有価証券報告書-第91期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/26 15:14
【資料】
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【項目】
164項目
② 戦略
当社は、気候変動に関するシナリオ分析を実施し、その結果を基にリスクと機会を特定しました。これにより、当社の事業に与えるインパクトを内部的な基準に基づいて定量的に評価しました。
1)シナリオ分析
IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)及びIEA(International Energy Agency)の情報を基に、1.5℃及び4℃シナリオを用いて、2030年度時点の当社事業活動に影響するリスクと機会を特定し、事業インパクトの大きさから重要度を評価しました。リスクは移行リスクと物理リスクの側面から評価し、機会は製品、資源の効率性、市場、レジリエンスの側面から評価しています。
シナリオ分析は、以下の4つのステップに分けて実施しています。 ・リスク重要度の評価
・シナリオ群の定義
・事業インパクト評価
・対応策の定義
2)シナリオ分析結果
シナリオ分析の結果、1.5℃シナリオの場合、2050年カーボンニュートラルに向けた施策が各国で推進されるとともに、サーキュラーエコノミー関連の規制が強まっていくことが想定されます。特に、当社の事業活動に影響が大きい自動車業界では、EVやFCV(燃料電池自動車)といった低CO2排出製品の需要が増加し、環境負荷低減に向けた要求がより一層強まると想定されます。一方で、4℃シナリオの場合、慢性的な気温上昇により自然災害の頻発化・激甚化が世界的に広がり、自社工場のインフラ強靭化を目的とした投資や、サプライチェーン強靭化に向けた動きが業界を問わず加速していくと想定しています。
3)リスクと機会の評価
リスクは、移行リスク(政策と法規制、技術、市場、評判)と物理リスク(急性、慢性)の側面から評価しました。
リスク分類気候変動に関する分類時間軸(※)財務
影響度
リスク対応策
移行新たな規制炭素価格設定メカニズム中期・炭素税導入によるエネルギー調達コスト増加
・排出量取引の導入によるGHG排出量削減対策や排出権導入に伴うコスト増加
スコープ1、2削減タスクフォースとしてGHG排出削減を加速します。
物理急性サイクロンや洪水などの異常気象の重大度と頻度の増加中期・自社工場の稼働停止による売上の減少
・生産継続、復旧対応コストの増加
・洪水リスクが想定される海外3拠点に対する対策費の増加
生産拠点の自然災害リスクを鑑み、生産移管や複数社購買の検討など、BCP対応の強化を行っています。
中期・サプライチェーン寸断による原材料・部品供給停止に伴う売上減少、代替品調達に伴うコスト増加
・顧客工場の稼働停止や減産に伴う売上減少、生産調整に伴う異常加工費発生によるコスト増加
物理慢性平均気温の上昇長期・平均気温上昇によりオフィスや工場の空調等稼働コスト増加
・再生可能エネルギー需要拡大に伴う電力単価上昇
再生可能エネルギー化計画において、電力使用量の増加予測分を省エネにより抑制するため、年率2%省エネ化推進をKPIとして設定しています。

(※)短期:1年以内、中期:3年以内、長期:3年超(現在は2030年まで)
機会は、製品/サービス、資源の効率性、エネルギー源、市場、レジリエンスの側面から評価を実施し、製品/サービス、資源の効率性を機会として特定しました。
機会の
種類
気候変動に
関する分類
時間軸(※)財務
影響度
機会
製品/
サービス
研究開発と技術革新による新製品又はサービスの開発中期・EV市場拡大により電流センサーのビジネスが拡大
中期・EV市場拡大によるEVサウンド製品のビジネスが拡大
低排出材及びサービスの開発・拡張中期・環境負荷が高いメッキや塗装などに代わる新しい加飾技術(光加飾など)を用いた製品の提供によりビジネスが拡大
資源の
効率性
より効率的な生産及び流通プロセスの利用中期・物流トラッカーの市場導入により効率的な流通に貢献
・アナログメーターの市場導入により工場のIoT化に貢献
より効率的な輸送モードの使用中期・最終販売地の近くの工場で生産することにより、輸送に伴うCO2排出量を削減

(※)短期:1年以内、中期:3年以内、長期:3年超(現在は2030年まで)
4)リスクマネジメント
企業の持続的成長と企業価値向上を実現するためには、事業を取り巻く様々なリスクの影響度と重要度を見極め、中長期で施策を立案し、対応していくことが重要です。当社は、リスクに対する備えとしてリスクマップを作成し、気候変動関連リスクを経営上の重要なリスクとして設定しています。具体的には、年に1回、サステナビリティ推進室がリスク調査を行い、洗い出されたリスクはサステナビリティ委員会で評価・管理されます。財務影響度の大きいリスクは取締役会に報告・審議されます。国内外の事業所では、ISO14001認証を取得し、環境側面評価に基づき継続的に環境負荷低減に取り組んでいます。

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