有価証券報告書-第117期(2023/04/01-2024/03/31)
②人事戦略
当社グループは、創業以来、人材を重要な資本として捉える「人的資本経営」の考え方を大切にしてきました。それは一人ひとりが自主責任感に基づき挑戦する社員稼業と、互いに言うべきことを言い知恵を出し合う衆知経営からなる自主責任経営です。私たちはこの経営基本方針の実践をグループ共通の経営戦略とした上で、事業会社が競争力を磨き上げることで「物と心が共に豊かな理想の社会の実現」を具現化していきます。
そこで当社グループ共通の「一人ひとりが活きる経営の心構え」(後述)では「人財を預かる全ての人」と「組織を預かる全ての責任者」の心構えを定めています。そして、社員一人ひとりが理想の社会実現に向けて経営基本方針の実践を目指すための行動指針としては「Panasonic Leadership Principles(PLP)」(下記)があります。私たちは具体的な行動を通じて、より高い付加価値を社会に創出していきます。

そしてこの付加価値を高める重要な4つの要素が、「ケイパビリティ(階層別の能力開発)」「社員エンゲージメント(自発的な挑戦意欲)」「社員を活かす環境(能力を活かし、働きやすい環境)」「多様な人材」です。
私たちは、これらの要素の源泉は一人ひとりが心身ともに健康で、挑戦の機会を通じて幸せと働きがいを感じている状態、つまり「社員のウェルビーイング」であると考え、自主責任経営の前提として位置付けています。
この実現をグループ共通の人事戦略とし、「安全・安心・健康に、はたらく。」、「やりがいを持って、はたらく。」、「個性を活かしあって、はたらく。」の3つの柱で取り組みを推進し、付加価値を創出します。

当社グループは、「社員のウェルビーイング」を実現するため3つの柱の取り組みに紐付く指標を設定して、特に「社員エンゲージメント」及び「社員を活かす環境」を示す指数、女性管理職比率(管理職に占める女性労働者の割合)(日本)、労働災害の件数をグループ共通の最重要指標と定めています。
「社員エンゲージメント」及び「社員を活かす環境」を示す指数は、「従業員意識調査」で測定する肯定回答率(%)です。これは社員の意識を定点観測する取り組みとして毎年グループ社員を対象に実施している調査(2023年度の回答者数は約15.7万人)です。2030年度にはこの指数をグローバル最高水準(80%以上)とすることを目標としています。調査結果は年々上昇傾向にあり、2023年度の「社員エンゲージメント」指数は68%、「社員を活かす環境」を示す指数は66%でした。なお、女性管理職比率については「第1 企業の概況 5 従業員の状況」及び「第7 提出会社の参考情報 2 その他参考情報 (2)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しています。

(a)安全・安心・健康に、はたらく。
― 安全・安心・健康な職場づくり
安全・コンプライアンスは事業運営の大前提です。当社グループはパナソニック ホールディングス
㈱の取締役会が制定改訂する「パナソニックグループ コンプライアンス行動基準(以下、「コンプライアンス行動基準」)」、及びグループCEOが発信する「パナソニックグループ 労働安全衛生ポリシー」において、パナソニックグループで働く人の安全と健康の確保を定めています。労働安全衛生については、モノづくり現場における重篤・重大災害の防止に向けて、設備安全基準の教育の展開・浸透を図るとともに、リスクアセスメントに基づき非定常作業時における安全確保の徹底を図っています。
また、衛生管理においても今般の法改正を踏まえ、化学物質管理の自律化に向けた人材育成と職場管理体制の強化に取り組んでいます。健康については、グループ全体に「健康メッセージ」を発信しています。社員のウェルビーイングの実現に向けた健康投資を強化する方針を明確化するとともに、各事業会社においても従来からの会社、労働組合、健康保険組合が一体となった「健康パナソニック活動」に加え、独自の取り組みにも着手しています。定期健康診断や従業員意識調査、ストレスチェックなどの結果をレビューし、成果の確認を行うとともに、更なる改善と強化につなげていきます。なお、日本では経済産業省が推進する「健康経営優良法人」の取り組みを進めており、2024年3月時点ですべての事業会社が健康経営優良法人として認定されています。さらにパナソニック コネクト㈱及びパナソニック㈱は、ホワイト500(注)に認定されています。
また、コンプライアンス遵守においては、あらためて社員自らの関わる事業・地域に関する法規制についての教育を実施しています。加えて、グローバルホットライン「EARS」等を活用し、問題の早期発見・未然防止について周知徹底を図ると同時に、あらゆるハラスメントの根絶に向けた啓発活動の強化に取り組んでいます。
