有価証券報告書-第96期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
1) 財政状態
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」等を遡って適用した結果、前連結会計年度末の総資産額及び負債の合計は、それぞれ6億6千9百万円減少しております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ39億7千6百万円増加(前期末比4.8%増)し、860億7千3百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加などにより流動資産が14億4千5百万円増加、また固定資産が25億3千1百万円増加したことによります。なお、固定資産のうち有形固定資産は、当社坂戸事業所の建て替え及び国内外子会社工場の建設などにより23億1千3百万円増加しております。
当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ1億8千2百万円減少し、389億1千8百万円となりました。これは主に、有利子負債が増加した一方、支払手形及び買掛金や未払税金の減少、建て替え工事費用の支払いにより未払金が減少したことなどによります。
有利子負債合計(短期借入金・1年内返済予定の長期借入金・短期リース債務・長期借入金及び長期リース債務の合計額)は178億8千万円となり、工場建設資金の追加発生に伴うつなぎ資金としての借り入れなどにより、前期末比で22億6百万円増加しました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ41億5千9百万円増加(前期末比9.7%増)し、471億5千5百万円となりました。これは利益剰余金が55億7千7百万円増加したことなどによります。この結果、自己資本比率は54.33%となりました。また、1株当たり純資産額は570.00円(前期末1株当たり純資産額は519.59円)となりました。
(当連結会計年度における自己資本比率及び1株当たり純資産は、純資産より新株予約権・非支配株主持分を控除して計算した比率を用いております。)
2) 経営成績
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)における世界経済は、秋口以降より米中貿易摩擦を背景と
した中国経済の減速がグローバルに影響を及ぼし、先行き不透明な状況が継続いたしました。また、当社グループ
に関わるエレクトロニクス業界では、期の後半においてスマートフォン市場が急速に減速し、産業機械関連の需要
も低迷が続いております。
このような経営環境のもと、当社グループでは本年を最終年度とする「第11次中期経営計画Biltrite Tamura GROWING」で目指す、収益性の向上を第一とした豊かな成長の実現に向け、ITシステムを活用した個別原価管理の徹底、グローバルな生産・販売・開発体制の一層の強化と効率化、製品・市場の見極めによる投資開発効率の向上などに取り組んでまいりましたが、当年度は第2四半期において、電源機器の不具合に伴う臨時的な修理費用を計上いたしました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の状況といたしまして、売上高は870億8百万円(前期比1.7%増)と増収ながら、営業利益は46億円(同14.9%減)、経常利益は48億4千8百万円(同11.5%減)と減少いたしました。なお、第3四半期において損害賠償請求訴訟に基づく和解金を特別利益へ計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は63億9千7百万円(同76.2%増)と増益になり、2017年3月期を超える大幅な過去最高益更新となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、売上高はセグメント間の内部売上高を含めており、セグメント利益はセグメント間取引消去及び本社部門負担の未来開発研究費用控除前の営業利益と調整を行っております。
(電子部品関連事業)
電子部品関連事業は、中国市場向けを中心とした設備投資需要の鈍化を背景に、産業機械関連顧客からのトランス・リアクタ・電流センサなどの需要低迷が続くと共に、電動工具向けのチャージャも弱含みで推移いたしました。利益面では、期初に発生した部材調達難や銅などの素材価格上昇の問題は、期の後半に解消へ向かいましたが、電源機器の不具合に伴う修理費用の発生により利益が押し下げられました。
その結果、売上高は547億9千4百万円(前期比1.9%減)、セグメント利益は9億6千1百万円(同56.2%減)と、減収減益になりました。
(電子化学実装関連事業)
