有価証券報告書-第95期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
1) 財政状態
当連結会計年度末(以下「当期末」という)の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)比で64億1千3百万円増加(前期末比8.4%増)し、827億6千6百万円となりました。内訳としては、流動資産は前期末比11億4千万円増加(同2.2%増)の538億円、固定資産は同比52億7千2百万円増加(同22.3%増)の289億6千5百万円となりました。
流動資産増加の主な要因は、現金及び預金が45億9百万円減少した一方、受取手形及び売掛金が28億7千7百万円、たな卸資産が19億9千万円増加したことなどによります。
固定資産については、当社坂戸事業所及び国内子会社工場の建て替えなどにより有形固定資産が前期末比32億2千6百万円増加(前期末比19.0%増)しました。また、無形固定資産が同比8億4百万円増加(同93.7%増加)、投資その他の資産が同比12億4千1百万円増加(同21.1%増)しました。
当期末の負債の合計は、前期末比で20億5百万円増加(前期末比5.3%増)し、397億6千9百万円となりました。内訳としては、流動負債は同比69億4千2百万円増加(同29.9%増)の301億2千9百万円、固定負債は同比49億3千7百万円減少(同33.9%減)の96億4千万円となりました。
有利子負債合計(短期借入金・1年内返済予定の長期借入金・短期リース債務・長期借入金及び長期リース債務の合計額)は156億7千4百万円となり、当社及び海外子会社における借入金の返済により、前期末比で15億7千3百万円減少しました。
当期末の純資産は、前期末比で44億7百万円増加(前期末比11.4%増)し、429億9千6百万円となりました。これは利益剰余金が28億9千2百万円増加したことなどによります。この結果、自己資本比率は51.48%となりました。また、1株当たり純資産額は519.59円(前期末1株当たり純資産額は468.04円)となりました。
(当連結会計年度における自己資本比率及び1株当たり純資産は、純資産より新株予約権・非支配株主持分を控除して計算した比率を用いております。)
2) 経営成績
当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)における世界経済は、地政学的リスクや各国の政治的な緊張感の高まりなどの不安定要素があったものの、全体としては回復基調が継続し、我が国経済も総じて堅調に推移いたしました。当社グループに関わるエレクトロニクス市場では、新興国向けを中心に生産設備の強化・自動化で需要が高まる産業機械関連や、電動化・電子化を背景に将来の成長が期待される自動車関連などが好調に推移いたしました。一方で年度後半より、一部部材のマーケットへの供給不足による市場価格の高騰や、銅などの素材価格の値上がり、足元ではスマートフォン市場の成長鈍化や不安定な為替変動などの懸念事項も生じております。
このような状況のもと、当社グループでは「第11次中期経営計画Biltrite Tamura GROWING」で目指す、収益性の向上を第一とした豊かな成長の実現に向け、ITシステムを活用した個別原価管理の徹底、グローバルな生産・販売・開発体制の一層の強化と効率化、製品・市場の見極めによる投資開発効率の向上などに取り組んでまいりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の状況といたしまして、売上高は855億5千8百万円(前期比7.5%増)、営業利益は54億7百万円(同5.7%増)、経常利益は54億8千万円(同7.7%増)と増収増益となり、営業利益は前期に続き二期連続の過去最高益更新となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は36億3千万円(同2.6%減)と前期比で減少しております。これは当社の連結子会社間の取引について、移転価格税制に関する追加納付が見込まれる額等を「過年度法人税等」に計上したことが影響しております。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、売上高はセグメント間の内部売上高を含めており、セグメント利益はセグメント間取引消去及び本社部門負担の未来開発研究費用控除前の営業利益と調整を行っております。
(電子部品関連事業)
電子部品関連事業では、生産設備の強化・自動化で需要が高まる産業機械向けのトランス・リアクタ、電動工具や家電・住宅市場向けのチャージャ、エアコン用のリアクタなどが好調に推移いたしました。ハイブリッド自動車・電気自動車などで使用される車載用リアクタの生産・販売も堅調に推移するとともに、同製品の将来の拡大に備え、宮城県の工場建て替えが2018年7月の完成に向けて予定どおり進行しております。しかし年度後半より、一部部材のマーケットへの供給不足による市場価格の高騰や、銅などの素材価格の値上がり、不安定な為替変動などが生じ、売上は堅調ながらも収益性がやや低下いたしました。
その結果、売上高は558億7千4百万円(前期比7.5%増)、セグメント利益は21億9千7百万円(同10.1%減)と、増収減益となりました。
(電子化学実装関連事業)
