有価証券報告書-第155期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
(1) 三菱電機グループのリスクマネジメント体制
三菱電機グループは、予防重視の内部統制システムの強化を図るため、リスク管理を事業遂行に組み込み、事業の規模・特性等に応じて管理するとともに、グループ全体に共通する重要なリスクについてはグループ経営に与える影響度に応じた重点付けを行いながら管理しています。
大規模災害や社会的リスクなどの従来型リスクへの対応にとどまらず、経済安全保障を含む地政学リスク、AI等の技術革新、サステナビリティなどの分野における新たなリスクに対する探索と備えも戦略的に推進します。
三菱電機グループでは、各部門及び国内外の関係会社が主体的にリスクマネジメントを遂行することに加えて、三菱電機の各コーポレート部門(リスク所管部門)がそれぞれの専門領域において各部門及び国内外の関係会社を統括/評価します。更にCRO(Chief Risk Management Officer)及び法務・リスクマネジメント統括部がグループ全体を統括し、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会で経営判断のうえ、必要に応じて組織横断的で柔軟なチーム行動により効果的かつ戦略的なリスクマネジメントが可能な体制を構築しています。特に経営の監督と執行にかかわる重要事項については、取締役会、執行役会議において審議・決定します。

(2) 事業等のリスク
事業の遂行に当たっては、様々な要素が三菱電機グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。具体的に三菱電機グループの財政状態及び経営成績や、投資家の判断に影響を及ぼす可能性がある要因のうち、三菱電機グループとしてリスク制御策の取組状況も考慮したうえで、特に重要なリスクをマッピング・類型化し、主なものについて「外部環境リスク(地政学リスク、AI等の技術革新、サステナビリティなど)」「BCP上のリスク」「内部リスク」に分類し、三菱電機グループのリスクマップを策定しました。リスクマップの各象限に応じた対応を進めることで、インパクトの縮小化、リスクへの備えの実効性・効率向上を図る一方で、必要に応じたリスク制御強化に柔軟に取り組みます。

三菱電機グループにおける、主要な事業等のリスクは以下のとおりです。
<外部環境リスク(地政学リスク、AI等の技術革新、サステナビリティなど)>①経済安全保障に関わるリスクの高まり
米国政権による関税強化、各国の輸出規制、長期化するウクライナ情勢に加え、中東情勢の緊迫化に伴う地域情勢の不透明感は、経済安全保障に関するリスクのレベルを引き上げ、社会情勢を不安定化させるとともに、世界経済に対しても大きく影響を与えています。
三菱電機グループは、社会インフラから家庭電器まで広範な領域で事業を展開し、海外向けが売上高の5割超を占めています。また、日本国内向けの売上には国内で利用される製品だけでなく、顧客の製品に組み込まれて海外に輸出される製品も含まれています。経済安全保障リスクの高まりによる社会・経済・政治的混乱により、当社製品の需要や、当社製品を組み込んだ顧客の製品の販売動向が変化した場合には、三菱電機グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
こうした各国の経済安全保障政策の急激な変化に対応すべく、政策動向や法制度の調査・分析、全社における機微技術管理、情報セキュリティ、投資、開発、サプライチェーン等に関わる経済安全保障の観点から見た統合的なリスク制御を行っています。
②サプライチェーンを取り巻く環境変化
地政学リスクの増大に伴う物流網の途絶や原材料価格の変動、自然災害等による供給混乱、あるいは各種経済安全保障規制の拡大や人権課題への対応など、サプライチェーンを取り巻く多角的な環境の変化により、三菱電機グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、各国の輸出管理強化が続く中、特定地域への依存を減らす取組みが急務となっています。
これらの状況を踏まえ、サプライチェーンの強靭化に向けて、調達複線化、在庫確保、代替品探索、技術開発、新ルート開拓などの具体的な取組みを進めています。