電子化学事業では、車載向けの高信頼性ソルダーペースト・ソルダーレジストが、自動車の電子化・電動化を背景に年間を通じて順調に推移いたしました。また実装装置事業では、炉内の汚れを大幅に低減し生産性の向上を実現した新型リフロー装置をリリースし、車載向けを中心に堅調な受注が続いております。一方、スマートフォン向けのソルダーレジストは例年より早めに立ち上がったものの、期の後半において急速に減速し、当初の期待を下回ると結果となりました。
その結果、売上高は281億6千4百万円(前期比10.7%増)、セグメント利益は35億7千1百万円(同10.1%増)と、増収増益になりました。
(情報機器関連事業)
情報機器関連事業は、4K・8K放送対応や国際的なスポーツイベントの開催、放送局の更新需要などに向け、音声調整卓(ミキサー)をはじめとする放送機器の納品が年度末を中心に行われました。また、通信事業者向けの監視装置も更新需要を取り込んで堅調に推移いたしました。一方で、ワイヤレスマイクロホンシステムやセキュリティ機器は、新製品の開発や拡販の遅延により、当初期待した売上・利益を確保するに至りませんでした。
その結果、売上高は42億2百万円(前期比0.7%減)、セグメント利益は4億8千1百万円(同1.8%減)と、減収減益になりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)につきましては、主に営業活動の結果獲得した資金が増加したため、前連結会計年度末に比べ12億3千9百万円増加し、158億4千1百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は46億6千9百万円(前期比76.0%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が増加したことや、売上債権の増加額が縮小したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は40億9千7百万円(前期比15.0%減)となりました。これは主にドイツ及びタイ子会社の取得などによる資金使用が増加した前連結会計年度に対し、当連結会計年度は台湾子会社の土地売却やサーマル事業の譲渡など資金獲得が増加し、その結果使用した資金は減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は10億9千6百万円(前期は25億7千5百万円の使用)となりました。これは主に工場建設資金の追加発生に伴うつなぎ資金借り入れなどにより、借入金が減少から増加へ転じたことによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。具体的には、当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づいて作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人による監査を受けております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は870億8百万円と直前業績予想比1.1%増ながら、営業利益は46億と4.2%減となりました。この結果の背景には、産業機械関連やスマートフォン関連などの重要取引先の売上減少があります。当社グループの経営成績に影響を与える要因として、グローバルな市場環境の変化に加え、一部の事業・製品に利益が偏っていることにより、そこに影響が及ぶと利益面でより大きな変動が生じる可能性が示唆されています。製品・市場を見極め、グループ全体の収益性の向上を高めていく中期経営計画の取り組みを、今後もより強化してまいります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、株主資本を充実し経営基盤の安定化を推進しつつ、資本効率を高めることを方針とし、当社グループの第12次中期経営計画では、資本効率に関する目標として、2021年度に連結ベースでROE9%以上の確保を目指しています。なお足元では、損害賠償請求訴訟に基づく和解金を特別利益に計上したことにより、ROEは14.3%と一時的に大幅に増加しています。収益性の向上を第一とする中期経営計画のもとで利益確保は進んでおり、この指針を踏まえつつ、将来の事業拡大に向けた投資計画を進めております。具体的には、ハイブリッド車・プラグインハイブリッド車・電気自動車などの将来に向けたグローバルな需要拡大を背景とした「昇圧リアクタ」の需要増加への対応を目的に、当社坂戸事業所及び当社の連結子会社である㈱若柳タムラ製作所の生産キャパシティを2020年稼働に向けて更に増強し、中国に車載用昇圧リアクタとしては初めてとなる新工場を2022年の稼働に向けて開設するべく準備を進めております。
なお、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金及び金融機関からの借入により調達することを基本としておりますが、今後の資金需要と市場環境を見極めながらエクイティファイナンスも視野に入れて検討を進めてまいります。
