有価証券報告書-第125期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/28 9:44
【資料】
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【項目】
174項目
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、上記「コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方」に記載のとおり、意思決定の透明性を向上するとともに、迅速かつ機動的な業務執行を実行するため、明確な形で執行と監督・監視・監査を分離できる指名委員会等設置会社を採用している。
取締役会については、独立性を有する社外取締役(独立社外取締役)の牽引により、多様な視点を持って、経営の基本方針を決定するとともに、執行役等の職務の執行を監督する役割を担う。取締役の員数は、活発な議論と迅速な意思決定を可能とする適正な規模とし、取締役会が独立社外取締役により牽引される環境を創出するため、過半数は独立社外取締役としている。また、取締役会の議長は、独立社外取締役としている。取締役会においては、経営の基本方針等、法令、定款及び取締役会規則に定めた重要事項の決定を行うとともに、効率的かつ機動的な経営を行うため、原則として業務執行に関する権限(法令で定められた取締役会専決事項に係るものを除く)を大幅に執行役に委譲している。
取締役会及び各委員会の構成については、「③当事業年度における取締役会及び委員会の活動状況」参照のこと。
執行役については、取締役会決議により委任された当社の業務執行の決定及び業務の執行を担っている。(2)[役員の状況]に記載のとおり、提出日現在、執行役として5名(うち、代表執行役1名)が選任されている。また、会社の重要事項や日常的な業務執行に関する事項について審議し議論する会議体を設置するとともに、効率的かつ機動的な経営を行うために、業務執行については明確な形で執行役員及び使用人に権限を委譲している。
③ 当事業年度における取締役会及び委員会の活動状況
i)取締役会の活動状況
当事業年度における当社の取締役会は独立社外取締役が議長を務め、また取締役10名のうち6名が独立社外取締役である。取締役会では、法令及び取締役会規則に基づき、株主総会議案、各委員会の構成員、四半期及び通期決算、中長期経営計画並びに事業計画等の当社グループ経営に関わる重要事項等について決議している。
当事業年度における取締役会は、取締役10名で構成され、うち、木村康、ベルナール デルマス、井原慶子、永井素夫、アンドリュー ハウス、ブレンダ ハーヴィーの6名は独立社外取締役である。なお、木村康を取締役会議長、ジャンドミニク スナールを取締役会副議長とし、ベルナール デルマスが筆頭独立社外取締役を務めている。
当事業年度における、当取締役会に上程された議案には以下が含まれる。
・業務執行状況の報告
・次期中期経営計画の審議及び決議
・ルノーグループとの新たなアライアンス契約締結の決議
・ルノーグループからの自己株式取得及び消却の決議
・公正取引委員会の勧告を受けた下請法違反に関する決議及び社内調査結果の報告
・IR報告
・ニッサン・グリーンプログラム2030(NGP2030)及びニッサン・ソーシャルプログラム2030(NSP2030)の報告及び審議
・内部統制及びリスクマネジメント報告
・コーポレートガバナンス報告書の決議
また、筆頭独立社外取締役が議長を務める社外取締役のみによる会合を定期的に開催し、当社のコーポレート・ガバナンス及びビジネスに関する事項等について幅広く議論している。当事業年度の主な活動としては、ルノーグループとの新たなアライアンスの契約締結に向け執行側と複数回にわたり議論を行った他、個別のビジネス・トピックに関する執行側からのビジネスブリーフィングを行った。
さらに、独立社外取締役と会計監査人との間で、四半期開示制度の動向、気候変動及びその周辺のサステナビリティ開示の現状、インパクト加重会計などに関する意見交換会を当事業年度において2回実施している。
ii)各委員会の活動状況
●指名委員会
当事業年度における指名委員会の委員長は独立社外取締役であり、また、委員5名のうち4名が独立社外取締役である。当委員会では、株主総会に提出する取締役の選任及び解任に関する議案の内容の決定、取締役会に提案する代表執行役の選定及び解職に関する議案の内容の決定、及び社長兼最高経営責任者の後継者計画の内容の策定及び年次の検証を行う権限を有している。
当事業年度における指名委員会は、アンドリュー ハウス(委員長)、木村康、井原慶子、永井素夫、ジャンドミニク スナールの5名で構成されている。
当事業年度における、当委員会の活動には以下が含まれる。
・代表執行役の選定議案を審議
・第125回定時株主総会に提出する取締役選任議案について審議
・社長兼最高経営責任者の後継者育成計画プロセスについて審議
●報酬委員会
当事業年度における報酬委員会の委員(委員長を含む。)は、4名全て独立性を有する社外取締役である。当委員会は、法定の権限である取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針、並びに取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容を決定する権限を有している。
