四半期報告書-第54期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/02/09 9:57
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当企業集団(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
売上高(百万円)営業利益(百万円)経常利益(百万円)親会社株主に帰属する四半期純利益
(百万円)
当四半期連結累計期間(平成29年12月期)16,836△148107△39
前四半期連結累計期間(平成28年12月期)16,7879280△161
前年同期比増減率0.3%-%33.3%-%

当第3四半期連結累計期間は、国内については、外需の増加と堅調な設備投資や雇用環境の改善から、景気の緩やかな回復が続きました。輸出環境についても、米国は、雇用環境改善による消費支出の拡大と設備投資の再開により堅調な成長が続きました。欧州も、輸出や民需が堅調なことから緩やかな成長が続きました。アジア地域でもグローバル経済の拡大による堅調な成長が続きました。
当第3四半期連結累計期間に適用した米ドル及びユーロの平均為替レートはそれぞれ110.68円及び126.12円であり、前年同期に比べそれぞれ5.1%及び7.7%の円安水準で推移しました。
このような状況のもとで、当企業集団は、デジタル化の流れに対応して付加価値の高い製品の開発を進めるとともに、世界の幅広い顧客獲得を目指して新規市場の開拓及び販売ルートの拡充に努めましたが、国内市場が堅調に推移した一方で、海外市場は、インドネシアでの輸入規制強化やアマチュア用無線通信機器における海外向け新製品投入時期の遅れの影響が残り、減収となりました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の連結売上高は168億3千6百万円(前年同期比0.3%増)、主に人件費や試験研究費等の販売費及び一般管理費が増加したことにより1億4千8百万円の営業損失(前年同期は9千2百万円の営業利益)、為替差益の発生などにより経常利益は1億7百万円(前年同期比33.3%増)、米国税法改正による税金費用の負担額増加により3千9百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失(前年同期は1億6千1百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 日本[当社、和歌山アイコム㈱、アイコム情報機器㈱]
国内市場では、陸上業務用無線通信機器は、携帯回線を利用したIP無線機等が順調に推移したことにより増収となり、アマチュア用無線通信機器も高価格帯の新製品が好評を得て増収となりました。一方、アクセスポイントなどネットワーク機器は減収となりましたが、市場全体としては増収となりました。海外市場では、アジア、欧州向けは、第3四半期に入り増収基調に転じましたが、新製品投入時期が遅れているアマチュア用無線通信機器やインドネシアでの輸入規制強化等の影響が残り、市場全体としては減収となりました。この結果、本セグメントの外部顧客に対する売上高は97億5千2百万円(前年同期比3.2%減)となりました。
利益面では、円安による影響等により売上総利益率が改善し、営業利益は2千3百万円(前年同期は1億4千7百万円の営業損失)と黒字に転換しました。
② 北米[Icom America,Inc.、ICOM CANADA HOLDINGS INC.、ICOM DO BRASIL RADIOCOMUNICACAO LTDA. ]
主力の陸上業務用無線通信機器では、販売網の整備拡充に努め、カナダ向けは大幅な増収となり、米国国内市場の一般企業向けもほぼ計画どおりで推移し、鉄道向けも需要が回復してきておりますが、パブリックセーフティ向けでは需要はあるものの予算がつかず、中南米向けでも一部を除き市場の低迷が続いたことから品目全体では減収となり、また、新製品投入時期が遅れた影響からアマチュア用無線通信機器も減収となりました。一方、海上用無線通信機器は需要の回復から大幅な増収となりました。この結果、本セグメントの外部顧客に対する売上高は54億8千万円(前年同期比5.4%増)となりました。
利益面では、販売費及び一般管理費の増加により9千7百万円の営業損失(前年同期は1千8百万円の営業損失)となりました。
③ ヨーロッパ[Icom(Europe)GmbH、Icom Spain, S.L.]
アナログ無線機や無線LANを利用したIP無線機等が堅調なことやデジタル無線機の大型案件もあり陸上業務用無線通信機器は増収となった一方で、新製品投入時期の遅れからアマチュア用無線通信機器が大幅な減収となりましたが、本セグメントの外部顧客に対する売上高は為替の影響から8億3千3百万円(前年同期比1.6%増)となりました。
利益面では、販売費及び一般管理費の増加により営業利益は3千5百万円(前年同期比3.9%減)となりました。④ アジア・オセアニア[Icom(Australia)Pty.,Ltd.、Asia Icom Inc.、PURECOM CO.,LTD]
主力市場となるオーストラリアにおいて、マイニング向けの需要回復や販促効果もあり陸上業務用無線通信機器が大幅な増収となり、アマチュア用無線通信機器や海上用無線通信機器の減収を補い、本セグメントの外部顧客に対する売上高は7億7千万円(前年同期比11.0%増)となりました。
利益面では、増収により営業利益は3千4百万円(前年同期比31.9%増)となりました。
(2)資産、負債及び純資産に関する分析
資産、負債及び純資産の概況は、次のとおりであります。
(資産)
総資産は前連結会計年度比3億8千5百万円増加し、587億9百万円となりました。
主な内訳は、たな卸資産(合計)の増加6億6千万円、流動資産のその他の増加6億2千5百万円、投資その他の資産のその他の増加4億6千万円及び現金及び預金の増加1億1千7百万円等の増加要因と、受取手形及び売掛金の減少11億4千5百万円、有価証券の減少2億円及び有形固定資産の減少1億3千1百万円等の減少要因によるものであります。
なお、流動資産のその他の増加6億2千5百万円の主な内訳は、信託受益権の増加6億円等の増加要因によるものであります。
また、投資その他の資産のその他の増加4億6千万円の主な内訳は、投資有価証券の増加5億5千4百万円等の増加要因と、繰延税金資産(固定)の減少5千2百万円等の減少要因によるものであります。
(負債)
負債合計は前連結会計年度比3億7千9百万円増加し、49億8千2百万円となりました。
主な内訳は、買掛金の増加4億9百万円及び流動負債のその他の増加1億5千5百万円等の増加要因と、賞与引当金の減少2億5千2百万円等の減少要因によるものであります。
なお、流動負債のその他の増加1億5千5百万円の主な内訳は、未払金の増加1億5千万円等の増加要因によるものであります。
(純資産)
純資産合計は前連結会計年度比6百万円増加し、537億2千7百万円となりました。
主な内訳は、為替換算調整勘定の増加1億9千5百万円、その他有価証券評価差額金の増加1億2千4百万円及び退職給付に係る調整累計額の増加2千2百万円の増加要因と、剰余金の配当による減少2億9千6百万円及び親会社株主に帰属する四半期純損失による減少3千9百万円等の減少要因によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は92.1%から91.5%に低下いたしました。
(3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第3四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当企業集団全体の研究開発活動の金額は、25億4千1百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当企業集団の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。