経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、当社グループの第11次中期経営計画で、最終年度となる2018年度の目標を「営業利益率7%以上、ROE9%以上、非日系売上比率30%以上」と掲げておりましたが、一時的な特別利益の計上によりROEが14.3%と達成した以外は、営業利益率5.3%、非日系売上比率29%と達成できませんでした。最終年度には市場環境の変化が影響したものの、2019年度に開始する第12次中期経営計画でも、引き続き収益性の向上の目標として「営業利益率」、資本効率に関する目標として「ROE」を引き続き採用し、2021年度に営業利益率8%、ROE9%以上の達成を目指してまいります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(電子部品関連事業)
電子部品関連事業は、安定収益の確保を課題と捉え、狙った市場・製品への集中、個別原価管理の徹底、地域に根差し製品開発から承認取得をスピーディーに展開する「地開(開発)地承(承認)」の取り組み、などを進めてまいりました。中期計画第2年度までは利益計画は計画どおりに進んでおりましたが、最終年度で大きく未達成という結果になりました。減益要因としては市場環境の悪化に加え、海外工場における不具合対応の修理費用も大きく影響しております。大きな利益流出をもたらす過ちを二度と繰り返さないための取り組みをグローバルに進めていくことが極めて重要と認識しております。
一方、市場環境に関しては、車載関連に一層の需要の高まりが見られております。これに対応するべく、生産設備の構築と投資が必要ながら、利益の回収はそれに遅れていく形となるため、中長期を見据えた事業戦略・財務戦略の遂行が課題と認識しております。また、当事業セグメントの収益性については、もう一段の改善が必要と認識し、高付加価値製品の拡大や、生産効率の改善、開発効率の改善などの取り組みを進めてまいります。
(電子化学実装関連事業)
電子化学実装関連事業は、当社グループの中においては高い収益性でグループの利益を牽引しております。しかしながら、当事業は日本における生産・開発が多くを占めており、車載関連企業が集積する欧州エリアや、成長著しいアセアンエリアで「地産地消」・「地開(開発)地承(承認)」の体制をこれまで充分に構築できておりませんでした。こうした課題に対応するべく、2017年10月にドイツのはんだメーカーを買収し、同じく買収したタイの工場にソルダーペーストの新たな生産工場を建設し2019年4月に稼働が開始しました。これにより海外に関する業務は現地完結型に移行し、コストの高い日本は付加価値の高い業務に集中するという、事業のグローバル最適配置が形になってきています。今後は、新拠点を設置した欧州やアセアンエリアなどを通じて、非日系企業への拡販を強化してまいります。また、2018年度の後半より当事業の収益性が悪化している主要因はスマートフォン関連製品の減少によるものであり、スマートフォン依存から脱し、今後の成長が見込まれる車載やIoT次世代通信関連の製品開発・顧客開拓に力を入れることが必要と認識して、第12次中期経営計画の取り組みを進めてまいります。
(情報機器関連事業)
情報機器関連事業は、2018年12月の4K/8K本放送開始や、その先の国際的スポーツイベントに向けて、放送関連設備の旺盛な設備投資需要が今後も継続して期待されています。しかしながら、当事業の扱う製品は、売上が立つ前の開発に相応の期間と費用を要するものが多く、売上・利益が機材据え付けを行う9月度と3月度に集中するという傾向があります。市場のニーズを見極め、計画的かつ効率的に製品開発や販売活動を行うことで、財政状態及び経営成績の安定化を図ることを課題として認識し、取り組みを進めてまいります。また、中長期的には今後のこの事業を支える新製品開発が必要として、第12次中期経営計画を通して取り組みを進めています。
① 財政状態及び経営成績の状況
1) 財政状態
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」等を遡って適用した結果、前連結会計年度末の総資産額及び負債の合計は、それぞれ6億6千9百万円減少しております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ39億7千6百万円増加(前期末比4.8%増)し、860億7千3百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加などにより流動資産が14億4千5百万円増加、また固定資産が25億3千1百万円増加したことによります。なお、固定資産のうち有形固定資産は、当社坂戸事業所の建て替え及び国内外子会社工場の建設などにより23億1千3百万円増加しております。
