有価証券報告書-第204期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは,社会とともに発展するよき企業市民であることを第一義とし「技術をもって社会の発展に貢献する」,「人材こそが最大かつ唯一の財産である」との経営理念のもと,21世紀の環境,エネルギー,産業・社会基盤における諸問題を,「ものづくり技術」を中核とするエンジニアリング力によって解決し,地球と人類に豊かさと安全・安心を提供するグローバルな企業グループを目指しています。
この基本方針を実現するため,当社グループ社員には,「グローバル」,「ものづくり技術・エンジニアリング力」,「世界に通用する業務品質」の観点から卓越した能力を持つプロフェッショナル集団となることを求めています。また,製品・サービスの高度化による社会の発展への貢献を通じて収益性を高め,資本市場から求められる資本効率や株主還元を実現し,持続的な企業価値の創造を図ることで,信頼される企業グループを目指しています。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び経営指標
当社グループを取り巻く経営環境は,新型コロナウイルス感染拡大による社会・経済の変貌や価値観の変容,デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進によるビジネスモデルや働き方の変化,地球規模の気候変動問題に対する国際的な関心の高まり,企業のサステナビリティを重視するESG投資の拡大など急激に変化しています。
このような経営環境の急激な変化に対応すべく,当社グループは2020年11月に,中期経営計画「グループ経営方針2019」で定めた基本的なコンセプトを継承しつつ,2022年度までの期間を環境変化に即した事業変革への準備・移行期間と位置づけ,「プロジェクトChange」という取り組みを策定・実行しています。
①「プロジェクトChange」の目的
・成長軌道への回帰
新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより毀損した事業の収益力とキャッシュ創出力を早期に回復させることで,成長事業の創出のための資金を確保するとともに,事業環境が急速に変化する中でも設定した経営目標の達成を目指します。
・成長事業の創出
SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて,“自然と技術が調和する社会”を目指し,「脱CO₂の実現」「防災・減災の実現」「暮らしの豊かさの実現」をIHIグループが取り組むべき社会課題として考え,それらの課題を解決し,IHIグループの成長をけん引していく3つの成長事業を「カーボンソリューション」「保全・防災・減災」「航空輸送システム」と定義しました。当社グループの総力を結集し,これらの成長事業の創出に向けた取り組みを加速し,事業ポートフォリオの変革を推進していきます。
②「プロジェクトChange」の取り組み
・業績回復ドライバーの実行
バリューチェーン全体にわたる徹底したコストダウンや生産性向上,需要変動の影響を受けにくい体制の構築によりコスト構造を強化し,環境変化に即した事業構造への改革を進めることで,収益基盤の強化を進めます。加えて,大胆なリソースシフトやDXの活用を実行し,お客さま価値の最大化のための,ライフサイクル全体の包括的なサービスを提供することで,ライフサイクルビジネスの拡大を着実に推し進め,成長軌道への回帰を早期に実現していきます。
・環境変化に打ち勝つ事業体質への変革
新たな発想や価値の創出を促進するために,ダイバーシティを重視し,一人ひとりが主体的に活き活きと働き,自ら挑戦できる,柔軟な働き方や自律的なキャリア形成を実現する環境づくりを進めます。また,プロフェッショナル人材を確保し,いかなる環境変化においても,常に新たな成長機会を探索し,持続的成長を実現する,強い事業体質へ変革していきます。
・財務戦略
財務健全性の確保と成長事業創出に向けた投資の原資確保のために,キャッシュ創出力の強化を最優先課題としています。生み出すキャッシュを最大化するために,ビジネスモデルや業務プロセスまで踏み込んで改革を進めていきます。また,資金を最適配分することで,成長事業の創出を加速させます。
③ 経営目標
「グループ経営方針2019」で掲げた経営目標は,「プロジェクトChange」においても変更せず,その達成時期を一年遅らせて2022年度としています。投下資本収益性(ROIC)を高めるため,収益性(営業利益率)及びキャッシュ創出力(キャッシュ・コンバージョン・サイクル:CCC)の一層の強化を目指してまいります。
(注)各指標の算出方法は次のとおりです。
