有価証券報告書-第54期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/26 14:41
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当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響の詳細については、「2 事業等のリスク」をご参照ください。
(1)経営成績
当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦による貿易量の減少と企業の投資活動の低迷に加えて、2020年始からの新型コロナウイルスの世界的流行により米国、欧州、アジアでの経済活動が停滞しました。米国経済では、良好な雇用・所得環境を背景に内需が底堅く推移していましたが、3月には消費者マインドが大きく低下し自動車販売台数も前月比約3割減となるなど不透明な状況が続いております。中国経済では、米中貿易摩擦の影響及び新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動・生産活動の制限により大きく停滞しました。自動車の生産・販売台数は前期比約84%に留まり、特に第4四半期では前年同期比で約40%減少しました。欧州では、世界的な景気減速により外需が低迷したことで製造業が低調に推移したことに加え、3月には新型コロナウイルス感染拡大により景気は大きく押し下げられ、自動車販売は前年同月比約55%減少と他地域同様に大幅に減少しました。
わが国の経済におきましても、個人消費や設備投資を中心とした国内需要が増加し堅調に推移しておりましたが、消費税増税後は消費マインドが冷え込み、さらに新型コロナウイルス感染拡大により不透明感が一層強まっております。
このような事業環境の下、当社グループの主力である車載市場の販売は、主要消費地である中国を中心に自動車販売が低迷した影響を大きく受けました。カーオーディオやカーナビを中心としたカーAVN分野では、コックピット化(計器類からカーナビゲーションまで一体化されること)やコネクティッド化(自動車が外部と様々な情報を通信すること)対応等の将来の変化を見据えた新たな開発を進めてまいりましたが、自動車販売台数の減少及び自動車1台あたりのコネクタの搭載数量の減少の影響により、販売が減少しました。一方で、注力分野である安全系のADAS(先進運転支援システム)向けや電動化の進展に伴い新たに自動車に搭載されているパワートレイン向け等のコネクタについては、市況が低迷している環境下においても好調を維持しました。ADAS向けでは先進国の自動車販売台数減少の影響を受けたものの、車載カメラ向けを中心に新規搭載が進み前期比約5%増加となりました。パワートレイン向けにおいても環境対応車の増加により前期比約50%増加と成長を維持しました。コンシューマー市場においては、OA機器向けやゲーム機向けなどで販売は総じて減少しましたが、第3四半期からテレビの自動組立用途の新開発可動BtoBコネクタ製品の出荷が開始されております。インダストリアル市場においては、上半期は米中貿易摩擦を背景とした中国での設備投資抑制により販売が減少しましたが、下半期は回復傾向で推移し前期比で概ね横ばいとなりました。
なお、新型コロナウイルスによる第4四半期における売上高減少への影響は約9億円であり、地域別には中国を中心としたアジア地域で約7億円、欧州地域で約1億3千万円、北米地域で約4千万円、日本で約3千万円であります。
以上の結果、売上高は、前期比7.5%減の396億1千4百万円となりました。
売上原価は、前期比4.7%減の266億2千6百万円となりました。売上原価の売上高に対する比率は前期比2.0ポイント上昇し、67.2%となりました。主な要因は、原価低減活動は一定の成果を挙げたものの、アジア圏での賃金上昇、金などの素材価格の高騰、新製品や合理化のための設備投資に伴う減価償却費の増加等によるものであります。
販売費及び一般管理費は、前期比5.1%減の83億5千9百万円となりました。この結果、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は前期比0.5ポイント上昇し、21.1%となりました。主な要因は、物流改革による経費低減や当連結会計年度初めより取り組んだ経費削減施策を推進したものの、成長計画に基づく人員増加の他、事業基盤の整備、大型台風や新型コロナウイルス感染症の対策費用等の一時的な費用が増加したことによるものであります。
以上の結果、営業利益は、前期比23.9%減の46億2千8百万円となりました。
営業外損益は、前期2億4千1百万円の収益(純額)から3千9百万円の収益(純額)へと、収益が2億1百万円減少いたしました。主な要因は、為替差損が発生したことによります。
特別損益は、前期の1億5千1百万円の損失(純額)から3億2千8百万円の損失(純額)へと損失が1億7千7百万円増加いたしました。主な要因は、減損損失を計上したことによります。
以上の結果、経常利益は46億6千8百万円、税金等調整前当期純利益は43億3千9百万円及び親会社株主に帰属する当期純利益は32億8千7百万円となりました。
セグメントの業績を示すと次のとおりであります。
[日本]
国内においては、車載市場のカーエレクトロニクス分野で増収となったものの、その他の市場で減収となったことから、売上高は前期比2.0%減の86億9千6百万円となりました。営業利益は22.4%減の37億2千6百万円となりました。
[アジア]
アジア地域においては、中国における米中貿易摩擦及び2020年1月から新型コロナウイルス感染症に伴う生産活動の著しい停滞とインド市場の低迷などの影響で自動車販売台数が減少し、売上高は前期比12.3%減の164億3千万円となりました。営業利益は44.2%減の13億2千8百万円となりました。
[欧州]
ヨーロッパ地域においては、車載市場においてカーエレクトロニクス分野で好調だったものの、円高の影響を大きく受け、売上高は前期比1.2%減の78億5千4百万円となりました。また、営業利益は前期比8.7%減の2億4千万円となりました。
[北米]
