有価証券報告書-第88期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 13:18
【資料】
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【項目】
107項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、技術に立脚し社会が求める優れた商品及びサービスを提供することにより、全てのステークホルダーの繁栄並びに経済・社会の発展に貢献すること、及び常に技術の研究開発に努め、グローバル化の時代に即した国際競争力のある企業体質を涵養し、世界の企業として発展することを経営の基本方針としております。
また、東京証券取引所が定めるコーポレートガバナンス・コードへの対応に伴い、更なる持続的な成長と企業価値の向上を目指して全ステークホルダーとの協働を可能とするための行動基準を策定し実践しており、内部統制の強化、内部監査機能の充実により法令遵守の徹底に努めております。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題等
当事業年度における事業環境は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内経済は混迷し依然として厳しい状況が続いており、収束時期も不明であり先行きの不透明感は深まっております。
このような状況下、当社においても事業活動に一定の制約はあるものの、中長期的・持続的成長を実現するため、当事業年度を初年度とする3ヵ年の「2020 中期経営計画」を推進しております。企業理念である「技術に立脚した製品の提供により社会に貢献し、研究開発に努め競争力ある企業として発展する」に則り、以下に掲げる2022年のありたい姿を実現するために、基本方針とそれらを実現するべく策定した重点施策を着実に実行し、経営目標の達成を目指してまいります。
1.2022年の当社のありたい姿と基本方針
当社が目指す2022年のありたい姿は、次の3点です。
① 高圧圧縮をコア技術とした技術開発・高効率化・改善設計を継続的に進め、強化した「加地テックブラン
ド」により事業・サービス領域を拡大している
② 製品ライフサイクルサービスの事業モデルを確立し、営業活動を強力に推進し業績を伸ばしている
③ 社員1人ひとりが向上心を持って行動すると共に、新たな仕組みで技術技能伝承・人材育成に取組んで
いる
このありたい姿を2022年に実現するために、「2020 中期経営計画」における基本方針(戦略の柱)として、次の3項目を掲げ、それぞれ柱ごとに重点施策を定めております。
① プラント市場・産業ガス市場での営業活動強化による受注拡大
② PETボトル成形用圧縮機市場での標準仕様機の販売拡大
③ 水素市場での新技術開発による市場優位性の維持向上
2.重点施策
3つの戦略の柱ごとに、以下の重点施策を策定いたしました。これら施策を着実に実行することで、経営計画実現を目指してまいります。
柱①重点施策 (プラント市場・産業ガス市場での営業活動強化による受注拡大)
・お客様の要望にお応えし満足いただける製品とソリューションサービスを提供する
柱②重点施策 (PETボトル成形用圧縮機市場での標準仕様機の販売拡大)
・市場ニーズに合致した商品を提供する
・お客様の要望にお応えする販売形態を提供する
柱③重点施策 (水素市場での新技術開発による市場優位性の維持向上)
・FCV用水素ステーション向け新型圧縮機を市場投入する
・市場ニーズに基づく水素充填用ラインナップ製品を提供する
・メンテナンス計画に基づく適切なアフターサービスを提供する
以上の3つの戦略の柱を推進するために、次の生産体制強化と経営基盤強化へも取組み実行してまいります。
生産体制強化への取組
1.設計の生産性向上
2.部品の内作化と共通化推進
3.工場の生産性向上
4.購入・外注品の調達力強化
5.アフターサービスにおける国内外の協力会社充実
6.不適合の削減
経営基盤強化への取組
1.研究開発推進
2.設備投資推進(工場再構築)
3.業務改善活動
4.賃金・評価制度の改革
5.人材育成強化と教育制度改革
3.計数目標
当社は、企業価値向上を重要な経営課題の一つと考えており、そのため売上高・経常利益・純利益の他、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標として位置づけております。上記から、「2020 中期経営計画」の最終年度である2022年度の計数として、次の目標を設定しております。
2022年度(参考)
2021年度
経営指標目標目標
売上高65億円60億円
経常利益6.0億円4.7億円
純利益4.0億円3.1億円
ROE6.0%4.8%

なお「2020 中期経営計画」期間中において、生産能力の増強と生産効率化を図るために総合組立工場の新設を行っており、組立ラインの一部が2021年度半ばに稼働し、中計最終年度の2022年度中に工場全体の完成を予定しております。よって、本格的な操業開始は2023年度以降となるため、設備投資の効果としては2023年から始まる次期中期経営計画の経営指標に反映する予定です。
また、上記の経営戦略に対して新型コロナウイルス感染症の拡大が与える影響については、提出日現在において当社の受注、販売活動に重大な影響は出ていないため、軽微であると考えております。一方で、今後の動向によっては経済環境が悪化し、当社業績も悪化する可能性はありますが、本感染症の動向を予測することは困難であることから、提出日現在において入手可能な情報等を踏まえ、上記目標としております。