当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ1億8千2百万円減少し、389億1千8百万円となりました。これは主に、有利子負債が増加した一方、支払手形及び買掛金や未払税金の減少、建て替え工事費用の支払いにより未払金が減少したことなどによります。
有利子負債合計(短期借入金・1年内返済予定の長期借入金・短期リース債務・長期借入金及び長期リース債務の合計額)は178億8千万円となり、工場建設資金の追加発生に伴うつなぎ資金としての借り入れなどにより、前期末比で22億6百万円増加しました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ41億5千9百万円増加(前期末比9.7%増)し、471億5千5百万円となりました。これは利益剰余金が55億7千7百万円増加したことなどによります。この結果、自己資本比率は54.33%となりました。また、1株当たり純資産額は570.00円(前期末1株当たり純資産額は519.59円)となりました。
(当連結会計年度における自己資本比率及び1株当たり純資産は、純資産より新株予約権・非支配株主持分を控除して計算した比率を用いております。)
2) 経営成績
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)における世界経済は、秋口以降より米中貿易摩擦を背景と
した中国経済の減速がグローバルに影響を及ぼし、先行き不透明な状況が継続いたしました。また、当社グループ
に関わるエレクトロニクス業界では、期の後半においてスマートフォン市場が急速に減速し、産業機械関連の需要
も低迷が続いております。
このような経営環境のもと、当社グループでは本年を最終年度とする「第11次中期経営計画Biltrite Tamura GROWING」で目指す、収益性の向上を第一とした豊かな成長の実現に向け、ITシステムを活用した個別原価管理の徹底、グローバルな生産・販売・開発体制の一層の強化と効率化、製品・市場の見極めによる投資開発効率の向上などに取り組んでまいりましたが、当年度は第2四半期において、電源機器の不具合に伴う臨時的な修理費用を計上いたしました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の状況といたしまして、売上高は870億8百万円(前期比1.7%増)と増収ながら、営業利益は46億円(同14.9%減)、経常利益は48億4千8百万円(同11.5%減)と減少いたしました。なお、第3四半期において損害賠償請求訴訟に基づく和解金を特別利益へ計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は63億9千7百万円(同76.2%増)と増益になり、2017年3月期を超える大幅な過去最高益更新となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、売上高はセグメント間の内部売上高を含めており、セグメント利益はセグメント間取引消去及び本社部門負担の未来開発研究費用控除前の営業利益と調整を行っております。
(電子部品関連事業)
電子部品関連事業は、中国市場向けを中心とした設備投資需要の鈍化を背景に、産業機械関連顧客からのトランス・リアクタ・電流センサなどの需要低迷が続くと共に、電動工具向けのチャージャも弱含みで推移いたしました。利益面では、期初に発生した部材調達難や銅などの素材価格上昇の問題は、期の後半に解消へ向かいましたが、電源機器の不具合に伴う修理費用の発生により利益が押し下げられました。
その結果、売上高は547億9千4百万円(前期比1.9%減)、セグメント利益は9億6千1百万円(同56.2%減)と、減収減益になりました。
(電子化学実装関連事業)
電子化学事業では、車載向けの高信頼性ソルダーペースト・ソルダーレジストが、自動車の電子化・電動化を背景に年間を通じて順調に推移いたしました。また実装装置事業では、炉内の汚れを大幅に低減し生産性の向上を実現した新型リフロー装置をリリースし、車載向けを中心に堅調な受注が続いております。一方、スマートフォン向けのソルダーレジストは例年より早めに立ち上がったものの、期の後半において急速に減速し、当初の期待を下回ると結果となりました。
その結果、売上高は281億6千4百万円(前期比10.7%増)、セグメント利益は35億7千1百万円(同10.1%増)と、増収増益になりました。
(情報機器関連事業)
情報機器関連事業は、4K・8K放送対応や国際的なスポーツイベントの開催、放送局の更新需要などに向け、音声調整卓(ミキサー)をはじめとする放送機器の納品が年度末を中心に行われました。また、通信事業者向けの監視装置も更新需要を取り込んで堅調に推移いたしました。一方で、ワイヤレスマイクロホンシステムやセキュリティ機器は、新製品の開発や拡販の遅延により、当初期待した売上・利益を確保するに至りませんでした。
