四半期報告書-第49期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/02/13 17:04
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26項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境が改善傾向にあるなど、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、中国をはじめとする新興国経済に持ち直しが見られるものの、アメリカの政策動向、世界的な地政学的リスクの高まり等の懸念により、世界経済は先行き不透明な状況が続きました。
当社グループの業績に影響を及ぼす半導体業界は、Semiconductor Equipment and Materials International(SEMI)が発表した2017年第3四半期の世界半導体製造装置出荷額によると、台湾が前年同期比32%減となった一方、韓国は139%増、中国は35%増、日本は34%増となり世界全体では30%増と好調に推移いたしました。また、液晶ディスプレイ市場では、堅調なパネル需要を背景に、韓国・中国を中心に大型パネル向けや有機EL向けの投資が継続いたしました。
このような状況下、当社グループは海外では半導体・液晶関連企業、国内では製薬関連企業や半導体関連企業を中心に積極的な営業活動を展開してまいりました。
これらの事業活動により、水処理装置については、国内の製薬関連並びに半導体関連企業及び韓国・中国・台湾の半導体並びに液晶関連企業から受注した水処理装置案件の工事が進捗し、売上高は68億8千5百万円(前年同期比56.2%増)となりました。また、メンテナンス及び消耗品については、受注が堅調に推移したことにより、売上高は54億8千5百万円(同8.7%増)となり、その他の事業については、配管材料の受注増加等により、売上高は7億3千4百万円(同56.3%増)となりました。
利益面については、装置の売上構成比が増加したことにより、売上総利益率が前年同期比1.4ポイント低下したものの、増収効果により大幅な増益となりました。
以上の結果、売上高は131億5百万円(同32.0%増)、営業利益は6億2千6百万円(同402.9%増)、経常利益は6億3千3百万円(同201.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億7千8百万円(同200.7%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 日本
国内の製薬関連・半導体関連企業、韓国及び中国の半導体・液晶関連企業から受注した超純水製造装置案件の工事が進捗したこと、各地域のメンテナンス及び消耗品の受注が増加したこと等により、売上高は81億7千万円(前年同期比39.4%増)となり、営業利益は3億2千7百万円(前年同期は2千万円の営業損失)となりました。
② アジア
中国、台湾及び韓国の半導体・液晶関連企業から受注した超純水製造装置等の工事が進捗したこと、中国、台湾のメンテナンス及び消耗品の受注が増加したこと等により、売上高は45億8千1百万円(前年同期比16.5%増)となり、営業利益は2億1千3百万円(同66.1%増)となりました。
③ アメリカ
半導体関連企業への消耗品販売を中心に、売上高は3億5千3百万円(前年同期比165.6%増)となり、営業利益は8千5百万円(同422.9%増)となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1億2千7百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループは、主要顧客企業である半導体及び液晶関連産業の設備投資動向により、需要の変動が避けられない状況にあります。また、近年では半導体及び液晶パネルの価格下落に伴う事業採算の悪化から、投資競争の激化とも相俟って、事業の選択と集中による半導体及び液晶メーカーの優劣が鮮明となりつつあり、当社グループの経営成績が、主要顧客企業の競争力により影響を受ける可能性があります。
当社グループといたしましては、これらの状況を踏まえて、顧客ニーズへのきめ細かな対応を通じて、競争力の高い販売先を確保するとともに、営業力の強化及び受注採算の維持・改善が重要な経営課題であると認識しております。
加えて、今後の受注拡大を図るためには、継続的な研究開発による競合他社との差別化、新商品の開発を強化するとともに、優秀な人材の確保と育成が急務となっております。
また、当社グループの海外売上高比率は概ね60%となっており、その地域も韓国・台湾を中心とするエリアから、中国・アメリカ等へと広域化していることから、顧客満足の向上による継続的な受注と迅速な対応を実現させるためには、広域化した現場管理を担う技術者の確保と人材育成が重要であると認識しております。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要は、主に装置受注に伴う原材料及び消耗品等の仕入や製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金のほか、有形・無形固定資産などへの設備資金があります。これらの資金需要に対して、自己資金及び長期・短期借入金にて対応しておりますが、借入金につきましては、主要取引銀行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、事業遂行に必要な資金を確保しております。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境、顧客ニーズ及び入手可能な情報に基づき、最善な経営方針を立案するよう努めており、アジアの純水市場でリーディング・カンパニーの地位に立つことを中長期的な目標としております。
しかしながら、水処理装置の中心である超純水装置は、既述のとおり主要顧客企業である半導体及び液晶関連産業の設備投資動向により需要の変動が避けられないことに加え、近年では半導体及び液晶パネル価格の下落に伴う事業採算の悪化から、事業の選択と集中による半導体及び液晶メーカーの優劣が鮮明になっているため、今後も持続的な成長が見込まれる韓国、中国及び台湾を中心とするアジアでの競争力強化、並びに超純水以外の一般水処理の強化及び当社グループの事業領域の拡大、周辺ビジネスの展開による長期安定収益の確保が不可欠であると認識しております。
また、顧客の環境に対するニーズを的確に捉え、環境関連分野を強化することが急務であるとの認識から、これまでに培ってきた超純水に関する技術・ノウハウを活かし、半導体及び液晶周辺事業に関わるRSシリーズ(レジスト剥離剤)、金属除去モジュール、シリコン回収リサイクル装置等超純水製造装置以外の商品の市場投入に加え、環境に配慮した高付加価値製品の投入に積極的に取り組んでいく所存であります。
この観点から、近年アジアを中心に海外での拠点展開により営業力の強化を図っておりますが、併せて優秀な人材の確保と育成による同業他社との差別化が急務であると認識しております。