有価証券報告書-第127期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/29 13:42
【資料】
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【項目】
144項目

研究開発活動

当社グループの研究開発活動は主に当社が一括して行っております。当社の研究開発活動は、開発部においては当社コア技術を応用して追求分野を広げ新製品の開発・新規事業化を行っており、各事業部においては新機能を追求した新製品、新技術の開発活動を行っております。
なお、当年度中に支出した研究開発費は、1,313百万円であります。
研究開発の概要
<プレス関連製品事業>自動車向けプレス部門については、カーボンニュートラル達成に向けた取り組みとして、プレス部品の高強度化による軽量化を進めております。プレスに適用する冷間ハイテン材としては最高強度となる1470MPa材については、適用部品を拡大すべく様々な材料の適用技術開発を進めております。ホットスタンプについては、更なる高強度材の適用技術開発が完了し、量産化準備を行っております。また、構造解析技術を適用することで、車体全体の強度の最適化提案を行い車体の軽量化に貢献しております。
<定温物流関連事業>冷凍機器部門については、自社保有技術であるヒートポンプ加温装置の付加価値を高めるため、冷凍車コンテナを急速に乾燥させ配送効率を向上させる庫内乾燥モードを開発し2022年4月より販売を開始しました。環境配慮型冷凍装置については、電動化の開発が進む商用トラックに対応するため電動冷凍装置のラインナップ化および車両との協調制御を行う通信ソフト開発を進めており、EV・HV・燃料電池車の市場評価を各トラックメーカーと進めております。冷凍コンテナについては、ボタン操作でドアを開錠可能な電子錠の開発を進めており、市場での実用評価中であります。航空輸送用カーゴコンテナについては、既に販売中の2機種に続き、今年度中に更に1機種のコンテナをラインナップに加える予定であります。引き続き、お客様のニーズに沿った商品開発を推進していきます。
<その他事業>空調機器部門については、昨年市場投入しました住宅向けマルチ換気ユニット「デシトップマルチベント」に続き、送風・ヒートポンプ・デシカント等、自社保有技術を活かした住宅の快適性向上に繋がる空調製品を開発中であります。また、ビル・工場向け空調製品では、既存製品をより一層の省エネ化へ繋げる開発を展開中であります。
電子機器部門については、主力商品で多くのお客様からご支持をいただいておりますREALFORCEブランド製品の拡充として、新しい機能を追加した商品や、新しいデザインの商品を企画し、開発を進めております。さらに、標準仕様の組込型セキュリティPINパッドをバージョンアップし、既存ATMメーカーでの継続採用や、精算機などへの採用に向けた開発、および、長年培ってきた組込技術を活かし、お客様の仕様に対応した組込型タッチパネルモニターや、組込型キーボードの開発など、お客様のニーズに沿った商品開発を進めております。また、自社保有技術である静電容量技術を応用した新製品の開発や市場の開拓を展開しております。
<開発部>開発部については、冷熱技術、電子技術等の自社保有技術に新技術を加え、新規事業の創出及び既存事業の拡大に繋がる商品の開発を行っております。新規事業の創出では、農業用水や工場用排水の未利用エネルギーを利用したナノ水力発電システムの製品化を目標に官民連携事業を展開しております。冷凍・空調機器関連では、工場や物流倉庫の環境改善を狙った大型シーリングファンの開発から実用化を目標にフィールド検証を展開しております。電子機器関連では、アナログセンシング技術を応用した電子ピアノ用鍵盤の実用化を目標に展開しております。また、脱炭素社会に向け、ノンフロンの冷熱商品の商品化に向け基礎データの蓄積を展開しております。