(注)ホワイト500:大規模法人部門における健康経営優良法人の中で特に取り組みが優良とされる上位法人500社
(b)やりがいを持って、はたらく。
― 自発的な挑戦意欲と自律したキャリア形成支援
当社グループでは前述の通り「一人ひとりが活きる経営の心構え」を定めています。一人ひとりが活きるとは、互いに言うべきことを言い、多様な意見を積み重ねて質の高い意思決定を行い、より高い価値を生み出すことです。「人財を預かる全ての人」及び「組織を預かる全ての責任者」の心構えを次の通り定め、人材育成の基本としています。
そして、社員一人ひとりがその個性や能力を最大限に発揮し、働きがいを高められるよう、採用、人材育成、評価・処遇、異動・配置などの様々な場面において一人ひとりの体験価値を高め、挑戦し活躍できる機会づくりを推進しています。
<経営者づくり>当社グループの持続的な成長を実現するためには、事業を牽引する多様な経営者が必要不可欠であり、そのために中長期にわたる後継者のパイプラインづくりを推進しています。具体的には、パナソニックホールディングス㈱執行役員及び事業会社社長等の26の重要ポストを対象とし、後継者の早期発掘と「適所適材」を基本に、国籍や職歴、性別、年齢等の属性に限らない多様性あふれる経営者づくりを推進しています。そのためにグループ全体最適視点で後継者の発掘・育成・配置・モニタリングを複眼的に議論・推進するグループタレントマネジメントコミッティーを設置し、現在100名規模の後継者のキャリア開発に取り組んでいます。
PXとはPanasonic Transformationの略です。お客様サービスと事業オペレーションの2つの側面から形成されるパナソニックのデジタルトランスフォーメーションをPXと称し、ITの変革、オペレーティング・モデルの変革、カルチャーの変革を推進しています。この推進にあたってはすべての経営者がコミットして「7つの原則」を制定し、それぞれの現場でPXを推進する全社員に対する約束としています。その原則の一つに、「現場も含めたグループ内で、データ・テクノロジーを利活用する人材を増やし支援する」があります。これに関し、経営層も含め、社員一人ひとりが各々の現場で、データ・テクノロジーを利活用し、付加価値創出ができるよう知識・スキルの向上を支援していくとともに、PXを推進する専門人材の採用・育成に注力していきます。また、GXとは国が提唱・推進する「Green Transformation」の略です。当社グループは、環境に関する長期ビジョン「PGI」を発信し、サステナブルな地球環境の実現に向けてカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーなどに関わる知見を有する人材の育成を推進しています。
一人ひとりの成長や挑戦を支援するグループ共通の取り組みのひとつが「A Better Dialogue」です。本人と上司との対話の「質」と「量」を高めるこの取り組みは、一人ひとりの想いを引き出す1on1 Meetingに加え、「キャリア・能力開発」、「目標管理」、「コンピテンシーレビュー」の3つの仕組みで構成されています。こうした多様な対話機会の提供を推進し、2023年度は日本では実施率83%、満足度84%となっています。
<公募異動>一人ひとりの自発的な挑戦意欲、自律したキャリア形成を支援する仕組みの一つが公募異動です。グループ共通の制度としては、eチャレンジ(募集中の案件に対して、応募することができる公募制度)・eアピール(希望する部門に自らアピールすることができる制度)、複業(所属部門に身を置きながら、社内の新しい業務を経験できる制度)があります。2023年度はeチャレンジ・eアピールには募集人員を大きく上回る約1,700名の社員が手を挙げ、うち約500名が挑戦しました。また複業には約50名が挑戦しました。その他、各事業会社でも独自の公募異動が活発化しています。
(c)個性を活かしあって、はたらく。
― Diversity, Equity & Inclusion(DEI)の推進
当社グループは2021年に制定したグループ共通の方針である、Panasonic Group DEI Policyを軸に、3つの視点でDEIを推進しています。1つ目はトップコミットメントです。これは、経営者自らがDEI推進にコミットし、事業戦略に織り込んで推進することです。グループDEI推進委員会を定期的に開催し、経営者と社員の対話を通じてアクションを決定し、取り組みを加速させていきます。2つ目はインクルーシブな職場環境づくりです。これは、社員の多様な個性に気付き、それを活かすマネジメントや組織環境をつくっていくことです。例えばアンコンシャス・バイアストレーニングを各地域で推進しています。3つ目は社員一人ひとりへのサポートです。ジェンダー、LGBTQ+、障がいのある人、高年齢者、また育児や介護を抱える人など、多様な個性を持つ一人ひとりが、それぞれの挑戦に向き合えるよう支援することです。様々な個性に応じたコミュニティの活動展開の支援や制度・仕組みの構築、運用の見直しなどを実施しています。