三菱電機グループは、これらの取組みを通じて、調達リスクに迅速かつ適切に対応し、競争力ある製品・サービスを継続的に市場に供給していきます。
③サステナビリティ関連の社会要請
企業に対する人権や環境(カーボンニュートラル、サーキュラ―エコノミーなど)といったサステナビリティ上の社会要請が近年増加しており、人権侵害の有無等を基準とする取引先の選別、自社及びサプライチェーンを含む人権や環境に関わるデューデリジェンスの実施、環境に配慮した製品設計や再生材料の使用などを要請する法令の制定が、日本や欧米を始め多極的に進められています。
サステナビリティに関わるリスクの中で、カーボンニュートラル、サーキュラ―エコノミーに関しては、欧州を中心に関連する制度の整備が進んでおり、特に炭素価格制度、排出権取引、再生材利用や環境配慮設計に関する規制などは、企業の意思決定プロセスやビジネスモデルの転換を促すものであり、これらに適時適切な経営判断を行わない場合には、三菱電機グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。三菱電機グループとして、これらの規制や社会要請を捉え、迅速かつ的確に取り組みを進めています。例えば、カーボンニュートラルに関しては、外部環境変化も考慮した社内炭素価格の運用を通じて、Scope1,2の削減に向けた脱炭素設備投資の導入を促進していきます。
また、その他にも、三菱電機グループは、人権に関する取組みを求める法令への違反や、人権侵害に加担した企業とみなされた場合の経済制裁や社会的評価の低下をリスクとして認識しています。これらのリスクに対して、三菱電機グループとして国連「ビジネスと人権に関する指導原則」など国際規範に基づく取組みを強化するとともに、グローバルサプライチェーンにおいて社会的責任を推進する企業同盟であるRBA(Responsible Business Alliance)に即して、三菱電機グループのバリューチェーンにおける人権デューデリジェンスの取組みを強化しています。
サステナビリティに関わるリスクへの取組みを加速する手段やツールとして、自社及び取引先の炭素排出量などの非財務情報を可視化するシステム構築の検討を進めます。
三菱電機グループは、これらの取組みを通じて、サステナビリティに関する社会要請に迅速かつ適切に対応し、企業評価の向上を目指します。
④サイバー攻撃等の増大
三菱電機グループの顧客・ステークホルダーの皆様からお預かりした情報、営業情報や技術情報、知的財産などの企業機密が、AI技術を悪用した高度なサイバー攻撃等によるコンピューターウイルスの感染や不正アクセスその他不測の事態により、滅失もしくは社外に漏洩した場合、又は工場の生産に影響を与えるようなサイバー攻撃事案が発生した場合は、三菱電機グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、顧客に納入した製品に未知の脆弱性があった場合、顧客の提供するサービス及び社会に大きな影響を与える可能性があります。
AI技術の進展に伴い、脆弱性探索やマルウェア生成等の攻撃スピード・規模が劇的に増加し、これら高度な攻撃がIT環境のみならずOT(Operational Technology:製造現場やプラントで用いられる設備やシステムを制御・運用する技術)環境にも侵入することで、通信、電力などの重要インフラ制御システムや、工場管理システム等の混乱を引き起こすリスクが急速に拡大しています。一方、制度面では、サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度)の2027年開始などサイバー対策の強化が順次具体化されています。三菱電機グループは関係機関との情報交換を密に実施しながら、AIを防御に活用する取組みを含め、高度な攻撃に対応する体制の構築と、対応能力の強化を進めていきます。
また、人的情報漏洩防止策の強化も重要な取組みの一環として位置づけ、機密情報の保全を推進し、事業活動及び業績への影響を最小限に抑えることを目指します。
⑤ゲームチェンジ/技術革新
上記で述べたような国際的な法規制や社会的な価値観、社会構造の変化とともに、技術革新の加速と競争の激化が進んでおり、ゲームチェンジ・リスクが高まっています。そのような不確実性が高まる事業環境の変化をタイムリーに捉え、国際的な法規制を遵守しリスクを抑えつつ、ビジネスチャンスに変えていく柔軟な対応が求められています。特にAIについては、各国において人権保護やイノベーション促進を目的とする規制が拡大しています。このような中、三菱電機グループでは、三菱電機グループ倫理ポリシーを掲げ、AIのリスクに応じて経営層や社外有識者を交えて利活用手法のリスク評価を実施する体制を導入しました。
