有価証券報告書-第99期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/21 14:06
【資料】
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【項目】
128項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において連結会社が判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
① 魅力ある製品で、お客様に満足を提供する。
② 変化を先取りし、世界の市場で発展する。
③ 自然を大切にし、社会と共生する。
④ 個性を尊重し、活力ある企業をつくる。
を経営の方針としています。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
連結会社は売上収益及び営業利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として用いています。
(3) 対処すべき課題
地球温暖化や高齢化、交通事故等が大きな社会課題となる中、連結会社は「デンソーグループ2030年長期方針」を策定し、「環境」「安心」の提供価値を最大化することに加え、社会から「共感」していただける新たな価値の提供を通じて、笑顔広がる社会づくりに貢献する取り組みを進めてきました。この「デンソーグループ2030年長期方針」を実現させ、大きく変化する産業構造や事業環境に対応するため、現在「2025年中期方針」の策定を進めています。
中期方針は人財に主眼を置き、実現力のプロフェッショナルを生みだす人づくりや、ダイバーシティ&インクルージョンを強力に推進し、変化に強く活力溢れる組織づくりが、社員一人ひとりの力を結集させ、方針実現の推進力になると考えています。そして安全/品質、危機管理、収益力向上等の盤石な経営基盤を確立し、事業ポートフォリオの変革を通じて新たな価値創出を進め、社会課題の解決と事業成長を両立させます。連結会社は不透明な事業環境の下、自ら将来を切り拓き、さらなる企業価値向上を目指します。

中期方針では、環境変化と中長期での目指す姿を踏まえ、経営基盤強化と事業成長を軸に、「ありたい姿・目標」と「グローバル経営の5本柱」を策定しています。

注力する分野では、まず電動化戦略においてグローバルでの電動化市場拡大に向け、2015年より天津電装電子有限公司(天津)、2019年デンソー・マニュファクチュアリング・テネシー(北米)にてインバーターの生産を開始し、2021年には急拡大が予想される中国市場対応として天津電装電機有限公司(天津)に電動化工場を新設しインバーターの生産を開始しております(2023年よりMGも生産予定)。今後は、中国南部、欧州、アセアンへの進出を計画しており、グローバル5極での生産体制構築を目指します。また、愛三工業へのフューエルポンプモジュール事業、成都華川電装有限責任公司(以下、華川電装)に、Ⅲ型オルタネータを事業譲渡することを決定しました。華川電装は、主に中国及び欧米・アジア太平洋地域のお客様向けに自動車部品の製造・販売を行っており、1996年に技術援助契約を締結し、当社から技術指導や部品供給等の支援を行ってきました。こうしたパートナーとの連携を進め、お客様への供給責任を果たすとともに、事業ポートフォリオの変革を推進し、注力分野の強化を加速させてまいります。
また、事業活動を通じ社会に「安心」を提供することは当社としての目標です。交通事故や大気汚染、感染症、自然災害、少子高齢化といった社会課題の解決を実現し、社会に「安心」を提供するリーディングカンパニーとなるべく取り組みを進めます。交通事故死亡者ゼロを目指すには、当社での取り組みに加えて関係省庁や車両メーカ、関連業界と連携し、「人」「クルマ」「交通環境」の三位一体での対策が重要です。当社は技術を通じて貢献し、交通死亡事故ゼロの社会を目指します。2021年度は予防安全・運転支援シーンの拡大と、小型・低コストの両立をコンセプトに「Global Safety Package 3」を開発しました。今後も高度運転支援に関する技術開発を推進し、安心・安全な移動の実現に取り組んでまいります。