なお、多様性に関する指標(管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率、労働者の男女の賃金の差異)については「第1 企業の概況 5 従業員の状況」及び「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しています。
<ジェンダーの公平性の取り組み>当社グループでは報酬体系上、性別による格差はありません。一方で、とりわけ日本地域では、上級の管理職や意思決定をする職位において、より多くの女性を登用する必要があることを認識し、多様性の確保に注力しています。このため、前述のインクルーシブな職場環境づくりに加え、評価や登用のあり方について公平性の観点から見直しを図っています。また、女性社員向けの勉強会、女性リーダー向けのキャリアストレッチセミナーの開催、ロールモデルの価値観や仕事観にふれる機会づくりなどにも取り組んでいます。
<妊娠・育児中の社員へのキャリアサポート>会社制度の理解促進を図るとともに、上司のマネジメントガイドとして妊娠中から育児期まで、それぞれの部下の状況に合わせたコミュニケーションを推進しています。さらに、希望する誰もが育児とキャリアを両立できるようグループ各社において制度の整備と職場風土の醸成に取り組んでいます。具体的にはより安心して休業を取得できるよう、一日単位の有給の育児休暇の新設や、最大2年間の育児休業制度のうち一定期間を有給化するなどの取組みを推進しています。加えて、働く時間と場所の柔軟化など、単に休業という選択肢に留まらず、一人ひとりのニーズに応じて育児と仕事を両立するための制度整備を図っています。
当社グループは、創業以来、人材を重要な資本として捉える「人的資本経営」の考え方を大切にしてきました。それは一人ひとりが自主責任感に基づき挑戦する社員稼業と、互いに言うべきことを言い知恵を出し合う衆知経営からなる自主責任経営です。私たちはこの経営基本方針の実践をグループ共通の経営戦略とした上で、事業会社が競争力を磨き上げることで「物と心が共に豊かな理想の社会の実現」を具現化していきます。
そこで当社グループ共通の「一人ひとりが活きる経営の心構え」(後述)では「人財を預かる全ての人」と「組織を預かる全ての責任者」の心構えを定めています。そして、社員一人ひとりが理想の社会実現に向けて経営基本方針の実践を目指すための行動指針としては「Panasonic Leadership Principles(PLP)」(下記)があります。私たちは具体的な行動を通じて、より高い付加価値を社会に創出していきます。

そしてこの付加価値を高める重要な4つの要素が、「ケイパビリティ(階層別の能力開発)」「社員エンゲージメント(自発的な挑戦意欲)」「社員を活かす環境(能力を活かし、働きやすい環境)」「多様な人材」です。
私たちは、これらの要素の源泉は一人ひとりが心身ともに健康で、挑戦の機会を通じて幸せと働きがいを感じている状態、つまり「社員のウェルビーイング」であると考え、自主責任経営の前提として位置付けています。
この実現をグループ共通の人事戦略とし、「安全・安心・健康に、はたらく。」、「やりがいを持って、はたらく。」、「個性を活かしあって、はたらく。」の3つの柱で取り組みを推進し、付加価値を創出します。

当社グループは、「社員のウェルビーイング」を実現するため3つの柱の取り組みに紐付く指標を設定して、特に「社員エンゲージメント」及び「社員を活かす環境」を示す指数、女性管理職比率(管理職に占める女性労働者の割合)(日本)、労働災害の件数をグループ共通の最重要指標と定めています。
「社員エンゲージメント」及び「社員を活かす環境」を示す指数は、「従業員意識調査」で測定する肯定回答率(%)です。これは社員の意識を定点観測する取り組みとして毎年グループ社員を対象に実施している調査(2023年度の回答者数は約15.7万人)です。2030年度にはこの指数をグローバル最高水準(80%以上)とすることを目標としています。調査結果は年々上昇傾向にあり、2023年度の「社員エンゲージメント」指数は68%、「社員を活かす環境」を示す指数は66%でした。なお、女性管理職比率については「第1 企業の概況 5 従業員の状況」及び「第7 提出会社の参考情報 2 その他参考情報 (2)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しています。

(a)安全・安心・健康に、はたらく。