また、研究開発においては、大学など社外研究機関・他企業・顧客との連携・共創を通じて、グループ内外の知見を融合することにより未来社会をデザインし、新しい価値のタイムリーな創出を図ります。
⑥BCP上のリスク
三菱電機グループは、製造・販売拠点、研究開発拠点、及び本社を含む主要施設を日本国内外に多数有しており、感染症や大規模災害(地震、津波、台風、水害、火山噴火、火災)等により三菱電機グループの拠点が被害を受けることで、事業活動が中断する可能性があります。また、サプライチェーンの混乱に伴い調達、生産、物流等に影響が生じ、多額の損失が発生する可能性があります。
これらに対し、三菱電機グループはリスクマネジメント・コンプライアンス委員会において経営課題として対処すべきBCP上のリスクについて検討を行い、経営上のBCP対策を確実に実行していくプロセスを構築し、実践しています。
また、感染症や大規模災害等の緊急事態の際は、全社緊急対策室を設置し、全社の情報を一元管理するとともに、各事業拠点単位での安全確保と事業活動の復旧・継続(BCP)に取り組みます。
<内部リスク(製品・サービスの品質及びコンプライアンスリスク等)>⑦内部リスク
製品やサービスの欠陥や瑕疵等による損失計上やコンプライアンス違反の発生による社会的評価の低下は、経営全般に影響を及ぼす可能性があります。
これら内部リスクの多くは人財等のリソース不足により引き起こされると考えていますが、その対応として、ビジネスとリソースのギャップや事業環境から無理やひずみが生じている等、内部リスクが顕在化しやすい拠点について、コーポレート部門や事業部門とのコミュニケーションを通じて予防対処に取り組むと共に、DXとAIを活用した業務改革、デジタル技術活用による生産性向上の徹底を通じたリスク制御に取り組んでいます。
また、スピークアップ促進の取組みや内部監査・各種点検活動等、実効性のある内部統制システムの構築を通じた内部リスクの早期発見・対処にも努めています。
三菱電機グループにおいては過去に複数のコンプライアンス違反を起こしてきた事実を真摯に受け止め、それらに通底する背景や課題を振り返る風化防止活動に取り組むとともに、2026年4月に策定したOur Philosophy(私たちの理念)Core Values(行動指針)の一つである「WITH INTEGRITY 誠実」の浸透による未然防止に努めます。
<複雑化・複合化するリスクと金融市場の不確実性>上記に述べたリスクの他に下記のリスクについて認識しています。
⑧金融市場(為替相場、株式相場)リスクの影響について
上記①~⑦項で示す複雑化する各個別リスク、あるいはそれらの複合リスクにより、為替相場、株式相場が影響を受ける場合、三菱電機グループは、以下の影響を受ける可能性があります。
<為替相場>三菱電機グループの売上は北米、欧州、中国がおよそ10%ずつを占めていることに加え、当社における米ドル建てやユーロ建てでの輸入部材購入、アジア地域の製造拠点における当該地国以外の通貨建て輸出売上や輸入部材購入があります。
為替予約等により為替の変動の影響を回避するようにしていますが、為替レートの急変により、当社の想定している為替レートから大きく変動すると、三菱電機グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
<株式相場>三菱電機グループは、「政策保有株式は原則保有しない」という考え方を基本方針としていますが、一方で、事業運営上、必要性が認められると判断した株式については保有することがあります。株式相場の下落は、三菱電機グループが保有する市場性のある株式の価値の減少や、年金資産の減少をもたらす可能性があります。
かかるリスクへの対応として、保有株式については、採算性、事業性、保有リスク等の観点から総合的に保有意義の有無を判断し、毎年、執行役会議及び取締役会にて検証・確認を行っています。保有意義が希薄と判断した株式は、当該企業の状況等を勘案した上で売却を進めるなど縮減を図ることとしています。