電子化学事業は、秋口よりスマートフォンの新モデル量産対応を中心にフレキシブル基板用ソルダーレジストの売上が急増いたしましたが、年初以降はスマートフォン販売の減速を受け生産が減少いたしました。一方、車載向けの高信頼性ソルダーペースト・ソルダーレジストは、自動車の電動化・電子化を背景に年間を通じて底堅く推移いたしました。更に、今後のグローバル成長に向けて、平成29年10月に車載関連企業が集積するドイツにおいてはんだメーカーを買収、平成30年10月の完成に向けて成長著しいアセアンエリアの新たな自社生産拠点としてタイにソルダーペースト新工場を建設するなどのアクションを進めました。また、実装装置事業では、自動車関連や電子部品メーカーからの旺盛な需要を受け、リフロー装置が堅調に推移いたしました。
その結果、売上高は254億4千2百万円(前期比7.3%増)、セグメント利益は32億4千4百万円(同9.2%増)と、増収増益となりました。
(情報機器関連事業)
情報機器関連事業は、前連結会計年度まで続いたセキュリティ機器やワイヤレスマイクロホン関連の需要が一巡したものの、当連結会計年度はキー局の放送設備更新を中心とした音声調整卓(ミキサー)の拡販や、通信事業者向けの監視装置の更新対応が進展いたしました。今後も、放送設備関連については、平成30年12月の4K/8K本放送開始や、その先の東京オリンピック・パラリンピックに向けて旺盛な設備投資需要が期待され、スーパーハイビジョン(8K)番組制作に向けて開発されたデジタル音声卓“NT900”の受注も進んでおります。
その結果、売上高は42億3千2百万円(前期比4.4%増)、セグメント利益は4億9千万円(同52.4%増)と、増収増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)につきましては、主に投資活動の結果使用した資金が増加したため、前連結会計年度末に比べ46億6千8百万円減少し、146億1百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は26億5千2百万円で、前連結会計年度に比べ54億8千7百万円獲得額が減少(前期比67.4%減)しました。これは主に売上債権の増減額及びたな卸資産の増減額が減少から増加へ転じたことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は48億2千2百万円で、前連結会計年度に比べ40億4千5百万円使用額が増加(前期比520.0%増)しました。これは主に坂戸事業所及び国内子会社工場の建て替えや、ドイツ及びタイ子会社の取得に資金を使用したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は25億7千5百万円で、前連結会計年度に比べ13億9千1百万円使用額が減少(前期比35.1%減)しました。これは主に短期借入金の純増減額が減少から増加へ転じたことなどによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。具体的には、当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づいて作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、新日本有限責任監査法人による監査を受けております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高855億5千8百万円(直前業績予想比1.0%増)、営業利益54億7百万円(同0.1%増)、経常利益54億8千万円(同1.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は36億3千万円(同0.8%増)となり、いずれも当社予想に沿って堅調に推移しております。
この結果の背景には、生産設備の強化・自動化で需要が高まる産業機械関連市場や、電動化・電子化を背景に将来の成長が期待される自動車関連市場の好調な推移があります。その一方で、年度後半よりスマートフォン市場の停滞や、一部部材のマーケット供給不足による高騰、銅などの素材価格の値上がりなどにより、収益性がやや低下しております。
このように、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、グローバルな市場環境の変化や、原材料価格の変動などが挙げられます。当社グループでは、連結売上高95%以上をカバーするITシステムによる個別原価管理の徹底により製品・市場の見極めをタイムリーに行うとともに、素材価格の変動による影響を最小化するために、顧客と価格改定ローリングの取り決めを行うなどの対策を進めております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、株主資本を充実し経営基盤の安定化を推進しつつ、資本効率を高めることを方針とし、当社グループの中期経営計画では、資本効率に関する目標として、連結ベースでROE9%以上の確保を目指しています。
足元では、収益性の向上を第一とする中期経営計画のもとで利益確保が進んでおり、この指針を踏まえつつ、将来の事業拡大に向けたタイムリーな投資を進めております。
