有価証券報告書-第79期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな景気回復基調となり、個人消費や設備投資を中心に国内需要は底堅く推移しました。一方で金や銅などをはじめとする原材料価格の高騰が進展するとともに、中東情勢の緊張の急激な高まりといった地政学リスクが不透明感を強め、製造業を取り巻く環境は予断を許さない状況となりました。
海外におきましては、米国は個人消費が停滞する一方で、活発なAI関連投資が下支えし景気は堅調に推移しました。欧州経済は緩やかに回復したものの力強さを欠き、中国は長引く不動産市況の低迷や内需の停滞により弱含みで推移するなど、地域や産業により景気の色合いが異なる状況となりました。
このような状況下、当社グループは、主にスマートフォン市場向け、自動車市場向け及び産業用機器市場向けのグローバル事業拡大を進めるとともに高度化する市場ニーズへの更なる迅速な対応を目指し、高付加価値新製品の開発・販売・生産体制の強化を推進してまいりました。また、新たな成長ドライバーのひとつとすることを目的に、2025年7月に半導体テスト製品の製造・販売事業を展開する株式会社エス・イー・アール(東京都品川区、現ヒロセSER株式会社)を連結子会社化しました。
当社グループの業績につきましては、産業用機器市場向けビジネスが幅広い用途・地域で受注・売上が増加し好調な結果となり、自動車用機器市場向けビジネスも需要は総じて堅調に推移する中、新たな案件の生産の立ち上がりなどが着実に寄与しました。一方、民生用機器市場向けビジネスはやや軟調に推移しました。その結果、当連結会計年度の売上収益は、2,112億64百万円(前年同期比11.5%増)、営業利益は429億95百万円(同0.8%増)、税引前利益は466億26百万円(同0.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は331億42百万円(同0.3%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、以下のとおりであります。
(多極コネクタ)
当社の主力製品群であります多極コネクタは、丸形コネクタ、角形コネクタ、リボンケーブル用コネクタ、プリント基板用コネクタ、FPC(フレキシブル基板)用コネクタ、ナイロンコネクタ等多品種にわたります。
主としてスマートフォン、通信機器、カーエレクトロニクス等の分野から計測・制御機器、FA機器及び医療機器などの産業用機器等の分野まで幅広く使用されているコネクタであり、今後の更なる高度情報通信ネットワーク化社会及び環境を考慮した省エネ化社会の進展とともに需要の拡大が見込まれております。
当連結会計年度は、売上収益は1,858億14百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益は367億67百万円(同6.7%減)となりました。
(同軸コネクタ)
同軸コネクタは、マイクロ波のような高周波信号を接続する特殊な高性能コネクタであり、主にスマートフォンやパソコンなどの無線LANやBluetooth通信のアンテナ接続や自動車でのGPSアンテナ接続として、また無線通信装置や電子計測器の高周波信号接続として使用されるコネクタであります。
なお、光コネクタ、同軸スイッチもこの中に含んでおります。
当連結会計年度は、売上収益は183億38百万円(前年同期比34.2%増)、営業利益は58億75百万円(同73.9%増)となりました。
(その他)
以上のコネクタ製品以外の製品として半導体テスト製品及びマイクロスイッチ類及びコネクタ用治工具類を一括しております。
当連結会計年度は、売上収益は71億12百万円(前年同期比45.0%増)、営業利益は3億52百万円(前年同期は97百万円の営業損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(資金)は、前連結会計年度末と比べて16億69百万円増加して、873億35百万円となりました。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、458億77百万円の増加(前年同期は556億82百万円の増加)となりました。
これは、税引前利益466億26百万円や減価償却費及び償却費194億65百万円の計上などによる資金増、法人所得税の支払額157億20百万円による資金減などによるものです。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、92億48百万円の減少(前年同期は429億47百万円の減少)となりました。
これは、投資の取得による支出288億49百万円、有形固定資産の取得による支出200億21百万円による資金減、定期預金の減少262億51百万円による資金増などによるものです。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、379億24百万円の減少(前年同期は166億71百万円の減少)となりました。
これは、自己株式の取得による支出203億51百万円、配当金の支払額164億94百万円による資金減などによるものです。
③ 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、営業債権及びその他の債権や棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ143億12百万円増加して4,311億77百万円となりました。負債は営業債務及びその他の債務の増加等により63億83百万円増加して531億2百万円となりました。また、資本合計は利益剰余金の増加及び自己株式の増加等により79億28百万円増加して3,780億75百万円となりました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は87.7%となり、前連結会計年度末と比べ1.1%減少しました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注)金額は、販売価格によっております。
