有価証券報告書-第153期(平成29年4月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/29 10:09
【資料】
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【項目】
131項目

研究開発活動

当社グループの研究開発は、①事業の根幹を支える共通基盤技術、その融合による製品コア技術の研究開発、②中長期的展望に基づいた技術シーズの探索と実用化、③現有技術の拡張展開、新技術の実用化・新製品応用のための研究開発、④既存製品の高付加価値化のための研究開発に区分されます。①と②は平成26年4月から活動を開始したコーポレート研究開発組織を中心に、カンパニーと密接に連携を取り、大学等の外部研究機関との共同研究も積極的に活用して進めました。さらに特徴のある技術を有する中小企業との連携を発展させ、研究開発に係わる試作機能を強化しました。また、③と④については個別の事業部門及びグループ各社が主体となって実施しました。これらのいずれにも区分されない新規領域推進のために運用を開始したEIX(Ebara Innovation for X)制度を活用し、プロセスイノベーション等への取り組みと成果の利用を加速し進めています。当連結会計年度の研究開発費は72億18百万円です。
セグメントごとの研究開発活動の状況は、以下のとおりです。
(風水力事業)
風水力事業分野では、中長期的に成長の持続が期待される、水インフラ、エネルギー(電力、石油・ガス)、環境(省エネ)などのグローバル市場向け製品に関し、海外グループ会社との連携強化を含め、ラインナップ拡充や製品力強化に取り組み、市場投入を行いました。標準ポンプでは、省エネ・省資源・環境負荷低減を指向した製品群の開発を進めるとともに、顧客の利便性向上に向け近距離無線通信(NFC)を搭載した給水ユニット製品を市場投入しました。冷凍機分野においては、環境負荷低減化の要望の高まりに応えるために、従来のフロン冷媒に替わる、地球温暖化係数が小さい冷媒を用いた新製品の開発に取り組みました。基盤技術に関しては、「数値シミュレーションなどによる開発スループットの一層の向上とプロセスの標準化」、「実験基盤技術の拡充」、「製品性能や信頼性の向上に寄与する“制振・制御技術”、“材料技術”、“製品ライフサイクルを支えるIoT技術”の開発・応用」などについて継続して取り組みました。当連結会計年度の研究開発費は38億61百万円です。
(環境プラント事業)
環境プラント事業分野では、廃棄物処理施設の建設工事(EPC)から施設運営・維持管理(O&M)までを長期的に一括して行うDBO事業、既存施設の延命化を提案する延命化事業、既存施設のO&Mを長期にわたり運営委託を受ける長期包括事業に取り組んでおり、これまで以上に提案力や、品質、コスト競争力強化が求められています。また、再生可能エネルギーの1つとしてバイオマス発電の需要が高まりを見せています。これらの状況を踏まえ、施設更新に伴う機能強化、ライフサイクルコスト低減を可能とする新技術・新製品開発、保守運営技術の改良開発、バイオマス発電における要素技術の開発に取組むとともに、これらを支えるAIやIoT技術の活用を推進しています。当連結会計年度の研究開発費は3億48百万円です。
(精密・電子事業)
精密・電子事業分野では、半導体デバイス製造プロセス用装置において、チップの微細化や3次元集積化だけでなく、昨今注目されている新しいパッケージング技術などの開発要求やIoT分野などの新しい市場を見据えた技術開発要求に対応できるよう、装置の改良・改善及び新機種の開発に取り組んでいます。コンポーネント製品においては、更なる省エネ化及び環境負荷低減に貢献できる製品の開発に取り組んでいます。また、顧客との共同開発・コンソーシアムへの参画、さらには各大学との共同研究などを通して、次世代半導体プロセス技術における研究も継続しています。当連結会計年度の研究開発費は30億8百万円です。