有価証券報告書-第63期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 14:16
【資料】
PDFをみる
【項目】
136項目

対処すべき課題

当民生用電気機器業界におきましては、4K等高解像化や大型化による液晶テレビ需要の拡大はみられたものの、DVD・BD関連製品など市場低迷が続く中、スマートフォン、タブレット端末などこれまで牽引してきた製品にも陰りがみられるなど厳しい環境が続きました。
こうした業界環境において当社グループの対処すべき具体的な課題及び対応は下記のとおりであります。
(1) 売上高の拡大及び収益力の回復
当社グループでは売上高の拡大と収益力の回復が最重要課題と位置づけております。
(製品戦略について)
当連結会計年度は、売上高は主力の液晶テレビやDVD・BD関連製品に加えプリンターなども減少し前期比減収となりましたが、利益面ではPSI(仕入・販売・在庫)管理を一層強化し、コスト競争力のある製品を適切なタイミングで供給できる体制作りを行ったことから増益を達成いたしました。
なお、売上高の拡大のため、平成26年10月にパナソニック株式会社の子会社である三洋電機株式会社の北米におけるテレビ事業を承継したことに加え、平成27年2月には、Eastman Kodak Companyと全世界における「Kodak」ブランドのコンシューマー・スモールオフィス用プリンター製品及び関連消耗品の供給、配送、マーケティング及び販売活動・アフターサービスを担うライセンス契約を締結いたしました。
また、新規事業分野への展開も喫緊の課題との認識をもっており、Lexmark International,Inc.との合意により取得したインクジェット関連技術及び資産により、これまでハードウェアの製造受託のみの形態で展開してきたインクジェットプリンター製品について、より収益性の高いインクカートリッジの製造販売を含め自社リソースで完結できる体制が整い、当連結会計年度には自社開発プリンターの出荷を開始いたしました。
(市場戦略について)
米国市場への偏重リスクを回避するとともに、季節変動の影響を軽減して生産・販売の平準化と売上高の拡大が課題と考えており、メキシコなど中南米等の成長している新興市場の開拓を進めております。
当社グループでは、上記の各戦略を着実に実行するため、商品企画から開発、部材調達、生産、販売に至る部門間のタイムラグをミニマイズし、市場のニーズに的確に応えた製品をタイムリーに供給できるよう改善に取り組んでおります。
(2) 生産及び開発体制の強化
当社グループでは、中国生産依存のリスク回避を課題として、生産拠点の分散化を図ってきたことから同国での生産比率は低下傾向にありますがまだ高い水準にあります。そのため、当連結会計年度におきましては、フィリピンにおいて生産子会社Funai Electric Philippines Inc.の工場が竣工し、早期の工場稼働に向けて準備を進めております。
開発面ではグループ全体の効率向上を中国並びにアジア地域で引き続き進めております。
(3) 人材の育成と登用
当社グループでは、新しいグローバル競争時代を勝ち抜くため、また、中長期の事業戦略を推進するうえで、社員個々人の能力を向上させグループ力強化に繋げることが重要であると認識しております。このため、語学をはじめとする社内外の研修体制の強化・拡充により若手、中堅社員を問わず積極的な人材育成と登用を行っております。