有価証券報告書-第117期(2023/04/01-2024/03/31)
①地球環境問題
当社グループは、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向け、2022年に長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT(PGI)」を発表しました。目指すゴールは、責務としてスコープ1~3(注)1にあたる自社グループバリューチェーン(注)2におけるCO2の排出を実質ゼロにすることによる排出削減1.1億トンに加え、事業活動を通じた社会への排出削減貢献2億トンにより、2050年に全世界の排出総量の約1%にあたる3億トン(注)3以上の削減インパクトを創出することです。
PGIがゴールと定める削減インパクトの2/3を占める削減貢献量は、自社の技術や製品、サービスを使用した場合にどれだけのCO2削減効果が見込めるかを推定する指標です。当社グループは、この削減貢献量が企業の脱炭素への貢献として適切に評価されるよう、国や業界・金融界を巻き込んで、その社会的意義・国際標準化の必要性の議論を先導しています。2023年8月に発行したサステナビリティデータブックでは、削減貢献量の事例や算定式などを初めて開示しました。IEC(国際電気標準会議)・GXリーグ(注)4・WBCSD(持続可能な発展を目指すグローバル企業団体)での標準化活動やガイダンス作成に参画する他、これまで様々な国際イベントで発信し続けてきた成果として、2023年4月のG7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合、及び5月のG7広島首脳サミット、それぞれの成果文書において「削減貢献量を認識することに価値がある」「脱炭素ソリューションを通じ他の事業者の排出削減に貢献するイノベーションを促すための民間事業者の取り組みを奨励・促進」と明記されるに至りました。その後も2023年11月にドバイで開催されたCOP28(注)5において、PGIを実現する先進環境技術の展示やセミナー、及びパネルディスカッションへの登壇を通じ、削減貢献量の意義や国際標準化の必要性などを発信しました。
事業を通じて地球環境問題解決に貢献していく、という決意を込めたPanasonic GREEN IMPACTが目指すゴールには、カーボンニュートラルとともに、サーキュラーエコノミー(CE)(注)6の実現も含んでいます。2022年に公表した環境行動計画「GREEN IMPACT PLAN 2024」では、脱炭素に向けた目標設定に加え、CEの実現につながる工場廃棄物のリサイクル率(99%以上を維持)、再生樹脂の使用量(2022~2024年3年累計9万トン)、CE型事業モデル数(2024年までの累計13事業)の目標も設定しています。更にグループにおけるCEへの取り組みを加速させるため、2023年12月に「サーキュラーエコノミーグループ方針」を策定し、各事業会社の事業特性に応じたアプローチでの課題の特定や、長期戦略・中期行動計画の策定を進めています。
わたしたちの次の世代、さらに未来の世代にわたって、人々が安心してこの地球でくらしていけるよう、今後も事業活動を通じて、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みをグループ一体となり加速していきます。
なお、当社グループは2019年5月にTCFD(注)7提言への賛同を表明しています。
当社グループは、マテリアリティ特定プロセスを経て、地球温暖化進行を当社グループにおける最重要課題とし、気候変動に関するリスクと機会の特定にあたっては、TCFD提言を踏まえ、シナリオ分析による戦略のレジリエンスを検証しています。また、投資家等とのエンゲージメントを実施することを想定し、TCFDが推奨する開示項目である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について情報開示を行っています。
(注)1 スコープ1~3 :国際的な温室効果ガス排出量の算定・報告の基準である「温室効果ガス(GHG)プロトコル」の中で設けられている排出量の区分。スコープ1は事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)、スコープ2は他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出、スコープ3はスコープ1、2以外の事業者の活動に関連する他社の排出
2 バリューチェーン :原材料調達から製造、流通、販売、アフターサービスにいたるまでの企業の一連の事業活動
3 全世界の排出総量の約1%にあたる3億トン以上:2020年エネルギー起源CO2排出量(出典:IEA)による(CO2削減貢献量の排出係数は2020年基準)
4 GXリーグ :カーボンニュートラルにいち早く移行するための挑戦を行う企業群が官・学・金と一体となり経済社会システム全体の変革(GX:グリーントランスフォーメーション)のための議論と新たな市場創造を実践する場として経済産業省が設立した枠組み
5 COP28 :第28回 国連気候変動枠組条約締約国会議。気候変動問題解決に向けた国際会議として約200カ国・地域等が参加