なお、上記における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月19日)現在において当社が判断したものです。
三菱電機グループは、予防重視の内部統制システムの強化を図るため、リスク管理を事業遂行に組み込み、事業の規模・特性等に応じて管理するとともに、グループ全体に共通する重要なリスクについてはグループ経営に与える影響度に応じた重点付けを行いながら管理しています。
大規模災害や社会的リスクなどの従来型リスクへの対応にとどまらず、経済安全保障を含む地政学リスク、AI等の技術革新、サステナビリティなどの分野における新たなリスクに対する探索と備えも戦略的に推進します。
三菱電機グループでは、各部門及び国内外の関係会社が主体的にリスクマネジメントを遂行することに加えて、三菱電機の各コーポレート部門(リスク所管部門)がそれぞれの専門領域において各部門及び国内外の関係会社を統括/評価します。更にCRO(Chief Risk Management Officer)及び法務・リスクマネジメント統括部がグループ全体を統括し、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会で経営判断のうえ、必要に応じて組織横断的で柔軟なチーム行動により効果的かつ戦略的なリスクマネジメントが可能な体制を構築しています。特に経営の監督と執行にかかわる重要事項については、取締役会、執行役会議において審議・決定します。

(2) 事業等のリスク
事業の遂行に当たっては、様々な要素が三菱電機グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。具体的に三菱電機グループの財政状態及び経営成績や、投資家の判断に影響を及ぼす可能性がある要因のうち、三菱電機グループとしてリスク制御策の取組状況も考慮したうえで、特に重要なリスクをマッピング・類型化し、主なものについて「外部環境リスク(地政学リスク、AI等の技術革新、サステナビリティなど)」「BCP上のリスク」「内部リスク」に分類し、三菱電機グループのリスクマップを策定しました。リスクマップの各象限に応じた対応を進めることで、インパクトの縮小化、リスクへの備えの実効性・効率向上を図る一方で、必要に応じたリスク制御強化に柔軟に取り組みます。

三菱電機グループにおける、主要な事業等のリスクは以下のとおりです。
<外部環境リスク(地政学リスク、AI等の技術革新、サステナビリティなど)>①経済安全保障に関わるリスクの高まり
米国政権による関税強化、各国の輸出規制、長期化するウクライナ情勢に加え、中東情勢の緊迫化に伴う地域情勢の不透明感は、経済安全保障に関するリスクのレベルを引き上げ、社会情勢を不安定化させるとともに、世界経済に対しても大きく影響を与えています。
三菱電機グループは、社会インフラから家庭電器まで広範な領域で事業を展開し、海外向けが売上高の5割超を占めています。また、日本国内向けの売上には国内で利用される製品だけでなく、顧客の製品に組み込まれて海外に輸出される製品も含まれています。経済安全保障リスクの高まりによる社会・経済・政治的混乱により、当社製品の需要や、当社製品を組み込んだ顧客の製品の販売動向が変化した場合には、三菱電機グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
こうした各国の経済安全保障政策の急激な変化に対応すべく、政策動向や法制度の調査・分析、全社における機微技術管理、情報セキュリティ、投資、開発、サプライチェーン等に関わる経済安全保障の観点から見た統合的なリスク制御を行っています。
②サプライチェーンを取り巻く環境変化
地政学リスクの増大に伴う物流網の途絶や原材料価格の変動、自然災害等による供給混乱、あるいは各種経済安全保障規制の拡大や人権課題への対応など、サプライチェーンを取り巻く多角的な環境の変化により、三菱電機グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、各国の輸出管理強化が続く中、特定地域への依存を減らす取組みが急務となっています。
これらの状況を踏まえ、サプライチェーンの強靭化に向けて、調達複線化、在庫確保、代替品探索、技術開発、新ルート開拓などの具体的な取組みを進めています。
三菱電機グループは、これらの取組みを通じて、調達リスクに迅速かつ適切に対応し、競争力ある製品・サービスを継続的に市場に供給していきます。