b.受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注)当連結会計年度において株式会社エス・イー・アール(現ヒロセSER株式会社)を連結子会社化したことに伴い、その他の「受注高」及び「受注残高」が前年同期比で、大幅な増加となりました。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態および経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態および経営成績等につきましては、産業用機器市場向けビジネスが幅広い用途・地域で伸長しました。また、自動車用機器市場向けビジネスも需要は総じて堅調に推移する中、新たな案件の生産・販売が始まったことが寄与しました。その結果、対前年同期と比べ増収増益となりました。
当社グループは、中期経営計画「G-WING」において、コンシューマ、産業用機器、自動車の強い3本柱を形成することで、高収益体制を維持しつつ、中長期的に売上を伸長させていく計画を立てております。現在当社グループが置かれている状況は、この3本柱によるバランスのよいポートフォリオを確立させながら成長を加速させるため、開発・生産拠点の増強を進めております。また、継続的な現場改善、品質向上、DXや人財の活性化に向けた投資も強化してまいります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、国内外の経済動向の変化が挙げられます。現時点では特にスマートフォン市場の動向が当社グループの業績に大きな影響を与えております。当社グループとしましては、「G-WING」の3本柱を強固にしていくことでスマートフォン市場への依存率を相対的に減少させてまいります。
その他の当社グループの経営成績に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、親会社所有者帰属持分比率が87.7%と十分な資本を維持しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、IFRSベースの営業利益率を重視した経営を行っております。当連結会計年度における営業利益率は20.4%となり、前連結会計年度の22.5%を下回る結果となりました。これは設備投資や人財への投資を続けていることおよび、原材料の高騰によるものです。引き続き、高い営業利益率を安定的に生み出せる体制づくりを行ってまいります。
また、当社グループは中長期的に資本コストを上回るROE (自己資本利益率) の達成を目指しております。具体的には、収益性の改善を進めるとともに、2029年度までにROE12%以上の達成を目指してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローの合計が366億29百万円となっており、成長と安定のバランスを図っております。詳細につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの資本の財源および資金の流動性につきましては、親会社所有者帰属持分比率は87.7%と高い水準を維持しており、資金の調達を行わずに事業に必要な資金の流動性を確保していると判断しています。
当社グループは、事業の成長のための投資と株主への還元をともに図るため、中期的に営業キャッシュ・フローの50%から60%を事業投資へ、40%から50%を株主に還元する方針としています。また、さらなる成長のためのM&Aや資本提携などの戦略投資については現在有しているキャッシュを充てる方針です。
事業への投資につきましては、中長期的な視野に立って、今後ますます進展する技術革新に対する研究開発投資、グローバル化に伴う設備投資および、ITなどのインフラ投資を行ってまいります。
株主への利益還元策としては、配当による成果の配分を優先的に考えており、長期的な企業価値の拡大と企業体質の強化を図りながら、1株当たり利益を増加させることにより配当の安定的な増加に努めることを基本方針としております。この基本方針の一層の実践を図るため、DOE(株主資本配当率)を株主還元指標として採用し、2024年度より中期的にDOE5%の配当を行うことを目標としております。
また、自己株式の取得についても、株主への利益還元策としてとらえており、資本効率の改善を目的として、2025年度から2028年度の4年間で、600億円を上限とした自己株式を取得する方針を決定しております。
なお、当社は自己株式の保有については、発行済株式総数の5%程度を上限とし、それを超過する部分は、原則として毎期消却する旨を自己株式の保有・消却に関する基本方針としております。
③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって必要となる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。重要性がある会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針、4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
金融商品の公正価値及び棚卸資産の正味実現可能価額は社内外の環境の変化により変動する可能性は高いと考えておりますが、当社グループにおける連結財務諸表に大きな影響を与えるほど変動する可能性は極めて低いと考えております。
一方、法人税等につきましては、当局との見解の相違などにより、見積りの結果とは異なる可能性があります。とりわけ移転価格について追徴を受けた場合は、当社グループにおける連結財務諸表に一定の影響を与える可能性があると認識しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな景気回復基調となり、個人消費や設備投資を中心に国内需要は底堅く推移しました。一方で金や銅などをはじめとする原材料価格の高騰が進展するとともに、中東情勢の緊張の急激な高まりといった地政学リスクが不透明感を強め、製造業を取り巻く環境は予断を許さない状況となりました。
