有価証券報告書-第155期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/19 16:47
【資料】
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【項目】
179項目
②戦略
HRの基本理念「人と共に成長し、人財力で未来を拓く」に加え、「人財」「組織」「風土」に関する「ありたい姿」を掲げて、人財育成及び社内環境整備(含む:組織風土の改善)に努めています。
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ア.人財育成
「従業員の成長なくして事業の発展や社会貢献は成し得ない」との認識に立ち、全従業員を対象にした教育研修への投資によって、全体の底上げを図るとともに、自ら考え、主体的に行動し、挑戦し続けることで「Changes for the Better」を実践する「多様・多才な人財」を育てます。
取組み事例
(ア) グローバルスケールでの人財・組織マネジメント
三菱電機グループが真のグローバル企業として成長し続けるためには、事業の縦割りによる人財のサイロ化を解消する必要があります。これまでの事業本部・日本国内中心の個別最適からグループ・グローバルでの全体最適を目指し、グループ横断的な人財マネジメントの基盤・体制構築を推進していきます。
2023年度に策定した「キャリア開発コンセプト」では、従業員一人ひとりが自分のキャリアについてより主体的・積極的に考え、行動することを促すとともに、会社が個々人の成長実現に伴走・支援していく姿勢を改めて明確化しました。
次代を担う経営幹部をグローバルスケールで育成・輩出するために、2023年度から「L.E.A.D*制度(経営幹部候補者育成制度)」を開始しました。多様な経験・バックグラウンドを有する経営幹部候補者をグループ内外から選抜し、早期に育成、評価することで、グローバルで三菱電機グループをリードできる人財を輩出しています。海外グループ会社の次世代人財育成を目的に、グローバル拠点間で人財とジョブのマッチングを図る「Talent Mobility制度」と、当社の若手従業員を対象に従来の海外派遣型研修に比べてより深い海外業務経験の付与を目的とした「G-OJT制度」の2つの制度を2026年度から開始します。
こうした多様・多才な人財が自律的にキャリアを構築しながら能力を存分に発揮し、活躍できる環境を整備することで、従業員と会社の更なる成長を実現していきます。
* Leadership Enhancement And Development
(イ) 一人ひとりの能力開発を支援する人財育成施策
三菱電機グループでは、「自ら考え、主体的に行動し、挑戦し続ける」人財を目指し、従業員が自律的に自らの能力開発活動を継続していけるよう、様々な育成施策を企画、実施に向けた環境整備や学びの場作りを行っています。OJTをベースに日常的な業務ノウハウとマインドを伝承しつつ、OJTでは身につきにくい知識やスキルの習得、キャリア開発を、オンライン研修等を通じたOff-JTで補完するとともに、従業員同士のネットワーク活動を支援し、学びあい・教えあい・繋がりあう風土の醸成に取り組んでいます。Off-JTでは、「社内外の優れた講師による知識やスキル研修及び動機付け研修」「スキルアップのための検定や競技」「海外拠点や国内外の大学での実習や留学」等を実施しており、これらを通して関係会社従業員を含め、グループ従業員全体のレベルアップを図っています。
また、全従業員を対象に「倫理・遵法など社会人として身につけるべき知識の付与」を行うとともに、新規入社者については、社会人としての意識付け、基礎知識の付与、経営理念、コンプライアンスなどの初期教育を実施しています。
さらに、三菱電機では、従業員一人ひとりのキャリアオーナーシップの発揮及び自律的な成長実現に向けて、「会社も人財も成長できること」を基本的な考え方として会社の持続的な成長と従業員の自己実現の両方を追求しています。これまでに実施してきた一律的な階層別研修だけでなく、それぞれの状況等に応じて必要となる能力やスキルの獲得に資するコンテンツの整備も並行して実施していく予定です。これらによって、これまでに重視してきた若手層に対するコミュニケーション力強化、中堅層や管理職層に対するリーダーシップや後進(部下・後輩)の育成を含むマネジメント力強化等ともうまく融合を図り、これからの三菱電機の成長をけん引できる人財の育成と、一人ひとりがいきいきと働き、Well-beingとエンゲージメントの向上にも寄与できる環境整備を実現していきます。
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(ウ) DX・AX人財の強化
三菱電機グループでは、Serendie事業推進のためのDX・AX人財を2030年度までにグループ全体で20,000人確保することを目指し、人財の獲得やM&Aによる拡充に併せ、事業戦略に基づく着実な人財育成の強化を図っています。2025年4月、三菱電機グループ内の従業員を対象とした体系的な育成機関「DXイノベーションアカデミー」を設立しました。2025年度は約1,100名、2026年度はその3.5倍を超える応募が全社からあり、3,500名超が受講予定です。
「DXイノベーションアカデミー」では、三菱電機グループにおけるDX・AX人財のスキルセットに基づき、それぞれに必要な技術・知識・マインドセットを集中的に習得し、実践に活かすことができる学びの場を三菱電機グループ内に提供します。社内外講座を組み合わせた段階的な学習体系を整備するとともに、スキル・能力の社内認定制度などにより、既存のDX関連技術保有者及びDX関連業務従事者だけでなく、他業務からの職務転換者や新規入社者など、個々人が保有するスキルや知識レベルに応じた幅広い層の人財育成を推進します。三菱電機グループの全従業員を対象とした講座も設け、グループ一体となってDXを推進する風土を醸成します。
加えて、最新技術の集中的な獲得・実践、新たな人財交流などの確立を狙いとして、大学等の教育機関との産学連携も進めており、2025年度に早稲田大学との間で、DX人財育成における産学連携に関する協定を締結しました。「DXイノベーションアカデミー」の講座として早稲田大学の教育プログラムを活用するとともに、その成果を早稲田大学における社会人及び学生向けデータ科学教育プログラムにフィードバックして発展させていくことで、共に価値の向上を図る産学共創スキームの構築を目指します。
