有価証券報告書-第77期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 15:30
【資料】
PDFをみる
【項目】
107項目

事業等のリスク

将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社が入手可能な情報等に基づいて判断したものであります。また、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、当社が必ずしも重要なリスクとは考えていない事項であっても、事業等のリスクを理解する上で投資家にとって参考となる情報は記載しております。
① 事業環境について
当社グループが関わる事業分野における製品の多様化/短命化に対し、当社グループは、製造/販売/技術一体となり、マーケット密着提案型で、マーケットニーズの先取りを図ることにより、対応いたしております。
また、海外品台頭による価格競争が激化している電源コード等の分野におきましては、中国を主とした海外生産への移管によるコスト削減/品質の強化の徹底により、対抗いたしております。なお、価格競争力のある高機能/高精度のケーブル等は国内生産、量産品は海外生産とグループ内分業体制は進んでおり、今後も同体制を強化することにより、マーケットニーズに対応いたしてまいります。
顧客のSCM対応による小ロット/短納期要請に対しては、EDI(電子データ交換)、VMI(納入業者在庫管理)等を受け入れ、顧客ニーズの充足に努めております。顧客のグリーン調達に対する環境負荷物質管理については、製品の含有物質や材料調達先まで追跡できる管理システムを構築いたしております。
しかしながら、当社グループが関わる情報通信/半導体製造装置/放送/医療分野等における技術の進歩は激しく、顧客の購買政策の変化等が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
② 銅/石油製品の価格変動が業績に与える影響について
当社グループは、電線ケーブル等銅を主たる原材料とした製品を有しています。これらの製品の販売価格については、ロンドン金属取引所の市況価格を反映した銅建値に基づいて決定するという商習慣が広く普及しており市況価格変動リスクがあります。なお、銅の購入方法は、毎月末に必要数量を主要メーカー複数社等と価格交渉し、その時点で、一番安い価格を提示したメーカー等から購入しております。
石油化学製品類の原材料や副資材の調達については、当社の使用する代表的な非鉛PVCコンパウンドは自社配合品であり、当社の主要な購入先(海外関係会社含む)から適切なる価格で安定的に供給されております。
しかし、中長期にわたる市況価格上昇は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 為替レートの変動が業績に与える影響について
当社グループは、実需の範囲内でヘッジ取引を行い、外貨建取引における為替変動リスクの排除に努力いたしておりますが、完全に回避することは、困難であります。また、ヘッジ取引の一部は、時価法を採用いたしております。従って、為替レートの変動は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの在外連結関係会社は、主に現地通貨建で個別財務諸表を作成しておりますが、連結財務諸表作成に際しては、円換算いたしております。従って、換算時の為替レートにより、個別財務諸表の各項目の現地通貨における価値が変わらなくとも、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
④ 法的規制について
当社グループは、日本国内のみならず事業展開する各国において、事業の許認可、国家安全保障、独占禁止、通商、為替、租税、特許、環境等、様々な法的規制を受けております。
当社グループは、これらの法的規制の遵守に努めておりますが、将来これらの法的規制を当社グループが遵守できない場合、また、当社グループの営む各事業の継続に影響を及ぼすような法的規制が課せられる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
特に、当社グループは、電気用品安全法の適用を受ける製品を製造販売しております。受検漏れのないように関係法令の遵守に向けた対応として、業務マニュアルや関連資料の整備、並びに年度計画に基づく受検業務を実施しておりますが、万が一、受検漏れが発生した場合、品質上の問題はありませんが、該当製品の出荷停止及び回収(廃棄)となり、かつ顧客の信用が失われ、業績に影響を及ぼす可能性もあります。
⑤ 中国における事業リスクについて
当社グループは、中国に複数の生産拠点を有し、当社グループ主要製品の年生産高の4割強を生産いたしております。その為、投資/金融/輸出入に関わる法制の変更、外資系企業に適用される法人税/増値税等の税制変更等は、当社グループの生産/事業運営に支障をきたす可能性があります。中国における当社グループ連結関係会社の米ドル建債権/債務、及び同売上(輸出)/仕入(輸入)は、元切り上げにより、影響を受ける可能性があります。
⑥ 事故・災害に係るリスクについて
当社グループは、全ての生産設備を対象に定期的な設備点検を行っております。しかしながら、生産設備で発生する火災や停電を完全に防止することはできません。したがって、それらの起因による操業停止の可能性があります。
こうした災害に遭遇した場合、製品製造ができなくなり、顧客への製品納入の遅延、売上の低下及び修復費用等により、当社グループの業績に影響する可能性があります。
⑦ 製品の欠陥について
当社グループは、日本国内及び事業展開する各国において認められている品質管理基準に従って製品を製造しておりますが、将来にわたって全ての製品に欠陥が無く、製造物賠償責任請求及びリコール等に伴う費用が発生しないという保証はありません。当社グループは、製造物賠償責任請求については保険に加入しておりますが、最終的に負担する賠償額を全て賄えるという保証はなく、製品の欠陥が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 知的財産に係るリスクについて
当社グループは、製品等の開発、製造、販売、その他事業活動により、第三者の知的財産権を侵害しないよう、製品設計段階における特許調査等により、細心の注意を払っております。
一方、特許権、意匠権、その他知的財産権の取得により、当社グループが蓄積してきている特徴ある技術、ノウハウの保護に努めております。しかしながら、製品の精密化、製品技術の多様化、海外での事業活動の拡大等により当社グループの製品が、意図せず第三者の知的財産権を侵害した場合、販売差し止め、設計変更等に伴うコストにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。一方、第三者による当社グループの知的財産権侵害を完全に防止する事ができない可能性もあり、その場合、当社グループ製品が十分なる市場を確保できない可能性があります。また、当社グループが、製品を製造する場合、第三者の知的財産権が必要となる可能性もあり、その場合、不利な条件でのライセンス受容の可能性もあります。
⑨ 研究開発(新商品開発)について
当社グループは、今後成長が期待できる新規分野を慎重に選択し、人的・物的資源を継続的に投入し、新規製品開発を推進いたしております。
しかしながら、市場のニーズに合致し、資源の投入に見合った付加価値を生む魅力ある製品を継続的に開発できる保証はありません。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性もあります。