有価証券報告書-第87期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、第1四半期には新型コロナウイルス感染拡大の影響により生産が停滞し個人消費が落ち込みましたが、第2四半期以降は財政拡大や金融緩和などの政策効果により総じて持ち直し基調で推移しました。
わが国におきましては、個人消費が持ち直し輸出も増加に転じましたが、11月以降感染が再拡大し、回復の動きは弱いものとなりました。
そのような環境下、エレクトロニクス市場におきましては、生産拠点の操業規制および世界景気の悪化に伴い、自動車関連、産業・FA関連において生産が減少し、電子部品需要は減少しましたが、7月頃から持ち直しに転じ、自動車販売の回復や巣ごもり需要を背景に回復基調で推移しました。
こうした状況のなかで、当社グループにおきましては新規分野への拡販活動を進める一方、固定費および諸経費の抑制に努めました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、各品種総じて受注が前期比減となったことから、売上高32,825百万円(前期比△15.2%)、営業利益572百万円(同△31.3%)、経常利益655百万円(同△28.6%)となりました。
また、投資有価証券評価損197百万円を特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は、447百万円(同△32.6%)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
・電子部品
自動車関連向けに受注が減少したことを主因に、モジュール製品、抵抗器等各品種総じて売上が減少し、売上高31,966百万円(前期比△15.5%)、営業利益1,455百万円(同△17.8%)となりました。
・金型・機械設備
金型はアミューズメントおよび車載向けに受注が減少したことにより、また、機械設備は設備投資の停滞により、それぞれ売上が減少したことから、売上高656百万円(同△16.3%)、営業利益19百万円(同△51.5%)となりました。
・その他
商品仕入及び不動産業等に係る事業であり、売上高435百万円(同△12.7%)、営業利益96百万円(同△13.4%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ829百万円増加し、6,849百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,046百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益558百万円、減価償却費1,087百万円に対し、売上債権が570百万円増加したものの、たな卸資産が387百万円減少し、仕入債務が471百万円増加したことが主因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は590百万円となりました。これは、固定資産の取得による支出456百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は558百万円となりました。これは、配当金の支払い251百万円、リース債務の返済による支出233百万円などによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の報告セグメントに属していない「その他」に含まれる商品仕入実績を示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.為替換算による差額等は、受注高に含めて調整しております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(事業全体の経営成績)
・売上高
売上高は、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、上期において、各品種総じて受注が落ち込んだことを主因に、前期に対し5,886百万円減少(前期比△15.2%)し、32,825百万円となりました。
・売上原価
売上原価は、売上高の減少に伴い、前期に対し5,216百万円減少(同△15.8%)し、27,792百万円となり、売上原価率は固定費および諸経費の抑制に努めたこと、ならびに材料費率の高いモジュール製品の売上高ウエイトが低下したことを主因に、84.7%と、前期(85.3%)に対し低下しました。
・販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費におきましては、減収に伴ない休業の実施や経費の抑制に努めた結果、前期に対し409百万円減少(同△8.4%)し、4,460百万円となりましたが、販管費率としては、13.6%と、前期(12.6%)に対し上昇しました。
・営業外損益(営業外収益及び営業外費用)
営業外損益の純額は82百万円の益(前連結会計年度は85百万円の益)となりました。為替差損益は、前期が為替差益19百万円に対し、当期は為替差損128百万円となりましたが、当期は貸倒懸念債権の回収に伴う貸倒引当金戻入益や雇用調整助成金などを計上しております。
・経常利益
営業利益の減少を主因に、前期に対し262百万円減少し、655百万円(前期比△28.6%)となりました。
・特別損益(特別利益及び特別損失)
