有価証券報告書-第92期(令和2年11月1日-令和3年10月31日)

【提出】
2022/01/28 16:16
【資料】
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【項目】
148項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は創造と創業の精神を以って会社を成長、発展させ、会社に関連する人々の豊かな未来づくりに寄与するとともに、お客さまへの高い技術と優れた製商品の提供を通じて社会に貢献すること、および従業員に生きがいを見出す場を提供することを経営理念とし、主に固液の遠心分離技術による機械の製造販売と特色ある化学工業原材料の輸入販売を行ってまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は単に製商品の販売拡大を目指すのではなく、機械製造販売事業では特異な技術を必要とする製品の開発・販売を、また、化学工業製品販売事業では限られたマーケットにあっても特色がある専門知識を要する付加価値の高い商材の取扱を、夫々に心掛けており、これらを追求して行くに際しての経営目標として収益力の向上を第一に掲げています。またその上での具体的な経営指標としては、事業収益力の実態が端的に表れる経常利益およびEBITDA(税・利息支払・償却前利益)を最も重視しています。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社の中長期的な経営戦略は、機械製造販売事業については新しい製商品の開発とコストの削減および海外ビジネス拡大であり、化学工業製品販売事業については特色ある新商材の発掘と新規顧客の開拓および海外市場へ向けた積極的な展開です。
こうした中長期的戦略の継続的な展開を図るため、当社では2019年11月に第12回中期経営計画「Change For The Future(将来のための変革)」(2019年11月~2022年10月)を策定し、その中で柱となる事業分野におけるビジネス基盤を確固たるものにすると共に新たな課題に果敢に挑戦することにより更なる業績向上を図り持続的な企業価値向上を目指した事業運営を推進することを基本方針として掲げ各種課題解決に向けた以下の取り組みを行ってまいります。
わが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大がワクチン接種の進展により鎮静化し緩やかに回復すると見られるものの、世界的な半導体不足による自動車の減産、中国の電力規制問題、急激な為替変動、資源価格の高騰、物流停滞といった不安要因があり不透明な情勢が見込まれます。一方、海外では中国および米国経済は成長率が鈍化するものの堅調に推移し、欧州経済も緩やかに回復することが見込まれますが、欧米地域における同ウイルス感染の再拡大に加えて新たな変異株の出現など楽観視出来ない状況にあります。
今や持続可能な社会の実現に向けたSDGsへの取り組みは世界の潮流となっております。当社グループは、SDGsへの取り組みを経営戦略の重要課題と位置づけ、社会的課題解決のため持てる技術、知識、ノウハウを最大限活用し、新たな市場開拓、事業領域の拡大、環境・社会の変化を見据えた新商材開発などの様々なビジネスチャンスの創出に努めます。こうした活動は持続的成長の原動力となり、競争力や企業価値を高めると共にサステナブルな社会の実現に貢献します。機械製造販売事業ではバイナリー発電や再生可能エネルギー等の環境負荷低減に繋がる装置販売を促進し、化学工業製品販売事業ではバイオプラスチック等脱炭素素材、リサイクル樹脂、省エネ向けパワー半導体等の様々なビジネスチャンスを的確に捉え販売に繋げ業績向上を図ります。
また、機械製造販売事業では海外ビジネスの拡大を図ることが当社グループの更なる成長実現に繋がる重要課題と認識し、中国および東南アジア向けの販売拡大に加えて、北米および中南米における市場開拓を一段と推進することにより販売増大を図ります。国内では新製品の開発推進と既存市場の更なる拡大を目指します。販売競争が一層激化する中、他社製品との差別化を実現すべく業界初のAI制御装置の拡販に注力し、生産面では生産体制改革によるコストダウンやAIの活用による効率化を一層加速します。
化学工業製品販売事業でも機械製造販売事業と同様に海外ビジネスの拡大を重要課題と認識し、タイ現地法人に続き2021年に設立したベトナム、マレーシア現地法人の本格稼働により東南アジアでの展開を一段と拡充する他、欧州、ロシア、アフリカにおける更なる商材開発を目指した事業展開を推進します。国内では全営業部門において新規市場開拓と商品開発を積極的に推し進め業績向上を図ります。
これらを着実に実行するために当社のグローバル化とこれを担う人材教育などの施策を推し進め、両事業の持続的成長と収益力向上を図って行く方針です。