― 安全・安心・健康な職場づくり
安全・コンプライアンスは事業運営の大前提です。当社グループはパナソニック ホールディングス
㈱の取締役会が制定改訂する「パナソニックグループ コンプライアンス行動基準(以下、「コンプライアンス行動基準」)」、及びグループCEOが発信する「パナソニックグループ 労働安全衛生ポリシー」において、パナソニックグループで働く人の安全と健康の確保を定めています。労働安全衛生については、モノづくり現場における重篤・重大災害の防止に向けて、設備安全基準の教育の展開・浸透を図るとともに、リスクアセスメントに基づき非定常作業時における安全確保の徹底を図っています。
また、衛生管理においても今般の法改正を踏まえ、化学物質管理の自律化に向けた人材育成と職場管理体制の強化に取り組んでいます。健康については、グループ全体に「健康メッセージ」を発信しています。社員のウェルビーイングの実現に向けた健康投資を強化する方針を明確化するとともに、各事業会社においても従来からの会社、労働組合、健康保険組合が一体となった「健康パナソニック活動」に加え、独自の取り組みにも着手しています。定期健康診断や従業員意識調査、ストレスチェックなどの結果をレビューし、成果の確認を行うとともに、更なる改善と強化につなげていきます。なお、日本では経済産業省が推進する「健康経営優良法人」の取り組みを進めており、2024年3月時点ですべての事業会社が健康経営優良法人として認定されています。さらにパナソニック コネクト㈱及びパナソニック㈱は、ホワイト500(注)に認定されています。
また、コンプライアンス遵守においては、あらためて社員自らの関わる事業・地域に関する法規制についての教育を実施しています。加えて、グローバルホットライン「EARS」等を活用し、問題の早期発見・未然防止について周知徹底を図ると同時に、あらゆるハラスメントの根絶に向けた啓発活動の強化に取り組んでいます。
(注)ホワイト500:大規模法人部門における健康経営優良法人の中で特に取り組みが優良とされる上位法人500社
(b)やりがいを持って、はたらく。
― 自発的な挑戦意欲と自律したキャリア形成支援
当社グループでは前述の通り「一人ひとりが活きる経営の心構え」を定めています。一人ひとりが活きるとは、互いに言うべきことを言い、多様な意見を積み重ねて質の高い意思決定を行い、より高い価値を生み出すことです。「人財を預かる全ての人」及び「組織を預かる全ての責任者」の心構えを次の通り定め、人材育成の基本としています。
| 一人ひとりが活きる経営の心構え | |
| 背景 パナソニックグループの存在意義は「物と心が共に豊かな理想の社会」の実現です。 多様化する社会にお役立ちを果たし続けるためには、私たち社員一人ひとりの個性が最大限に活きる会社であることが不可欠です。 一人ひとりが活きるとは、互いに言うべきことを言い、多様な意見を積み重ねて質の高い意思決定を行い、より高い価値を生み出すことです。 そのためには、社員一人ひとりは、それぞれの個性を最大限に発揮し、「社員稼業」を実践すること、そして、組織を預かる全ての責任者は、社員一人ひとりが「社員稼業」を実践できる環境を整え支援するとともに「衆知を集める全員経営」を実践することが求められます。 | |
| 位置づけ 本心構えは、「一人ひとりが活きる経営」を実践するために、「人財を預かる全ての人」と「組織を預かる全ての責任者」の心構えを示すものです。なお、「人財を預かる全ての人」とは、役職を問わず人財の成長に関わる全ての人のことを意味します。また、全ての社員に求められる心構えは、信条・七精神を含む経営基本方針に表される通りです。 | |
| 人財を預かる全ての人の心構え 1. 一人ひとりの多様な個性を尊重する 2. 一人ひとりの思いを大切に育む 3. 一人ひとりの挑戦を後押しする | 心理的安全性を高め、相互協力の関係性を築くこと 社会へのお役立ちの意欲を喚起し、信頼して任せること 誠意と大きな愛情をもって挑戦を支援し、失敗からの学びを奨励すること |
| 組織を預かる全ての責任者の心構え 1. 目指す姿を明示すること 2. 成果達成の道筋を共有すること 3. 挑戦への阻害要因を取り除くこと 4. 人への投資を十分に行うこと | 目指す姿を明確にし、対話を通じて共感を高め、実践への意欲を喚起すること あるべき姿に向かう日々の目標と指標を一人ひとりと共有し、参画意識を高めること 内向きな仕事を見直し、「やめる・減らす・変える」を判断すること 一人ひとりが個性を発揮し、力を伸ばすことができる環境を整えること |
| なお、経営責任者は一人ひとりが活きる経営の最終責任を負います。 | |
そして、社員一人ひとりがその個性や能力を最大限に発揮し、働きがいを高められるよう、採用、人材育成、評価・処遇、異動・配置などの様々な場面において一人ひとりの体験価値を高め、挑戦し活躍できる機会づくりを推進しています。
