有価証券報告書-第41期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/22 16:27
【資料】
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【項目】
117項目

事業等のリスク

以下において、当社及び当社グループの事業、その他に関してリスク要因となりうる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)競合等について
当社グループの主力製品である業務用インクジェットプリンタは、国内外メーカーとの競争が激化しており、今後の市場拡大に伴い新規競合企業が台頭してくる可能性があります。現時点においては、当社グループの製品に技術面、品質面等の優位性があると認識しておりますが、今後においても、同様の優位性を確保できる保証はありません。競合等によって、当社グループ製品の競争力が低下し、価格低下圧力に晒された場合、あるいは新規参入により当社グループの市場シェアが低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)製品開発について
当社グループは、顧客ニーズの多様化、当社グループ製品によるお客様からのコスト削減等の要望に対応するため、開発体制の強化を経営上の重要課題としております。一方、新製品開発に際しては、試作部材、労務等の支出が生じるため、開発期間は研究開発費が増加することになります。これらの新製品開発に係る費用増加は、新製品発売期と異なる場合が多く、当社グループの経営成績及び財政状態の変動要因となっております。さらに、当社グループの計画どおりに新製品開発が進捗せず、研究開発費の増加、既存製品の陳腐化等に伴う売上高の減少等が生じた場合、発売した新製品の売上高が計画に達しない場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)特定市場に対する依存度について
当社グループの売上高のうち、主力のインクジェットプリンタを中心に屋内外の標識、表示、ディスプレイ等に係るSG市場への売上が当連結会計年度47.6%、前連結会計年度51.0%を占めております。当社グループとしましては、工業製品等の製造現場向けのIP市場やテキスタイル捺染向けのTA市場の売上比率を高め、SG市場に並ぶ第2、第3の柱とするべく、新製品開発、用途提案、営業展開等を行っておりますが、売上構成を大きく変えるまでには至っておりません。従いまして、SG市場の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料の調達状況及び価格変動について
当社グループの製品は、プリントヘッド、電装部品、機構部品等の原材料から構成されております。原材料の調達にあたっては、多数の仕入先からの購買を心掛けておりますが、プリントヘッドなど少数の特定メーカーに調達先が限られた原材料については、何らかの要因により現仕入先からの調達が困難になった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当連結会計年度の当社製造費用に占める材料費の割合は62.6%となっており、これらの価格は、市況動向等の影響により変動しております。当社グループは見込み生産の形態であり、新製品の生産開始期においては販売量の予測が困難であるため、材料も保守的に発注せざるを得ず、相対的に原価率が高くなる傾向にあります。そのため、設計段階における部品の共通化、点数削減、作業効率化等により原価の抑制に努めておりますが、当社グループが想定した以上に急激に原材料価格が上昇し、販売価格に転嫁できない場合、もしくは新製品の販売数量が計画どおりに伸長せず、原価が低減しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)製品の欠陥について
当社グループでは、品質には十分留意し各種製品の製造を行っておりますが、これらの製品について品質上の問題が全く発生しないという保証はありません。当社グループは、製造物責任賠償保険に加入しておりますが、最終的に当該保険の補償限度内で補償額を十分にカバーできるという保証はありません。また、製品に不具合が発生し、その対応に設計・開発部門があたった場合には、当社グループの製品開発計画に影響が生じる可能性もあります。従いまして、重大な品質上の問題が発生した場合には、当社グループの信用力低下、補償、製品開発遅延の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)海外における事業展開について
①海外情勢の影響について
当社グループの売上高のうち、海外市場における売上高の割合は当連結会計年度74.6%、前連結会計年度76.9%を占めております。今後においても、新製品の市場投入、販売網の拡大等、積極的に海外市場の売上高拡大を図っていく方針であり、海外での生産高も増加していくものと見込んでおります。従いまして、国内のみならず主要な海外市場における経済情勢の悪化、競合激化、移転価格税制を含めた税制等、重要な問題が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②新興国市場での事業について
今後、経済成長と市場規模の拡大が見込まれる新興国市場においては、法規制や金融情勢の変化、社会的、政治的リスクなど地域特性によるビジネス上のリスクが多岐にわたり存在しております。従いまして、当該市場において、市場動向を的確に見極められない場合や販売先との良好な取引関係が維持できない場合は、事業拠点設立のために支出した投資額の回収が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③為替変動リスクについて
当社グループは、中国の製造子会社でのインクジェットプリンタとインクの量産や、海外からの調達比率を高めることで円高への対応を図っております。また、為替予約等を行うことにより為替リスクの低減にも努めておりますが、為替変動の影響を完全に排除することは困難であります。従いまして、当社グループの想定を超えて急激に為替が変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)金利変動リスクについて
当社グループは、主に金融機関からの借入金等によって、設備資金及び運転資金の一部を調達しており、有利子負債依存度は当連結会計年度末39.4%、前連結会計年度末33.3%となっております。従いまして、急激に金利変動等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)知的財産権について
当社グループは、他社と差別化できる技術とノウハウの蓄積に努めており、自社が保有する技術等については特許権等の取得による保護を図るほか、他社の知的財産権に抵触しないようリスク管理に取り組んでおります。しかしながら、第三者が当社グループの保有する知的財産権を使用し類似製品を製造することを完全に防止できない可能性があります。また、当社グループにて従来から販売している製品や今後販売する製品が、第三者の知的財産権に抵触する可能性や、当社グループが認識していない特許権等が成立することにより、当該第三者より損害賠償等の訴訟を起こされる可能性もあります。これらの要因により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)法的規制等による影響について
当社グループは、国内においては、製造物責任法、輸出貿易管理令等の規制を受けているほか、事業展開する各国においては、CEマーキング、電気電子機器の特定有害物質使用規制等、様々な規制の適用を受けております。これらの規制を遵守できず当社グループの活動が制限された場合、規制改正や新たな規制適用による対応のため当社グループのコストが増加した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)中国生産について
平成24年3月期より中国浙江省の御牧噴墨打印科技(浙江)有限公司(以下、浙江御牧)でのインクジェットプリンタ及びインクを量産しており、浙江御牧での生産高は増加し続けております。当社グループといたしましては、今後もコストダウンの強化や為替変動等の各種リスクの分散を進めてまいりますが、中国においては、当社グループの事業展開に関係する諸法令、規制、税制等の変更や、社会・政治及び経済状況の変化等、浙江御牧の生産活動に影響を及ぼす不可避のリスクが存在しており、今後、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。