特別損益の純額は96百万円の損(前期は17百万円の損)となりました。前期は特別利益、特別損失とも特段の計上はありませんでしたが、当期は特別損失として投資有価証券評価損197百万円、特別利益として保険解約返戻金135百万円を計上しております。
・税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)
税金等調整前当期純利益は、558百万円となり、前期に対し341百万円減少(前期比△37.9%)し、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合算した税金費用合計としては、前期に対し125百万円減少(同△52.9%)し、111百万円となりました。
税金等調整前当期純利益に対する税金費用合計の比率は、前期26.3%に対し、当期19.9%と低下しましたが、これは投資有価証券評価損および貸倒引当金の減算に伴い、それらの繰延税金資産に対する評価性引当額が減少したことが主因であります。
・親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益、特別損益(損)、税金費用の計上などから、447百万円(同△32.6%)となり、1株当たり当期純利益金額は53.47円(前期は79.24円)となりました。
(事業全体の財政状態)
・現金及び預金
受注回復に伴ない売掛債権は増加しましたが、たな卸資産の減少および仕入債務の増加分が上回り、設備投資も抑制したことから、現金及び預金は前期末に対し1,033百万円増加(前期比+14.3%)し、8,262百万円となりました。
・売上債権(受取手形及び売掛金)
売上高が増加基調となったことから、前期末に対し646百万円増加(同+8.5%)し、8,295百万円となりました。
・たな卸資産
生産の減少に伴ない、前期末に対し352百万円減少(同△6.7%)し、4,934百万円となりました。
・有形固定資産及び無形固定資産
減価償却費1,087百万円に対し、設備投資は435百万円となったことなどから、前期末に対し729百万円減少(同△7.4%)し、9,197百万円となりました。
・繰延税金資産
繰延税金資産は、法人税等調整額△27百万円(益)により増加しましたが、その他有価証券評価差益(含み益を有する銘柄のみ)の増加に伴ない、損益を通さずに計上する繰延税金負債による相殺額の増加が上回ったため、前期末に対し9百万円減少(同△0.6%)し、1,425百万円となりました。
・仕入債務(支払手形及び買掛金)
仕入債務は年度末にかけ増産基調となったことから、前期末に対し497百万円増加(同+9.0%)し、6,024百万円となりました。
・退職給付に係る負債
勤務費用と利息費用の計上により209百万円増加し、退職給付の支払いにより310百万円減少した他、未認識数理計算上の差異が58百万円発生(負債増)したことなどから、当期末の退職給付に係る負債は、前期末に対し44百万円減少(同△1.0%)し、4,586百万円となりました。
・有利子負債(短期借入金、長期借入金)
有利子負債は、前期末に比べ72百万円減少(同△0.8%)し、9,266百万円となりました。
・純資産の部
純資産の部の合計は、前期末に対し630百万円増加(同+5.0%)し、13,287百万円となりました。
純資産の部の増減の概要は次のとおりであります。
株主資本は、親会社株主に帰属する当期純利益により447百万円増加しましたが、剰余金の配当により251百万円減少したことなどから、前期末に対し194百万円増加(同+1.5%)し、12,896百万円となりました。
その他の包括利益累計額は、アジア通貨高円安により為替換算調整勘定が127百万円増加したこと、株価上昇および含み損を有していた銘柄の減損処理に伴ない、その他有価証券評価差額金が299百万円増加したことを主因に、前期末に対し436百万円増加し、390百万円(前期末は△45百万円)となりました。
(セグメントごとの経営成績等)
・電子部品
下期より自動車向けを主体に各品種とも、売上は増加基調となりましたが、上期における受注落ち込みの影響を埋め切れず、前期比減収減益となりました。
・金型・機械設備
金型はアミューズメントおよび車載向けに受注が減少したことにより、また、機械設備は設備投資の停滞により、前期比減収減益となりました。
・その他
売上高は、㈱大泉製作所製品の受注減により、前期比減収減益となりました。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループは、ROE6%以上を目標としております。ROEは前々期は6.2%でしたが、前期は5.2%、当期は3.5%と、目標には届きませんでした。
情報通信機器向け需要において成長に鈍化がみられるなかで、当社は、自動車の電子化の進展に伴い、安定受注で、かつ高付加価値が見込めるカーエレクトロニクス分野への製品の拡販と開発に注力しており、徐々に成果に現れてきていましたが、前期は環境規制の厳格化などによる自動車生産の世界的減速の影響を受け、当期は新型コロナウイルスの世界的感染拡大の影響を受けました。
