有価証券報告書-第99期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 15:43
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【項目】
114項目

業績等の概要

(1) 業績
≪全般的概要≫
[経済及び事業環境]
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境は改善しましたが個人消費が伸びず、景気は緩やかな回復に止まりました。海外では、中国経済の減速の影響はアジア新興国を始め周辺国経済に及びましたが、欧州では個人消費が経済を下支えし、米国でも雇用や所得環境の改善により、緩やかな景気回復が続きました。
当社グループの主な事業領域である自動車業界では、国内市場は軽自動車の販売が大きく落ち込むなど新車販売台数は前年度を下回る結果となりました。一方、世界市場では中国や景気回復が続く米国では高い需要を維持しました。
[連結業績]
このような環境の下、当社グループは自動車関連部品では米国・中国での販売が大幅に増加し、プリンター関連はベトナム・タイで伸長した結果、売上高はHDD用サスペンションの需要減少を吸収し367億30百万円(前年度比2.6%増)となりました。営業利益はHDD用サスペンションの減収に加え、メキシコ子会社の量産準備費用増や不採算製品の受注量増等により21億13百万円(同17.4%減)となりました。また第4四半期の急激な円高による為替差損や海外合弁会社の立上げ遅れに伴う持分法投資損失が発生し、経常利益は15億22百万円(同54.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億42百万円(同51.4%減)となりました。
≪製品区分別の売上業績≫
製品区分の名称前連結会計年度当連結会計年度
自 平成26年4月1日自 平成27年4月1日増 減
至 平成27年3月31日至 平成28年3月31日
金 額構成比金 額構成比金 額前期比
百万円%百万円%百万円%
自動車関連部品24,74369.126,66972.61,9267.8
精密機能材料4,29912.04,18511.4△113△2.6
精密機能部品20,44357.122,48461.22,04010.0
電子情報通信関連部品10,71229.99,92727.0△784△7.3
サスペンション4,90713.73,79910.3△1,107△22.6
プリンター関連3,87510.84,29611.742110.9
デジトロ精密部品1,9295.41,8305.0△98△5.1
その他製品3611.01330.4△227△62.9
合 計35,816100.036,730100.09142.6

[精密機能材料]
精密機能材料は、国内販売は減少しましたが、堅調な海外向け販売と円安効果により、売上高は前年同水準の41億85百万円となりました。
[精密機能部品]
精密機能部品は、国内では自動車販売台数低迷の影響を受けましたが、海外拠点の販売はエンジン用やミッション用部品を中心に好調に推移しました。結果として、売上高は224億84百万円(前年度比10.0%増)となりました。
[サスペンション]
サスペンションは、第2四半期以降HDD需要が回復しなかったことや新製品の立上げ遅延等により、売上高は37億99百万円(前年度比22.6%減)となりました。
[プリンター関連]
プリンター関連は、香港子会社では販売不振が続きましたが、ベトナム及びタイ子会社のローラー販売が好調を維持し、売上高は42億96百万円(前年度比10.9%増)となりました。
[デジトロ精密部品]
デジトロ精密部品は、日本国内でのOA機器用部品や北米子会社での光通信部品の販売が低迷したため、売上高は18億30百万円(前年度比5.1%減)となりました。
≪セグメント別の業績≫
[日本]
自動車関連部品は新車販売台数が低迷した影響を受けましたが、弁ばね材料等の輸出販売は底堅く推移しました。またサスペンションはHDD需要の低迷、新製品の立上げ遅延等により前年を大きく下回りました。
結果として、売上高は258億円(前年度比3.8%減)となり、営業利益もサスペンションの減収や不採算製品の原価改善が遅延したこと等により19億79百万円(同25.9%減)となりました。
[北米]
光通信部品の販売低迷の影響はあったものの、高需要が続いた自動車市場を背景にエンジン用やミッション用の部品販売が伸長し売上高は前年を大幅に上回りました。利益面では増収効果やコスト改善等がありましたが、メキシコ子会社の量産準備費用が膨らみました。
結果として、北米セグメントの売上高は48億40百万円(前年度比30.7%増)、セグメント損失は2億28百万円(前年度は95百万円のセグメント損失)となりました。
[アジア]
タイとベトナム子会社のプリンター用ローラーの販売は伸長しましたが、香港子会社のプリンター及びデジトロ関連部品は低調な状況が続きました。自動車関連は中国子会社ではエンジンやミッション用の部品販売が高水準を維持し、タイ子会社でも堅調でした。
この結果、アジアセグメントの売上高は94億16百万円(前年度比17.0%増)、セグメント利益は増収効果と製造ライン見直し等の原価改善により10億49百万円(同61.6%増)と大幅な増収増益となりました。
(2) キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ17億89百万円減少し、当連結会計年度末には74億66百万円となりました。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動によるキャッシュ・フローは、29億96百万円の収入(前年度比3億82百万円の収入減)となりました。主な増加要因としては、税金等調整前当期純利益(17億43百万円)、減価償却費(23億26百万円)があり、主な減少要因としては、法人税等の支払額(11億94百万円)、たな卸資産の増加(5億47百万円)があったこと等によります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動によるキャッシュ・フローは、42億74百万円の支出(前年度比5億80百万円の支出減)となりました。これは主に固定資産の取得による支出(41億33百万円)及び関係会社株式の取得による支出(3億25百万円)があったことによります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動によるキャッシュ・フローは、2億21百万円の支出(前年度比98百万円の支出増)となりました。これは主に、配当金の支払(5億71百万円)に対し、リース関連取引により純収入(2億1百万円)等があったことによります。