有価証券報告書-第123期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 14:30
【資料】
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【項目】
186項目
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、持続可能社会への急速な移行、環境変化や当社自体の変革をふまえ、グループの企業理念・ビジョン・経営姿勢・行動規準を以下の通り定義しております。
■企業理念
エンジニアリングとサービスを通じて、人に信頼され、社会に貢献する。
■ビジョン
2030年までに、マリンの領域を軸に、脱炭素社会の実現と、人口縮小社会の課題解決を目指す。
■経営姿勢 ※
新しい価値の創造を顧客と共に実現 ▶ 事業視点
-潜在ニーズのマーケティングと周辺技術のイノベーションで事業を推進していく。
健全な財務体質と堅実な利益を追求 ▶ 財務視点
-限界利益/固定費の適時評価を軸に、事業や子会社を堅実に管理運営していく。
人的資本経営の推進 ▶ 人事視点
-社会や顧客と共に課題解決に挑み、その成果を分かち合い、三方良しの関係を築く。
※当社は、2026年5月25日に開示した「三井E&S Rolling Vision 2026」の中で、「経営姿勢」の一部を改訂しております。
■行動規準
シンプル、ユニーク、プラクティカルな製品やサービスに挑戦
-常に顧客目線で3つの価値が重なる製品やサービスを考え、堅実な事業へと育み、社会に貢献する。
(2)経営戦略等
為替や市況など、当社グループを取り巻く事業環境は依然として大きく、かつ急激に変化を続けています。こうした環境下において、当社は持続的な成長を実現するため、ローリング方式による新たな中期経営計画「三井E&S Rolling Vision 2024」を2024年8月に開始し、「三井E&S Rolling Vision 2026」を2026年5月に策定しました。本計画では、2030年を見据えた長期ビジョンのもと、「脱炭素社会の実現」と「人口縮小社会の課題解決」をマテリアリティとして掲げ、機能戦略(財務・人材)及び事業戦略を一体的に推進します。中核事業である舶用推進システム事業及び物流システム事業については、「グリーン」と「デジタル」の視点からの進化を図り、環境対応型製品や自動化・遠隔化技術の開発・展開を強化します。さらに、第三の柱となる事業創生を担う成長事業推進事業は、保守・メンテナンスビジネスの拡大や新規事業の創出に注力し、将来の収益基盤の多様化を図ります。財務面では、ROICやWACCを意識した資本効率の向上を図りつつ、適正な配当政策を通じた株主還元を継続し、株主資本コストと負債コストのバランスを踏まえた企業価値向上に努めてまいります。
(3)経営環境等
当連結会計年度の世界経済は、インフレの落ち着きや貿易量の持ち直しなどを背景に、底堅く推移しました。しかし、中東情勢の悪化に伴い、原油価格の急騰や物流・サプライチェーンの混乱が生じており、世界経済の不確実性を一層高めています。一方、国内経済は、中東情勢による不確実性は見込まれるものの、先行きは家計所得の改善による個人消費の持ち直しや企業業績及び設備投資の伸びなどによりゆるやかに回復していくものと想定されます。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「三井E&S Rolling Vision 2026」では、2028年度に、連結売上高:4,400億円、連結営業利益率:9.5%、自己資本比率:50%及びROIC:10%を経営数値目標として掲げております。
また、当社グループは、以下の社会課題を経営上も重要と認識・対応しており、2030年度目標を設定しております。各課題の解決及び人材育成・多様性の確保に注力してまいります。
マテリアリティ2030年度目標
脱炭素社会の実現・環境対応製品の2022~30年度累積販売・稼働台数によるCO2削減
▲1,000万t-CO2/年以上※2
・グリーン電力拡大による生産活動のCO2削減
▲1.0万t-CO2/年以上
人口縮小社会の課題解決・港湾関連製品の自動化・システム化
2022~30年度累積販売・稼働台数
1,000件以上
多様化確保への取り組み※1・従業員全体 女性比率:10%、外国人比率: 7%

※1:提出会社単体として目標を設定しております。
※2:同じ量の従来仕様(重油/軽油焚き)製品による排出量との比較による。
