有価証券報告書-第66期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/20 13:09
【資料】
PDFをみる
【項目】
130項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済・金融政策を背景として円高是正や株価上昇が進み、景気は緩やかに回復してきました。一方世界経済は、中国やその他新興国経済の先行き不安があるものの、米国では個人消費や住宅市況の改善、欧州も脆弱ながらも持ち直しの動きが見られ、全体的には緩やかな回復が続きました。
このような状況の中、当社グループは前期において光ディスクドライブ事業の改革を終え、業績の安定化から成長への転換期という折り返し点におります。しかしながら、売上高は22,444百万円(前期比0.9%増)と僅かに増収となりましたが、円安等の影響で売上原価、および販管費が増加したことにより、営業利益は395百万円(前期比42.9%減)、経常利益は30百万円(前期比91.4%減)と減益となりました。また、米国の不動産売却益を計上したものの、米国子会社における固定費削減のための特別退職金の計上、マレーシアの不動産に対する減損損失の計上、および繰延税金資産の取崩しにより、当期純損失は248百万円(前期当期純損失323百万円)となりました。
なお、当期は財務施策としてキャッシュ・フロー改善のため在庫削減、および有利子負債の削減に努めた結果、前期と比較して営業キャッシュ・フローは改善し、実質有利子負債もゼロとなりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①音響機器事業
音響機器事業の売上高は13,391百万円(前期比6.1%増)となり、営業利益は217百万円(前期比80.1%減)となりました。
高級AV機器(ESOTERICブランド)は、フラッグシップとなるグランディオーソシリーズが好評を博したことに加え、消費税増税前の駆け込み需要もあり、高額輸入品ともども売上が伸張しました。一般AV機器(TEACブランド)は、引き続き日本国内やアジアを中心にPCオーディオ製品の販売が好調に推移、加えて3月に販売を開始したポータブルヘッドホンアンプも好評を博しました。音楽制作オーディオ機器(TASCAMブランド)は、デジタル一眼レフカメラ用リニアPCMレコーダーの販売が欧米を中心に伸張、また日本を中心に設備音響機器が堅調に推移しましたが、前期と比較して、放送局向機器の特需がなかったこと、米国市場が全般的に不振であったこと、また音楽制作オーディオ機器を主要事業と位置づけ、人的投資をより集中したことなどにより、前期と比較して減益となりました。
②情報機器事業
情報機器事業の売上高は7,470百万円(前期比11.8%減)となり、営業利益は107百万円(前期営業損失431百万円)となりました。
航空機搭載記録再生機器は、製品および保守パーツ共に好調に推移し、前期と比較して増益となりました。計測機器は、新型データレコーダー(WX-7000)の海外販売は伸び悩みましたが、国内では鉄道関連、タービン測定関連向けの大型案件の受注などにより好調に推移し、前期比では増益となりました。センサーは新型のデジタル指示計が好評価を得て堅調に推移しました。医用画像記録再生機器はHD画像記録用の新製品が好調でしたがOEM販売の落ち込みを挽回するには至らず減収減益となりました。通話録音機器はプロジェクトの期ずれで減収となりました。ソリューションビジネスはPC入替え特需の影響もあり増収増益となりました。
ストレージデバイス事業(光ディスクドライブ)は、PC向けOEM販売から撤退したことにより売上高は減少しましたが、市場の変化を受けにくく、利益率の高い産業用ドライブ販売に注力したことおよび販管費の大幅削減により黒字となりました。
この結果、情報機器事業全体では前期と比較して減収となりましたが、営業黒字となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度と比較して432百万円減少し、3,175百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、366百万円のプラス(前期769百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、たな卸資産の減少額1,053百万円、マイナス要因としては、利息の支払額113百万円であります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,490百万円のプラス(前期329百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、定期預金の払戻による収入810百万円、有形固定資産の売却による収入730百万円、マイナス要因としては、有形固定資産の取得による支出277百万円であります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,455百万円のマイナス(前期264百万円のプラス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、短期借入れによる収入4,200百万円、マイナス要因としては、短期借入金の返済による支出6,468百万円であります。