有価証券報告書-第110期(令和1年12月1日-令和2年11月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 経営成績の状況
当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大による移動制限と経済活動の停滞により、極めて厳しい状況に陥った。
こうした中、輸出比率が高い当社グループは、ウェブを活用した商談や展示会を展開するなど海外渡航が制限される中で販売活動を展開し、受注獲得をめざした。また、国内外の子会社の再編、政策保有株式の縮減、本社生産拠点の自動化設備の立ち上げや新製品の開発を進めた。
しかし、新型コロナウイルスの影響は大きく、全体では、受注高は21,784百万円(前期比22.8%減少)、売上高は20,851百万円(同比44.7%減少)と大幅な減少となった。損益面では、生産・売上が大きく落ち込んだことにより、営業損失4,484百万円(前期 営業損失228百万円)、経常損失4,688百万円(前期 経常損失275百万円)となった。親会社株主に帰属する当期純損失は4,520百万円(前期 親会社株主に帰属する当期純損失594百万円)となった。なお、保有資産の有効活用として持合株式の解消を図り、特別利益として投資有価証券売却益258百万円を計上している。
セグメント別の状況は下記のとおりである。
繊維機械事業
繊維機械事業では、期初には米中間の追加関税引き下げの第1段階合意により受注環境に回復の兆しが見られたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、市況は急速に悪化した。
こうした環境の中、主要な市場の中国国内では、いち早く国内移動の制限が緩和されたことに伴い、当社は早期に現地駐在員を再派遣して販売促進を続けた。インド市場ならびにその他の市場は、新型コロナウイルス感染の影響が長引き、ウェブによる商談、現地子会社との情報交換等により、受注獲得に注力した。
一方、アフターコロナの需要回復期に向けた準備を積極的に進めた。イタリア・ミラノ市に新たな販売拠点TSUDAKOMA Europe s.r.l.を設立したほか、新製品の開発を進めた。コンポジット機械では日本初の曲面自動積層機を公開した。社内では、当社が展開するTRI(ツダコマ・ロボティック・インテグレーション)によるロボット付きの自動加工システムを立ち上げ、生産の効率化を図った。
この結果、受注高は16,826百万円(前期比24.6%減少)となった。売上高は15,554百万円(前期比47.5%減少)となった。損益面では、生産の減少が影響し、営業損失2,856百万円(前期 営業利益353百万円)となった。
工作機械関連事業
工作機械関連事業においても、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けたが、中国市場でいち早くスマートフォンやタブレット端末等のEMS業界の需要が回復し、当社はNC円テーブルの大口受注を獲得した。主要な納入先の工作機械業界や自動車業界では、第3四半期以降、中国市場や米国市場での需要回復の傾向が見られた。
こうした中、主力製品であるNC円テーブルで進めていたプラットフォーム化設計を、汎用モデルから特注モデルにも拡大し、コストダウンと短納期対応を進めた。
この結果、受注高は4,957百万円(前期比16.1%減少)となった。売上高は5,297百万円(前期比34.2%減少)となった。損益面では、生産の減少が影響し、営業損失407百万円(前期 営業利益736百万円)となった。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3,978百万円減少し31,473百万円となった。主な増減は、売上の減少に伴い営業債権が減少したこと等によるものである。負債は、前連結会計年度末に比べ564百万円増加し22,176百万円となった。主な増減は、生産の減少により仕入債務が減少したものの、短期借入金の借入等によるものである。純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失4,520百万円を計上したこと等により、前連結会計年度末に比べ4,543百万円減少し9,296百万円となり、自己資本比率は29.19%となった。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ317百万円減少し6,860百万円になった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失4,487百万円の計上などによりマイナス3,522百万円となった。(前期 1,738百万円)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出1,563百万円などによりマイナス1,174百万円となった。(前期 マイナス1,510百万円)
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出などがあったものの、短期借入金の借入による収入5,228百万円などにより4,366百万円となった。(前期 マイナス322百万円)
④ 生産、受注及び販売の状況
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
(注) 1 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれていない。
2 当連結会計年度における生産実績の著しい変動は、米中貿易摩擦問題や新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う世界的な市場環境の悪化によるものである。
b 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
(注) 金額には消費税等は含まれていない。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去している。
2 当連結会計年度における販売実績の著しい変動は、米中貿易摩擦問題や新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う世界的な市場環境の悪化によるものである。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度の相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略している。
