有価証券報告書-第110期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/20 13:46
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116項目

コーポレート・ガバナンスの状況

(1)【コーポレート・ガバナンスの状況】
① 企業統治の体制
イ.企業統治の体制の概要
当社は、監査役設置会社であります。
当社は、昭和36年の株式上場時より社外取締役を選任しております。現在の社外取締役は2名であります。社外取締役に対しては、取締役会等において、独立した立場で、その見識や企業経営の視点に基づく意見を出されることが経営の監督に繋がると期待しています。
また、監査役設置会社として、社外監査役の役割の重要性を認識しており、社外監査役には、財務・会計や法律の知見を有する方を選任しております。社内監査役や社内のサポート部門との連携により、監査の実効性が高まることを期待し、現状のガバナンス体制を採用しております。
ロ.業務執行の体制
当社は、取締役の任期を1年とするとともに、任期を1年とする執行役員制度を導入し、経営の効率化、経営責任の明確化を図るための施策を講じております。社外取締役を除く取締役が執行役員を兼務する体制をとっており、経営の意思が業務執行に直接反映できる仕組みにしております。執行役員は、執行役員規程に基づき、代表取締役ならびに取締役会の監督に服します。
取締役、監査役、執行役員が出席する会議を毎月1回定期的に開催しております。
経営組織につきましては、事業部制を採用しております。各事業部とコーポレート機能(総務・人事・経営企画・財務・法務・営業・研究開発・品質管理等)が緊密に連携して業務を遂行し、業務の効率性や信頼性を高める施策を展開しております。
また、グローバルでの事業管理については、R.O.C(リージョナル・オペレーション・コミッティ)を設置し、グループ経営状況を的確に把握し、必要に応じて事業に対する支援や施策を展開しています。
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②内部統制システム整備の状況
当社は、下記体制の下で会社の業務の適法性・効率性の確保ならびにリスクの管理に努めるとともに、社会経済情勢その他環境の変化に応じた見直しを行い、その改善を図っております。その項目は下記のとおりであります。
イ.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(a) 企業理念に基づき社会的責任への取組を明確にした三桜グループ行動憲章・行動規範および諸規程等の実践的運用と徹底を行う体制を構築する。
(b) 取締役会は、法令および定款に従い、取締役会への報告基準、付議基準を定め、業務執行を決定する。
(c) 代表取締役は、取締役会の決議事項の業務執行、取締役会および社内規則により委任された事項についての決定並びに業務執行を行う。
(d) 代表取締役、取締役は、職務執行に関し取締役会に報告し相互に監視を行う。
(e) 監査役は、取締役の職務執行に関し社内規則に基づき監査を行う。
(f) 意思決定において、社内スタッフおよび外部専門家の意見聴取を徹底し、判断に関する合理性、適法性を確保する。
(g) 当社および当社グループ各社の役員、使用人に対するコンプライアンス教育・啓発を行うとともに、ITを活用したモニタリングおよび社内法務スタッフおよび外部専門家の意見聴取の徹底を通じてコンプライアンスの浸透を行っている。
ロ.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(a) 株主総会議事録および関連資料
(b) 取締役会議事録および関連資料
(c) その他の重要な会議の議事録および関連資料
(d) 取締役を決定者とする決定書類および関連書類
(e) その他取締役の職務の執行に関する重要な文書
ハ.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(a) 取締役会およびその他の重要な会議に、当社および当社グループ会社の代表取締役および各業務担当取締役、執行役員、経営幹部から、業務執行に関わる重要な情報の報告が定期的になされている。
(b) 当社および当社グループ会社において危機が発生した場合は、全社対策本部および現地対策本部を設置し、相互に連携して対応する。
(c) 諸リスクへの対応については、当社および当社グループ会社の所管部門において規程の制定、教育の実施等の体制整備を推進する。
ニ.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(a) 取締役会の意思決定の妥当性を高めるため、取締役のうち複数名は、独立社外取締役とする。
(b) 取締役会において、選任された執行役員が取締役会にて定められた担当職務を遂行する執行役員制度により、経営と業務執行の分離および責任と権限の明確化がされており、取締役会は経営戦略の決定および取締役並びに執行役員の業務執行の監督を行っている。
(c) 代表取締役および各業務担当取締役・執行役員の業務の執行に関し、取締役会はITを活用して迅速、かつ、効率的なレビューを行う。これらの仕組みは、法令の改廃・職務執行の効率化の必要がある場合は、随時見直すべきものとする。
ホ.当社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(a) 当社および当社グループ会社の取締役および使用人等の業務の執行が法令および定款に適合することを確保するための諸施策に加え、当社グループの企業集団としての業務の適正と効率性を確保するために、三桜グループ行動憲章・行動規範および諸規程等の実践的運用と徹底を行う体制を構築し、グループ規程類の整備をする。
(b) 代表取締役、取締役、執行役員は、それぞれの職務分掌に従い当該グループ会社の取締役および使用人等の職務の執行状況、経営状況等についてITを活用して迅速、かつ、効率的なレビューを行い、当該グループ会社の取締役および使用人等に指導を行う。
(c) 当社グループ会社の取締役および使用人等の業務執行に関し、ITを活用し効率的な業務遂行に取組んでおり、これらの仕組みは、法令の改廃・職務執行の効率化の必要がある場合は、随時見直すべきものとする。
