有価証券報告書-第97期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/25 16:08
【資料】
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【項目】
122項目

研究開発活動

当社は、Fine Precision Products(超精密機能製品)の機能拡大を通じてお客様の問題解決を図り、事業を拡大することを使命ととらえ、①精密塑性加工技術をコアに機能材料から一貫した高精度製品を拡大する、②高精度精密部品に電子・光部品を摺り合わせた製品を開発する、③ユニット製品にソフトを付加した製品を開発することを通じて自動車、情報・デジタル製品、光通信のグローバル市場での事業拡大を目指します。
なお、当連結会計年度の研究開発活動に要した費用は、7億35百万円であり、主な研究開発の成果は下記の通りであります。費用は、品種別に対応させることが困難なため、総額で記載しております。
また、下記は主な製品区分ごとに記載し、対応セグメントは( )書きしております。
(1) 開発グループ(日本)
◎ソーラー発電用シリコン切断ワイヤーの開発
再生エネルギーの需要が高まる中、太陽電池用シリコンウエハ切断用のダイヤモンド電着ワイヤーの開発を行っています。2014年度からの台湾及び国内スライシングメーカーへの販売に向けPR活動を進めています。
◎歩行リハビリ支援ロボットの開発
「リハビリテーション用能動型膝関節アシスト装具(KAI-R)」として2017年医療機器登録を目指し申請の準備を開始しました。また、KAI-Rの技術を応用し、京都大学COIプログラムである「トレーニング支援機能を有する装着型運動支援機器」の開発を2014年度から開始します。
(2) 精密機能材料(日本)
◎高品質ピストンリング材の開発
自動車の燃費、性能向上のため、ピストンリング材には益々高い表面品質が要求されています。これに対応するため、異形伸線に必要なスケール除去及び皮膜処理技術の改善を行い、微小欠陥が少なく表面性状に優れた異形線を開発しました。今後より一層推進される自動車のモジュール化設計に対応した次世代のピストンリングへの適用を進めていきます。
(3)精密機能部品(日本)
◎新可変動弁機構用ぜんまいの開発
次世代エンジンの新可変動弁機構部品向けに、弁ばねと同等の高品質を有する異形断面材を用いたぜんまいばねの開発を行っておりましたが、国内外自動車メーカーでの採用が決定し、2014年5月から量産を開始しました。
◎シートベルトリトラクター用高反発ぜんまいの開発
異形圧延の技術とぜんまい強加工との組み合わせにより、反発力を現行比10%高めることが出来ました。これにより,ぜんまい材の薄板化と全長削減により重量軽減を図ることができ大幅なコスト低減が可能となります。2014年度の量産化を目指し、客先と開発を開始しました。
(4) サスペンション(日本)
◎マイクロアクチュエータ搭載サスペンションの開発
今後の更なる磁気ヘッド位置決め精度の向上に対応できる次世代マイクロアクチュエータ搭載サスペンションの要素技術の開発を行いました。アクチュエータ素子実装プロセスの基本技術を確立するとともに、HDDに搭載可能な信頼性を確保することができました。2014年度には量産プロセスを確立し、2015年度第2四半期に量産を開始する計画です。
(5) プリンター関連(日本)
◎インクジェットプリンター用鋼管製紙送りローラーの生産拡大
お客様に幅広くご使用いただいている「インクジェットプリンター用鋼管製紙送りローラー」について、高精度鋼管のインライン製造装置を増設致しました。すでに最終の量産品質確認まで進んでおり、2014年度の量産化を目指します。