有価証券報告書-第41期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/22 16:27
【資料】
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【項目】
117項目

対処すべき課題

(1)在庫管理の徹底と物流体制の改革
製品を自社で開発・生産し、全世界に向けて販売する当社グループの事業モデルが持続的に成長するためには、調達・生産・物流・販売におけるモノの流れを適時的確に把握する仕組みと、需要動向に追従して製品供給するための在庫管理の徹底が不可欠と考えております。そのため、「日本」「アジア・オセアニア」「欧州・中東・アフリカ」「北・中南米」の4極体制で販売と在庫の管理を細分化し、この情報を生産部門が共有するための情報システムの整備を推し進めてまいります。また、4極の需要動向に応じたタイムリーな製品供給が可能な物流体制の改革に取り組んでまいります。
(2)生産体制の強化
当社グループの現在の生産拠点は、長野県東御市の本社工場と中国浙江省の製造子会社の2ヶ所にあり、高機能な上位機種は国内、エントリーモデルは中国で生産を行い、品質とコストのバランスを取っております。今後も為替動向や販売状況を考慮しながら持続的に生産体制の見直しを行ってまいりますが、中期的にはインクの消費地生産に取り組むことで、製品リードタイムの短縮とコストダウンを進める方針であります。また、部材調達から製品出荷までの計画と進捗を一気通貫で管理する仕組みと情報システムを整備し、需要動向に追従できる生産体制を構築することにより、企業体質の強化を図ってまいります。
(3)研究・開発体制の強化
当社グループは、「新しさと違い」を提供するイノベーターとして製品開発を推進するとともに、その品質と信頼性の向上に取り組んでまいります。具体的には、製品開発プロセスを要所で区切って進行状況の期限管理を徹底する一方で、次の開発ステップに移行可能かどうかの審査を厳格化して、常に設計品質の向上に努めてまいります。また、製品を成り立たせる根幹となる要素技術の開発への取り組みを強化し、製品開発に先行して要素技術を蓄積することにより、製品の品質向上と開発期間の短縮につなげてまいります。
(4)地域密着型の販売・保守サービス体制の強化
国内におきましては、日本全国の営業拠点による新規ユーザーの開拓、製品の用途提案、製品導入後のアフターフォローや当社カスタマーエンジニアによる迅速かつ精度の高い保守サービスの提供など、地域密着型の販売・保守サービス体制を構築し、顧客満足度の向上に向けた取り組みの成果が現れつつあります。今後も同様の取り組みを深化させ、さらに競争力を高めてまいります。海外におきましても、国内と同様の取り組みを展開してまいります。各国の販売子会社のエンジニアが保守トレーニングを現地の販売代理店に対して行い、ミマキ独自のサービス体制の構築に向けて取り組んでおります。今後も地域密着型の販売・保守サービス体制の強化に継続して取り組み、「買いに来てもらうスタイル」からの脱却につなげてまいります。
(5)北米・インド市場における事業の再構築
当社グループが手掛ける業務用インクジェットプリンタ事業において、世界最大級の需要が見込める北米市場と、100%出資の販売子会社が昨年より稼動したインド市場において、事業の再構築に取り組んでまいります。
北米市場では、国内で地域密着型販売のノウハウのある人材を投入するとともに、当社製品に対しロイヤルティの高い販売代理店をパートナーとして販売チャネルの改革を推進してまいります。インドにおいては、特にTA市場向けのテキスタイル捺染用途のインクジェットプリンタの大きな需要があるなど有望な市場であり、専門的かつきめ細やかな販売・サービス体制の構築に取り組んでまいります。
(6)内部統制・コンプライアンスの強化
企業としての社会的責任として、内部統制及びコンプライアンスの強化に取り組んでまいります。関係法令・規則の遵守はもとより、お客様の情報管理などに対するセキュリティーポリシーを確立するとともに、役職員一人ひとりの高い倫理観の醸成、社会的良識を持った責任ある行動を目指し、社内教育を行ってまいります。また、反社会的勢力との関係に対しては、断固とした対応で臨むことにより一切の関係を遮断し、コンプライアンスに則った経営を行ってまいります。
(7)環境問題への対応
世界的に環境問題への関心が高まる中、環境に優しいインク等の製品開発、生産工程の整備により環境保全を意識した経営を行ってまいりました。今後も企業の社会的責任と認識し積極的に推し進めてまいります。