具体的には、ハイブリッド車・電気自動車などに使用される「昇圧リアクタ」の需要増加への対応を目的に、当社の連結子会社である㈱若柳タムラ製作所の工場建て替え及び設備投資を実施し、平成30年7月に完成する予定となっております。また、平成29年10月末日付けにてドイツのはんだメーカーであるElsold GmbH & Co. KG社の持分100%を取得いたしました。車載関連企業が集積するドイツに新拠点を設置し、欧州エリアにおける電子化学材料の開発・生産・販売の一貫体制の構築を進めております。
なお、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金及び金融機関からの借入により調達することを基本方針としております。このうち借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などは主に長期借入金で調達しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループの中期経営計画(平成28年4月~平成31年3月)にて、目標とする経営指標を3点掲げております。まず、収益性の向上を第一として、連結営業利益率7%以上の達成を最上位の目標としております。第2に、資本効率に関する目標として、連結ベースでROE9%以上を確保することを目指します。第3に、当社グループがグローバルに成長していくためには非日系企業との取引拡大が必須として、非日系顧客への売上高比率30%以上を目指します。これら3つの指標は、中期経営計画第2年度となる平成29年度まで順調に推移しており、いずれも中期経営計画最終年度となる平成30年度に計画達成を予想しております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(電子部品関連事業)
電子部品関連事業は、安定収益の確保を課題と捉え、狙った市場・製品への集中、個別原価管理の徹底、地域に根差し製品開発から承認取得をスピーディーに展開する「地開(開発)地承(承認)」の取り組み、などを進めてまいりました。当事業セグメントの中期計画最終年度の目標である営業利益率4.6%が、達成可能ペースで推移しております。
一方で、当事業では将来の更なる成長に向けて㈱若柳タムラ製作所の工場及び坂戸事業所建て替えなどの設備投資を進めております。将来の拡大が期待される車載関連は、足元で生産設備の構築などにタイムリーな投資が必要ながら、市場の本格化は平成31年度後半からを見込んでおり、中長期を見据えた事業戦略・財務戦略の遂行が課題と認識しております。また、当事業セグメントの営業利益率についても、もう一段の改善が必要と認識し、高付加価値製品の拡大や、生産効率の改善、開発効率の改善などの取り組みを進めてまいります。
(電子化学実装関連事業)
電子化学実装関連事業は、当社グループの中においては高い収益性でグループの利益を牽引しております。しかしながら、当事業は日本における生産・開発が多くを占めており、車載関連企業が集積する欧州エリアや、成長著しいアセアンエリアで「地産地消」・「地開(開発)地承(承認)」の体制をこれまで充分に構築できておりませんでした。こうした課題に対応するべく、平成29年10月にドイツのはんだメーカーを買収、平成30年10月の完成に向けてタイにソルダーペーストの新工場建設を進めております。これにより海外に関する業務は現地完結型に移行し、コストの高い日本は付加価値の高い業務に集中するという、事業のグローバル最適配置を進めます。さらに、新拠点を設置した欧州やアセアンエリアなどを通じて、非日系企業への拡販を強化いたします。こうした活動により、当事業は、さらなる収益性の向上と健全な事業拡大が見込めるものと認識し、取り組みを進めてまいります。
(情報機器関連事業)
情報機器関連事業は、前連結会計年度まで続いたセキュリティ機器やワイヤレスマイクロホン関連の需要が一巡したものの、当連結会計年度はキー局の放送設備更新を中心とした音声調整卓(ミキサー)の拡販や、通信事業者向けの監視装置の更新対応が進展し、収益を確保しております。今後についても、平成30年12月の4K/8K本放送開始や、その先の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、放送関連設備の旺盛な設備投資需要が期待されています。しかしながら、当事業の扱う製品は、売上が立つ前の開発に相応の期間と費用を要するものが多く、需要変動が大きいために平準化して収益を確保するのが難しいという傾向があります。市場のニーズを見極め、計画的かつ効率的に製品開発や販売活動を行うことで、財政状態及び経営成績の安定化を図ることを課題として認識し、取り組みを進めてまいります。
① 財政状態及び経営成績の状況
1) 財政状態
当連結会計年度末(以下「当期末」という)の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)比で64億1千3百万円増加(前期末比8.4%増)し、827億6千6百万円となりました。内訳としては、流動資産は前期末比11億4千万円増加(同2.2%増)の538億円、固定資産は同比52億7千2百万円増加(同22.3%増)の289億6千5百万円となりました。
流動資産増加の主な要因は、現金及び預金が45億9百万円減少した一方、受取手形及び売掛金が28億7千7百万円、たな卸資産が19億9千万円増加したことなどによります。
固定資産については、当社坂戸事業所及び国内子会社工場の建て替えなどにより有形固定資産が前期末比32億2千6百万円増加(前期末比19.0%増)しました。また、無形固定資産が同比8億4百万円増加(同93.7%増加)、投資その他の資産が同比12億4千1百万円増加(同21.1%増)しました。