③サステナビリティ関連の社会要請
企業に対する人権や環境(カーボンニュートラル、サーキュラ―エコノミーなど)といったサステナビリティ上の社会要請が近年増加しており、人権侵害の有無等を基準とする取引先の選別、自社及びサプライチェーンを含む人権や環境に関わるデューデリジェンスの実施、環境に配慮した製品設計や再生材料の使用などを要請する法令の制定が、日本や欧米を始め多極的に進められています。
サステナビリティに関わるリスクの中で、カーボンニュートラル、サーキュラ―エコノミーに関しては、欧州を中心に関連する制度の整備が進んでおり、特に炭素価格制度、排出権取引、再生材利用や環境配慮設計に関する規制などは、企業の意思決定プロセスやビジネスモデルの転換を促すものであり、これらに適時適切な経営判断を行わない場合には、三菱電機グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。三菱電機グループとして、これらの規制や社会要請を捉え、迅速かつ的確に取り組みを進めています。例えば、カーボンニュートラルに関しては、外部環境変化も考慮した社内炭素価格の運用を通じて、Scope1,2の削減に向けた脱炭素設備投資の導入を促進していきます。
また、その他にも、三菱電機グループは、人権に関する取組みを求める法令への違反や、人権侵害に加担した企業とみなされた場合の経済制裁や社会的評価の低下をリスクとして認識しています。これらのリスクに対して、三菱電機グループとして国連「ビジネスと人権に関する指導原則」など国際規範に基づく取組みを強化するとともに、グローバルサプライチェーンにおいて社会的責任を推進する企業同盟であるRBA(Responsible Business Alliance)に即して、三菱電機グループのバリューチェーンにおける人権デューデリジェンスの取組みを強化しています。
サステナビリティに関わるリスクへの取組みを加速する手段やツールとして、自社及び取引先の炭素排出量などの非財務情報を可視化するシステム構築の検討を進めます。
三菱電機グループは、これらの取組みを通じて、サステナビリティに関する社会要請に迅速かつ適切に対応し、企業評価の向上を目指します。
④サイバー攻撃等の増大
三菱電機グループの顧客・ステークホルダーの皆様からお預かりした情報、営業情報や技術情報、知的財産などの企業機密が、AI技術を悪用した高度なサイバー攻撃等によるコンピューターウイルスの感染や不正アクセスその他不測の事態により、滅失もしくは社外に漏洩した場合、又は工場の生産に影響を与えるようなサイバー攻撃事案が発生した場合は、三菱電機グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、顧客に納入した製品に未知の脆弱性があった場合、顧客の提供するサービス及び社会に大きな影響を与える可能性があります。
AI技術の進展に伴い、脆弱性探索やマルウェア生成等の攻撃スピード・規模が劇的に増加し、これら高度な攻撃がIT環境のみならずOT(Operational Technology:製造現場やプラントで用いられる設備やシステムを制御・運用する技術)環境にも侵入することで、通信、電力などの重要インフラ制御システムや、工場管理システム等の混乱を引き起こすリスクが急速に拡大しています。一方、制度面では、サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度)の2027年開始などサイバー対策の強化が順次具体化されています。三菱電機グループは関係機関との情報交換を密に実施しながら、AIを防御に活用する取組みを含め、高度な攻撃に対応する体制の構築と、対応能力の強化を進めていきます。
また、人的情報漏洩防止策の強化も重要な取組みの一環として位置づけ、機密情報の保全を推進し、事業活動及び業績への影響を最小限に抑えることを目指します。
⑤ゲームチェンジ/技術革新
上記で述べたような国際的な法規制や社会的な価値観、社会構造の変化とともに、技術革新の加速と競争の激化が進んでおり、ゲームチェンジ・リスクが高まっています。そのような不確実性が高まる事業環境の変化をタイムリーに捉え、国際的な法規制を遵守しリスクを抑えつつ、ビジネスチャンスに変えていく柔軟な対応が求められています。特にAIについては、各国において人権保護やイノベーション促進を目的とする規制が拡大しています。このような中、三菱電機グループでは、三菱電機グループ倫理ポリシーを掲げ、AIのリスクに応じて経営層や社外有識者を交えて利活用手法のリスク評価を実施する体制を導入しました。
