有価証券報告書-第38期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/27 12:32
【資料】
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【項目】
133項目
(業績等の概要)
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、経済社会活動の正常化が続き、インバウンド需要の戻りにも支えられて回復基調を維持しました。世界経済は、米国においては総じて堅調に推移したものの、欧州での停滞や中国の成長が 鈍化したことから全体としては減速局面となり、長期化するロシアによるウクライナ侵攻やイスラエル・ガザ 紛争といった地政学上のリスクも加わって更に不透明感が高い状態となりました。
原油価格は、サウジアラビアによる自主的な追加減産が延長されたことなどを受け、一時1バレル90米ドル超の高値をつけたものの、中国経済の減速などにより、2023年末の終値は1バレル70米ドル台となりました。 脱炭素の流れと並存しつつ、安定したエネルギー供給を維持することは依然重要な課題であり、石油会社による深海油田開発プロジェクトは継続して進められています。当社グループの主要事業である浮体式海洋石油・ガス生産設備に関する事業、特に当社グループが強みを持つ超大水深大型プロジェクトに対する需要も堅調に推移しております。
こうした状況のもと、当連結会計年度の連結業績は、中南米向け大型FPSOの建造プロジェクトを2件受注したことによって受注高は、8,740,646千米ドル(前年比497.8%増)となり、これらのプロジェクトを始めとする建造工事の進捗とグローバルに展開するオペレーションサービスの提供によって、売上収益は3,574,924千米ドル(前年比30.5%増)となりました。
利益面では、前述のFPSO建造工事の進捗及び安定したチャーター事業の収益積み上げなどにより、営業利益は192,938千米ドル(前年比156.1%増)となりました。
また、持分法適用会社向けの貸付金に対する損失評価引当金戻入益を計上したことによる金融収益の増加により、税引前利益は214,668千米ドル(前年比291.5%増)となりました。これらにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は96,536千米ドル(前年比158.3%増)となりました。
当社グループは、浮体式石油生産設備の建造及びこれに関連する各種サービスを提供する単一の事業を展開しているため、セグメント別の業績等の記載は省略しております。
(2) 財政状態について
当連結会計年度末の資産合計は、主に現金及び現金同等物の増加により、前連結会計年度末から751,707千米ドル増加し、3,887,921千米ドルとなりました。
負債合計は、主に営業債務及びその他の債務の増加により、前連結会計年度末から557,538千米ドル増加し、2,852,630千米ドルとなりました。
資本合計は、主に当期利益及び新株の発行により、前連結会計年度末から194,169千米ドル増加し、1,035,291千米ドルとなりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フロー収入が大きく増加したことにより、前連結会計年度末から521,286千米ドル増加し、1,013,912千米ドルとなりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度に比べて694,782千米ドル増加し、485,886千米ドルの収入となりました。これは主に、FPSO等の建造工事に関わる売上債権の回収時期と買掛金の支払時期のバランスによる変動であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に持分法で会計処理されている投資の取得による支出229,821千米ドルにより、210,542千米ドルの支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に社債の発行による収入195,518千米ドル及び株式の発行による収入107,549千米ドルにより、241,146千米ドルの収入となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
当社グループは、浮体式石油生産設備の建造及びこれに関連する各種サービスを提供する単一の事業を展開しているため、セグメント別の記載は省略しており、以下の各項目は当社グループ全体の実績を記載しております。
(1) 生産実績
当連結会計年度
(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
金額(千米ドル)前年比(%)
当社グループ2,488,99540.2

(注)1 上記の金額は、FPSO、FSO及びTLPの設計・建造・据付並びにその他の工事に係る完成工事高であります。
2 金額は、販売価格によっております。
(2) 受注実績
当連結会計年度
(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
受注高(千米ドル)前年比(%)受注残高(千米ドル)前年比(%)
当社グループ8,740,646497.816,817,93853.8

(注) 上記の他、持分法適用会社のリース及びチャーターに関する当社グループ持分相当の受注残高は、5,769,161千米ドルであります。
(3) 販売実績
当連結会計年度
(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
金額(千米ドル)前年比(%)
当社グループ3,574,92430.5

主な顧客の販売実績及び総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
顧客の名称前連結会計年度当連結会計年度
金額(千米ドル)割合(%)金額(千米ドル)割合(%)
Esso Exploration and Production
Guyana Limited
-(注)-821,73922.9
Equinor Brasil Energia Ltda.660,69024.1532,47814.8
Equinor Energy do Brasil Ltda.-(注)-516,62614.4
Woodside Energy (Senegal) B.V.490,05617.9450,16112.5

