訂正有価証券報告書-第21期(2022/01/01-2022/12/31)

【提出】
2023/05/10 15:02
【資料】
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【項目】
133項目
39.後発事象
(自己株式の取得および自己株式の公開買付け)
当社は、2023年2月9日付の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条第1項および当社定款の規定に基づく自己株式の取得およびその具体的な取得方法として自己株式の公開買付け(以下「本公開買付け」)を行うことを次のとおり決議し、2023年3月10日をもって本公開買付けを終了しました。
(1) 買付け等の目的
当社は、2022年12月中旬、当社の財務体質は2022年4月28日から2022年5月31日までを買付け等の期間とする自己株式の公開買付け(以下「2022年公開買付け」)に続く利益還元の実施にも耐えられる水準にあると考えるに至り、株主の皆様に対する利益還元および資本効率の向上を目的として、更なる自己株式の取得の実施の適否、タイミング、その手法および規模について具体的な検討を行うこととしました。他方、当社の筆頭株主である株式会社INCJ(以下「INCJ」)は、その所有する当社普通株式を将来的に全て売却する必要があるため、当社は、2022年公開買付けの実施後も、INCJとの間で、その所有する当社普通株式の売却手法・時期等についての議論を継続しており、INCJが当社普通株式を更に売却する意向を有していることを認識していました。さらに、その手法としては、以下の点を踏まえて、公開買付けの手法により、INCJから同社の保有する当社普通株式の一部を市場価格からディスカウントを行った価格で買い付けることが、当社および株主の皆様にとって合理的な利益還元のための選択肢であると考えました。
自己株式の具体的な取得方法については、株主間の平等性、取引の透明性、INCJから意図した数の当社普通株式を取得できる確実性、自己株式の取得に要する資金を抑制できる可能性等の検討の結果、公開買付けの手法により実施するのが最も適切であると判断しました。
本公開買付けにおける1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」)の算定については、当社普通株式が金融商品取引所に上場されていること、本公開買付価格の算定の基礎は明確性および客観性を有しているべきと考えられることから、当社普通株式の市場価格を重視すべきであると考えました。加えて、一定のディスカウント率を設定することにより、INCJからの当社普通株式の取得の確実性の向上および自己株式の取得に要する資金の抑制に繋がると考えました。
その後、INCJと協議した結果、当社は、2023年2月9日付で、INCJとの間で、その所有する当社普通株式のうち40,000,000株(所有割合:2.23%)をINCJが本公開買付けに対して応募する旨の応募契約を締結しました。INCJは、2023年2月9日現在、当社の主要株主である筆頭株主に該当しておりますが、本公開買付けに対して応募がなされ、当社が当該応募対象株式の全てを買い付けた場合においても、主要株主である筆頭株主の異動は生じない予定です。
本公開買付けにより取得した自己株式の処分等の方針については現時点で未定です。
(2) 自己株式の取得に関する取締役会決議内容
① 取得する株式の種類 普通株式
② 取得する株式の総数 40,453,174株(上限)
③ 取得価額の総額 50,000,123,064円(上限)
④ 取得する期間 2023年2月10日から2023年4月28日まで
(3) 買付け等の概要
① 買付け予定数 40,453,074株
② 買付け等の価格 普通株式1株につき、金1,236円
③ 買付け等の期間 2023年2月10日から2023年3月10日まで
④ 公開買付開始公告日 2023年2月10日
⑤ 決済の開始日 2023年4月4日
(4) 自己株式の取得終了について
① 取得した株式の種類 普通株式
② 取得した株式の総数 40,453,107株
③ 取得価額の総額 50,000,040,252円
④ 取得した期間 2023年2月10日から2023年3月10日まで
⑤ 取得方法 公開買付けの方法による
なお、本公開買付けの終了をもって、2023年2月9日付の取締役会の決議による会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条第1項および当社定款の規定に基づく自己株式の取得は終了しました。
(Panthronics AGの買収)
当社は、2023年3月21日、オーストリアのファブレス半導体企業であるPanthronics AG(以下「Panthronics社」)について、当社が完全子会社を通じて現金によって買収する(以下「本件買収」)合併契約を、Panthronics社の株主との間で締結しました。
(1) 買収の目的
NFC(Near-Field Communication:近距離無線通信)は、デジタル化する経済の中で欠かせない存在となっており、日常生活においても随所で活用されています。例えば、モバイル決済端末(mPoS)や非接触型決済に代表されるフィンテック、IoT、アセットトラッキング、そしてワイヤレス給電に用いられる事例が近年増加しております。
Panthronics社は、高性能なNFCチップセットやソフトウエアを提供しており、その導入の容易さ、革新性、そして小型サイズという特長から、決済端末、IoT、そしてNFCによるワイヤレス給電に最適となっております。
当社とPanthronics社は、2018年からパートナーとして協業してきましたが、本件買収により、Panthronics社が持つ市場優位性の高いNFC技術を内製化し、成長著しいNFCの市場機会を機敏に捉えることができます。また、本件買収により、当社はコネクティビティのポートフォリオを拡げ、フィンテック、IoT、アセットトラッキング、ワイヤレス給電、さらに自動車向けで需要が拡大するNFCに対応可能となります。
(2) 買収する会社の概要
① 名称 Panthronics AG
② 事業内容 NFCチップセットやソフトウエアなどの高性能ワイヤレス製品の開発、設計および販売
(3) 買収の方法
現金を対価とする株式取得
(4) 日程
規制当局による承認および合併契約に定める一般的な買収手続きを経て、2023年末までに本件買収を完了する見込みです。