ヘ.監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項、使用人の取締役からの独立性及び監査役の当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
(a) 監査役からその職務を補助すべき使用人を置くことを求められた場合、監査役と協議のうえ、選任または内部監査業務を兼任するスタッフを置くものとする。
(b) 当該使用人は、取締役からの独立性および監査役の当該使用人に対する指示の実効性を確保するために、監査役の指揮命令下に置くものとする。
(c) 当該使用人の人事・異動・評価等については監査役と協議し同意を得たうえで行うものとする。
ト.取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
(a) 代表取締役、取締役、執行役員および使用人は、取締役会等その他重要な会議において随時その担当する業務の執行状況の報告を行うとともに、以下に定める事項について速やかに監査役に対し報告を行う。
・当社および当社グループの信用を大きく低下させたもの、またはその恐れのあるもの
・当社および当社グループの業績に大きく悪影響を与えたもの、またはその恐れのあるもの
・その他上記に準じる事項
(b) 当社および当社グループの取締役、執行役員および使用人は、監査役が当社および当社グループの事業および財産の状況に関する報告を求めた場合、または調査を行う場合は、迅速かつ的確に対応する。
(c) 監査役に報告を行った者が、当該報告を理由とし不利益な扱いを受けないことを確保する。
チ.監査役の職務執行について生ずる費用又は債務の処理に掛かる方針、その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
a.監査役の職務の執行について生ずる費用や債務について年度計画に基づく予算を設定する。
b.監査役会は、監査役会規則、監査基準を定め、取締役会、その他重要な会議に出席するほか、ITを活用して迅速、かつ、効率的なレビューを行う。
c.監査役は、会計監査人と定期的に会合を持ち、会計監査人に報告を求めるとともに、意見および情報の交換を行う。
リ.反社会的勢力を排除するための体制
当社は、「三桜グループ行動憲章・行動規範」において、反社会的な活動や勢力に対しては毅然とした態度で対応する方針を明示するとともに、不当要求などを受けた場合は、総務部を対応窓口として、警察などの外部専門機関と緊密な連携をとり、毅然とした態度で対応する。
③ 内部監査及び監査役監査の状況
当社は、内部監査部門として業務監査室を代表取締役の直轄機関として設置しており、内部監査を実施し、問題点の指摘・改善勧告を行っています。
監査役全員で構成される監査役会は、監査の方針等を決定し、各監査役から監査状況等の報告を受け協議を行っています。各監査役が行っている具体的な監査の方法としては、取締役会および各プロジェクト会議等への出席、取締役等からの報告の聴取、重要な決裁書類の閲覧、各事業所、営業所、子会社への往査および社内各部門へのヒアリング等を通じた経営状況の把握などがあげられます。
また、監査役は、会計監査人および業務監査室と定期的に会合を持ち、報告を求めるとともに意見及び情報の交換を行っております。
なお、監査役春名孝昭氏は、税理士の資格を有しております。
④ 会計監査の状況
当事業年度における会計監査人は、有限責任監査法人トーマツであります。
当事業年度において当社の会計監査業務を執行した公認会計士は、有限責任監査法人トーマツに所属する沼田敦士氏、奥津佳樹氏であり、また、当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士5名およびその他6名を主たる構成要員としております。
⑤ 社外取締役及び社外監査役
当社の社外取締役は2名、社外監査役は2名であります。
社外取締役である山口育廣氏は、神鋼商事株式会社の相談役(前・代表取締役社長)であり、当社は同社との間に製品等の取引関係があります。なお、この会社間における取引は定型的なものであります。
また、社外取締役個人及び社外監査役個人と当社との間には、特別な利害関係はありません。
当社では、社外取締役には、独立した立場から会社の経営を監督することが期待されていると考えております。当社は、1961年の東京証券取引所上場時においては、すでに社外の取締役を選任しており、早くから社外取締役の有益性を認識しております。
また、社外監査役は、監査の性格から、会社から独立しその任にあたることが必要であり、独立性が確保されていることが必要であると考えております。当社は、社外監査役には、独立性を確保したうえで、企業経営及び会計、法律の知見を持つ方を選任し、任にあたっていただくことが、監査の実効性を高めことになると考えております。当社は、このような基本的な考え方に基づき、社外監査役を選任しております。
当社は、社外取締役及び社外監査役を選任するにあたり、独立性に関する判断基準又は方針を定めてはおりませんが、選任にあたっては東京証券取引所の独立役員の独立性に関する判断基準等を参考にしております。
現在の社外取締役のうち、山口育廣氏は、取引関係のある企業の経営者であった者であります。取引関係があることが、社外取締役としての独立性に影響を与えていることはなく、社外取締役からは、取締役会において、その見識と企業経営の視点に基づき意見を出されております。従いまして、監督機関に求められる実効性や専門性等の要素を考慮しますと、当社の経営の監督という面からその期待される役割を果たされているものと考えております。
なお、社外取締役及び社外監査役に対しては、会社から必要な情報は、法務・CSR部の担当者から随時伝達する体制をとっております。また、社外取締役及び社外監査役が行う職務執行のサポートは、法務・CSR部の担当者が担う体制をとっており、必要に応じて監査役及び会計監査人並びに内部統制部門との連携をサポートしております。
⑥ 役員報酬の内容
イ.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
役員区分報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円)対象となる役員の員数(人)
基本報酬ストック
オプション
賞与退職慰労金
取締役
(社外取締役を除く)
204204---9
監査役
(社外監査役を除く)
1010---1
社外役員2323---4

