有価証券報告書-第88期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/20 13:31
【資料】
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【項目】
138項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、分析については前連結会計年度との比較において記載しております。
(1) 重要な会計方針及び見積り
A.貸倒引当金
当社グループは、金銭債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、また貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を判断して、回収不能見積額を計上しております。
したがって、顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には当該引当金の追加処理が必要となる可能性があります。
B.製品保証引当金
当社グループは、製品の販売後の無償サービス費用に充てるため、売上高に対する過年度の発生率による額のほか、個別に発生額を見積もることができる費用について製品保証引当金を計上しております。
当社グループの製品不良率や保証コストの見積もりが実際と異なる場合は、製品保証費用の見積について修正が必要となる可能性があります。
C.投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のため、顧客及び金融機関等の株式を所有しております。
将来の市況悪化や投資先の業績不振等を勘案して、投資価値の著しい下落が一時的ではないと判断される場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
D.繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得及び実現可能性の高い継続的なタックスプランニングを分析、検討して当該資産を計上しております。
繰延税金資産の全部又は一部を将来にわたり実現できないと判断した場合、当該判断を決定した期間において、繰延税金資産の減額を実施します。一方、今後新たに繰延税金資産を実現できると判断した場合には、法人税等調整額により繰延税金資産の増額を実施します。
E.退職給付に係る会計処理の方法
・退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
・数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により費用処理しております。
数理計算上の差異は、各連結会計年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理することとしております。
F.環境費用引当金
米国における連結子会社THE VENDO COMPANYが、その旧工場の所在地や近隣地区の土壌及び水質汚染の浄化に係る費用に充てるため、将来の発生見積額から保険会社により設定された環境浄化費用に利用できる基金の残高を控除した額を当該引当金として計上しておりますが、浄化作業の進捗状況の如何によっては追加引当もしくは引当の減額が必要となる可能性があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
A.売上高
グローバルに拡大する環境ニーズを捉えた製品・システム・サービスの提案・提供により、国内外で幅広く顧客の信頼に応えることができました。
自動車機器事業においては、環境技術を活かした新商品の投入により新規商権を獲得しました。また、流通システム事業においては、当社独自のCO2製品、顧客のニーズに迅速に対応した製品・システム等の拡販および新たな事業領域への提案活動を推進しました。それらの結果、当連結会計年度における連結売上高は274,786百万円となり、前連結会計年度に比べ13.7%の増収となりました。
B.営業利益
将来成長に向け、自然系冷媒CO2を軸とした環境技術開発等の投資を積極的に行いましたが、継続的な原価改善および生産性改善、前年度より取り組んできました現地生産化・内製化等の体質改革活動の効果に加え、円安の追い風もあり、増益となりました。その結果、営業利益は4,858百万円となりました。
C.特別損益
確定給付退職金制度から確定拠出企業年金制度に改定した影響額1,953百万円を、特別利益に計上しました。
D.法人税等
主に海外拠点での来期以降課税所得見込額を踏まえ、繰延税金資産を計上した結果、税金費用は108百万円となりました。
また、少数株主損益は、主として一部の国内子会社及びアジアの子会社における少数株主に帰属する利益からなり、前年同期に比べて112百万円増え、△165百万円となりました。
E.当期純利益
営業利益および特別利益の計上や法人税等の要因により、当期純利益は5,843百万円となりました。
(3) 資金の流動性に関する分析
A.キャッシュ・フロー
営業活動におけるキャッシュ・フローは、前連結会計年度実績3,148百万円に比べ15,655百万円増加し、18,803百万円となりました。その要因は、税金等調整前当期純利益5,787百万円および、減価償却費10,134百万円、仕入債務の増加6,231百万円、退職年金資産の返還による収入6,398百万円を主に資金が増加した一方、売上債権の増加2,928百万円等により資金が減少したことによるものです。
投資活動におけるキャッシュ・フローは、前連結会計年度実績16,794百万円の使用に比べ4,689百万円減少し、12,105百万円の資金を使用しました。その要因は、現地生産化・内製化に伴う海外設備投資を主とした有形固定資産の取得による支出12,838百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度は8,675百万円の資金が減少しました。その要因は、長期借入により長期借入金が22,570百万円増加しましたが、一方で長期借入金の返済15,350百万円、および短期借入金が13,271百万円減少したことによるものです。
これらの活動の結果と為替レート変動の影響に伴う現金及び現金同等物の増加を合わせ、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度実績19,961百万円に比べ883百万円減少し、19,078百万円となりました。
B.資金需要
当社グループの運転資金は、製品製造のための材料及び部品購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用の支出です。
また、設備投資の主なものは、グローバル生産体制強化に伴う、現地生産化・内製化、および開発用設備の他、合理化等に伴う設備の維持更新と生産用金型の取得であります。なお、当連結会計年度の主な設備投資は、国内外の自動車機器事業に係わるものであります。
C.資金調達
当社グループは、資金使途及び資金の必要な時期、期間、地域に応じ資金調達を決定しております。
運転資金については、期限を1年以内とし、グループ各社が運転資金として調達することを基本としております。
当連結会計年度末短期借入金残高42,953百万円の主な通貨は円、US$、ユーロであります。一方、生産設備投資などに必要な長期資金を長期借入金で調達しております。
当連結会計年度末長期借入金残高76,094百万円の主たる部分は金融機関からの固定金利による借入金であります。
なお、当連結会計年度中において、日本を中心に22,570百万円の長期借入を実施し、設備投資等に充当しております。
長期資金の調達手段の判断は、金利条件や市場環境に加え、直接、間接調達の比率や当社の格付け、金融機関との取引状況等を総合的に判断し決定しております。
当社グループは、常に健全な財務状態を目指しており、今後の成長に必要な資金についても、営業活動によるキャッシュ・フローおよび、金融機関、債券・資本市場より調達することが可能であると考えております。