当期末の負債の合計は、前期末比で20億5百万円増加(前期末比5.3%増)し、397億6千9百万円となりました。内訳としては、流動負債は同比69億4千2百万円増加(同29.9%増)の301億2千9百万円、固定負債は同比49億3千7百万円減少(同33.9%減)の96億4千万円となりました。
有利子負債合計(短期借入金・1年内返済予定の長期借入金・短期リース債務・長期借入金及び長期リース債務の合計額)は156億7千4百万円となり、当社及び海外子会社における借入金の返済により、前期末比で15億7千3百万円減少しました。
当期末の純資産は、前期末比で44億7百万円増加(前期末比11.4%増)し、429億9千6百万円となりました。これは利益剰余金が28億9千2百万円増加したことなどによります。この結果、自己資本比率は51.48%となりました。また、1株当たり純資産額は519.59円(前期末1株当たり純資産額は468.04円)となりました。
(当連結会計年度における自己資本比率及び1株当たり純資産は、純資産より新株予約権・非支配株主持分を控除して計算した比率を用いております。)
2) 経営成績
当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)における世界経済は、地政学的リスクや各国の政治的な緊張感の高まりなどの不安定要素があったものの、全体としては回復基調が継続し、我が国経済も総じて堅調に推移いたしました。当社グループに関わるエレクトロニクス市場では、新興国向けを中心に生産設備の強化・自動化で需要が高まる産業機械関連や、電動化・電子化を背景に将来の成長が期待される自動車関連などが好調に推移いたしました。一方で年度後半より、一部部材のマーケットへの供給不足による市場価格の高騰や、銅などの素材価格の値上がり、足元ではスマートフォン市場の成長鈍化や不安定な為替変動などの懸念事項も生じております。
このような状況のもと、当社グループでは「第11次中期経営計画Biltrite Tamura GROWING」で目指す、収益性の向上を第一とした豊かな成長の実現に向け、ITシステムを活用した個別原価管理の徹底、グローバルな生産・販売・開発体制の一層の強化と効率化、製品・市場の見極めによる投資開発効率の向上などに取り組んでまいりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の状況といたしまして、売上高は855億5千8百万円(前期比7.5%増)、営業利益は54億7百万円(同5.7%増)、経常利益は54億8千万円(同7.7%増)と増収増益となり、営業利益は前期に続き二期連続の過去最高益更新となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は36億3千万円(同2.6%減)と前期比で減少しております。これは当社の連結子会社間の取引について、移転価格税制に関する追加納付が見込まれる額等を「過年度法人税等」に計上したことが影響しております。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、売上高はセグメント間の内部売上高を含めており、セグメント利益はセグメント間取引消去及び本社部門負担の未来開発研究費用控除前の営業利益と調整を行っております。
(電子部品関連事業)
電子部品関連事業では、生産設備の強化・自動化で需要が高まる産業機械向けのトランス・リアクタ、電動工具や家電・住宅市場向けのチャージャ、エアコン用のリアクタなどが好調に推移いたしました。ハイブリッド自動車・電気自動車などで使用される車載用リアクタの生産・販売も堅調に推移するとともに、同製品の将来の拡大に備え、宮城県の工場建て替えが2018年7月の完成に向けて予定どおり進行しております。しかし年度後半より、一部部材のマーケットへの供給不足による市場価格の高騰や、銅などの素材価格の値上がり、不安定な為替変動などが生じ、売上は堅調ながらも収益性がやや低下いたしました。
その結果、売上高は558億7千4百万円(前期比7.5%増)、セグメント利益は21億9千7百万円(同10.1%減)と、増収減益となりました。
(電子化学実装関連事業)
電子化学事業は、秋口よりスマートフォンの新モデル量産対応を中心にフレキシブル基板用ソルダーレジストの売上が急増いたしましたが、年初以降はスマートフォン販売の減速を受け生産が減少いたしました。一方、車載向けの高信頼性ソルダーペースト・ソルダーレジストは、自動車の電動化・電子化を背景に年間を通じて底堅く推移いたしました。更に、今後のグローバル成長に向けて、平成29年10月に車載関連企業が集積するドイツにおいてはんだメーカーを買収、平成30年10月の完成に向けて成長著しいアセアンエリアの新たな自社生産拠点としてタイにソルダーペースト新工場を建設するなどのアクションを進めました。また、実装装置事業では、自動車関連や電子部品メーカーからの旺盛な需要を受け、リフロー装置が堅調に推移いたしました。
その結果、売上高は254億4千2百万円(前期比7.3%増)、セグメント利益は32億4千4百万円(同9.2%増)と、増収増益となりました。
(情報機器関連事業)