4 金額には消費税等は含まれていない。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものである。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績
当社グループは、売上高に占める輸出比率が高く、また主力の繊維機械事業ではインドや中国など、持続的な成長を図るための様々な経済改革を進める市場が売上の中心となっており、世界経済や国際政治あるいは各国の経済・金融政策の動向に大きな影響を受けざるを得ない。
こうした環境に対し、当社グループは、2018年~2020年の3カ年計画「中期経営計画2020」を策定し、圧倒的な性能・技術を有する新製品開発、既存事業における市場とシェアの拡大、コア技術を活かした新規事業の拡大などを骨子とし、2020年度には連結売上高600億円、営業利益率10%達成を目標に取り組んできた。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、(1)経営成績等の状況の概要に記載したとおりであるが、インド市場の伸び悩み、米中貿易摩擦問題や新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う世界的な経済活動の停滞等により、連結売上高、営業利益率共に目標の達成には至らなかった。全体では、受注高は21,784百万円(前期比22.8%減少)、売上高は20,851百万円(同比44.7%減少)と大幅な減少となった。損益面では、生産・売上が大きく落ち込んだことにより、売上原価率は前期比13.0%悪化し99.2%となった。販売費及び一般管理費は売上が減少し販売手数料や荷造運送費等の減少により前連結会計年度に比べ762百万円減少し4,654百万円となった。その結果、営業損失4,484百万円(前期 営業損失228百万円)となった。
営業外収益では、受取配当金、補助金収入の計上等により127百万円となった。一方、営業外費用は、支払利息、持分法による投資損失等により332百万円となった。特別利益では、保有資産の有効活用として持合株式の解消を図り、投資有価証券売却益258百万円を計上している。特別損失では、投資有価証券評価損や減損損失等の計上で58百万円となった。セグメント別では、繊維機械事業では、受注高は16,826百万円(前期比24.6%減少)、売上高は15,554百万円(前期比47.5%減少)となった。損益面では、生産の減少が影響し、営業損失2,856百万円(前期 営業利益353百万円)となった。工作機械関連事業では、受注高は4,957百万円(前期比16.1%減少)、売上高は5,297百万円(前期比34.2%減少)となった。損益面では、生産の減少が影響し、営業損失407百万円(前期 営業利益736百万円)となった。
一方、「中期経営計画2020」において主要なテーマとしていた生産効率化では、生産平準化、設計のプラットフォーム化、自動化設備導入やTAPS活動(社内の生産効率化活動)など新たな取り組みを進め、実績をあげた。新製品の開発では、コンポジット機械事業で日本初の新型曲面自動積層機をはじめとして、CFRP素材の多様な加工に対応した各種新装置開発を通して技術力を向上した。繊維機械事業では新製品の開発を行い、市場投入の機会を計っている。新規事業ではTRI事業(ツダコマ・ロボティック・インテグレーション)を展開したほか、航空機部品事業にも着手した。さらに既存分野の鋳造部門の外販強化を進め、事業基盤の多様化に向けた準備を進めた。また、市場拡大の方策としてイタリア・ミラノ市に欧州販売拠点を設立した。こうした実績をもとに、2021年から2023年度をターゲットとした「中期経営計画2023」を策定し、期間内に前倒しして活動をスタートしている。
財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3,978百万円減少し31,473百万円となった。主な増減は、売上の減少に伴い営業債権が減少したこと等によるものである。負債は、前連結会計年度末に比べ564百万円増加し22,176百万円となった。主な増減は、生産の減少により仕入債務が減少したものの、短期借入金の借入等によるものである。純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失4,520百万円を計上したこと等により、前連結会計年度末に比べ4,543百万円減少し9,296百万円となり、自己資本比率は29.19%となった。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、短期借入金の借入による収入があったものの、税金等調整前当期純損失の計上、有形無形固定資産の取得による支出等により、前連結会計年度末に比べ317百万円減少し6,860百万円となった。詳細については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りである。
当社グループの運転資金需要は主に、原材料及び部品等の購入費用、製造費、販売及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要は、主に生産設備である。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としている。
運転資金は自己資金及び金融機関等からの借入により調達しており、設備投資資金は自己資金を充当している。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成している。この連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりである。
連結財務諸表の作成にあたり、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮した見積りが含まれているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載している。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 経営成績の状況
当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大による移動制限と経済活動の停滞により、極めて厳しい状況に陥った。
