有価証券報告書-第109期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 15:40
【資料】
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【項目】
158項目
(株式会社の支配に関する基本方針)
2020年3月10日開催の取締役会において、適正ルールの継続の是非について検討した結果、適正ルール導入後の当社を取り巻く経営環境の変化、買収防衛策をめぐる近時の動向等を踏まえ、適正ルールの必要性が相対的に低下してきているものと判断し、適正ルールを継続せず、有効期間満了をもって廃止することを決議いたしました。
なお、適正ルール廃止後も、当社株式の大量買付け行為を行おうとする者に対しては、大量買付け行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法及びその他関係法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社グループは、熱処理技術を中核とし、常に新商品・新事業の開発を進めることにより、社会の発展に貢献することを企業理念に掲げております。この理念に沿って、株主の皆様から経営についての負託を受けた当社取締役会は、当社の財務及び事業の方針を決定するにあたり、中長期的な視点から経営戦略を立案・実行し、当社グループの競争力・収益力を向上させることにより、企業価値、ひいては、株主共同の利益の向上を目指すことが株主の皆様に対する責務であると考え、これを実行してまいりました。
他方、当社の財務及び事業の方針の決定に関する支配権の交代を意図する者(以下「買収提案者」といいます。)が現われた場合には、そのような者を受け入れるか否かの最終判断は、株主の皆様に委ねられるべきものと考えております。しかしながら、株主の皆様が、買収提案者の提案が当社の企業価値を最大限に反映しているものか否かを適切に判断することは必ずしも容易ではありません。特に、当社株式の急激な大量買付け行為が行われ、株主の皆様に十分な情報も時間も与えられない状況下で判断を迫られるような場合には、適切な判断を行うことは極めて困難であることが予想されます。したがいまして、当社取締役会は、買収提案者の提案について、その提案がなされた時点における株主の皆様が十分な情報を相当な検討期間に基づいた適切な判断(インフォームド・ジャッジメント)を行えるよう、合理的なルールを予め策定し、これによって、株主の皆様が当社の企業価値の最大化された利益を享受できるようにすることが、当社取締役会の責務であると考えております。もとより、このようなルールは、取締役が自己の地位の維持を図るなど、取締役会による恣意的判断の入る余地のない公正で透明性の高いものでなければなりません。
② 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、買収を行おうとする者が具体的買付け行為を行う前に経るべき手続きを明確かつ具体的に示した「株式の大量買付けに関する適正ルール(「株主意思確認型」買収防衛策)」(以下「適正ルール」といいます。)を2007年11月15日開催の取締役会の決議により導入して以来、更新を重ねながら維持してまいりましたが、その信頼性・法的安定性を一層高めるべく、適正ルールの導入・更新等について株主意思の確認を行う仕組みに変更することとし、2017年6月28日開催の第106回定時株主総会で株主の皆様にご承認いただきました。
適正ルールは、当社取締役会が代替案を含め買収提案を検討するため、必要な情報と相当な期間を確保することにより、株主の皆様が買収提案に関し、インフォームド・ジャッジメント(必要な情報と相当な検討期間に基づいた適切な判断)を行えるようにすることを目的としており、当社の株券等を20%以上取得しようとする者(買収提案者)がいる場合、買収提案者の買収提案が適正ルールに定める要件(必要情報及び検討期間)を満たすときは、その時点における株主の皆様が、対抗措置である新株予約権の発行(無償割当てを含む。以下同じ)の可否に関し、直接判断を下す仕組みを定めております。
適正ルールに基づく新株予約権の発行は、①買収提案者が適正ルールに定める手続きを無視した場合、②株主の皆様が新株予約権の発行に賛同した場合に限られます。
また、当社は、当社の社外取締役又は社外監査役の中から当社取締役会の決議に基づき選任される3名の者により構成される委員会(適正ルールにおいて「独立委員会」といいます。)を設置しております。独立委員会は、当社取締役会が新株予約権の無償割当てを決議しようとする場合に、当社取締役会の諮問に応じて意見を述べるものとしております。
当社は、当該適正ルールを2017年5月11日付「株式の大量買付けに関する適正ルール(買収防衛策)の変更に関するお知らせ」として公表しております。
③ 上記取り組みについての取締役会の判断
適正ルールは、買収提案がなされた場合に対抗措置(新株予約権の発行)を発動するか否かを株主の皆様に必要な情報と相当な検討期間に基づき判断していただくためのルール及び手続きを定めたものです。
適正ルールは、買収提案を受け入れるか否かの最終的な判断を当社株主の皆様に委ねることにより、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を図るものであり、当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
以上から、当社取締役会は、適正ルールが上記「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」に沿うものであると判断しております。
④ 適正ルールの有効期間
適正ルールの有効期間は、2017年6月28日から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとします。当社は、株主総会の際に出席株主の議決権の過半数の賛同を得たうえで、適正ルールの有効期間を3年間更新することができるものとし、その後も同様とします。