有価証券報告書-第69期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/26 15:31
【資料】
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【項目】
114項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
そのうち、見積りに該当する項目として主なものは次のとおりであります。
繰延税金資産:当連結会計年度末において回収可能性の判定を行った結果により、資産計上を行っております。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析と経営成績に重要な影響を与える要因について
当連結会計年度の売上高は1,573億6千万円(前年同期比103.5%)となりました。また、損益につきましては、売上の拡大及び事業構造改革を中心とした改善を進めてまいりました結果、営業利益は6億2千9百万円(前年同期の営業損失は43億8千2百万円)、経常利益は為替差益の計上などにより26億3千2百万円(前年同期の経常損失は32億7千4百万円)、当期純利益は受取保険金の計上などにより32億2千8百万円(前年同期の当期純損失は115億4千5百万円)となりました。
また、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、事業等のリスク に記載の内容が挙げられます。
(3) 戦略的現状と見通し
電子部品市場は、当期と同様にスマートフォン・タブレット端末等の携帯情報端末関連部品と電子化が進む車載関連部品が市場拡大を牽引し、さらに環境エネルギー関連・医療ヘルスケア関連の部品市場も高い成長率が見込まれます。
この様な市場環境の下、当社グループは、当期までの事業構造改革による収益性改善を主眼とした事業運営が一定の成果を得たものと判断し、次期は規模の利益を獲得する為、成長市場に事業リソースを集中させて事業拡大を優先する事業運営へと移行いたします。
特に二次電池関連半導体やカメラ用アクチュエータ等のワールドワイドで高い市場占有率を持つ製品群につきましては、他社に先んじた新技術の開発と市場投入に注力し、市場での優位性をさらに高めます。また、車載関連・ヘルスケア関連等の今後高い成長が期待できる製品群につきましては、AV・通信市場で培った技術を応用することにより、新たな市場を創出してまいります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益36億7千8百万円の計上に加え、減価償却費、売上債権の増加、たな卸資産の減少、仕入債務の減少などにより87億3千9百万円の収入(前年同期は58億2千4百万円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出などにより100億2千6百万円の支出(前年同期は77億8千2百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払いによる支出などにより、5百万円の支出(前年同期は4百万円の支出)となりました。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、将来にわたる成長の実現に向けて、事業領域と事業拠点の「選択と集中」を実現することを目的に、当社が価値を生み出すことの出来る成長領域を定め、人材を含めた経営資源を集中させ、売上高と収益力の向上に努めてまいります。成長領域は、既存の主力であるアミューズメント、スマートフォン・タブレットPC等の新携帯端末、電子化・情報ネットワーク化が進む車載・エネルギーの3市場、及び当社が現在高い占有率を保持している個別製品市場であります。
製品競争力の強化については、半導体技術、高周波技術、電源技術、光関連技術、超精密加工技術等、当社グループの固有技術の深掘りにより「製品開発力」と「ものづくり力」の一層の強化を図ってまいります。また、国内拠点から海外拠点への生産管理機能の移管と技術の移植により、海外で事業が完結する組織体制を段階的に構築いたします。
当社グループは、このような戦略を通して持続的な成長と企業価値の継続的増大を達成して行く所存であります。