エレクトロニクス市場におきましては、米中貿易摩擦の動向や、短期的には世界的な半導体不足による自動車生産への影響、貴金属等原材料価格の高騰などが懸念されますが、電子部品需要は増加方向にありますので、当社としましては、変革する市場ニーズにマッチした製品の提案が急務と認識しており、当社のセンサ技術、回路設計技術、無線技術の融合を図ることでIoTなどの新分野への参入に取り組んでおります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローが、税金等調整前当期純利益、減価償却、たな卸資産の減少および仕入債務の増加を主因に2,046百万円となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは設備投資の抑制により△590百万円に留まり、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い251百万円、リース債務の返済による支出233百万円などにより、△558百万円となったことなどから、当期末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前期末に対し829百万円増加(同+13.8%)し、6,849百万円となりました。
b.財務政策
運転資金は、自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資などの長期資金は、自己資金および金融機関からの長期借入を基本としております。
c.重要な資本的支出の予定およびその資金の調達源
当期後1年間の設備投資は、総額1,500百万円を計画しておりますが、その所要資金は主として、自己資金および金融機関からの長期借入金をもって充当する予定であります。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
新年度に入りましても、新型コロナウイルス変異株による感染再拡大が発生しておりますが、ワクチンの普及や各国の財政政策を背景に、世界経済は緩やかな回復基調に向かうものと考えており、将来長期にわたる経営環境の悪化は想定しておりません。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、第1四半期には新型コロナウイルス感染拡大の影響により生産が停滞し個人消費が落ち込みましたが、第2四半期以降は財政拡大や金融緩和などの政策効果により総じて持ち直し基調で推移しました。
わが国におきましては、個人消費が持ち直し輸出も増加に転じましたが、11月以降感染が再拡大し、回復の動きは弱いものとなりました。
そのような環境下、エレクトロニクス市場におきましては、生産拠点の操業規制および世界景気の悪化に伴い、自動車関連、産業・FA関連において生産が減少し、電子部品需要は減少しましたが、7月頃から持ち直しに転じ、自動車販売の回復や巣ごもり需要を背景に回復基調で推移しました。
こうした状況のなかで、当社グループにおきましては新規分野への拡販活動を進める一方、固定費および諸経費の抑制に努めました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、各品種総じて受注が前期比減となったことから、売上高32,825百万円(前期比△15.2%)、営業利益572百万円(同△31.3%)、経常利益655百万円(同△28.6%)となりました。
また、投資有価証券評価損197百万円を特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は、447百万円(同△32.6%)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
・電子部品
自動車関連向けに受注が減少したことを主因に、モジュール製品、抵抗器等各品種総じて売上が減少し、売上高31,966百万円(前期比△15.5%)、営業利益1,455百万円(同△17.8%)となりました。
・金型・機械設備
金型はアミューズメントおよび車載向けに受注が減少したことにより、また、機械設備は設備投資の停滞により、それぞれ売上が減少したことから、売上高656百万円(同△16.3%)、営業利益19百万円(同△51.5%)となりました。
・その他
商品仕入及び不動産業等に係る事業であり、売上高435百万円(同△12.7%)、営業利益96百万円(同△13.4%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ829百万円増加し、6,849百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,046百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益558百万円、減価償却費1,087百万円に対し、売上債権が570百万円増加したものの、たな卸資産が387百万円減少し、仕入債務が471百万円増加したことが主因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は590百万円となりました。これは、固定資産の取得による支出456百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は558百万円となりました。これは、配当金の支払い251百万円、リース債務の返済による支出233百万円などによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 電子部品(百万円) | 31,894 | △15.1 |
| 金型・機械設備(百万円) | 382 | △41.8 |
