有価証券報告書

【提出】
2018/06/21 14:11
【資料】
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【項目】
144項目
以下の記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(1) 経営方針
当社グループは、パワー、インダストリー&社会基盤、防衛・宇宙、航空機等、社会を支える様々な分野で、卓越した技術力に裏付けされた信頼できる製品・サービスの提供を通して、人々が安全で豊かな生活を営める社会の進歩に貢献することを経営の基本方針としている。
この基本方針に基づき、経営の基盤となる技術力・ものづくり力の向上、伸長事業への設備投資や研究開発、人材等の経営資源の集中、急速に進展するグローバル化への対応等の施策を実施し、事業体質の一層の強化に努めている。
(2) 経営戦略等
当社グループは、中期経営計画「2015事業計画」の下、「たゆみない技術力の強化と研鑽、経営の革新及び変化と多様性への適応により、世界の発展に貢献し、共に成長を続ける企業」をめざして、「事業規模拡大加速によるグローバル競争力強化」、「財務基盤の更なる強化と高収益性追求」、「企業統治と経営プロセスのグローバル適合推進」の基本方針に基づき、各種施策を強力に推進してきた。
当社グループが、今後も持続的に成長していくためには、事業規模拡大によりグローバル競争力を強化していく必要があり、5兆円超の事業規模の実現をめざしてきた。また、事業成長及び大きな変革に備えるために自己資本の積増しによる財務基盤の強化を図るとともに、収益性の向上によるROE10%以上の達成を目標としてきた。
(3) 対処すべき課題
当社グループは、平成30年度を初年度として中期経営計画「2018事業計画」をスタートさせている。「2018事業計画」では、事業成長性と財務健全性のバランスを取った経営により、長期安定的に企業価値を向上させることをめざして、「グローバル水準の持続性と成長力を有する企業体格の実現」、「事業構造改革の定着」、「長期ビジョンに基づく成長戦略の推進」の基本方針に基づき、以下の施策を強力に推進していく。
ア. グローバル企業としての成長
当社グループは、これまでの取組みにより財務基盤の強化が計画以上に進捗したことを踏まえ、「2018事業計画」では成長投資に資金を重点的に配分し、「2015事業計画」期間で4兆円規模にとどまった事業規模を5兆円まで拡大することをめざしていく。一方で、事業成長性と財務健全性とのバランスも重視し、事業ポートフォリオの継続的な組替え、既存事業の効率化・生産性の向上にも取り組んでいく。このバランスは、TOPという当社グループ独自の指標で評価していく。TOPは、売上高、総資産、時価総額の比率を1:1:1(Triple One Proportion)にすることであり、株主・投資家や顧客の価値実現の視点で、収益性・資産効率性・財務健全性のそれぞれに配慮した経営を進めていく。これにより、事業規模の更なる拡大を図るとともに、事業成長性と財務健全性の双方のバランスを確保しながら、長期安定的な企業価値の向上をめざしていく。
イ. 事業構造改革の定着
当社グループは、戦略的事業評価制度やドメイン制・SBU*1制の導入、事業ポートフォリオの見直し、事業部門の分社化、シェアードテクノロジー部門の整備等、様々な事業構造改革をこれまで進めてきた。「2018事業計画」では、これらの構造改革をより一層定着させるため、グローバル経営を強化していくとともに、企業文化の醸成と人材の育成にも取り組んでいく。
当社グループの持続的な成長を実現するには、海外事業をこれまで以上に伸長させる必要がある。そのために、グローバル本社、事業部門、コーポレート部門・シェアードテクノロジー部門、地域統括会社がそれぞれ密接に連携し、当社グループ全体の中長期的な成長戦略と地域の特性に応じた戦略の双方を効果的に遂行するグローバル経営をめざしていく。また、こういったグローバル経営を支えるため、若手から中堅社員の改善活動を通じて組織を活性化させ、多様な人材が活き活きと働くことができる各種制度の整備を進めていくとともに、グローバル人材の確保・育成にも注力していく。
*1 Strategic Business Unit(戦略的事業評価制度における事業単位)
ウ. MHI Future Stream
AI*2やIoT*3などの技術革新、低炭素化、再生可能エネルギーへの転換など、当社グループを取り巻く事業環境は非常に早いスピードで変化している。この激しい変化の中で、当社グループは、現在そして近未来の社会が直面する複雑で困難な課題を解決していくとともに、さらにその先にある未来に向けて、社会の発展に合わせて絶え間ない変革と貢献を継続し、常に人類・社会に求められる存在であり続けることを追求していく。そのため、メガトレンドの中から長期的な将来社会像を捉え、当社グループにとっての事業機会と脅威の抽出・分析を行い、中長期的な視点で既存事業の転換や新規事業の創出に取り組む活動として、「MHI Future Stream」を本格始動する。この活動では、事業部門とコーポレート部門の連携に加えて、社内外の知見の積極的な活用も進めていく。
*2 Artificial Intelligence(人工知能) *3 Internet of Things(モノのインターネット)
エ. 火力発電システム事業の構造転換
火力発電システム事業では、受注済みの大型石炭焚き火力発電プラントの工事が進捗していくため、売上高はしばらく順調に推移していくが、平成33年以降は石炭火力発電関連の事業規模が減少する見通しである。また、事業の大きな柱である大型ガスタービン事業についても当面は厳しい市場環境が予想される。
このような状況を踏まえ、「2018事業計画」では、受注済み工事を効率的に遂行して収益改善に取り組むとともに、ガスタービン・サービス事業の拡大にも注力していく。また、将来の石炭火力発電事業の規模縮小に備え、サービス事業への人員の再配置や職種転換などを実施するほか、当社グループが得意とするモノづくりにAIやIoTなどのソフトウェア技術を組み合わせて製品やサービスのラインナップを拡充し、トータルソリューション提供型ビジネスへの事業構造の転換を推進していく。
オ. MRJ事業の再構築
現在開発中のMRJは、型式証明の取得と平成32年半ばのローンチカスタマーへの量産初号機の引渡しに向け、開発やカスタマーサポート体制の構築を加速していく。また、MRJ事業の長期的な継続性を補強するため、「2018事業計画」の期間中には、三菱航空機株式会社の資本の増強、量産に向けた民間航空機事業との連携の促進、北米市場へ投入する主力モデル(MRJ70)の開発の本格化といった抜本的な強化策も推進する。
カ. 中量産品事業の強化・拡大
これまで当社グループにおいては、MRJをはじめ、投資回収に非常に長い期間を要する事業に重点的にリソースを配分していた。「2018事業計画」では、ここ数年で事業規模と収益を堅調に向上させている中量産品事業にも十分なリソースを投入して、事業の拡大と投資回収期間の短縮を図っていく。一方で、中量産品事業は、景気変動の影響を受けやすいため、中長期的なリソース配分との最適なバランスを維持しながら、当社グループ全体での安定的な成長を追求していく。
当社グループは、以上の諸施策に加え、今後もコンプライアンスやCSR(企業の社会的責任)を経営の重要課題としつつ、より一層の企業価値向上を図るとともに、社会の持続的発展に貢献していく。

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