海外におきましては、米国は個人消費が停滞する一方で、活発なAI関連投資が下支えし景気は堅調に推移しました。欧州経済は緩やかに回復したものの力強さを欠き、中国は長引く不動産市況の低迷や内需の停滞により弱含みで推移するなど、地域や産業により景気の色合いが異なる状況となりました。
このような状況下、当社グループは、主にスマートフォン市場向け、自動車市場向け及び産業用機器市場向けのグローバル事業拡大を進めるとともに高度化する市場ニーズへの更なる迅速な対応を目指し、高付加価値新製品の開発・販売・生産体制の強化を推進してまいりました。また、新たな成長ドライバーのひとつとすることを目的に、2025年7月に半導体テスト製品の製造・販売事業を展開する株式会社エス・イー・アール(東京都品川区、現ヒロセSER株式会社)を連結子会社化しました。
当社グループの業績につきましては、産業用機器市場向けビジネスが幅広い用途・地域で受注・売上が増加し好調な結果となり、自動車用機器市場向けビジネスも需要は総じて堅調に推移する中、新たな案件の生産の立ち上がりなどが着実に寄与しました。一方、民生用機器市場向けビジネスはやや軟調に推移しました。その結果、当連結会計年度の売上収益は、2,112億64百万円(前年同期比11.5%増)、営業利益は429億95百万円(同0.8%増)、税引前利益は466億26百万円(同0.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は331億42百万円(同0.3%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、以下のとおりであります。
(多極コネクタ)
当社の主力製品群であります多極コネクタは、丸形コネクタ、角形コネクタ、リボンケーブル用コネクタ、プリント基板用コネクタ、FPC(フレキシブル基板)用コネクタ、ナイロンコネクタ等多品種にわたります。
主としてスマートフォン、通信機器、カーエレクトロニクス等の分野から計測・制御機器、FA機器及び医療機器などの産業用機器等の分野まで幅広く使用されているコネクタであり、今後の更なる高度情報通信ネットワーク化社会及び環境を考慮した省エネ化社会の進展とともに需要の拡大が見込まれております。
当連結会計年度は、売上収益は1,858億14百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益は367億67百万円(同6.7%減)となりました。
(同軸コネクタ)
同軸コネクタは、マイクロ波のような高周波信号を接続する特殊な高性能コネクタであり、主にスマートフォンやパソコンなどの無線LANやBluetooth通信のアンテナ接続や自動車でのGPSアンテナ接続として、また無線通信装置や電子計測器の高周波信号接続として使用されるコネクタであります。
なお、光コネクタ、同軸スイッチもこの中に含んでおります。
当連結会計年度は、売上収益は183億38百万円(前年同期比34.2%増)、営業利益は58億75百万円(同73.9%増)となりました。
(その他)
以上のコネクタ製品以外の製品として半導体テスト製品及びマイクロスイッチ類及びコネクタ用治工具類を一括しております。
当連結会計年度は、売上収益は71億12百万円(前年同期比45.0%増)、営業利益は3億52百万円(前年同期は97百万円の営業損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(資金)は、前連結会計年度末と比べて16億69百万円増加して、873億35百万円となりました。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、458億77百万円の増加(前年同期は556億82百万円の増加)となりました。
これは、税引前利益466億26百万円や減価償却費及び償却費194億65百万円の計上などによる資金増、法人所得税の支払額157億20百万円による資金減などによるものです。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、92億48百万円の減少(前年同期は429億47百万円の減少)となりました。
これは、投資の取得による支出288億49百万円、有形固定資産の取得による支出200億21百万円による資金減、定期預金の減少262億51百万円による資金増などによるものです。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、379億24百万円の減少(前年同期は166億71百万円の減少)となりました。
これは、自己株式の取得による支出203億51百万円、配当金の支払額164億94百万円による資金減などによるものです。
③ 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、営業債権及びその他の債権や棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ143億12百万円増加して4,311億77百万円となりました。負債は営業債務及びその他の債務の増加等により63億83百万円増加して531億2百万円となりました。また、資本合計は利益剰余金の増加及び自己株式の増加等により79億28百万円増加して3,780億75百万円となりました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は87.7%となり、前連結会計年度末と比べ1.1%減少しました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 多極コネクタ | 192,350 | 13.5 |
| 同軸コネクタ | 17,835 | 42.5 |
| その他 | 4,743 | 24.9 |
| 合計 | 214,927 | 15.7 |
(注)金額は、販売価格によっております。
b.受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比 (%) |
| 多極コネクタ | 197,267 | 15.1 | 49,070 | 30.4 |
| 同軸コネクタ | 18,897 | 27.0 | 5,104 | 12.3 |