2025年度の達成・進捗状況は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④経営計画の達成・進捗状況」に記載のとおりです。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2024年度より、3年先までの目標をローリング方式で更新し続け、成長し続ける姿を描く中期経営計画を採用しており、2025年5月に、2024年度の決算実績及び事業環境の変化を踏まえ、3年後となる2027年度までの機能戦略(財務・人材)、事業戦略をローリングした「三井E&S Rolling Vision 2025」を策定しました。
当社グループが中長期的に目指す姿へ向けて持続的な成長をしていくため、必要な事業投資を進めるとともに、適正な配当政策による株主還元を行い、株主資本コストと負債コストのバランスを意識し企業価値向上に努めてまいります。
なお、当社グループはローリング方式による中期経営計画を継続しており、新たに「三井E&S Rolling Vision 2026」を策定し公表しております。
(財務戦略)
当社グループは、財務基盤の改善を継続しつつ、資本コストや株価を意識した経営管理へ移行し、ROE(自己資本利益率)・PBR(株価純資産倍率)にも留意しながら、ROIC(投下資本利益率)がWACC(加重平均資本コスト)を上回る姿を目指します。
また、成長フェーズに向けたキャッシュ配分として、2025年度から2027年度の営業キャッシュフローの約75%を事業成長投資・事業開発投資を中心に配分し、約25%を株主還元と財務基盤の強化に配分する方針です。株主還元については、株主の皆様に長期保有いただけるよう還元強化を進めており、直近では中間配当・増配を実施しております。これらの取り組みにより、収益力強化と資本効率改善の両立を図ってまいります。
(人材戦略)
環境変化に柔軟に対応し持続的成長を実現するため、目指す組織風土と人材像を明確化し、「人材多様性の推進」、「人材流動化への対応」、「人的資本と環境整備への投資」を柱に取り組みを推進しております。
また、取締役会は社外取締役の独立性・多様性を高めた少数精鋭の7名体制とし、機動性と監督機能の両立を図っております。
加えて、キャリア採用の強化や、入社5~10年目までの人材ローテーション継続、選抜研修・階層別研修・基礎研修の再構築により、経営視点・広い視野・基礎的ビジネスリテラシーの獲得を支援するとともに、エンゲージメント・サーベイ等を通じたウェルビーイング向上施策も継続してまいります。
さらに、持続的な企業価値向上に向けた成長加速のため、従業員と株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として、2026年度より従業員持株会を活用した譲渡制限付株式報酬制度を導入いたします。
(事業戦略)
当社グループでは、マテリアリティとして「脱炭素社会の実現」、「人口縮小社会の課題解決」の2つの柱を掲げ、中核事業の舶用推進システム事業・物流システム事業を「グリーン」と「デジタル」の切り口で発展させる戦略を継続しております。具体的な施策は次のとおりです。
①中核事業の更なる成長
中核事業を「舶用推進システム」、「物流システム」と明確にし、中核事業を軸に収益力強化を進めております。
舶用推進システム分野では、LNG・LPG・メタノール等の二元燃料エンジンの需要増に対応した生産体制強化に加え、アンモニア焚きエンジン及び燃料供給装置等の開発・供給体制強化を通じて、海上物流分野の脱炭素化に貢献してまいります。
物流システム分野では、米国・東南アジアをターゲットとする世界市場展開を加速し、生産能力拡大や輸送能力強化(クレーン運搬船の保有・活用等)により、需要拡大に確実に対応するとともに、水素駆動クレーン等の環境対応や、自動化クレーンなどの技術開発・市場投入を進めてまいります。
②新規事業の展開
中核事業の周辺領域において新しい製品やサービスを推進する事業を成長事業と位置づけ、新製品・新サービスの開発に注力しております。産業機械分野の経験を活かし、水素供給関連施設やSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)製造向けなど、エネルギー転換・化石燃料依存からの脱却に向けた市場へ製品供給を目指していきます。
また、ドローン点検や船体汚損管理等のデジタル新事業、港湾ターミナル運営の効率化等のデジタルソリューションを通じて、保守・メンテナンス領域のサービス型ビジネスを拡大し、人口縮小社会の課題解決に貢献してまいります。
(サステナビリティ課題の取り組み)
気候変動や人口縮小社会の到来は、当社グループの事業運営における重要な経営課題であると同時に事業機会と捉え、その対応として、戦略マテリアリティを「脱炭素社会の実現」と「人口縮小社会の課題解決」と設定しました。当社グループは舶用エンジン、港湾クレーンのリーディングカンパニーとして、環境対応製品や自動化・システム化の提供を通じた社会課題解決を推進してまいります。

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