三菱電機グループ向け「DXイノベーションアカデミー」の概要
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イ.人財・カルチャー変革
持続的成長を実現するためには、未来志向で現状を問い、垣根を越えた共創と挑戦によって従業員一人ひとりが三菱電機グループの「Our Philosophy」を主体的に体現しながら、未来の価値を創造し続ける必要があります。その実践を促す環境づくりとして、グループ一体となってカルチャー変革に取り組んでいます。
三菱電機グループでは、2021年6月以降に判明した一連の品質不適切行為を受け、再発防止策の一つとして、品質風土、組織風土及びガバナンスの3つの改革を推進し、このうち組織風土改革については、2021年10月に発足した社長直轄「全社変革プロジェクト」として3年半にわたりグループ横断で取り組んできましたが、2025年4月に「培ってきた良い風土を基盤に競争力の源泉となる強い文化を醸成していく」という理念のもと、恒久組織として「カルチャー変革室」を設置しました。同室では、三菱電機グループの「Our Philosophy」に基づき、“誠実”を軸とした健全で良質な組織風土(Organizational Climate)と、“挑戦”“共創”を軸とした強い組織文化(Organizational Culture)の醸成に取り組んでいます。こうした取組みを通じて、従業員一人ひとりが主体的に「イノベーティブカンパニーへの変革」を実践し続けるカルチャーの実現を目指します。
2021年度より継続的に取り組んできた改革により、単独での従業員エンゲージメントスコアは2022年度(54%)から2025年度(62%)にかけて順調に改善しています。本指標をKPIに据えて三菱電機グループ全体のより良いカルチャー醸成を推進していきます。
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取組み事例
(ア) 「自走」する組織カルチャーの強化
従業員の主体的な「挑戦」「共創」を促すため、2024年度から人事評価制度を大幅に改定し「かえる・つながる・ささえる」を新たに行動評価軸に据え、目標と実践状況のギャップについて上司・部下間で定期的に対話し行動強化につなげる仕組みを導入しています。部下の「挑戦」「共創」する意欲を引き出し、支援するための「1on1」の取組みも推進しており、2025年度までに延べ4,000人以上の管理職が1on1教育を受講しました。また、実践行動のベストプラクティスについては国内外関係会社含めて共有し、グループ一体となって「自走」する組織カルチャーの醸成を進めています。
(イ) 良質で健全な組織風土の更なる追求
従業員意識サーベイの結果を職場単位で分析し、管理職とメンバーが一体となって「自分たちの職場は自分たちで良くする」をコンセプトに組織風土面における改善テーマを主体的に設定することで、改善活動につなげています。特に職場の心理的安全性を高め、異なる視点での「健全なコンフリクト」を伴うイノベーティブな対話・議論を促すために、三菱電機グループの現場課題に即した「心理的安全性ガイドライン」や「会議ガイドライン」を策定し、全従業員に公開しています。各種ガイドラインには具体的な推奨行動やケーススタディを織込み、日常で実践的に活用できるコンテンツとして定期的に更新・改善しており、より良い組織風土醸成のために多くの従業員が活用しています。
(ウ) 土台としての多様性の尊重
a. 両立支援
三菱電機は、従業員に対して各種両立支援制度の積極的な情報発信をしています。
育児と仕事の両立支援として、育児休職者が円滑に職場復帰し、育児をしながら能力を最大限発揮できるよう、「上司と部下 仕事と育児の両立支援ハンドブック」を配布するとともに、次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定し、両立に関する情報発信の強化等を目標に掲げています。また、介護と仕事の両立支援として、介護に関する基礎知識の付与を目的としたセミナーを開催しているほか、「仕事と介護の両立ハンドブック」の配布や、社外相談窓口を設置し、従業員がより安心して仕事と介護を両立できる環境整備を進めています。
b. 障がい者
三菱電機グループでは、各社で障がい者の積極的な雇用を進めており、様々な職種での活躍機会の創出や一人ひとりのキャリア形成への取組みを進めています。また、障がい者が働きやすい職場環境の整備を目指し、バリアフリー化などの取組みも進めています。
2014年10月に主に知的障がい者の方に適した業務を社業とする特例子会社*「メルコテンダーメイツ株式会社(現社名:三菱電機テンダーメイツ株式会社)」を設立しており、特例子会社を含めた日本国内における雇用率は2025年6月1日時点で2.52%となっています。
三菱電機テンダーメイツ株式会社の社名は、健常者社員、チャレンジド社員(障がいのある社員)の双方が対等な職場のパートナーであることと、慈しみ合う仲間たちという意味を表現しています。同社はクリーンサービス事業、クッキー事業、カフェ事業、名刺事業、給食事業、健康増進事業(マッサージ施術)などを中心に事業を展開しており、2025年6月1日時点で日本国内において158名の障がい者を雇用しています。当該特例子会社と当社事業部が職場懇談会を開催するなど、共に働きやすい職場形成に向けた取組みも行われています。また、神田、東京、湘南、名古屋、姫路、伊丹の各事業部に加えて、2026年4月に鎌倉事業部と神戸事業部を開設しました。
*「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」により一定の要件を満たした上で、厚生労働大臣の許可を受けて、親会社(三菱電機株式会社)の1事業所(親会社に雇用されている)とみなされ、特例として親会社の障がい者雇用率に含まれる会社。

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