| その他 | 10,777 | 121.5 | 4,809 | 655.7 |
| 合計 | 226,940 | 18.8 | 58,984 | 37.8 |
(注)当連結会計年度において株式会社エス・イー・アール(現ヒロセSER株式会社)を連結子会社化したことに伴い、その他の「受注高」及び「受注残高」が前年同期比で、大幅な増加となりました。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 多極コネクタ | 185,814 | 8.8 |
| 同軸コネクタ | 18,338 | 34.2 |
| その他 | 7,112 | 45.0 |
| 合計 | 211,264 | 11.5 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態および経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態および経営成績等につきましては、産業用機器市場向けビジネスが幅広い用途・地域で伸長しました。また、自動車用機器市場向けビジネスも需要は総じて堅調に推移する中、新たな案件の生産・販売が始まったことが寄与しました。その結果、対前年同期と比べ増収増益となりました。
当社グループは、中期経営計画「G-WING」において、コンシューマ、産業用機器、自動車の強い3本柱を形成することで、高収益体制を維持しつつ、中長期的に売上を伸長させていく計画を立てております。現在当社グループが置かれている状況は、この3本柱によるバランスのよいポートフォリオを確立させながら成長を加速させるため、開発・生産拠点の増強を進めております。また、継続的な現場改善、品質向上、DXや人財の活性化に向けた投資も強化してまいります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、国内外の経済動向の変化が挙げられます。現時点では特にスマートフォン市場の動向が当社グループの業績に大きな影響を与えております。当社グループとしましては、「G-WING」の3本柱を強固にしていくことでスマートフォン市場への依存率を相対的に減少させてまいります。
その他の当社グループの経営成績に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、親会社所有者帰属持分比率が87.7%と十分な資本を維持しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、IFRSベースの営業利益率を重視した経営を行っております。当連結会計年度における営業利益率は20.4%となり、前連結会計年度の22.5%を下回る結果となりました。これは設備投資や人財への投資を続けていることおよび、原材料の高騰によるものです。引き続き、高い営業利益率を安定的に生み出せる体制づくりを行ってまいります。
また、当社グループは中長期的に資本コストを上回るROE (自己資本利益率) の達成を目指しております。具体的には、収益性の改善を進めるとともに、2029年度までにROE12%以上の達成を目指してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローの合計が366億29百万円となっており、成長と安定のバランスを図っております。詳細につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの資本の財源および資金の流動性につきましては、親会社所有者帰属持分比率は87.7%と高い水準を維持しており、資金の調達を行わずに事業に必要な資金の流動性を確保していると判断しています。
当社グループは、事業の成長のための投資と株主への還元をともに図るため、中期的に営業キャッシュ・フローの50%から60%を事業投資へ、40%から50%を株主に還元する方針としています。また、さらなる成長のためのM&Aや資本提携などの戦略投資については現在有しているキャッシュを充てる方針です。
事業への投資につきましては、中長期的な視野に立って、今後ますます進展する技術革新に対する研究開発投資、グローバル化に伴う設備投資および、ITなどのインフラ投資を行ってまいります。
株主への利益還元策としては、配当による成果の配分を優先的に考えており、長期的な企業価値の拡大と企業体質の強化を図りながら、1株当たり利益を増加させることにより配当の安定的な増加に努めることを基本方針としております。この基本方針の一層の実践を図るため、DOE(株主資本配当率)を株主還元指標として採用し、2024年度より中期的にDOE5%の配当を行うことを目標としております。
また、自己株式の取得についても、株主への利益還元策としてとらえており、資本効率の改善を目的として、2025年度から2028年度の4年間で、600億円を上限とした自己株式を取得する方針を決定しております。
なお、当社は自己株式の保有については、発行済株式総数の5%程度を上限とし、それを超過する部分は、原則として毎期消却する旨を自己株式の保有・消却に関する基本方針としております。
③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって必要となる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。重要性がある会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針、4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
金融商品の公正価値及び棚卸資産の正味実現可能価額は社内外の環境の変化により変動する可能性は高いと考えておりますが、当社グループにおける連結財務諸表に大きな影響を与えるほど変動する可能性は極めて低いと考えております。
一方、法人税等につきましては、当局との見解の相違などにより、見積りの結果とは異なる可能性があります。とりわけ移転価格について追徴を受けた場合は、当社グループにおける連結財務諸表に一定の影響を与える可能性があると認識しております。