四半期報告書-第91期第1四半期(平成28年4月1日-平成28年6月30日)

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2016/08/10 11:43
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
1 提出会社の代表者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、これまでの企業収益の改善や個人消費の底堅い動きによる景気の緩やかな回復基調から、現在は中国をはじめとした新興国経済の後退懸念や、米国の利上げ、原油安、直近の英国のEU離脱の動きなどの世界経済への影響により、為替や株価の激しい変動が続いており、先行き不透明な状況が継続しております。
このような経営環境の下、当社グループは、受注の積み上げ、販路拡大に向けた営業力の強化、及び一層のコスト削減、生産性の向上に取り組んでまいりました。
その結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績につきましては、売上高は729百万円(前年同四半期比45.1%減)、営業損失は95百万円(前年同四半期は営業損失46百万円)、経常損失は105百万円(前年同四半期は経常損失56百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は147百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失55百万円)となりました。
なお、セグメント別では、当社グループは、1工場で工作機械の製造を行い、販売するという単一事業を展開しております。
そこで、セグメント別の「工作機械事業」としては、上記のとおりですが、以下「機種別」に市場動向、販売状況等を補足させていただきます。
① ラップ盤
デジタル家電向の設備投資は、一部の水晶加工用設備の需要は、堅調に推移したものの、国内外のLT基板加工用設備の新規投資は、これから本格化しつつあります。
また、その他の新素材のSiC・GaN等の加工用設備についても、国内外からの引き合いは増えつつありますが、受注成約までは時間がかかっており、売上高は148百万円(前年同四半期比74.2%減)となりました。
② ホブ盤、フライス盤
ホブ盤では国内の釣具関連の加工用設備と、海外においては中国の自動車関連の部品加工用設備に需要があり、フライス盤では国内での金型材料・一般材料加工用設備に需要があったものの、東アジア圏の需要が伸びず、売上高は328百万円(前年同四半期比36.1%減)となりました。
③ 部品、歯車
光学ガラス・一部半導体加工用設備向の消耗部品販売は堅調に推移し、HDD加工用設備向既納機械の消耗部品販売の落ち込みはあるものの、売上高は252百万円(前年同四半期比5.2%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
(流動資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産の残高は3,707百万円で、前連結会計年度末に比べ268百万円減少しております。主な増加要因は、たな卸資産の増加160百万円であり、主な減少要因は、受取手形及び売掛金の売上債権の減少424百万円であります。
(固定資産)
当第1四半期連結会計期間末における固定資産の残高は3,225百万円で、前連結会計年度末に比べ43百万円減少しております。投資その他の資産の減少39百万円が主な要因であります。
(流動負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債の残高は4,933百万円で、前連結会計年度末に比べ23百万円減少しております。支払手形及び買掛金の仕入債務の減少22百万円が主な要因であります。
(固定負債)
当第1四半期連結会計期間末における固定負債の残高は917百万円で、前連結会計年度末に比べ110百万円減少しております。長期借入金の減少80百万円が主な要因であります。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産の残高は1,081百万円で、前連結会計年度末に比べ178百万円減少しております。親会社株主に帰属する四半期純損失による利益剰余金の減少147百万円が主な要因であります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 基本方針の内容
上場会社である当社の株式は、株式市場を通じて多数の株主、投資家のみなさまによる自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模な買付等がなされた場合においても、一概に否定するものではなく、最終的には株主のみなさまの自由な意思により判断されるべきであると考えます。
しかしながら、このような大規模な買付行為や買付提案の中には、明らかに濫用目的によるものや、株主のみなさまに株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、対象会社の取締役会や株主のみなさまが買付の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないものなど、不適切なものも少なくありません。
このような大規模な買付行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、経営の基本理念、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。
したがって、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
② 基本方針の実現に資する取り組みの概要
1) 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取り組み
(ⅰ)企業価値・株主共同の利益の向上に向けた取り組み
当社は、創業来の歯車製造機械づくりで築いてきた精密加工技術を活かし、高精度の加工機械を電子・電機関連業界を中心としたお客様へ、ニーズに即応して提供していくことを基本方針としております。