| 合計(報告セグメント)(百万円) | 32,276 | △15.5 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の報告セグメントに属していない「その他」に含まれる商品仕入実績を示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| その他(㈱大泉製作所商品仕入) (百万円) | 179 | △20.9 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電子部品 | 35,315 | △4.7 | 9,561 | +53.9 |
| 金型・機械設備 | 382 | △41.8 | 8 | △95.1 |
| 報告セグメント計 | 35,697 | △5.3 | 9,570 | +50.1 |
| その他 | 328 | △0.7 | 17 | +98.4 |
| 合計 | 36,026 | △5.3 | 9,587 | +50.1 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.為替換算による差額等は、受注高に含めて調整しております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 電子部品(百万円) | 31,966 | △15.5 |
| 金型・機械設備(百万円) | 539 | +4.1 |
| 報告セグメント計(百万円) | 32,505 | △15.2 |
| その他(百万円) | 319 | △13.6 |
| 合計(百万円) | 32,825 | △15.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 無錫夏普電子元器件㈲ | 7,251 | 18.7 | 5,035 | 15.3 |
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(事業全体の経営成績)
・売上高
売上高は、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、上期において、各品種総じて受注が落ち込んだことを主因に、前期に対し5,886百万円減少(前期比△15.2%)し、32,825百万円となりました。
・売上原価
売上原価は、売上高の減少に伴い、前期に対し5,216百万円減少(同△15.8%)し、27,792百万円となり、売上原価率は固定費および諸経費の抑制に努めたこと、ならびに材料費率の高いモジュール製品の売上高ウエイトが低下したことを主因に、84.7%と、前期(85.3%)に対し低下しました。
・販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費におきましては、減収に伴ない休業の実施や経費の抑制に努めた結果、前期に対し409百万円減少(同△8.4%)し、4,460百万円となりましたが、販管費率としては、13.6%と、前期(12.6%)に対し上昇しました。
・営業外損益(営業外収益及び営業外費用)
営業外損益の純額は82百万円の益(前連結会計年度は85百万円の益)となりました。為替差損益は、前期が為替差益19百万円に対し、当期は為替差損128百万円となりましたが、当期は貸倒懸念債権の回収に伴う貸倒引当金戻入益や雇用調整助成金などを計上しております。
・経常利益
営業利益の減少を主因に、前期に対し262百万円減少し、655百万円(前期比△28.6%)となりました。
・特別損益(特別利益及び特別損失)
特別損益の純額は96百万円の損(前期は17百万円の損)となりました。前期は特別利益、特別損失とも特段の計上はありませんでしたが、当期は特別損失として投資有価証券評価損197百万円、特別利益として保険解約返戻金135百万円を計上しております。
・税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)
税金等調整前当期純利益は、558百万円となり、前期に対し341百万円減少(前期比△37.9%)し、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合算した税金費用合計としては、前期に対し125百万円減少(同△52.9%)し、111百万円となりました。
税金等調整前当期純利益に対する税金費用合計の比率は、前期26.3%に対し、当期19.9%と低下しましたが、これは投資有価証券評価損および貸倒引当金の減算に伴い、それらの繰延税金資産に対する評価性引当額が減少したことが主因であります。
・親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益、特別損益(損)、税金費用の計上などから、447百万円(同△32.6%)となり、1株当たり当期純利益金額は53.47円(前期は79.24円)となりました。
(事業全体の財政状態)
・現金及び預金
受注回復に伴ない売掛債権は増加しましたが、たな卸資産の減少および仕入債務の増加分が上回り、設備投資も抑制したことから、現金及び預金は前期末に対し1,033百万円増加(前期比+14.3%)し、8,262百万円となりました。
・売上債権(受取手形及び売掛金)
売上高が増加基調となったことから、前期末に対し646百万円増加(同+8.5%)し、8,295百万円となりました。
・たな卸資産
