有価証券報告書-第96期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 14:16
【資料】
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【項目】
90項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において連結会社が判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
① 魅力ある製品で、お客様に満足を提供する。
② 変化を先取りし、世界の市場で発展する。
③ 自然を大切にし、社会と共生する。
④ 個性を尊重し、活力ある企業をつくる。
を経営の方針としています。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は売上収益及び営業利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として用いています。
(3) 対処すべき課題
世界では人口増加や地球温暖化、高齢化等の問題が、ますます大きな社会課題となっています。また情報化社会の進展により、人々の消費行動の多様化、ビジネスモデルの変化も起こっています。モビリティ領域も同様に、IoTやAIの進化、そして異業種からの参入により、電動化や自動運転、コネクティッド等の開発が加速し、当社を取り巻く環境は大変革期を迎えています。クルマに求められる価値も大きく変わり、IT技術を活用したソフト領域における価値がますます高まり、変化のスピードはより一層加速しています。
このような大変革期においても持続的に成長し続けるために、当社は2017年10月に、2030年の目指す姿を描いた、「デンソーグループ2030年長期方針」を策定しました。従来注力している「環境」、「安心」の提供価値を最大化することに加え、社会から「共感」していただける新たな価値の提供を通じて、笑顔広がる社会づくりに貢献していきたいと考えています。また、この長期方針を実現するための道筋として、「デンソーグループ2025年長期構想」を策定しています。「電動化」、「先進安全・自動運転」、「コネクティッド」、「非車載事業(FA※・農業)」を注力4分野として取り組みを加速し、2025年度の目標である、売上収益7兆円、営業利益率10%の達成を目指します。
※FA:ファクトリー・オートメーション(生産ラインの機械化による自動化)
電動化分野においては、地球にやさしく、より快適に移動できる電動車両システムを提供するために、長年、電動化技術の開発を行っています。その結果、ハイブリッド車に欠かせない主要製品の高性能化や小型化、省燃費を実現し、世界中で生産実績を積み上げてきました。今後は、当社の幅広い事業領域を活かし、車内のあらゆるシステムや製品をつなぎ、クルマの中のエネルギーを効率よくマネジメントすることで、さらなる燃費性能の向上や省電力化に貢献していきます。
そのための具体的な取り組みとして、トヨタ自動車株式会社と当社は、両社の主要な電子部品事業を当社に統合することを正式に決定し、事業譲渡契約を締結しました。開発・生産事業をあわせて、2020年4月に実施する予定です。様々な自動車部品の電子制御化が進むなか、電子部品事業の重要度は今後もますます高まっていきます。スピーディかつ競争力のある開発・生産体制の構築とリソーセスの最大活用を図り、グループ全体の競争力向上を目指します。
また、アイシン精機株式会社と当社は、電動車両の駆動に不可欠な主要コンポーネントをパッケージ化した、駆動モジュールの開発・販売を行う合弁会社、株式会社BluE Nexus(ブルーイー ネクサス)を2019年4月に設立しました。ハイブリッド、プラグインハイブリッド、電気自動車等、幅広い電動化ニーズに対応する駆動モジュールの品揃えや、求められる性能、地域事情等に合わせた適合までを含めて対応できる体制を構築することで、世界各地域への幅広い普及を目指します。
先進安全・自動運転分野においては、交通事故のない、誰もが安心・安全に移動できるモビリティ社会を目指し、品質と信頼性の高い安全技術の開発に取り組んできました。これまで培ってきたセンシング技術に加え、今後はAI・情報技術に磨きをかけることで、自動運転技術の発展にさらに貢献していきます。創業以来変わらない品質へのこだわりをつらぬき、モビリティ社会の未来に確かな安心を届けます。
そのための具体的な取り組みとして、アイシン精機株式会社、株式会社アドヴィックス、株式会社ジェイテクトと当社は、統合制御ソフトウェア開発の合弁会社を設立しました。自動運転の実現には、クルマの「走る・曲がる・止まる」に関わるセンサやステアリング、ブレーキを、より高度に連携させるための車両統合制御システムが必要になります。そのソフトウェアの高度化と開発の加速に向け、4社が持つ自動運転・車両運動制御等の技術知見を結集した合弁会社、株式会社J-QuAD DYNAMICS(ジェイクワッド ダイナミクス)を2019年4月に設立しました。
また、新車に加え、既販車の安全性向上に貢献する後付け装着可能製品を開発しました。後付けドライバーステータスモニタは、車室内のカメラで撮影したドライバーの顔の画像から、脇見、眠気、居眠り、不適切な運転姿勢等の運転状態を推定し、音声で警告します。また、トヨタ自動車株式会社と共同で、後付けペダル踏み間違い加速抑制装置を開発しました。駐車・停車状態からの発進時に、障害物を検知すると、表示機とブザーでドライバーに注意喚起します。それでもドライバーがブレーキと間違えて強くアクセルを踏み込んだ場合には、加速を抑制し、衝突被害の軽減に貢献します。
コネクティッド分野においては、クルマの「所有」から「利用・サービス化」へのシフトという大改革が起こるなか、MaaS(Mobility as a Service:ヒトやモノの移動をサービスとして提供するモビリティサービス)事業に取り組んでいます。当社は、クルマに乗る人だけでなく、クルマを持たない人にも安心・安全で便利な移動手段の提供を目指し、新たなモビリティ社会の実現に貢献していきます。
2019年1月には、アメリカで開催された世界最大級の家電見本市CES(Consumer Electronics Show)で、MaaSの実現に貢献するため当社が開発するコネクティッド技術を展示しました。多様な車両情報を一元管理、共有するためのクラウド技術「デジタルツイン」、車両とクラウドを連携させるための車載エッジコンピュータ「Mobility IoT Core」、車両のソフトウェアやデータの改ざん防止を目的とした「ブロックチェーン」の展示や、これらの技術を活用した、将来のモビリティサービスを体感できるデモを行いました。

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