また、研究開発においては、大学など社外研究機関・他企業・顧客との連携・共創を通じて、グループ内外の知見を融合することにより未来社会をデザインし、新しい価値のタイムリーな創出を図ります。
三菱電機グループは、製造・販売拠点、研究開発拠点、及び本社を含む主要施設を日本国内外に多数有しており、感染症や大規模災害(地震、津波、台風、水害、火山噴火、火災)等により三菱電機グループの拠点が被害を受けることで、事業活動が中断する可能性があります。また、サプライチェーンの混乱に伴い調達、生産、物流等に影響が生じ、多額の損失が発生する可能性があります。
これらに対し、三菱電機グループはリスクマネジメント・コンプライアンス委員会において経営課題として対処すべきBCP上のリスクについて検討を行い、経営上のBCP対策を確実に実行していくプロセスを構築し、実践しています。
また、感染症や大規模災害等の緊急事態の際は、全社緊急対策室を設置し、全社の情報を一元管理するとともに、各事業拠点単位での安全確保と事業活動の復旧・継続(BCP)に取り組みます。
<内部リスク(製品・サービスの品質及びコンプライアンスリスク等)>⑦内部リスク
製品やサービスの欠陥や瑕疵等による損失計上やコンプライアンス違反の発生による社会的評価の低下は、経営全般に影響を及ぼす可能性があります。
これら内部リスクの多くは人財等のリソース不足により引き起こされると考えていますが、その対応として、ビジネスとリソースのギャップや事業環境から無理やひずみが生じている等、内部リスクが顕在化しやすい拠点について、コーポレート部門や事業部門とのコミュニケーションを通じて予防対処に取り組むと共に、DXとAIを活用した業務改革、デジタル技術活用による生産性向上の徹底を通じたリスク制御に取り組んでいます。
また、スピークアップ促進の取組みや内部監査・各種点検活動等、実効性のある内部統制システムの構築を通じた内部リスクの早期発見・対処にも努めています。
三菱電機グループにおいては過去に複数のコンプライアンス違反を起こしてきた事実を真摯に受け止め、それらに通底する背景や課題を振り返る風化防止活動に取り組むとともに、2026年4月に策定したOur Philosophy(私たちの理念)Core Values(行動指針)の一つである「WITH INTEGRITY 誠実」の浸透による未然防止に努めます。
<複雑化・複合化するリスクと金融市場の不確実性>上記に述べたリスクの他に下記のリスクについて認識しています。
⑧金融市場(為替相場、株式相場)リスクの影響について
上記①~⑦項で示す複雑化する各個別リスク、あるいはそれらの複合リスクにより、為替相場、株式相場が影響を受ける場合、三菱電機グループは、以下の影響を受ける可能性があります。
<為替相場>三菱電機グループの売上は北米、欧州、中国がおよそ10%ずつを占めていることに加え、当社における米ドル建てやユーロ建てでの輸入部材購入、アジア地域の製造拠点における当該地国以外の通貨建て輸出売上や輸入部材購入があります。
為替予約等により為替の変動の影響を回避するようにしていますが、為替レートの急変により、当社の想定している為替レートから大きく変動すると、三菱電機グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
<株式相場>三菱電機グループは、「政策保有株式は原則保有しない」という考え方を基本方針としていますが、一方で、事業運営上、必要性が認められると判断した株式については保有することがあります。株式相場の下落は、三菱電機グループが保有する市場性のある株式の価値の減少や、年金資産の減少をもたらす可能性があります。
かかるリスクへの対応として、保有株式については、採算性、事業性、保有リスク等の観点から総合的に保有意義の有無を判断し、毎年、執行役会議及び取締役会にて検証・確認を行っています。保有意義が希薄と判断した株式は、当該企業の状況等を勘案した上で売却を進めるなど縮減を図ることとしています。
なお、上記における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月19日)現在において当社が判断したものです。