・ROIC :(1-法定実効税率)×(営業利益+受取利息+受取配当金)
÷(親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債の金額)
・CCC :運転資本÷売上収益×365日
・運転資本:営業債権+契約資産+棚卸資産+前払金-契約負債-営業債務-返金負債
(参考)売上収益:1兆4,000億円規模,投資水準(3年間):3,800億円
(3)会社の対処すべき課題
① キャッシュ創出力強化
当社グループは,キャッシュ創出力の強化を優先すべき課題として認識しています。「プロジェクトChange」の下,これまで余剰在庫削減,リードタイムの短縮,入出金管理の厳格化などの運転資本削減活動等を全社的に展開してきました。経営目標である2022年度CCC80日達成を目指して,ビジネスモデルや業務プロセスまで踏み込んだ改革を引き続き実行し,キャッシュ創出に徹底的にこだわった事業運営への転換を推進していきます。
② 「成長事業の創出」の具体化とスピーディな実行
新型コロナウイルスの感染拡大により,当社グループの民間向け航空エンジンは多大な影響を受けました。航空旅客需要の回復には今後数年を要することが予想され,同事業に並ぶ新たな事業の柱を早期に創出することが喫緊の課題であると認識しています。「プロジェクトChange」の下,これまで長期視点での成長事業のシナリオの検討を進めてきましたが,成長事業の具体的な姿と目標,そこに至るまでの道筋,施策を早急に確立し,迅速に実行していくことが重要課題と認識しています。2021年4月にグループ全体の戦略技術を統括し,「成長事業の創出」の中心的役割を担う社長直轄組織「戦略技術統括本部」を設立しました。なお,成長事業創出の第一歩として,当社の子会社である明星電気株式会社(以下「明星電気」という。)の完全子会社化を行ないます。成長事業のうち,特に「保全・防災・減災」において,明星電気がこれまで取り組んできた気象防災事業に加え,センシング及び電気・制御系の人材等,得意としてきた「地球を測る技術」を活用し,一層のシナジー効果を発揮するだけでなく,宇宙環境利用等の分野での新規事業創出に取り組んでいく予定です。
事業の枠を取り払い,グループ全体のリソースを集中することによって,新たな成長事業の創出に向けた取り組みを加速し,新たな収益の柱を早期に創出していきます。
当社グループは,社会とともに発展するよき企業市民であることを第一義とし「技術をもって社会の発展に貢献する」,「人材こそが最大かつ唯一の財産である」との経営理念のもと,21世紀の環境,エネルギー,産業・社会基盤における諸問題を,「ものづくり技術」を中核とするエンジニアリング力によって解決し,地球と人類に豊かさと安全・安心を提供するグローバルな企業グループを目指しています。
この基本方針を実現するため,当社グループ社員には,「グローバル」,「ものづくり技術・エンジニアリング力」,「世界に通用する業務品質」の観点から卓越した能力を持つプロフェッショナル集団となることを求めています。また,製品・サービスの高度化による社会の発展への貢献を通じて収益性を高め,資本市場から求められる資本効率や株主還元を実現し,持続的な企業価値の創造を図ることで,信頼される企業グループを目指しています。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び経営指標
当社グループを取り巻く経営環境は,新型コロナウイルス感染拡大による社会・経済の変貌や価値観の変容,デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進によるビジネスモデルや働き方の変化,地球規模の気候変動問題に対する国際的な関心の高まり,企業のサステナビリティを重視するESG投資の拡大など急激に変化しています。
このような経営環境の急激な変化に対応すべく,当社グループは2020年11月に,中期経営計画「グループ経営方針2019」で定めた基本的なコンセプトを継承しつつ,2022年度までの期間を環境変化に即した事業変革への準備・移行期間と位置づけ,「プロジェクトChange」という取り組みを策定・実行しています。
①「プロジェクトChange」の目的
・成長軌道への回帰
新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより毀損した事業の収益力とキャッシュ創出力を早期に回復させることで,成長事業の創出のための資金を確保するとともに,事業環境が急速に変化する中でも設定した経営目標の達成を目指します。
・成長事業の創出
SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて,“自然と技術が調和する社会”を目指し,「脱CO₂の実現」「防災・減災の実現」「暮らしの豊かさの実現」をIHIグループが取り組むべき社会課題として考え,それらの課題を解決し,IHIグループの成長をけん引していく3つの成長事業を「カーボンソリューション」「保全・防災・減災」「航空輸送システム」と定義しました。当社グループの総力を結集し,これらの成長事業の創出に向けた取り組みを加速し,事業ポートフォリオの変革を推進していきます。
②「プロジェクトChange」の取り組み
・業績回復ドライバーの実行
バリューチェーン全体にわたる徹底したコストダウンや生産性向上,需要変動の影響を受けにくい体制の構築によりコスト構造を強化し,環境変化に即した事業構造への改革を進めることで,収益基盤の強化を進めます。加えて,大胆なリソースシフトやDXの活用を実行し,お客さま価値の最大化のための,ライフサイクル全体の包括的なサービスを提供することで,ライフサイクルビジネスの拡大を着実に推し進め,成長軌道への回帰を早期に実現していきます。
・環境変化に打ち勝つ事業体質への変革
新たな発想や価値の創出を促進するために,ダイバーシティを重視し,一人ひとりが主体的に活き活きと働き,自ら挑戦できる,柔軟な働き方や自律的なキャリア形成を実現する環境づくりを進めます。また,プロフェッショナル人材を確保し,いかなる環境変化においても,常に新たな成長機会を探索し,持続的成長を実現する,強い事業体質へ変革していきます。
・財務戦略
財務健全性の確保と成長事業創出に向けた投資の原資確保のために,キャッシュ創出力の強化を最優先課題としています。生み出すキャッシュを最大化するために,ビジネスモデルや業務プロセスまで踏み込んで改革を進めていきます。また,資金を最適配分することで,成長事業の創出を加速させます。
③ 経営目標
「グループ経営方針2019」で掲げた経営目標は,「プロジェクトChange」においても変更せず,その達成時期を一年遅らせて2022年度としています。投下資本収益性(ROIC)を高めるため,収益性(営業利益率)及びキャッシュ創出力(キャッシュ・コンバージョン・サイクル:CCC)の一層の強化を目指してまいります。
| 財務目標 | 2022年度 |
| ROIC(税引後) | 10%以上 |
| 営業利益率 | 8%以上 |
| CCC | 80日 |
(注)各指標の算出方法は次のとおりです。
・ROIC :(1-法定実効税率)×(営業利益+受取利息+受取配当金)
÷(親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債の金額)
・CCC :運転資本÷売上収益×365日
・運転資本:営業債権+契約資産+棚卸資産+前払金-契約負債-営業債務-返金負債
(参考)売上収益:1兆4,000億円規模,投資水準(3年間):3,800億円
(3)会社の対処すべき課題
① キャッシュ創出力強化
当社グループは,キャッシュ創出力の強化を優先すべき課題として認識しています。「プロジェクトChange」の下,これまで余剰在庫削減,リードタイムの短縮,入出金管理の厳格化などの運転資本削減活動等を全社的に展開してきました。経営目標である2022年度CCC80日達成を目指して,ビジネスモデルや業務プロセスまで踏み込んだ改革を引き続き実行し,キャッシュ創出に徹底的にこだわった事業運営への転換を推進していきます。
② 「成長事業の創出」の具体化とスピーディな実行
新型コロナウイルスの感染拡大により,当社グループの民間向け航空エンジンは多大な影響を受けました。航空旅客需要の回復には今後数年を要することが予想され,同事業に並ぶ新たな事業の柱を早期に創出することが喫緊の課題であると認識しています。「プロジェクトChange」の下,これまで長期視点での成長事業のシナリオの検討を進めてきましたが,成長事業の具体的な姿と目標,そこに至るまでの道筋,施策を早急に確立し,迅速に実行していくことが重要課題と認識しています。2021年4月にグループ全体の戦略技術を統括し,「成長事業の創出」の中心的役割を担う社長直轄組織「戦略技術統括本部」を設立しました。なお,成長事業創出の第一歩として,当社の子会社である明星電気株式会社(以下「明星電気」という。)の完全子会社化を行ないます。成長事業のうち,特に「保全・防災・減災」において,明星電気がこれまで取り組んできた気象防災事業に加え,センシング及び電気・制御系の人材等,得意としてきた「地球を測る技術」を活用し,一層のシナジー効果を発揮するだけでなく,宇宙環境利用等の分野での新規事業創出に取り組んでいく予定です。
事業の枠を取り払い,グループ全体のリソースを集中することによって,新たな成長事業の創出に向けた取り組みを加速し,新たな収益の柱を早期に創出していきます。