有価証券報告書-第57期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/27 15:00
【資料】
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【項目】
140項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「精密かつ完璧なものづくりにこだわる」を経営理念とし、「独自製品の開発」と高品質の「ものづくり」により精密製品を社会に永続的に供給し、企業価値の向上に努めることを基本方針としております。変動の激しい、電気・電子部品、自動車部品、設備業界で、安定成長を果たし、得意先から信頼される製品の開発、供給を目指してまいります。
これらの経営理念及び経営姿勢を具現化するために、次の中期経営方針を柱として、経営強化してまいります。
(中期経営方針)
・モビリティ・5G・ロボット・メディカルの成長市場にリソースを重点配分し、事業の拡大を図る
・MEMSデバイスを商品化し、事業拡大を図る
・半導体封止装置の製作・制御技術を活用した新たな分野向けの装置に事業領域を広げる
・生産ラインの効率化と最適地生産の追求により原価低減を図る
・管理部門のグローバル管理体制の整備と充実を図り、事業拡大を支える
・コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンス体制の更なる強化を図る
(2)対処すべき課題
①財務体質の強化
当社グループは、電気・電子部品及び自動車部品の製造、販売を主たる業務としており、いわゆる生産財といわれる金型や成形機、さらには自動組立装置を保有し、金型の設計から製造、成形、プレス・めっき、組立と一貫生産をしております。このため、設備の投資回収に時間が掛かることが、財務上課題となっております。これについては、設備投資案件の回収可能性と回収期間を十分に検討し、効率的な設備投資で、最大の効果が得られる生産技術の開発を目指す所存です。また、売上高の増加に伴い、全社的に、たな卸資産の増加や、売上債権が増加傾向であることも課題となりますが、的確な需要予測とリードタイムの短縮により、在庫の圧縮を進めたり、売掛金の早期回収をすることにより、キャッシュ・フローの向上に努めてまいります。
②事業構造の改革
当社グループの事業領域においては技術革新が著しく、各製品の高機能化が一層進むとともに、汎用化した製品については市況変動の影響を大きく受けることになります。そのような環境下で当社グループが投資回収リスクを回避しつつ持続的な成長を続けていくためには、各事業において選択と集中を進め、市場動向を見極めた上で限られた経営資源を自らの得意とする分野に集中的に投入し、付加価値の高い製品をタイムリーに市場に供給していくことが重要になります。
電気・電子部品事業は、高周波・高速伝送特性に優れた高機能コネクタの拡販に注力し、選択と集中を徹底することで収益基盤の強化に努めてまいります。中でも、5G(次世代通信規格)関連のビジネスにおいては、シールド特性に優れたコネクタの受注が今後拡大するものと見込んでおります。HDD関連部品は、グローバルな生産体制を確立するとともに、需要が堅調なサーバー向けの受注獲得を目指してまいります。
自動車部品事業は、自動車の電動化・電子制御化が進展し、自動車業界を取り巻く環境が大きく変化していく中、今後、自動車部品の需要が更に増大していくと予想されることから、車載用センサやコネクタ等に加え、それらの製造で培った精密加工技術を活用した新たな製品の開発・拡販にも努めてまいります。
設備事業は、主力製品である半導体樹脂封止装置の拡販に努めると同時に、半導体製造装置で培った設備製作技術ならびに制御技術を応用した新たな装置外販事業を視野に入れた活動を推進し、事業の拡大、安定化を図ってまいります。