その結果、売上高は42億2百万円(前期比0.7%減)、セグメント利益は4億8千1百万円(同1.8%減)と、減収減益になりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)につきましては、主に営業活動の結果獲得した資金が増加したため、前連結会計年度末に比べ12億3千9百万円増加し、158億4千1百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は46億6千9百万円(前期比76.0%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が増加したことや、売上債権の増加額が縮小したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は40億9千7百万円(前期比15.0%減)となりました。これは主にドイツ及びタイ子会社の取得などによる資金使用が増加した前連結会計年度に対し、当連結会計年度は台湾子会社の土地売却やサーマル事業の譲渡など資金獲得が増加し、その結果使用した資金は減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は10億9千6百万円(前期は25億7千5百万円の使用)となりました。これは主に工場建設資金の追加発生に伴うつなぎ資金借り入れなどにより、借入金が減少から増加へ転じたことによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電子部品関連事業 | 55,063 | 98.6 |
| 電子化学実装関連事業 | 27,855 | 110.7 |
| 情報機器関連事業 | 4,179 | 100.2 |
| 報告セグメント計 | 87,098 | 102.2 |
| その他事業 | - | - |
| 合計 | 87,098 | 102.2 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電子部品関連事業 | 53,240 | 88.8 | 22,711 | 93.6 |
| 電子化学実装関連事業 | 28,656 | 107.7 | 6,384 | 109.8 |
| 情報機器関連事業 | 3,678 | 79.7 | 901 | 67.0 |
| 報告セグメント計 | 85,575 | 93.8 | 29,997 | 95.5 |
| その他事業 | 5 | 7.3 | - | - |
| 合計 | 85,580 | 93.8 | 29,997 | 95.5 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電子部品関連事業 | 54,794 | 98.1 |
| 電子化学実装関連事業 | 28,084 | 110.7 |
| 情報機器関連事業 | 4,123 | 97.6 |
| 報告セグメント計 | 87,002 | 101.8 |
| その他事業 | 5 | 6.7 |
| 合計 | 87,008 | 101.7 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。具体的には、当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づいて作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人による監査を受けております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は870億8百万円と直前業績予想比1.1%増ながら、営業利益は46億と4.2%減となりました。この結果の背景には、産業機械関連やスマートフォン関連などの重要取引先の売上減少があります。当社グループの経営成績に影響を与える要因として、グローバルな市場環境の変化に加え、一部の事業・製品に利益が偏っていることにより、そこに影響が及ぶと利益面でより大きな変動が生じる可能性が示唆されています。製品・市場を見極め、グループ全体の収益性の向上を高めていく中期経営計画の取り組みを、今後もより強化してまいります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、株主資本を充実し経営基盤の安定化を推進しつつ、資本効率を高めることを方針とし、当社グループの第12次中期経営計画では、資本効率に関する目標として、2021年度に連結ベースでROE9%以上の確保を目指しています。なお足元では、損害賠償請求訴訟に基づく和解金を特別利益に計上したことにより、ROEは14.3%と一時的に大幅に増加しています。収益性の向上を第一とする中期経営計画のもとで利益確保は進んでおり、この指針を踏まえつつ、将来の事業拡大に向けた投資計画を進めております。具体的には、ハイブリッド車・プラグインハイブリッド車・電気自動車などの将来に向けたグローバルな需要拡大を背景とした「昇圧リアクタ」の需要増加への対応を目的に、当社坂戸事業所及び当社の連結子会社である㈱若柳タムラ製作所の生産キャパシティを2020年稼働に向けて更に増強し、中国に車載用昇圧リアクタとしては初めてとなる新工場を2022年の稼働に向けて開設するべく準備を進めております。
