有価証券報告書-第118期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/20 11:31
【資料】
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【項目】
190項目
①地球環境問題の解決に向けた取り組み
当社グループは、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向け、2022年に長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」を発表しました。目指すゴールは、責務としてスコープ1~3(注)1にあたる自社グループバリューチェーン(注)2におけるCO2の排出を実質ゼロにすることによる排出削減1.1億トンに加え、事業活動を通じた社会への排出削減貢献2億トンにより、2050年に全世界の排出総量の約1%にあたる3億トン(注)3以上の削減インパクトを創出することです。
Panasonic GREEN IMPACTがゴールと定める削減インパクトの2/3を占める削減貢献量は、自社の技術や製品、サービスを使用した場合にどれだけのCO2削減効果が見込めるかを推定する指標です。当社グループのサステナビリティデータブックでは、削減貢献量の事例や算定式などを開示しています。当社グループは、この削減貢献量が企業の脱炭素への貢献として適切に評価されるよう、国や業界・金融界を巻き込んで、その社会的意義や国際標準化の必要性についての議論を先導しています。2024年11月のCOP29(注)4では、経済産業省とWBCSD(持続可能な発展を目指すグローバル企業団体)共催のイベントにおいて、国際イニシアチブ・機関によるパネルディスカッションにIEC(国際電気標準会議)を代表して当社グループが参加しました。削減貢献量の算定方法等を定める国際規格(IEC63372)に関して、当社グループが更新に参加しているWBCSDのガイダンスと整合性を図りながら、ISO(国際標準化機構)とも連携し、他社と協働して国際規格化を進めていることを紹介しました。国際規格化により、政府や金融機関等が脱炭素化に貢献する企業を適切に評価し、インセンティブ付与や投資判断に削減貢献量を活用できることへの期待や、あらゆる産業界にとって意義がある点を発信しました。
事業を通じて地球環境問題の解決に貢献するという決意を込めたPanasonic GREEN IMPACTが目指すゴールには、カーボンニュートラルとともに、サーキュラーエコノミー(注)5の実現も含まれています。グループにおけるサーキュラーエコノミーへの取り組みを加速させるため、「サーキュラーエコノミーグループ方針」を策定し、各事業会社の事業特性に応じたアプローチで課題の特定や、長期戦略・中期行動計画の策定を進めています。2023年5月のG7広島サミットでCEREP(循環経済資源効率原則)が承認され、企業のサーキュラーエコノミーの取り組みを評価・促進するための指標や目標であるWBCSDのGCP(グローバル循環プロトコル)の開発に当社グループは積極的に参画しています。COP29(注)4では、環境省主催の「CEREPとGCPを通じたグローバルスタンダード形成」に関するパネルディスカッションにも当社グループが参加し、サーキュラーエコノミーの実践に向けた当社グループの具体的なアクションを紹介しました。
私たちの次の世代、さらには未来の世代にわたって、人々が安心してこの地球で暮らしていけるよう、今後も事業活動を通じて、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みをグループ一体となって加速していきます。
なお、当社グループは2019年5月にTCFD(注)6提言への賛同を表明しています。当社グループは、マテリアリティ特定プロセスを経て、地球温暖化の進行を当社グループにおける最重要課題とし、気候変動に関するリスクと機会の特定にあたっては、TCFD提言を踏まえ、シナリオ分析による戦略のレジリエンスを検証しています。また、投資家等とのエンゲージメントを実施することを想定し、TCFDが推奨する開示項目である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について情報開示を行っています。
ガバナンス当社グループでは、環境経営推進体制のトップに取締役会が位置しており、グループ環境経営について取締役会への報告を実施しています。 また、GREEN IMPACT PLAN 2024で社会に約束した環境目標の主要項目に対する進捗と実績は、グループCEOや事業会社社長などの経営幹部が出席するグループ経営会議で確認し、方向性や課題、特に重要な施策について意思決定を行っています。特に重要な内容は取締役会に諮られています。グループ長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」は、このプロセスを経て、2022年4月に発信されました。グループの環境経営活動を推進するため、2021年12月に設置されたグループCEOが主宰するサステナビリティ経営委員会での意思決定を通じて、グループ全体で連携して推進できる体制を構築しています。
戦略気候変動がもたらす影響について、当社グループの事業におけるリスクと機会を把握した上で、影響のある項目についてインパクト分析を行い、最も影響の大きい項目を軸に2030年を想定した社会シナリオを策定しました。そのシナリオに対応した戦略を検討し、当社グループの戦略のレジリエンスを検証しました。
リスク管理当社グループは、環境リスクを継続的に低減するためのマネジメント体制を整備し、事業会社ごとの環境リスク管理体制を組織しています。グループ全社のリスクマネジメントの基本的な考え方に則り、毎年度、環境リスクの洗い出しやグループ全社のリスクマネジメント推進、さらに環境リスクが発現した際の迅速な対応を進めています。また、当社グループでは、パナソニックホールディングス㈱(PHD)及び事業会社で同一のプロセスに基づくリスクマネジメントを推進しています。PHDエンタープライズリスクマネジメント委員会では、当社グループの経営・事業戦略と社会的責任の観点から審議を行い、グループの重要リスクを決定します。2024年度には、グループの重要リスクのうち、戦略リスクとして気候変動や環境規制、サーキュラーエコノミーの進展、オペレーショナルリスクとして自然災害やサプライチェーンマネジメントが取り上げられています。
指標と目標当社グループは、温室効果ガス(GHG)削減目標を設定しています。2017年10月にSBT(注)72度目標として認定され、2023年5月にはパリ協定に沿って新たに設定したGHG削減目標が1.5度目標として認定されました。さらに、長期目標として、2024年9月にネットゼロ目標の認定を受けました。(下記の表を参照)