(注) 該当年度において売上収益の10%未満であるため、記載を省略しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績に重要な影響を与える要因
① 関係会社への出資比率
FPSO等のリース、チャーター事業推進にあたっては多額の資金を必要とします。当社グループは、各々のプロジェクトごとに総合商社などと合弁で事業会社を設立することにより、資金負担の軽減を図っております。これらの事業会社に対する当社の出資比率は、プロジェクトの規模やリスク許容度等を総合的に勘案した上で決定しており、プロジェクトによって異なります。
連結財務諸表の作成にあたっては、議決権などから支配権を有していると判断される関係会社を連結子会社とし、支配権を有しないと判断される関係会社を持分法適用会社としております。
連結子会社を事業会社としたプロジェクトでは、FPSO等の建造工事をグループ内取引と認識するため、建造工事が完工し、リース及びチャーターサービスの提供が開始されてから連結損益計算書において損益を認識します。また、連結財政状態計算書にはFPSO等の有形固定資産を計上します。
一方、持分法適用会社を事業会社としたプロジェクトでは、建造工事期間における損益を収益認識基準に基づくインプット法(発生した原価の見積総原価に占める割合で収益認識)によって連結損益計算書に反映させます。ただし、期間損益のうち、当社グループの出資比率に相当する金額はグループ内取引と判断されるため、連結調整によって未実現利益として消去します。建造工事が完工し、リース及びチャーターサービスの提供を開始すると、当該関連会社の損益のうち当社グループの出資比率に相当する金額を、連結損益計算書において持分法による投資損益として計上します。
以上のとおり、事業会社に対する当社グループの出資比率等により、連結財務諸表への影響は大きく異なっております。
② 未実現損益の消去
プロジェクトの規模が大型化するに従い、リース及びチャータープロジェクトのために設立する事業会社に対する当社グループの出資比率は概ね50%以下に止まるケースが多く、事業会社は持分法適用会社となっております。前述のとおり、こうしたプロジェクトの建造工事期間中は収益認識基準に基づくインプット法によって連結損益計算書に売上収益を計上する一方、期間損益のうち当社グループの出資比率に相当する金額を未実現損益として消去しております。
消去した未実現損益は、FPSO等を所有する持分法適用会社において、リース及びチャーター事業の会計処理にファイナンス・リースを適用する場合は、リース及びチャーターの開始時期に一括して実現させております。一方、オペレーティング・リースを適用する場合は、減価償却期間に応じ未実現利益を実現させております。 なお、連結損益計算書における営業損益に影響を与える未実現損益の消去額及び未実現損益の実現額、並びに未実現損益残高の推移は、以下のとおりであります。
(単位:千米ドル)
2022年12月期2023年12月期
未実現損益の消去額△5,0292,173
未実現損益の実現額5,26826,151
差引影響額△10,297△23,978
未実現損益の残高49,31625,338


(2) 経営成績に関する分析
① 受注の状況
当連結会計年度は、中南米向け大型FPSOの建造プロジェクトを2件受注したことにより8,740,646千米ドルの受注高となりました。受注残高は、前連結会計年度末から6,026,971千米ドル増加し、16,817,938千米ドルとなりました。また、持分法適用会社のリース及びチャーターに関する当社グループ持分相当の受注残高は、5,769,161千米ドルとなりました。
② 売上収益の状況
売上収益は、主にFPSO等の建造工事の進捗とチャーター及びオペレーションサービスの提供により3,574,924千米ドルとなりました。
③ 営業損益の状況
営業損益は、FPSO建造工事の進捗及び安定したチャーター事業の収益積み上げなどにより、192,938千米ドルの営業利益となりました。
④ 当期損益の状況
当期損益は、金融収益の増加により214,668千米ドルの税引前利益となりました。
⑤ 親会社の所有者に帰属する当期損益の状況
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期損益は、96,536千米ドルの利益となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要)(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資本の財源
当社グループの資金の源泉は、主に営業活動からのキャッシュ・フローと外部からの借入となりますが、FPSO等の建造工事においては、工事代金の回収時期と工事費用の支払時期のずれにより当該建造工事に関わる債権債務が一時的に大きく変動し、営業キャッシュ・フローに大きな影響を与えます。当社グループではこれらの建造工事に関わる債権と債務のバランスを案件毎に管理することで資金効率の向上に努めております。また、当社グループは、「CMS預貸制度(キャッシュ・マネジメント・システム)」によりグループ内で資金融通を行うことで資金効率を高めております。
② 建造工事期間における資金負担
FPSO等を客先に売り渡すプロジェクトの場合、建造工事に要する費用は工事の進行度合いに応じて前受金にて回収しているため、当社グループでは運転資金の調達を必要としません。一方、リース及びチャータープロジェクトの場合、当社グループと総合商社等が合弁で設立する事業会社が建造工事の発注者となるため、当社グループには事業会社に対する出資比率に相当する建造工事費用の負担が生じます。
当社グループは、建造工事期間における必要資金を、主に当社の債務保証によって関係会社が借り入れる方法によって調達しております。
③ 総リスク額の管理
当社グループでは、建造工事費用にかかる関係会社での借入金を、チャーター開始後に、プロジェクトファイナンスによる調達へ切り替えております。それによって当社における大型プロジェクトのための長期且つ多額の資金負担と債務保証が不要となり、プロジェクト個々のリスクを軽減する効果をもたらします。
当社グループでは、プロジェクトファイナンスを活用すると共に、総合商社などの事業パートナーをプロジェクトに招聘する等の方策により、総リスク額をコントロールして事業を展開する方針であります。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項については、それぞれ合理的な方法により、会計上の見積りを行なっており、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の「連結財務諸表注記」、「2. 作成の基礎 (4)判断及び見積りの使用」及び「3. 重要性がある会計方針」に記載しております。

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