有価証券報告書-第85期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 12:58
【資料】
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【項目】
129項目

研究開発活動

当社グループでは、「環境技術を極め、世界市場で勝ち抜くオンリーワン商品の創出」を主テーマとして研究開発活動を進めております。
当連結会計年度に発生した研究開発費は、TPRグループ(除くファルテックグループ)において3,192百万円、ファルテックグループにおいて2,374百万円であり、当社グループ合計では5,566百万円でした。
主力のパワートレイン部品では、業界トップを目指しエコカーの低燃費、低価格化と信頼性の両立という厳しい要求に応えるべく、
・機能面では低フリクション化、熱制御、軽量化への取り組みに加え、地球に優しい排気ガスクリーン化、代替燃料
(バイオ、CNG)使用へ対応した新製品の開発
・製造面では製品の高精度化に対応したインラインでの計測自動化、革新的コストダウン、生産エネルギーの極小化へ
対応した新工法の開発を重点に活動を進めております。
また海外拠点への新技術の移転構築、海外提携会社との協業による世界同一品質の実現と海外顧客への新製品及び新技術PRも積極的に取り組んでおります。
一方急速なEV化に対応し、非パワートレイン部品への取り組みも強化し、アルミ、樹脂を中心とした軽量化複合製品とゴムを中心としたシール製品への新技術導入を積極的に行い、先行他社と製品機能、価格で競争出来る開発体制作りと、新事業分野の探索を推進しております。また、ナノ素材開発としては、オープンセル型ポーラス炭素に取り組んでいますが、今回、長尺少層カーボンナノチューブの製造を開始し、CNT素材だけではなく、お客様のニーズに合わせた複合製品の開発を実施する予定です。
これらの研究開発活動を支える基盤整備として、解析評価設備や実機試験設備の整備拡充、設計開発業務の効率化、技術者教育体制と外部研究機関の活用の強化を実施してまいりました。
開発の主な成果は次のとおりであります。
(1)自動車関連製品事業
① パワートレイン部品
Ⅰ ピストンリング
・超低フリクション&低LOCリングの製品化 (低燃費対応)
・高機能オイルリングの製品化 (信頼性向上)
・ピストンリング革新的コストダウン製造ラインの構築 (低価格対応)
Ⅱ シリンダライナ
・小型エンジン用薄肉、高熱伝導ライナの製品化 (低燃費対応、信頼性向上)
・熱制御ライナの製品化(低フリクション対応)
・低フリクション内周面性状の確立(信頼性向上)
Ⅲ バルブシート、バルブガイド
・高耐摩耗バルブシート材料の製品化 (代替燃料対応)
・バルブシート革新的コストダウン製造ラインの構築(低価格対応)
・高熱伝導バルブの製品化
② 非パワートレイン部品
Ⅰ 樹脂、ゴム製品
・変速機用樹脂シールリングの製品化
・船外機トップカウルの製品化
・自動車用ゴムシール部品の製品化
Ⅱ アルミ製品
新鋳造方案構築及び設備導入実施による
・スポーツバイク用超薄肉中空アルミホイール製品化
・4輪アフター向けアルミディスクの製品化
・舶用ギアケースの製品化
遠心鋳造スパイニ形状FC材の応用による
・アルミブレーキドラムの製品化
Ⅲ 焼結機械製品
・ターボチャージャー用小径シールリング革新的コストダウンライン構築(低価格対応)
(2)研究開発の基盤整備
① 単体機能評価試験の高精度化(摩擦摩耗、信頼性評価、シール性評価)
② 高回転時の油膜厚計測技術の構築
③ シミュレーションシステムの構築
④ 設計開発支援システムの構築
なお、ファルテックグループでは、先行開発のスピードアップとOnly-one商品の創出をテーマに研究開発活動に取り組んでおります。新商品の開発に当たっては、5つのコア技術(成形・加飾表面処理・金属加工・電装・通信)を3つの開発方針(コスト競争力・環境対応・ITS)に沿って強化・発展させています。
自動車外装部品と用品では、お客様のニーズや市場調査から、『魅力のある商品』/『新機能商品』を継続的に創出し提案することを目指し、開発に取り組んでおります。
自動車関連機器では、市場競争力強化及び顧客からの要望に応じ、高効率化・省力化・原価低減を念頭に置き、開発に取り組んでおります。