GHG排出量目標(SBT1.5度目標認定)目標目標進捗率
当社グループ事業活動における排出量
(スコープ1、2)
2030年に90%削減(2019年度比)38%(注)8
当社グループ製品使用における排出量
(スコープ3)
2030年に30%削減(2019年度比)― (注)9

GHG排出量目標(SBTネットゼロ目標認定)目標目標進捗率
当社グループバリューチェーン
全体における排出量(スコープ1、2、3)
2050年に90%削減(2019年度比)― (注)9

(注)1 スコープ1~3 :国際的な温室効果ガス排出量の算定・報告の基準である「温室効果ガス(GHG)プロトコル」の中で設けられている排出量の区分。スコープ1は事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)、スコープ2は他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出、スコープ3はスコープ1、2以外の事業者の活動に関連する他社の排出
2 バリューチェーン :原材料調達から製造、流通、販売、アフターサービスにいたるまでの企業の一連の事業活動
3 全世界の排出総量の約1%にあたる3億トン以上:2020年エネルギー起源CO2排出量(出典:IEA)による(CO2削減貢献量の排出係数は2020年基準)
4 COP29 :第29回 国連気候変動枠組条約締約国会議。気候変動問題解決に向けた国際会議として約200カ国・地域等が参加
5 サーキュラーエコノミー :循環経済。製品、素材、資源の価値を可能な限り長く保全・維持し、廃棄物の発生を最小限化するなど、モノのシェアリングやサービス化で資源の有効活用を図る経済システム
6 TCFD :Task Force on Climate-related Financial Disclosures の略で、G20財務大臣・中央銀行総裁会議の要請を受けて、金融安定理事会により設置された気候関連財務情報開示タスクフォースのことであり、2017年に提言を公開
7 SBT :Science Based Targetsの略で、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べ2度未満、できれば1.5度未満に抑えるという目標に向け、科学的知見と整合した削減目標
8 38% :第三者検証完了前のため、2023年度実績から算出。最新の値は、追って当社サステナビリティ・ウェブサイト(TCFDへの対応)にて開示
9 ― :算出対象製品拡大による排出量増加のため進捗率は算出せず

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