こうした中、輸出比率が高い当社グループは、ウェブを活用した商談や展示会を展開するなど海外渡航が制限される中で販売活動を展開し、受注獲得をめざした。また、国内外の子会社の再編、政策保有株式の縮減、本社生産拠点の自動化設備の立ち上げや新製品の開発を進めた。
しかし、新型コロナウイルスの影響は大きく、全体では、受注高は21,784百万円(前期比22.8%減少)、売上高は20,851百万円(同比44.7%減少)と大幅な減少となった。損益面では、生産・売上が大きく落ち込んだことにより、営業損失4,484百万円(前期 営業損失228百万円)、経常損失4,688百万円(前期 経常損失275百万円)となった。親会社株主に帰属する当期純損失は4,520百万円(前期 親会社株主に帰属する当期純損失594百万円)となった。なお、保有資産の有効活用として持合株式の解消を図り、特別利益として投資有価証券売却益258百万円を計上している。
セグメント別の状況は下記のとおりである。
繊維機械事業
繊維機械事業では、期初には米中間の追加関税引き下げの第1段階合意により受注環境に回復の兆しが見られたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、市況は急速に悪化した。
こうした環境の中、主要な市場の中国国内では、いち早く国内移動の制限が緩和されたことに伴い、当社は早期に現地駐在員を再派遣して販売促進を続けた。インド市場ならびにその他の市場は、新型コロナウイルス感染の影響が長引き、ウェブによる商談、現地子会社との情報交換等により、受注獲得に注力した。
一方、アフターコロナの需要回復期に向けた準備を積極的に進めた。イタリア・ミラノ市に新たな販売拠点TSUDAKOMA Europe s.r.l.を設立したほか、新製品の開発を進めた。コンポジット機械では日本初の曲面自動積層機を公開した。社内では、当社が展開するTRI(ツダコマ・ロボティック・インテグレーション)によるロボット付きの自動加工システムを立ち上げ、生産の効率化を図った。
この結果、受注高は16,826百万円(前期比24.6%減少)となった。売上高は15,554百万円(前期比47.5%減少)となった。損益面では、生産の減少が影響し、営業損失2,856百万円(前期 営業利益353百万円)となった。
工作機械関連事業
工作機械関連事業においても、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けたが、中国市場でいち早くスマートフォンやタブレット端末等のEMS業界の需要が回復し、当社はNC円テーブルの大口受注を獲得した。主要な納入先の工作機械業界や自動車業界では、第3四半期以降、中国市場や米国市場での需要回復の傾向が見られた。
こうした中、主力製品であるNC円テーブルで進めていたプラットフォーム化設計を、汎用モデルから特注モデルにも拡大し、コストダウンと短納期対応を進めた。
この結果、受注高は4,957百万円(前期比16.1%減少)となった。売上高は5,297百万円(前期比34.2%減少)となった。損益面では、生産の減少が影響し、営業損失407百万円(前期 営業利益736百万円)となった。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3,978百万円減少し31,473百万円となった。主な増減は、売上の減少に伴い営業債権が減少したこと等によるものである。負債は、前連結会計年度末に比べ564百万円増加し22,176百万円となった。主な増減は、生産の減少により仕入債務が減少したものの、短期借入金の借入等によるものである。純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失4,520百万円を計上したこと等により、前連結会計年度末に比べ4,543百万円減少し9,296百万円となり、自己資本比率は29.19%となった。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ317百万円減少し6,860百万円になった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失4,487百万円の計上などによりマイナス3,522百万円となった。(前期 1,738百万円)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出1,563百万円などによりマイナス1,174百万円となった。(前期 マイナス1,510百万円)
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出などがあったものの、短期借入金の借入による収入5,228百万円などにより4,366百万円となった。(前期 マイナス322百万円)
④ 生産、受注及び販売の状況
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 繊維機械事業 | 15,096 | 55.2 |
| 工作機械関連事業 | 5,380 | 60.7 |
| 合計 | 20,476 | 56.6 |
(注) 1 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれていない。
2 当連結会計年度における生産実績の著しい変動は、米中貿易摩擦問題や新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う世界的な市場環境の悪化によるものである。
b 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前期比(%) |
| 繊維機械事業 | 16,826 | 75.4 | 5,265 | 131.8 |
| 工作機械関連事業 | 4,957 | 83.9 | 1,446 | 81.0 |
| 合計 | 21,784 | 77.2 | 6,712 | 116.1 |
(注) 金額には消費税等は含まれていない。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 繊維機械事業 | 15,554 | 52.5 |
| 工作機械関連事業 | 5,297 | 65.8 |
| 合計 | 20,851 | 55.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去している。
