有価証券報告書-第117期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 13:30
【資料】
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【項目】
176項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「社会に人に信頼されるものづくり企業であり続ける」ことを企業理念としております。
この企業理念のもと、船舶、海洋、機械、プラント、社会インフラ、その他IT・サービス関連など広範囲の事業分野において培った複合技術とグローバルな事業活動で積み重ねた経験を総合的に調和させた製品・サービスを提供する“ものづくり企業”として、社会や人々からの期待に応え信頼を高めることを経営の基本方針としております。
この基本方針に基づき「顧客満足の向上」、「従業員尊重」、「社会の発展への寄与」、「利益追求」を経営姿勢として掲げ、全てのステークホルダーに対し企業として存続する価値を評価されるよう努めております。そのために、経営環境の変化に迅速に対応できる意思決定体制と株主重視の公正な経営システムの構築・維持に取り組んでおります。
(2)経営戦略等
当社グループは、2016年2月に公表した長期ビジョン「MES Group 2025 Vision」を2016年度よりスタートさせました。この「MES Group 2025 Vision」では、「三井E&Sグループは、社会に価値をつくりだすエンジニアリングチームへ」をありたい姿とし、「環境・エネルギー」、「海上物流・輸送」、「社会・産業インフラ」の3事業領域において、グループ一体となり、グループ外のパートナーとも連携し、社会のニーズ、課題に対して、新たな価値を提供することを目指しておりました。
2017年度にスタートした17中計(2017年4月から2020年3月までの経営計画)は、「MES Group 2025 Vision」の達成に向けたファーストステップであり、変革期と位置付けました。2018年4月には、純粋持株会社体制に移行し、船舶・艦艇事業、機械・システム事業、エンジニアリング事業を、それぞれ担う3つの事業会社に分割いたしました。これにより、注力事業へのリソースの重点配分を進めるとともに、戦略実行にあたっての柔軟性やスピードの向上を図っております。
一方、エンジニアリング事業の海外大型EPCプロジェクトにおいて、大規模な損失が連続して発生したため、当社グループの財務基盤は著しく毀損し、自己資本の回復と資金の確保が急務となりました。そのため、新たに「三井E&Sグループ 事業再生計画」を策定し、2019年4月から2023年3月までを事業再生計画期間として、財務基盤の健全化に向け、財務・収益体質の強化、及び事業構造の変革を推し進めております。
グループ事業の再編成により、グループの総合力発揮を加速することで、この難局を乗り切り、引き続きグループの企業価値向上に取り組んでまいります。
(3)経営環境等
当社グループを取り巻く事業環境は、米国及び中国間の通商問題、英国のEU離脱、為替、油価の変動をはじめとする資源相場のボラティリティの増大に加え、新型コロナウイルスの感染拡大といった世界経済の先行き不透明感が一層増す中、新造船市場の低迷、中国・韓国の競合企業の攻勢による価格競争の激化等、既存のビジネスモデルからの変革が求められる環境となっております。一方、新型コロナウイルスの影響が沈静化した後には、新興国を中心としたエネルギー需要の増加や環境・省エネ志向の高まり、さらには国内のインフラ更新需要の増大等、事業拡大の機会も再び大きくなるものと想定されます。
このような外部環境の変化に対し当社グループは、「製品・サービスの付加価値向上」、「製造・EPCの構造改革」、「周辺サービスの拡大・強化」を戦略の柱とし、差別化やコスト競争力の強化、収益の安定化を図り、グループ総合力とバリュー連鎖の強みを活かし、需要機会に応えてまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴い、当社グループ事業においても市況面の悪化、経済活動の停滞を受け、受注遅れや資材調達等に影響が出ているものもあります。主な事業等への影響については、「2 事業等のリスク」または「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 b. 経営成績」に記載のとおりです。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「三井E&Sグループ 事業再生計画」の実行により、2022年度において、NET有利子負債EBITDA倍率:5倍未満、売上高経常利益率:4.0%以上、及び総資産回転率:0.80倍以上を経営数値目標として掲げ、その達成に全力を注いでまいります。
「三井E&Sグループ 事業再生計画」の達成・進捗状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④経営計画の達成・進捗状況について」に記載のとおりです。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、エンジニアリング事業の海外大型EPCプロジェクトの損失により、財務基盤が大きく毀損したことから、この回復を急務としております。また、造船事業やエンジニアリング事業など既存事業の収益も悪化しており、不採算事業からの撤退や新たな収益の柱となる成長事業の育成が必要と考えております。このような状況のもと、当社グループは、ステークホルダーの皆様の信頼回復に向け「三井E&Sグループ 事業再生計画」を定め、財務基盤の回復及び収益体質の強化を目指し、総力を挙げて取り組んでまいります。具体的には以下のとおりです。
(財務体質及び収益体質の強化)
事業、資産の売却を実行した結果、毀損した自己資本の回復、資金の確保に関しては、一定の目途が付けられる状況に至りました。今後、固定費の削減、不採算事業の整理・撤退により利益率の改善を進め、さらに事業構造の変革を推し進めることにより、財務体質及び収益体質の強化を図ります。
(事業構造の変革)
「MES Group 2025 Vision」の「環境・エネルギー」、「海上物流・輸送」、「社会・産業インフラ」の3事業領域から、機械事業、海洋事業を注力事業と位置付け、グループ内の連携を強化いたします。また、造船事業、社会インフラ事業は、グループ外企業との協業・連携により成長を目指します。具体的な施策は次のとおりです。
① 機械事業、海洋事業の強化
グループ内の事業再編に伴う人員再配置と並行し、研究開発部門、アフターサービス部門については、人材リソースの強化を進めております。今後は、舶用推進システム全般への拡張、LSS事業(製品ライフサイクル対応型事業及び顧客問題解決型事業)の強化、海外への事業展開による収益力強化を図っていきます。
② 造船事業、社会インフラ事業の再編
造船事業は、千葉工場における商船新造事業からは撤退し、玉野艦船工場における艦艇・官公庁船の建造及び修繕を主体とした事業と、商船を対象としたエンジニアリングと委託建造事業にポートフォリオを変革していきます。
社会インフラ事業は、橋梁等の建設事業のリソースを集約し、協業による競争力の強化と市場規模の拡大を図っていきます。
③ エンジニアリング事業の再編
社長直下にエンジニアリング事業管理室を設立し、エンジニアリング事業のガバナンス体制の再構築を進め、既受注の発電土木プロジェクトの遂行と収益改善を進めています。また、化学・発電プラント等のエンジニアリング事業の整理とそれらの事業に関連する人員の再配置を進めております。

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