北米地域においては、車載市場においてカーエレクトロニクス分野、カーAVN分野で減収となり、売上高は前期比8.9%減の66億3千1百万円となりました。営業利益は7.1%増の3億1千7百万円となりました。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(2019年3月末)に比べ8億3千3百万円減少し、606億3千8百万円となりました。流動資産は、現金及び預金16億3千7百万円の減少、受取手形及び売掛金2億7千7百万円の減少、商品及び製品4億7千6百万円の減少、原材料及び貯蔵品3億9千5百万円の減少等により27億8百万円減少し323億9千5百万円となりました。固定資産は、建物3億4千3百万円の増加、機械装置9億4千2百万円の増加、土地4億6千3百万円の増加、建設仮勘定3億8千8百万円の増加等により18億7千4百万円増加し282億4千2百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ10億2千3百万円減少し、91億1千8百万円となりました。流動負債は、未払金5億6千4百万円の増加、支払手形及び買掛金4億4千1百万円の減少、未払法人税等16億5千2百万円の減少等により15億1千4百万円減少し79億2千8百万円となりました。固定負債は、その他に含まれる長期未払金3億8千4百万円の増加等により4億9千1百万円増加し11億9千万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益による増加32億8千7百万円、剰余金の配当による減少14億2千万円、為替調整勘定の減少15億6千万円等により前連結会計年度末に比べ、1億8千9百万円増加し515億1千9百万円となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により68億3千万円増加し、投資活動により64億8千2百万円、財務活動により16億6千4百万円、それぞれ減少した結果、前連結会計年度末に比べ16億3千7百万円減少し、138億1千9百万円となりました。前連結会計年度に比べて資金は減少しましたが、これは当社グループは長期ビジョンとして売上高1,000億円を掲げており、その達成のための設備投資を継続して実施したこと、また、当社の重要な経営施策である株主の皆様への安定的な利益還元を行うべく、財務体質を勘案して十分な配当を実施したことによる結果となります。
なお、当連結会計年度において、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う収益悪化による当社グループの資金繰りへの影響は軽微であります。しかしながら、不測の事態に備えて当社の資金57億8千5百万円及び連結子会社の資金80億3千3百万円を有効活用すべく、グループ内での資金管理の最適化に取り組んで参ります。また、当社の仮定に基づく次期の業績見通しにおいては、新たな資金調達の必要性は乏しいと考えておりますが、機動的な財務基盤を確立するために、銀行融資枠(コミットメントライン)を拡大しております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動では、税金等調整前当期純利益43億3千9百万円、減価償却費45億3千5百万円、たな卸資産の減少額6億9百万円に伴う資金の増加から、法人税等の支払額26億3千5百万円に伴う資金の減少を差し引き、資金の増加額は68億3千万円となりました。
前期の資金の増加額66億9千5百万円に対して1億3千5百万円増加(前期比2.0%増)しましたが、これは主に、前期に比べて税金等調整前当期純利益が18億3千4百万円減少し、法人税等の支払額が8億2千9百万円増加したものの、減価償却費の増加4億1千8百万円、たな卸資産の減少16億3千8百万円により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動では、有形固定資産及び無形固定資産の取得64億3千1百万円の支出により、資金の減少額は64億8千2百万円となりました。
前期の資金の減少額66億8千7百万円に対して2億5百万円減少(前期比3.0%増)しましたが、これは主に、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出が前期に比べて3億1百万円減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動では、長期借入金の返済6千1百万円、配当金の支払14億2千万円等により、資金の減少額は16億6千4百万円となりました。
前期の資金の減少額19億5千万円に対して2億8千5百万円減少(前期比14.6%減)しましたが、これは主に、前期において自己株式の取得により6億7千万円の支出があったこと及び前期に比べて配当金の支払額が2億3千7百万円増加したことによるものであります。
翌連結会計年度については、コネクタ生産設備等を中心に60億円の資本的支出を計画しており、その資金の調達源については、自己資金を想定しております。
(4) 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
区分生産高(百万円)前期比(%)
日本4,063100.1
アジア25,42993.1
欧州
北米
合計29,49294.0

(注) 1 金額は生産出荷高によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
区分受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
日本8,900104.01,006125.4
アジア16,22686.91,76589.6
欧州7,757103.31,50193.9
北米6,76993.0463142.0
合計39,65494.44,736100.8

(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
区分販売高(百万円)前期比(%)
日本8,69698.0
アジア16,43087.7
欧州7,85498.8
北米6,63191.1
合計39,61492.5

(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債及び収益、費用の報告金額に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。経営者は、これらの見積りや仮定について、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りや仮定と異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等は不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。
(6) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、2017年5月に2020年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定しました。2021年3月からの新しい中期経営計画に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略」にて記載の通り、公表を含めて準備を進めていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により前提としていた市場環境が大きく変化しており、公表を2020年8月以降と致します。また長期ビジョンで掲げる売上高1,000億円の目標達成時期を2026年3月期より後に遅らせることも検討致します。

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