有価証券報告書-第97期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/25 16:08
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【項目】
122項目

業績等の概要

(1) 業績
≪全般的概要≫
[経済及び事業環境]
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府・日銀の各種デフレ経済施策等による円高基調からの脱却が企業の業績改善に一定の効果をもたらし、緩やかに雇用環境や個人消費にも波及しました。
一方、世界経済では、米国経済において年度終盤に寒波の影響等があったものの総じて堅調な推移となりました。欧州経済は内需の持ち直しで長期的な景気後退局面は脱したと見られますが、失業問題など不安を一掃できるものではありませんでした。中国経済は一時期の高成長に比べ鈍化しましたが安定成長となりました。アジア新興国経済は、中国経済の成長鈍化やタイの政情不安の深刻化による民需低迷などが影響したため全体として経済成長は減速しました。
このような環境の下、当社グループは生産拠点の現地化を実施し生産活動の最適化を図るなど、経営の効率化と原価低減活動に注力しました。
[連結業績]
この結果、当社グループの連結売上高は342億82百万円(前年度比9.3%増)、連結営業利益は31億27百万円(同46.3%増)、連結経常利益37億57百万円(同37.1%増)、連結当期純利益は24億98万円(同33.8%増)となりました。
≪製品区分別の売上業績≫
製品区分の名称前連結会計年度当連結会計年度
自 平成24年4月1日自 平成25年4月1日増 減
至 平成25年3月31日至 平成26年3月31日
金 額構成比金 額構成比金 額前期比
百万円%百万円%百万円%
精密機能材料3,97512.73,98911.6130.3
精密機能部品18,01657.519,98458.31,96710.9
サスペンション4,09213.04,22112.31293.2
プリンター関連3,18710.23,87911.369221.7
デジトロ精密部品1,9096.12,0846.11749.1
その他製品1770.51220.4△54△30.8
合 計31,360100.034,282100.02,9229.3

[精密機能材料]
弁ばね用の線材は受注旺盛で、当年度もフル操業で生産しましたが、前年度に比べ相対的に自社加工向けが増加し、外部販売向けが減少したため、売上としては円安効果による輸出採算改善程度に留まりました。加えて精密異形材料が低調な推移となりましので、売上高は前年同水準の39億89百万円となりました。
[精密機能部品]
米国子会社は前年と同水準となり堅調な売上を維持しました。中国子会社では9月以降の日本車需要の回復を受けて好調な売上となりました。タイ子会社では第1四半期間には新車購入政策効果がありエンジン関連部品の売上が伸張し、プレス部品も売上に貢献しました。日本国内は、新規のミッション関連部品、エコカー関連部品や安全装置用部品を中心に概ね売上を伸ばしました。円安効果もあり、売上高は199億84百万円(前年度比10.9%増)となりました。
[サスペンション]
HDD用サスペンションは、依然としてパソコン需要低迷の影響を受け出荷量が伸び悩みましたが、主に輸出取引のため円安効果により、売上高は42億21百万円(同3.2%増)となりました。
[プリンター関連]
タイ子会社では顧客の生産調整もあり伸び悩みました。香港子会社では堅調を維持し、ベトナム子会社はチューブローラーが好調に推移しました。結果として、売上高は円安効果もあり38億79百万円(同21.7%増)となりました。
[デジトロ精密部品]
米国及び香港子会社での光通信部品の販売は年度後半は減速しましたが、前半は好調に推移していたため売上高は20億84百万円(同9.1%増)となりました。
≪セグメント別の業績≫
[日本]
自動車関連製品のうち、材料製品は円安効果による輸出採算の改善に留まりましたが、機能部品ではミッション、安全装置及びエコカー関連製品の売上が伸張しました。HDD用サスペンションの売上は依然としてパソコン需要の低迷が続き低調でしたが、円安効果により売上高は増加しました。プリンター関連製品及び光関連を始めとするデジトロ精密部品は、製造及び販売の海外子会社移管を進めた結果売上は減少しましたが、IT製品の検査用部品の売上は伸張しました。その結果、売上高は260億43百万円(前年度比2.5%増)となり、セグメント利益は28億10百万円(同23.1%増)となりました。
[北米]
米国子会社では、光通信部品の売上は年度後半に減速しましたが前半が好調であったため前年を上回り、また自動車関連製品も業界の堅調な回復によりエンジン関連部品を中心に売上が伸びました。結果として、円安効果もあり、売上高は33億69百万円(同29.1%増)、セグメント利益は95百万円(同143.6%増)となりました。
[アジア]
香港子会社では、光通信部品が売上を牽引し、プリンター関連製品は概ね堅調な推移となりました。ベトナム子会社では、軽量のチューブローラーが好調に推移しました。タイ子会社では、第1四半期に新車購入政策等があり自動車用エンジン部品やプレス部品が順調に伸び、顧客の生産調整の影響を受けたプリンター関連製品の落ち込みをカバーしました。また自動車用部品の製造を担っている中国子会社では、2013年9月以降に中国での日本車需要も回復し、エンジン及びミッション用部品の売上が伸張しました。結果として、円安効果も加わり、売上高は77億20百万円(同29.1%増)、セグメント利益は6億93百万円(同135.9%増)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ18億76百万円増加し、当連結会計年度末には104億9百万円となりました。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動によるキャッシュ・フローは、45億15百万円の収入(前年度比9億19百万円増)となりました。主な増加要因としては、税金等調整前当期純利益(36億84百万円)、減価償却費(19億81百万円)、売上債権の減少(2億7百万円)があり、主な減少要因としては、法人税等の支払額(9億57百万円)があったこと等によります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動によるキャッシュ・フローは、21億29百万円の支出(前年度比5億96百万円減)となりました。これは主に固定資産の取得による支出(19億23百万円)及び韓国での合弁事業参画に伴う関係会社株式の取得による支出(2億34百万円)があったことによります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動によるキャッシュ・フローは、8億76百万円の支出(前年度比2億55百万円増)となりました。これは、主に配当金の支払(4億77百万円)と短期借入金の返済(3億18百万円)による支出があったことによります。