当事業年度における報酬委員会は、井原慶子(委員長)、ベルナール デルマス、永井素夫、アンドリュー ハウスの4名で構成されている。
当事業年度における、当委員会の活動には以下が含まれる。
・取締役及び執行役の報酬に関する方針の決定
・報酬水準検討のためのベンチマーク企業を選定、外部第三者専門機関の調査結果も踏まえた報酬水準の審議
・取締役及び執行役の当事業年度の報酬額及び個人別の報酬等の決定
●監査委員会
当事業年度における監査委員会の委員長は独立社外取締役であり、また、委員5名のうち4名が独立社外取締役である。監査委員会は、適切な資質・能力(社内での情報収集能力、国際的な監査の知見・経験及び監査人・会計士その他金融関連の専門的職務に従事した経験を有する等)を有する取締役を委員として選任し、執行役等の職務執行状況を監査するとともに、取締役会の監督機能の実効性についても監査を行う権限を有している。当委員会では、内部統制システムの構築・運用状況を含む業務執行の監査の一環として、年度監査計画に従って、また、必要に応じて、執行役、執行役員及び使用人から、当社及びグループ会社の業務執行に関する報告を受けている。また、委員長は、社長兼最高経営責任者をはじめとする執行役等と、定期的に会合を持ち、幅広く意見の交換を行っているほか、重要会議等に出席し意見を述べるとともに、決裁書その他の重要書類を閲覧し、必要に応じて執行役、執行役員及び使用人に対して説明又は報告を求めている。委員長が収集した情報については、適時に他の委員にも共有されている。
さらに、監査委員会は、監査の実施にあたり、監査委員会、内部監査部門及び会計監査人の三者が適宜連携し、三様監査の実効性を高める取り組みを実施している。監査委員会のリーダーシップの下、三者間での連携により、監査上の指摘事項及びその対応状況をタイムリーに共有し、内部統制の実効性の向上を図っている。また、監査委員会は、内部監査部門を管轄し、以下の通り、内部監査部門が執行側から極めて高い独立性を確保する体制を構築した上で、内部監査部門から定期的に内部監査計画に基づく内部監査の進捗やその結果について報告を受けるとともに、必要に応じて、内部監査部門に対して内部監査に関する指示を行っている。
加えて、当委員会は、執行役等のマネジメントの関与の疑義がある内部通報の通報先となり、関係する執行役等が通報者及び通報内容を知りえない体制を構築の上、その対応に当たっている。
当事業年度における監査委員会は、永井素夫(委員長)、木村康、ベルナール デルマス、ブレンダ ハーヴィー、ピエール フルーリォの5名で構成されている。なお、当事業年度においては、監査委員会の重点監査項目を定め、それぞれの項目について監査委員会等の場を通じて検討・審議を重ね、必要に応じて執行側等へ提言を実施した。
内部監査部門の独立性を確保するための体制の具体的な内容、監査委員会・内部監査部門・執行側の関係図、重点監査項目及びその他の監査項目並びに当事業年度各月における監査委員会の上記に関する主な活動の詳細な状況は(3)[監査の状況]に記載している。
2023年度の取締役会及び指名・報酬・監査委員会の開催状況及び各取締役の出席状況は以下のとおりである。
氏名開催状況及び出席状況
取締役会指名委員会報酬委員会監査委員会
木村 康 ※◎100%(19/19回)100%(11/11回)100%(12/12回)
ジャンドミニク スナール※※89%(17/19回)100%(11/11回)
ベルナール デルマス ※100%(19/19回)100%(15/15回)100%(8/8回)
井原 慶子 ※100%(19/19回)100%(11/11回)◎100%(15/15回)
永井 素夫 ※100%(19/19回)100%(11/11回)100%(15/15回)◎100%(12/12回)
アンドリュー ハウス ※95%(18/19回)◎100%(11/11回)89%(8/9回)
ブレンダ ハーヴィー ※#100%(13/13回)100%(8/8回)
ピエール フルーリォ※※89%(17/19回)100%(12/12回)
内田 誠100%(19/19回)
坂本 秀行100%(19/19回)
豊田 正和※##100%(6/6回)67%(2/3回)100%(4/4回)
ジェニファー ロジャーズ※##100%(6/6回)100%(6/6回)100%(4/4回)
アシュワニ グプタ##100%(6/6回)

(注) 1 ( )内は、出席回数/在任中の開催回数を示す。
2 ◎は議長又は委員長を示す。
3 ※は独立社外取締役を示す。
4 ※※ジャンドミニク スナール及びピエール フルーリォについては、その兼職の状況を鑑みて、利益相反解消のための方針に従い、ルノーに関する案件が審議された取締役会を2回欠席している。
5 #ブレンダ ハーヴィーは2023年6月の定時株主総会において取締役に就任しているため、就任後に開催された取締役会と委員会の出席状況を記載している。
6 ##豊田正和、ジェニファー ロジャーズ、アシュワニ グプタの3名は2023年6月の定時株主総会の時をもって取締役を退任した為、退任までの期間に開催された取締役会と委員会の出席状況を記載している。