情報機器関連事業は、前連結会計年度まで続いたセキュリティ機器やワイヤレスマイクロホン関連の需要が一巡したものの、当連結会計年度はキー局の放送設備更新を中心とした音声調整卓(ミキサー)の拡販や、通信事業者向けの監視装置の更新対応が進展いたしました。今後も、放送設備関連については、平成30年12月の4K/8K本放送開始や、その先の東京オリンピック・パラリンピックに向けて旺盛な設備投資需要が期待され、スーパーハイビジョン(8K)番組制作に向けて開発されたデジタル音声卓“NT900”の受注も進んでおります。
その結果、売上高は42億3千2百万円(前期比4.4%増)、セグメント利益は4億9千万円(同52.4%増)と、増収増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)につきましては、主に投資活動の結果使用した資金が増加したため、前連結会計年度末に比べ46億6千8百万円減少し、146億1百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は26億5千2百万円で、前連結会計年度に比べ54億8千7百万円獲得額が減少(前期比67.4%減)しました。これは主に売上債権の増減額及びたな卸資産の増減額が減少から増加へ転じたことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は48億2千2百万円で、前連結会計年度に比べ40億4千5百万円使用額が増加(前期比520.0%増)しました。これは主に坂戸事業所及び国内子会社工場の建て替えや、ドイツ及びタイ子会社の取得に資金を使用したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は25億7千5百万円で、前連結会計年度に比べ13億9千1百万円使用額が減少(前期比35.1%減)しました。これは主に短期借入金の純増減額が減少から増加へ転じたことなどによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電子部品関連事業 | 55,864 | 113.2 |
| 電子化学実装関連事業 | 25,165 | 109.3 |
| 情報機器関連事業 | 4,169 | 111.7 |
| 報告セグメント計 | 85,199 | 111.9 |
| その他事業 | - | - |
| 合計 | 85,199 | 111.9 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電子部品関連事業 | 59,968 | 118.1 | 24,264 | 120.3 |
| 電子化学実装関連事業 | 26,611 | 102.3 | 5,813 | 126.9 |
| 情報機器関連事業 | 4,615 | 131.9 | 1,346 | 140.9 |
| 報告セグメント計 | 91,194 | 113.6 | 31,424 | 122.2 |
| その他事業 | 72 | 122.5 | - | - |
| 合計 | 91,267 | 113.6 | 31,424 | 122.2 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電子部品関連事業 | 55,874 | 107.6 |
| 電子化学実装関連事業 | 25,378 | 107.7 |
| 情報機器関連事業 | 4,224 | 104.8 |
| 報告セグメント計 | 85,478 | 107.5 |
| その他事業 | 79 | 134.4 |
| 合計 | 85,558 | 107.5 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。具体的には、当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づいて作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、新日本有限責任監査法人による監査を受けております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高855億5千8百万円(直前業績予想比1.0%増)、営業利益54億7百万円(同0.1%増)、経常利益54億8千万円(同1.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は36億3千万円(同0.8%増)となり、いずれも当社予想に沿って堅調に推移しております。
この結果の背景には、生産設備の強化・自動化で需要が高まる産業機械関連市場や、電動化・電子化を背景に将来の成長が期待される自動車関連市場の好調な推移があります。その一方で、年度後半よりスマートフォン市場の停滞や、一部部材のマーケット供給不足による高騰、銅などの素材価格の値上がりなどにより、収益性がやや低下しております。
このように、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、グローバルな市場環境の変化や、原材料価格の変動などが挙げられます。当社グループでは、連結売上高95%以上をカバーするITシステムによる個別原価管理の徹底により製品・市場の見極めをタイムリーに行うとともに、素材価格の変動による影響を最小化するために、顧客と価格改定ローリングの取り決めを行うなどの対策を進めております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、株主資本を充実し経営基盤の安定化を推進しつつ、資本効率を高めることを方針とし、当社グループの中期経営計画では、資本効率に関する目標として、連結ベースでROE9%以上の確保を目指しています。