(注)上記のほか、使用人を兼務している取締役に対して支払っている使用人分給与の総額は101百万円であり、その対象となる取締役の員数は5名であります。
ロ.役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法
当社は、会社の業績および各役員の実績を評価し、株主総会でご承認いただいた報酬等の額の範囲内で役員の報酬等の額を決定しております。
なお、当社は、平成25年6月25日開催の第105期定時株主総会において、取締役の報酬等の額を年間3億9,000万円以内(うち社外取締役4,000万円以内)、監査役の報酬等の額を年額7,500万円以内と決議しております。
また、平成26年6月24日開催の第106期定時株主総会において、取締役(社外取締役を除く)に対する報酬額として、年額1億5,000万円の範囲でストック・オプションとして新株予約権を発行することができる旨を決議しております。
⑦ 株式の保有状況
イ.投資株式のうち保有目的が純投資目的以外のものであるものの銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額
23銘柄 9,989百万円
ロ.保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的
前事業年度
特定投資株式
銘柄株式数
(株)
貸借対照表計上額
(百万円)
保有目的
本田技研工業㈱1,035,3263,469取引関係等の維持、発展
スズキ㈱547,5002,531取引関係等の維持、発展
富士重工業㈱221,640905取引関係等の維持、発展
トヨタ自動車㈱83,457504取引関係等の維持、発展
㈱めぶきフィナンシャルグループ1,169,021520取引関係等の維持、発展
三菱鉛筆㈱75,000419取引関係等の維持、発展
㈱タチエス152,000337取引関係等の維持、発展
㈱三菱UFJフィナンシャルグループ286,700201取引関係等の維持、発展
パナソニック㈱62,08578取引関係等の維持、発展
神鋼商事㈱12,85831取引関係等の維持、発展
日産車体㈱20,00020取引関係等の維持、発展
日新製鋼㈱15,90023取引関係等の維持、発展
日産自動車㈱16,38218取引関係等の維持、発展
住友理工㈱16,30718取引関係等の維持、発展
タカタ㈱1000.05取引関係等の維持、発展

当事業年度
特定投資株式
銘柄株式数
(株)
貸借対照表計上額
(百万円)
保有目的
本田技研工業㈱1,039,3703,804取引関係等の維持、発展
スズキ㈱547,5003,137取引関係等の維持、発展
SUBARU㈱224,606783取引関係等の維持、発展
トヨタ自動車㈱83,457570取引関係等の維持、発展
㈱めぶきフィナンシャルグループ1,169,021478取引関係等の維持、発展
三菱鉛筆㈱150,000360取引関係等の維持、発展
㈱タチエス152,000290取引関係等の維持、発展
㈱三菱UFJフィナンシャルグループ286,700200取引関係等の維持、発展
パナソニック㈱62,08594取引関係等の維持、発展
神鋼商事㈱12,85848取引関係等の維持、発展
日産車体㈱20,00022取引関係等の維持、発展
日新製鋼㈱15,90020取引関係等の維持、発展
日産自動車㈱16,38218取引関係等の維持、発展
住友理工㈱16,95918取引関係等の維持、発展
タカタ㈱1000取引関係等の維持、発展

ハ.保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
ニ.保有目的を変更した投資株式
該当事項はありません。
⑧ 取締役の定数
当社の取締役は18名以内とする旨を定款に定めております。
⑨ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらない旨を定款に定めております。
⑩ 剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨を定款に定めております。これは、剰余金の配当を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
⑪ 責任限定契約の概要
当社は、すべての社外取締役および社外監査役との間で、定款および会社法第427条第1項に基づき、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の原低額は、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度としております。
⑫ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。