保有期間が長期にわたる棚卸資産は、販売可能性等を勘案して評価損を見積り計上しております。これらの見積りは、将来の不確実な経済環境や顧客ニーズの変化により影響を受ける可能性があります。当連結会計年度末における棚卸資産の簿価は11,030百万円であります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち想定していた収益が見込まれなくなった事業用資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する方針であります。
当連結会計年度において減損損失(2,471百万円)を計上いたしました。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、翌連結会計年度において追加の減損処理が必要となる可能性があります。

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