四半期報告書-第147期第2四半期(平成27年7月1日-平成27年9月30日)

【提出】
2015/11/11 11:10
【資料】
PDFをみる
【項目】
21項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 業績の状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は、2016年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画「Together We Innovate GEMBA Worldwide」を掲げ、①イノベーションによる成長戦略、②既存事業の成長戦略、③土台強化のための構造改革、を重点項目として活動している。
2016年3月期の第2四半期連結累計期間(自 2015年4月1日 至 2015年9月30日)の連結売上高は8,924億円(前年同期比5.3%減)となった。建設機械・車両事業では、北米において一般建設機械の需要を着実に取り込んだものの、鉱山機械の需要低迷に伴う販売減少や中国をはじめとする新興国の需要が大幅に減少し、売上高は前年同期を下回った。産業機械他事業では、半導体業界の好調な設備稼働に支えられギガフォトン㈱の売上高が伸長したものの、全体として売上高は前年同期を下回った。利益については、為替が円安に推移する中、建設・鉱山機械の需要変動に対応するため継続的に行っているグローバルでの構造改革を含む固定費の削減及び販売価格の改善に取り組んだものの、建設機械・車両事業の販売量減少による影響により、営業利益は990億円(前年同期比21.2%減)となった。売上高営業利益率は前年同期を2.2ポイント下回る11.1%、税引前四半期純利益は978億円(前年同期比20.8%減)、当社株主に帰属する四半期純利益は650億円(前年同期比16.5%減)となった。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりである。
① 建設機械・車両事業セグメント
売上高は前年同期を5.9%下回る7,941億円、セグメント利益は前年同期を20.9%下回る924億円となった。
本年2月に日本で開始した建設現場の課題解決のためのソリューション事業「スマートコンストラクション」については、9月よりサービス運用を始めたクラウドプラットフォーム「KomConnect」と、ICT建機に新たに搭載した「ステレオカメラ」により、施工現場の全エリアを3次元データで掌握することを実現した。あらゆるモノがICTでつながる建設現場の「IoT(Internet of Things)」の実現により、お客様の施工全体の安全と生産性向上に貢献し、国内におけるICT建機の導入現場数は1,000を超えた。日本、北米、欧州で昨年から順次適用が始まっている新排出ガス規制に対応した商品については計26機種を開発し、販売拡大に努めた。建設・鉱山機械の新車需要が落ち込む中でも、アフターマーケットの需要を着実に取り込んだ結果、部品の売上高は伸長した。アフターマーケットの更なる体制強化を図るため、小山工場(栃木県)敷地内に本年7月に竣工した小山テクニカルセンタにおいて部品販生オペレーションセンタの機能を拡充した。
(以下、地域別売上高は外部顧客向け売上高を表示している。)
(日本)
新排出ガス規制の強化を見据え拡大するミニ建機の需要を取り込んだものの、一般建設機械のレンタル業界向けの需要が一巡した影響を受け、売上高は前年同期を2.1%下回る1,485億円となった。
(米州)
北米では、鉱山向けやエネルギー向けの需要は引き続き低調に推移したものの、住宅建設及び道路等のインフラ分野向けに需要が増加した結果、売上高は前年同期を27.9%上回る1,735億円となった。中南米では、鉱山機械の需要が減少したことに加え、主にブラジルで一般建設機械の需要が低迷したため、売上高は前年同期を15.6%下回る1,090億円となった。なお、当第1四半期連結累計期間より、メキシコ代理店の買収に伴い、北米に含まれていた一部のメキシコ向け売上高を中南米に変更した。売上高の増減率は前年同期の売上高を組替えたものと比較して表示している。
(欧州・CIS)
欧州では、主要市場を中心に需要を着実に取り込んだものの、為替が前年同期に比べ円高に推移したことから売上高は前年同期を4.0%下回る714億円となった。CISでは、鉱山向け部品の販売は増加したものの、為替が円高に推移したことから、売上高は前年同期を16.5%下回る233億円となった。
(中国)
中国政府による金融緩和等の景気下支え策は低迷する需要に対する効果が見えず、売上高は前年同期を44.4%下回る346億円となった。
(アジア・オセアニア)
アジアでは、インド、フィリピン等で需要を取り込むことができたものの、最大市場であるインドネシアなどで需要が低迷したことから、売上高は前年同期を4.0%下回る997億円となった。オセアニアでは、鉱山向け需要が依然低調に推移し、売上高は前年同期を21.5%下回る569億円となった。
(中近東・アフリカ)
中近東では、主要市場であるトルコの需要が低調であるものの、オマーン、カタール等の湾岸諸国などの需要が堅調であったことから、売上高は前年同期を2.4%上回る313億円となった。アフリカでは、主要市場である南アフリカの鉱山向け需要が減少したことから、売上高は前年同期を18.8%下回る441億円となった。
なお、建設機械・車両事業全体の生産規模は、約7,691億円(販売価格ベース、連結ベース)であった。
② 産業機械他事業セグメント
半導体業界の好調な設備稼働に支えられギガフォトン㈱の売上高が伸長したことに加え、鍛圧機械の販売が拡大したものの、全体として売上高は前年同期を1.6%下回る1,007億円、セグメント利益は前年同期を3.5%下回る75億円となった。高い生産性とランニングコストの大幅な低減を実現した小型ACサーボプレスは本年6月に新機種を追加し、更なる販売拡大に努めた。
なお、産業機械他事業全体の生産規模は、約985億円(販売価格ベース、連結ベース)であった。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、四半期純利益677億円に加え、受取手形及び売掛金の回収等により、1,520億円の収入(前年同期比367億円の収入減)となった。投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の購入等により、665億円の支出(前年同期比174億円の支出減)となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入債務の返済等により、1,237億円の支出(前年同期は826億円の支出)となった。これらに為替変動の影響を加えた結果、現金及び現金同等物の当第2四半期連結会計期間末(2015年9月30日)残高は、前連結会計年度末(2015年3月31日)に比べ378億円減少し、680億円となった。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更はない。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の当社グループの研究開発費は35,889百万円である。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。