なお、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金及び金融機関からの借入により調達することを基本としておりますが、今後の資金需要と市場環境を見極めながらエクイティファイナンスも視野に入れて検討を進めてまいります。
経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、当社グループの第11次中期経営計画で、最終年度となる2018年度の目標を「営業利益率7%以上、ROE9%以上、非日系売上比率30%以上」と掲げておりましたが、一時的な特別利益の計上によりROEが14.3%と達成した以外は、営業利益率5.3%、非日系売上比率29%と達成できませんでした。最終年度には市場環境の変化が影響したものの、2019年度に開始する第12次中期経営計画でも、引き続き収益性の向上の目標として「営業利益率」、資本効率に関する目標として「ROE」を引き続き採用し、2021年度に営業利益率8%、ROE9%以上の達成を目指してまいります。
| 第11次中期第1年度 2016年度実績 | 第11次中期第2年度 2017年度実績 | 第11次中期最終年度 2018年度実績 | 第11次中期最終年度 2018年度目標 | |
| 営業利益率 | 6.4% | 6.3% | 5.3% | 7%以上 |
| ROE | 10.0% | 9.0% | 14.3% | 9%以上 |
| 非日系売上比率 | 29% | 29% | 29% | 30%以上 |
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(電子部品関連事業)
電子部品関連事業は、安定収益の確保を課題と捉え、狙った市場・製品への集中、個別原価管理の徹底、地域に根差し製品開発から承認取得をスピーディーに展開する「地開(開発)地承(承認)」の取り組み、などを進めてまいりました。中期計画第2年度までは利益計画は計画どおりに進んでおりましたが、最終年度で大きく未達成という結果になりました。減益要因としては市場環境の悪化に加え、海外工場における不具合対応の修理費用も大きく影響しております。大きな利益流出をもたらす過ちを二度と繰り返さないための取り組みをグローバルに進めていくことが極めて重要と認識しております。
一方、市場環境に関しては、車載関連に一層の需要の高まりが見られております。これに対応するべく、生産設備の構築と投資が必要ながら、利益の回収はそれに遅れていく形となるため、中長期を見据えた事業戦略・財務戦略の遂行が課題と認識しております。また、当事業セグメントの収益性については、もう一段の改善が必要と認識し、高付加価値製品の拡大や、生産効率の改善、開発効率の改善などの取り組みを進めてまいります。
(電子化学実装関連事業)
電子化学実装関連事業は、当社グループの中においては高い収益性でグループの利益を牽引しております。しかしながら、当事業は日本における生産・開発が多くを占めており、車載関連企業が集積する欧州エリアや、成長著しいアセアンエリアで「地産地消」・「地開(開発)地承(承認)」の体制をこれまで充分に構築できておりませんでした。こうした課題に対応するべく、2017年10月にドイツのはんだメーカーを買収し、同じく買収したタイの工場にソルダーペーストの新たな生産工場を建設し2019年4月に稼働が開始しました。これにより海外に関する業務は現地完結型に移行し、コストの高い日本は付加価値の高い業務に集中するという、事業のグローバル最適配置が形になってきています。今後は、新拠点を設置した欧州やアセアンエリアなどを通じて、非日系企業への拡販を強化してまいります。また、2018年度の後半より当事業の収益性が悪化している主要因はスマートフォン関連製品の減少によるものであり、スマートフォン依存から脱し、今後の成長が見込まれる車載やIoT次世代通信関連の製品開発・顧客開拓に力を入れることが必要と認識して、第12次中期経営計画の取り組みを進めてまいります。
(情報機器関連事業)
情報機器関連事業は、2018年12月の4K/8K本放送開始や、その先の国際的スポーツイベントに向けて、放送関連設備の旺盛な設備投資需要が今後も継続して期待されています。しかしながら、当事業の扱う製品は、売上が立つ前の開発に相応の期間と費用を要するものが多く、売上・利益が機材据え付けを行う9月度と3月度に集中するという傾向があります。市場のニーズを見極め、計画的かつ効率的に製品開発や販売活動を行うことで、財政状態及び経営成績の安定化を図ることを課題として認識し、取り組みを進めてまいります。また、中長期的には今後のこの事業を支える新製品開発が必要として、第12次中期経営計画を通して取り組みを進めています。