2 当連結会計年度における販売実績の著しい変動は、米中貿易摩擦問題や新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う世界的な市場環境の悪化によるものである。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度の相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略している。
4 金額には消費税等は含まれていない。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものである。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績
当社グループは、売上高に占める輸出比率が高く、また主力の繊維機械事業ではインドや中国など、持続的な成長を図るための様々な経済改革を進める市場が売上の中心となっており、世界経済や国際政治あるいは各国の経済・金融政策の動向に大きな影響を受けざるを得ない。
こうした環境に対し、当社グループは、2018年~2020年の3カ年計画「中期経営計画2020」を策定し、圧倒的な性能・技術を有する新製品開発、既存事業における市場とシェアの拡大、コア技術を活かした新規事業の拡大などを骨子とし、2020年度には連結売上高600億円、営業利益率10%達成を目標に取り組んできた。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、(1)経営成績等の状況の概要に記載したとおりであるが、インド市場の伸び悩み、米中貿易摩擦問題や新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う世界的な経済活動の停滞等により、連結売上高、営業利益率共に目標の達成には至らなかった。全体では、受注高は21,784百万円(前期比22.8%減少)、売上高は20,851百万円(同比44.7%減少)と大幅な減少となった。損益面では、生産・売上が大きく落ち込んだことにより、売上原価率は前期比13.0%悪化し99.2%となった。販売費及び一般管理費は売上が減少し販売手数料や荷造運送費等の減少により前連結会計年度に比べ762百万円減少し4,654百万円となった。その結果、営業損失4,484百万円(前期 営業損失228百万円)となった。
営業外収益では、受取配当金、補助金収入の計上等により127百万円となった。一方、営業外費用は、支払利息、持分法による投資損失等により332百万円となった。特別利益では、保有資産の有効活用として持合株式の解消を図り、投資有価証券売却益258百万円を計上している。特別損失では、投資有価証券評価損や減損損失等の計上で58百万円となった。セグメント別では、繊維機械事業では、受注高は16,826百万円(前期比24.6%減少)、売上高は15,554百万円(前期比47.5%減少)となった。損益面では、生産の減少が影響し、営業損失2,856百万円(前期 営業利益353百万円)となった。工作機械関連事業では、受注高は4,957百万円(前期比16.1%減少)、売上高は5,297百万円(前期比34.2%減少)となった。損益面では、生産の減少が影響し、営業損失407百万円(前期 営業利益736百万円)となった。
一方、「中期経営計画2020」において主要なテーマとしていた生産効率化では、生産平準化、設計のプラットフォーム化、自動化設備導入やTAPS活動(社内の生産効率化活動)など新たな取り組みを進め、実績をあげた。新製品の開発では、コンポジット機械事業で日本初の新型曲面自動積層機をはじめとして、CFRP素材の多様な加工に対応した各種新装置開発を通して技術力を向上した。繊維機械事業では新製品の開発を行い、市場投入の機会を計っている。新規事業ではTRI事業(ツダコマ・ロボティック・インテグレーション)を展開したほか、航空機部品事業にも着手した。さらに既存分野の鋳造部門の外販強化を進め、事業基盤の多様化に向けた準備を進めた。また、市場拡大の方策としてイタリア・ミラノ市に欧州販売拠点を設立した。こうした実績をもとに、2021年から2023年度をターゲットとした「中期経営計画2023」を策定し、期間内に前倒しして活動をスタートしている。
財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3,978百万円減少し31,473百万円となった。主な増減は、売上の減少に伴い営業債権が減少したこと等によるものである。負債は、前連結会計年度末に比べ564百万円増加し22,176百万円となった。主な増減は、生産の減少により仕入債務が減少したものの、短期借入金の借入等によるものである。純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失4,520百万円を計上したこと等により、前連結会計年度末に比べ4,543百万円減少し9,296百万円となり、自己資本比率は29.19%となった。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、短期借入金の借入による収入があったものの、税金等調整前当期純損失の計上、有形無形固定資産の取得による支出等により、前連結会計年度末に比べ317百万円減少し6,860百万円となった。詳細については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りである。
当社グループの運転資金需要は主に、原材料及び部品等の購入費用、製造費、販売及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要は、主に生産設備である。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としている。
運転資金は自己資金及び金融機関等からの借入により調達しており、設備投資資金は自己資金を充当している。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成している。この連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりである。
連結財務諸表の作成にあたり、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮した見積りが含まれているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載している。