6 サーキュラーエコノミー(CE) :循環経済。製品、素材、資源の価値を可能な限り長く保全・維持し、廃棄物の発生を最小限化するなど、モノのシェアリングやサービス化で資源の有効活用を図る経済システム
7 TCFD :Task Force on Climate-related Financial Disclosures の略で、G20財務大臣・中央銀行総裁会議の要請を受けて、金融安定理事会により設置された気候関連財務情報開示タスクフォースのことであり、2017年に提言を公開
8 SBT :Science Based Targetsの略で、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べ2度未満、できれば1.5度未満に抑えるという目標に向け、科学的知見と整合した削減目標
9 ― :算出対象製品拡大による排出量増加のため進捗率は算出せず
なお、サステナビリティデータブック2024年3月期版は2024年9月頃に下記のウェブサイトに掲載予定です。
https://holdings.panasonic/jp/corporate/sustainability/data-book.html
当社グループは、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向け、2022年に長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT(PGI)」を発表しました。目指すゴールは、責務としてスコープ1~3(注)1にあたる自社グループバリューチェーン(注)2におけるCO2の排出を実質ゼロにすることによる排出削減1.1億トンに加え、事業活動を通じた社会への排出削減貢献2億トンにより、2050年に全世界の排出総量の約1%にあたる3億トン(注)3以上の削減インパクトを創出することです。
PGIがゴールと定める削減インパクトの2/3を占める削減貢献量は、自社の技術や製品、サービスを使用した場合にどれだけのCO2削減効果が見込めるかを推定する指標です。当社グループは、この削減貢献量が企業の脱炭素への貢献として適切に評価されるよう、国や業界・金融界を巻き込んで、その社会的意義・国際標準化の必要性の議論を先導しています。2023年8月に発行したサステナビリティデータブックでは、削減貢献量の事例や算定式などを初めて開示しました。IEC(国際電気標準会議)・GXリーグ(注)4・WBCSD(持続可能な発展を目指すグローバル企業団体)での標準化活動やガイダンス作成に参画する他、これまで様々な国際イベントで発信し続けてきた成果として、2023年4月のG7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合、及び5月のG7広島首脳サミット、それぞれの成果文書において「削減貢献量を認識することに価値がある」「脱炭素ソリューションを通じ他の事業者の排出削減に貢献するイノベーションを促すための民間事業者の取り組みを奨励・促進」と明記されるに至りました。その後も2023年11月にドバイで開催されたCOP28(注)5において、PGIを実現する先進環境技術の展示やセミナー、及びパネルディスカッションへの登壇を通じ、削減貢献量の意義や国際標準化の必要性などを発信しました。
事業を通じて地球環境問題解決に貢献していく、という決意を込めたPanasonic GREEN IMPACTが目指すゴールには、カーボンニュートラルとともに、サーキュラーエコノミー(CE)(注)6の実現も含んでいます。2022年に公表した環境行動計画「GREEN IMPACT PLAN 2024」では、脱炭素に向けた目標設定に加え、CEの実現につながる工場廃棄物のリサイクル率(99%以上を維持)、再生樹脂の使用量(2022~2024年3年累計9万トン)、CE型事業モデル数(2024年までの累計13事業)の目標も設定しています。更にグループにおけるCEへの取り組みを加速させるため、2023年12月に「サーキュラーエコノミーグループ方針」を策定し、各事業会社の事業特性に応じたアプローチでの課題の特定や、長期戦略・中期行動計画の策定を進めています。
わたしたちの次の世代、さらに未来の世代にわたって、人々が安心してこの地球でくらしていけるよう、今後も事業活動を通じて、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みをグループ一体となり加速していきます。
なお、当社グループは2019年5月にTCFD(注)7提言への賛同を表明しています。
当社グループは、マテリアリティ特定プロセスを経て、地球温暖化進行を当社グループにおける最重要課題とし、気候変動に関するリスクと機会の特定にあたっては、TCFD提言を踏まえ、シナリオ分析による戦略のレジリエンスを検証しています。また、投資家等とのエンゲージメントを実施することを想定し、TCFDが推奨する開示項目である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について情報開示を行っています。