生産の減少に伴ない、前期末に対し352百万円減少(同△6.7%)し、4,934百万円となりました。
・有形固定資産及び無形固定資産
減価償却費1,087百万円に対し、設備投資は435百万円となったことなどから、前期末に対し729百万円減少(同△7.4%)し、9,197百万円となりました。
・繰延税金資産
繰延税金資産は、法人税等調整額△27百万円(益)により増加しましたが、その他有価証券評価差益(含み益を有する銘柄のみ)の増加に伴ない、損益を通さずに計上する繰延税金負債による相殺額の増加が上回ったため、前期末に対し9百万円減少(同△0.6%)し、1,425百万円となりました。
・仕入債務(支払手形及び買掛金)
仕入債務は年度末にかけ増産基調となったことから、前期末に対し497百万円増加(同+9.0%)し、6,024百万円となりました。
・退職給付に係る負債
勤務費用と利息費用の計上により209百万円増加し、退職給付の支払いにより310百万円減少した他、未認識数理計算上の差異が58百万円発生(負債増)したことなどから、当期末の退職給付に係る負債は、前期末に対し44百万円減少(同△1.0%)し、4,586百万円となりました。
・有利子負債(短期借入金、長期借入金)
有利子負債は、前期末に比べ72百万円減少(同△0.8%)し、9,266百万円となりました。
・純資産の部
純資産の部の合計は、前期末に対し630百万円増加(同+5.0%)し、13,287百万円となりました。
純資産の部の増減の概要は次のとおりであります。
株主資本は、親会社株主に帰属する当期純利益により447百万円増加しましたが、剰余金の配当により251百万円減少したことなどから、前期末に対し194百万円増加(同+1.5%)し、12,896百万円となりました。
その他の包括利益累計額は、アジア通貨高円安により為替換算調整勘定が127百万円増加したこと、株価上昇および含み損を有していた銘柄の減損処理に伴ない、その他有価証券評価差額金が299百万円増加したことを主因に、前期末に対し436百万円増加し、390百万円(前期末は△45百万円)となりました。
(セグメントごとの経営成績等)
・電子部品
下期より自動車向けを主体に各品種とも、売上は増加基調となりましたが、上期における受注落ち込みの影響を埋め切れず、前期比減収減益となりました。
・金型・機械設備
金型はアミューズメントおよび車載向けに受注が減少したことにより、また、機械設備は設備投資の停滞により、前期比減収減益となりました。
・その他
売上高は、㈱大泉製作所製品の受注減により、前期比減収減益となりました。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループは、ROE6%以上を目標としております。ROEは前々期は6.2%でしたが、前期は5.2%、当期は3.5%と、目標には届きませんでした。
情報通信機器向け需要において成長に鈍化がみられるなかで、当社は、自動車の電子化の進展に伴い、安定受注で、かつ高付加価値が見込めるカーエレクトロニクス分野への製品の拡販と開発に注力しており、徐々に成果に現れてきていましたが、前期は環境規制の厳格化などによる自動車生産の世界的減速の影響を受け、当期は新型コロナウイルスの世界的感染拡大の影響を受けました。
エレクトロニクス市場におきましては、米中貿易摩擦の動向や、短期的には世界的な半導体不足による自動車生産への影響、貴金属等原材料価格の高騰などが懸念されますが、電子部品需要は増加方向にありますので、当社としましては、変革する市場ニーズにマッチした製品の提案が急務と認識しており、当社のセンサ技術、回路設計技術、無線技術の融合を図ることでIoTなどの新分野への参入に取り組んでおります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローが、税金等調整前当期純利益、減価償却、たな卸資産の減少および仕入債務の増加を主因に2,046百万円となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは設備投資の抑制により△590百万円に留まり、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い251百万円、リース債務の返済による支出233百万円などにより、△558百万円となったことなどから、当期末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前期末に対し829百万円増加(同+13.8%)し、6,849百万円となりました。
b.財務政策
運転資金は、自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資などの長期資金は、自己資金および金融機関からの長期借入を基本としております。
c.重要な資本的支出の予定およびその資金の調達源
当期後1年間の設備投資は、総額1,500百万円を計画しておりますが、その所要資金は主として、自己資金および金融機関からの長期借入金をもって充当する予定であります。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
新年度に入りましても、新型コロナウイルス変異株による感染再拡大が発生しておりますが、ワクチンの普及や各国の財政政策を背景に、世界経済は緩やかな回復基調に向かうものと考えており、将来長期にわたる経営環境の悪化は想定しておりません。