足元では、収益性の向上を第一とする中期経営計画のもとで利益確保が進んでおり、この指針を踏まえつつ、将来の事業拡大に向けたタイムリーな投資を進めております。
具体的には、ハイブリッド車・電気自動車などに使用される「昇圧リアクタ」の需要増加への対応を目的に、当社の連結子会社である㈱若柳タムラ製作所の工場建て替え及び設備投資を実施し、平成30年7月に完成する予定となっております。また、平成29年10月末日付けにてドイツのはんだメーカーであるElsold GmbH & Co. KG社の持分100%を取得いたしました。車載関連企業が集積するドイツに新拠点を設置し、欧州エリアにおける電子化学材料の開発・生産・販売の一貫体制の構築を進めております。
なお、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金及び金融機関からの借入により調達することを基本方針としております。このうち借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などは主に長期借入金で調達しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループの中期経営計画(平成28年4月~平成31年3月)にて、目標とする経営指標を3点掲げております。まず、収益性の向上を第一として、連結営業利益率7%以上の達成を最上位の目標としております。第2に、資本効率に関する目標として、連結ベースでROE9%以上を確保することを目指します。第3に、当社グループがグローバルに成長していくためには非日系企業との取引拡大が必須として、非日系顧客への売上高比率30%以上を目指します。これら3つの指標は、中期経営計画第2年度となる平成29年度まで順調に推移しており、いずれも中期経営計画最終年度となる平成30年度に計画達成を予想しております。
| 平成28年度 実績 | 平成29年度 実績 | 平成30年度 業績予想 | 平成30年度 中期経営目標 | |
| 営業利益率 | 6.4% | 6.3% | 7% | 7%以上 |
| ROE | 10.0% | 9.0% | 9%以上 | 9%以上 |
| 非日系売上比率 | 29% | 29% | 30%以上 | 30%以上 |
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(電子部品関連事業)
電子部品関連事業は、安定収益の確保を課題と捉え、狙った市場・製品への集中、個別原価管理の徹底、地域に根差し製品開発から承認取得をスピーディーに展開する「地開(開発)地承(承認)」の取り組み、などを進めてまいりました。当事業セグメントの中期計画最終年度の目標である営業利益率4.6%が、達成可能ペースで推移しております。
一方で、当事業では将来の更なる成長に向けて㈱若柳タムラ製作所の工場及び坂戸事業所建て替えなどの設備投資を進めております。将来の拡大が期待される車載関連は、足元で生産設備の構築などにタイムリーな投資が必要ながら、市場の本格化は平成31年度後半からを見込んでおり、中長期を見据えた事業戦略・財務戦略の遂行が課題と認識しております。また、当事業セグメントの営業利益率についても、もう一段の改善が必要と認識し、高付加価値製品の拡大や、生産効率の改善、開発効率の改善などの取り組みを進めてまいります。
(電子化学実装関連事業)
電子化学実装関連事業は、当社グループの中においては高い収益性でグループの利益を牽引しております。しかしながら、当事業は日本における生産・開発が多くを占めており、車載関連企業が集積する欧州エリアや、成長著しいアセアンエリアで「地産地消」・「地開(開発)地承(承認)」の体制をこれまで充分に構築できておりませんでした。こうした課題に対応するべく、平成29年10月にドイツのはんだメーカーを買収、平成30年10月の完成に向けてタイにソルダーペーストの新工場建設を進めております。これにより海外に関する業務は現地完結型に移行し、コストの高い日本は付加価値の高い業務に集中するという、事業のグローバル最適配置を進めます。さらに、新拠点を設置した欧州やアセアンエリアなどを通じて、非日系企業への拡販を強化いたします。こうした活動により、当事業は、さらなる収益性の向上と健全な事業拡大が見込めるものと認識し、取り組みを進めてまいります。
(情報機器関連事業)
情報機器関連事業は、前連結会計年度まで続いたセキュリティ機器やワイヤレスマイクロホン関連の需要が一巡したものの、当連結会計年度はキー局の放送設備更新を中心とした音声調整卓(ミキサー)の拡販や、通信事業者向けの監視装置の更新対応が進展し、収益を確保しております。今後についても、平成30年12月の4K/8K本放送開始や、その先の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、放送関連設備の旺盛な設備投資需要が期待されています。しかしながら、当事業の扱う製品は、売上が立つ前の開発に相応の期間と費用を要するものが多く、需要変動が大きいために平準化して収益を確保するのが難しいという傾向があります。市場のニーズを見極め、計画的かつ効率的に製品開発や販売活動を行うことで、財政状態及び経営成績の安定化を図ることを課題として認識し、取り組みを進めてまいります。