具体的には、ⅰ)ゆるぎない品質の精密機械で産業の発展に貢献する。ⅱ)すべての事業活動において、環境保全に積極的に取り組む。ⅲ)法令の遵守を徹底するとともに、ステークホルダーのより高い満足を得ていく。の3点を掲げ、中長期的な発展・成長を実現するとともに、社会環境や安全性に十分配慮し、より一層の企業価値向上を目指してまいりたいと考えております。
(ⅱ)コーポレート・ガバナンス強化による企業価値・株主共同の利益の向上に向けた取り組み
当社は、経営の透明性・健全性の確保の観点から、コーポレート・ガバナンスは、経営上の重要課題のひとつと認識しております。
経営環境や市場の変化、顧客のニーズにすばやく対応するため、迅速かつ適正な意思決定をはかると同時に、社外取締役を導入する等常に取締役会及び監査等委員会の透明性及び機能自体の向上に努めております。
2) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取り組みの概要
当社は、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取り組みとしての「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下、「本プラン」といいます。)について、平成26年6月27日開催の第88回定時株主総会(以下、「本株主総会」といいます。)において、株主のみなさまのご承認を得て継続しております。
本プランの対象となる当社株式の大規模買付行為とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とするまたは、そのような目的であると合理的に疑われる当社株券等の買付行為、もしくは結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為をいい、係る買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。
本プランにおける大規模買付時における情報提供と検討時間の確保等に関しては、次のとおり一定のルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)を設けており、大規模買付ルールによって、(ⅰ)事前に大規模買付者が当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、(ⅱ)必要情報の提供完了後、対価を現金のみとする公開買付による当社全株式の買付の場合は最長60日間またはその他の大規模買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価・検討等の取締役会評価期間として設定し、取締役会評価期間、また、株主検討期間を設ける場合には取締役会評価期間と株主検討期間が経過した後に大規模買付行為を開始するというものです。
本プランにおいては、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。
ただし、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合、遵守しても当該大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断する場合には、必要かつ相当な範囲で新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款が認める検討可能な対抗措置をとることがあります。
このように対抗措置をとる場合、その判断の客観性及び合理性を担保するために、取締役会は対抗措置の発動に先立ち、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外取締役または社外有識者から選任された委員で構成する独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は対抗措置の発動の是非について、取締役会評価期間内に勧告を行うものとします。
当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。
なお、本プランの有効期限は平成29年6月に開催される当社第91回定時株主総会終結の時までとします。
継続後の本プランの詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイト(http://www.hamai.com)に掲載しております。
3) 具体的取り組みに対する当社取締役の判断及びその理由
本プランは、大規模買付行為が行われる際に、株主のみなさまが判断し、あるいは取締役会が代替案を提案するために必要十分な情報や時間を確保する等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し向上させるための取り組みであり、基本方針に沿うものであります。
また、本プランは、(ⅰ)買収防衛策に関する指針において定める三原則を充足していること及び経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっていること、(ⅱ)当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること、(ⅲ)株主総会での承認により発効しており、株主意思を反映するものであること、(ⅳ)独立性の高い社外者のみから構成される独立委員会の判断を重視するものであること、(ⅴ)デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策でないこと等の理由から、基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものでなく、かつ、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発活動において、発生した研究開発費はありません。
なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループを取り巻く事業環境は、中国をはじめとする新興国経済の減速懸念や、英国のEU離脱決定を契機とした大幅な円高基調の進展等、世界経済全体に景気後退の傾向が見られ、先行きは極めて不透明な状況が継続しております。
そのような経営環境の下、当社グループは、ラップ盤につきましては、電子電機関連業種のスマートフォン等の部材加工に加え、SiCやLT/LN材、GaN等の新素材加工用ラップ盤、自動車関連の金属加工用ファイングラインディングマシンに販売の重点を置き、歯車加工用ホブ盤につきましても、釣具関連向に加え、自動車及び自動二輪車の歯車加工向に販売を強化していく方針は変わりません。
また、金属金型材料加工用のフライス盤につきましても、新製品を投入して販売の強化をはかってまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源につきましては、原則、利益の積み上げにより、利益剰余金を積み立て、自己資本を充実させる方針で対応してまいりました。
また、資金の流動性の確保につきましては、取引金融機関より十分な資金枠の設定をいただいており、手元流動性は問題なき水準にあります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、前連結会計年度末にも掲げている以下4つの課題への取り組みを一層加速して実現し、中長期的に安定した収益基盤をいち早く構築し、早期に黒字化し、それを継続し得る営業基盤確立を目指してまいります。
当該4つの課題は、①海外市場での受注獲得の拡大を目指し、販売体制及びサービス体制の拡充をはかる。②お客様のニーズに合わせた製品をすばやく提供できるよう製品ラインアップを拡充する。③戦略分野への人材投入と人材育成を絶え間なく継続して実施していく。④環境ISOの活動強化及びCSR活動の一層の充実をはかる等であります。
①では、海外営業部員の拡充に注力すると同時に、東アジア地区の既販売代理店網に加え、タイ、マレーシア、インドネシア等の東南アジア地区の代理店網を拡充中です。
②では、新型モジュール型ホブ盤、新型両頭フライス盤、金属加工用ファイングラインディングマシン等の新製品を市場に投入し、主に自動車部品関連加工用として新規の顧客獲得に注力中で、実績も上がりつつあります。
③では、メーカーの命とも言うべき技術部門の拡充と海外営業部門の充実強化を継続中です。
④では、主に環境ISOに注力し、環境に対し有害となる物質の排出削減に積極的に取り組んでおります。
以上の取り組みを通じて、盤石な収益基盤を構築し、企業価値の向上を目指してまいります。
2 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策
当社グループは、前連結会計年度に引き続き、当第1四半期連結累計期間においても、売上高の減少から95,816千円の営業損失となりました。
当社グループの主力製品のラップ盤は、その販売対象業種がIT・電子電機関連業種であり、需要の波が大きく、また、受注生産でもあることから、販売時期についても繁閑の波が大きく、期間損益に大きな影響を与えております。
したがって、安定的に利益を計上しうる業績基盤の構築は未だ途上にあり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しているものと認識しております。
このため、現状を踏まえ、早期の黒字化を達成するために、主要取引行の指導の下、当連結会計年度より、従来の対応策を充実強化した、新たな行動計画を策定し、これに則った以下の対応策を従来以上に加速して実施してまいります。
(1) 営業力強化に伴う採算の改善と新規顧客獲得による売上の増加
① 売価見直しに伴う適正価格の確保
全受注製品について適正価格を確保するため、売価の見直しを実施中であります。
② 新規顧客の獲得強化
東京、東日本、大阪、海外の4営業部門及び機種別拡販チームに、新規顧客の獲得並びに既存顧客の掘り起しの目標設定を個別に行い、受注拡大に向けて鋭意推進中であります。
(2) 生産部門の原価低減諸施策の徹底によるコスト削減と生産効率のアップ
① 外注加工費・部材購入価格の見直しによる原価低減
特に採算性の悪い機種に絞り、外注加工先と協同し、原価低減に向け取組中であります。
また、購入部品につきましても、購入先の新規開拓及び既存の購入先との部材購入価格の見直し交渉を実施中であります。
② 設計の見直しによる原価低減
製品ごとに設計の見直しを実施し、部品点数の削減等に結び付け、原価低減をはかっております。
(3) 総経費の削減
従来から実施している営業経費である各種展示会の出展費用につきましても、「費用対効果」を検証し、出展の絞り込みを行い、また、工場の製造経費のうちの電力料等の削減も継続実施中であります。
さらに、主に契約社員の働き方の見直しも実施し、人件費の削減もはかっております。
(4) モニタリング体制の励行
毎月のPDCA会議を通じ、各部門の上記諸施策の進捗状況を定期的にチェックすると同時に、施策の見直し、改善につきましても実施しております。
以上のような各施策を推進し、早期に安定した利益を計上しうる体制を構築してまいる所存であります。
資金面につきましては、平成27年9月に期間1年、総額30億円のシンジケート・ローンを取引金融機関と締結済みであり、前連結会計年度に経常損益が赤字となったこと及び平成27年3月期の純資産の部の70%未満になったことから、当該ローンのコベナンツ条項に抵触しましたが、期限の利益の喪失猶予につき、全参加行のご了解を得ており、引き続きの利用に支障はございません。
また、当第1四半期連結累計期間以降の資金面の支援についても、主要取引行からは継続してご支援をいただける旨のご了解をいただいており、資金面の懸念はありません。
しかしながら、現状では、安定的に利益を計上しうる業績基盤の構築は未だ途上にあり、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。
なお、四半期連結財務諸表は、継続企業を前提として作成されており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を四半期連結財務諸表に反映しておりません。