<経営者づくり>当社グループの持続的な成長を実現するためには、事業を牽引する多様な経営者が必要不可欠であり、そのために中長期にわたる後継者のパイプラインづくりを推進しています。具体的には、パナソニックホールディングス㈱執行役員及び事業会社社長等の26の重要ポストを対象とし、後継者の早期発掘と「適所適材」を基本に、国籍や職歴、性別、年齢等の属性に限らない多様性あふれる経営者づくりを推進しています。そのためにグループ全体最適視点で後継者の発掘・育成・配置・モニタリングを複眼的に議論・推進するグループタレントマネジメントコミッティーを設置し、現在100名規模の後継者のキャリア開発に取り組んでいます。
一人ひとりの成長や挑戦を支援するグループ共通の取り組みのひとつが「A Better Dialogue」です。本人と上司との対話の「質」と「量」を高めるこの取り組みは、一人ひとりの想いを引き出す1on1 Meetingに加え、「キャリア・能力開発」、「目標管理」、「コンピテンシーレビュー」の3つの仕組みで構成されています。こうした多様な対話機会の提供を推進し、2023年度は日本では実施率83%、満足度84%となっています。
<公募異動>一人ひとりの自発的な挑戦意欲、自律したキャリア形成を支援する仕組みの一つが公募異動です。グループ共通の制度としては、eチャレンジ(募集中の案件に対して、応募することができる公募制度)・eアピール(希望する部門に自らアピールすることができる制度)、複業(所属部門に身を置きながら、社内の新しい業務を経験できる制度)があります。2023年度はeチャレンジ・eアピールには募集人員を大きく上回る約1,700名の社員が手を挙げ、うち約500名が挑戦しました。また複業には約50名が挑戦しました。その他、各事業会社でも独自の公募異動が活発化しています。
(c)個性を活かしあって、はたらく。
― Diversity, Equity & Inclusion(DEI)の推進
当社グループは2021年に制定したグループ共通の方針である、Panasonic Group DEI Policyを軸に、3つの視点でDEIを推進しています。1つ目はトップコミットメントです。これは、経営者自らがDEI推進にコミットし、事業戦略に織り込んで推進することです。グループDEI推進委員会を定期的に開催し、経営者と社員の対話を通じてアクションを決定し、取り組みを加速させていきます。2つ目はインクルーシブな職場環境づくりです。これは、社員の多様な個性に気付き、それを活かすマネジメントや組織環境をつくっていくことです。例えばアンコンシャス・バイアストレーニングを各地域で推進しています。3つ目は社員一人ひとりへのサポートです。ジェンダー、LGBTQ+、障がいのある人、高年齢者、また育児や介護を抱える人など、多様な個性を持つ一人ひとりが、それぞれの挑戦に向き合えるよう支援することです。様々な個性に応じたコミュニティの活動展開の支援や制度・仕組みの構築、運用の見直しなどを実施しています。
なお、多様性に関する指標(管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率、労働者の男女の賃金の差異)については「第1 企業の概況 5 従業員の状況」及び「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しています。
<ジェンダーの公平性の取り組み>当社グループでは報酬体系上、性別による格差はありません。一方で、とりわけ日本地域では、上級の管理職や意思決定をする職位において、より多くの女性を登用する必要があることを認識し、多様性の確保に注力しています。このため、前述のインクルーシブな職場環境づくりに加え、評価や登用のあり方について公平性の観点から見直しを図っています。また、女性社員向けの勉強会、女性リーダー向けのキャリアストレッチセミナーの開催、ロールモデルの価値観や仕事観にふれる機会づくりなどにも取り組んでいます。
<妊娠・育児中の社員へのキャリアサポート>会社制度の理解促進を図るとともに、上司のマネジメントガイドとして妊娠中から育児期まで、それぞれの部下の状況に合わせたコミュニケーションを推進しています。さらに、希望する誰もが育児とキャリアを両立できるようグループ各社において制度の整備と職場風土の醸成に取り組んでいます。具体的にはより安心して休業を取得できるよう、一日単位の有給の育児休暇の新設や、最大2年間の育児休業制度のうち一定期間を有給化するなどの取組みを推進しています。加えて、働く時間と場所の柔軟化など、単に休業という選択肢に留まらず、一人ひとりのニーズに応じて育児と仕事を両立するための制度整備を図っています。