| ガバナンス | 当社グループでは、環境経営推進体制のトップには取締役会が位置しており、グループ環境経営について取締役会への報告を実施しています。 また、GREEN IMPACT PLAN 2024で社会に約束した環境目標の主要項目に対する進捗と実績は、グループCEOと事業会社社長などの経営幹部が出席するグループ経営会議で確認し、方向性や課題、特に重要な施策について意思決定しています。特に重要内容は取締役会に諮られています。グループ長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」は、このプロセスを経て、2022年4月に発信しています。グループの環境経営活動の推進にあたっては、2021年12月に設置された、グループCEOが主宰するサステナビリティ経営委員会での意思決定を通じて、グループ全体で 連携して推進できる体制を構築しています。 |
| 戦略 | 気候変動がもたらす影響について、当社グループ事業のリスクと機会を把握した上で、影響の ある項目について当社グループ事業へのインパクト分析を行い、最も影響のある項目を軸に 2030年を想定した社会シナリオを策定し、そのシナリオに対応した戦略を検討し、当社グループの戦略のレジリエンスを検証しました。 |
| リスク管理 | 当社グループは環境リスクを継続的に低減させていくためのマネジメント体制として、事業会社ごとの環境リスク管理体制を組織し、グループ全社のリスクマネジメントの基本的な考え方に則り、毎年度、環境リスクの洗い出しとグループ全社リスクマネジメント推進、及び環境リスク発現時の迅速な対応を進めています。また、当社グループでは、パナソニックホールディングス㈱(PHD)及び事業会社で同一のプロセスに基づくリスクマネジメントを推進しています。 PHD エンタープライズリスクマネジメント委員会では、当社グループの経営・事業戦略と 社会的責任の観点から審議を行い、グループ重要リスクを決定します。2024年度は、グループ 重要リスクのうち、戦略リスクとして気候変動・環境規制/サーキュラーエコノミーの進展、オペレーショナルリスクとして自然災害、サプライチェーンマネジメントが取り上げられています。 |
| 指標と目標 | 当社グループは、温室効果ガス(GHG)削減の中長期の目標を設定し、2017年10月にSBT(注)82度 目標として認定を受けました。さらに、新たに設定したGHG削減目標が2023年5月に1.5度目標の認定を受けました。(下記の表を参照) |
| GHG排出量目標(SBT1.5度目標認定) | 目標 | 目標進捗率 |
| 当社グループ事業活動における排出量 (スコープ1、2) | 2030年に90%削減(2019年度比) | 23% |
| 当社グループ製品使用に伴う排出量 (スコープ3) | 2030年に30%削減(2019年度比) | ― (注)9 |
(注)1 スコープ1~3 :国際的な温室効果ガス排出量の算定・報告の基準である「温室効果ガス(GHG)プロトコル」の中で設けられている排出量の区分。スコープ1は事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)、スコープ2は他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出、スコープ3はスコープ1、2以外の事業者の活動に関連する他社の排出
2 バリューチェーン :原材料調達から製造、流通、販売、アフターサービスにいたるまでの企業の一連の事業活動
3 全世界の排出総量の約1%にあたる3億トン以上:2020年エネルギー起源CO2排出量(出典:IEA)による(CO2削減貢献量の排出係数は2020年基準)
4 GXリーグ :カーボンニュートラルにいち早く移行するための挑戦を行う企業群が官・学・金と一体となり経済社会システム全体の変革(GX:グリーントランスフォーメーション)のための議論と新たな市場創造を実践する場として経済産業省が設立した枠組み
5 COP28 :第28回 国連気候変動枠組条約締約国会議。気候変動問題解決に向けた国際会議として約200カ国・地域等が参加
6 サーキュラーエコノミー(CE) :循環経済。製品、素材、資源の価値を可能な限り長く保全・維持し、廃棄物の発生を最小限化するなど、モノのシェアリングやサービス化で資源の有効活用を図る経済システム
7 TCFD :Task Force on Climate-related Financial Disclosures の略で、G20財務大臣・中央銀行総裁会議の要請を受けて、金融安定理事会により設置された気候関連財務情報開示タスクフォースのことであり、2017年に提言を公開
8 SBT :Science Based Targetsの略で、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べ2度未満、できれば1.5度未満に抑えるという目標に向け、科学的知見と整合した削減目標
9 ― :算出対象製品拡大による排出量増加のため進捗率は算出せず
なお、サステナビリティデータブック2024年3月期版は2024年9月頃に下記のウェブサイトに掲載予定です。
https://holdings.panasonic/jp/corporate/sustainability/data-book.html