有価証券報告書-第125期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/28 9:44
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(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、2019年6月25日の株主総会をもって、指名委員会等設置会社に移行し、ガバナンス体制の更なる強化を図っている。
ガバナンス体制における、当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、以下のとおりである。
・当社は、社会における存在意義を定義した<人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける。>というコーポレートパーパスの下、信頼される企業として、独自性に溢れ、革新的なクルマやサービスを創造し、その目に見える優れた価値を、全てのステークホルダーに提供するために、コーポレート・ガバナンスの向上を経営に関する最重要課題のひとつとして取り組む。
・当社は、社会からの要請や社会的責任を常に意識しながら事業活動を展開し、事業の持続的な成長とともに、持続可能な社会の発展に尽くす。
・当社は、明確な形で執行と監督・監視・監査を分離できる指名委員会等設置会社を選択する。これにより、意思決定の透明性を向上するとともに、迅速かつ機動的な業務執行を実行する。
・当社は、取締役会その他の機関による監督・監視・監査を通じて、内部統制、コンプライアンス及びリスク管理体制の実効性を担保する。当社の執行役及び役職員は、かかる監督・監視・監査に対し、常に真摯に対応する。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、上記「コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方」に記載のとおり、意思決定の透明性を向上するとともに、迅速かつ機動的な業務執行を実行するため、明確な形で執行と監督・監視・監査を分離できる指名委員会等設置会社を採用している。
取締役会については、独立性を有する社外取締役(独立社外取締役)の牽引により、多様な視点を持って、経営の基本方針を決定するとともに、執行役等の職務の執行を監督する役割を担う。取締役の員数は、活発な議論と迅速な意思決定を可能とする適正な規模とし、取締役会が独立社外取締役により牽引される環境を創出するため、過半数は独立社外取締役としている。また、取締役会の議長は、独立社外取締役としている。取締役会においては、経営の基本方針等、法令、定款及び取締役会規則に定めた重要事項の決定を行うとともに、効率的かつ機動的な経営を行うため、原則として業務執行に関する権限(法令で定められた取締役会専決事項に係るものを除く)を大幅に執行役に委譲している。
取締役会及び各委員会の構成については、「③当事業年度における取締役会及び委員会の活動状況」参照のこと。
執行役については、取締役会決議により委任された当社の業務執行の決定及び業務の執行を担っている。(2)[役員の状況]に記載のとおり、提出日現在、執行役として5名(うち、代表執行役1名)が選任されている。また、会社の重要事項や日常的な業務執行に関する事項について審議し議論する会議体を設置するとともに、効率的かつ機動的な経営を行うために、業務執行については明確な形で執行役員及び使用人に権限を委譲している。
③ 当事業年度における取締役会及び委員会の活動状況
i)取締役会の活動状況
当事業年度における当社の取締役会は独立社外取締役が議長を務め、また取締役10名のうち6名が独立社外取締役である。取締役会では、法令及び取締役会規則に基づき、株主総会議案、各委員会の構成員、四半期及び通期決算、中長期経営計画並びに事業計画等の当社グループ経営に関わる重要事項等について決議している。
当事業年度における取締役会は、取締役10名で構成され、うち、木村康、ベルナール デルマス、井原慶子、永井素夫、アンドリュー ハウス、ブレンダ ハーヴィーの6名は独立社外取締役である。なお、木村康を取締役会議長、ジャンドミニク スナールを取締役会副議長とし、ベルナール デルマスが筆頭独立社外取締役を務めている。
当事業年度における、当取締役会に上程された議案には以下が含まれる。
・業務執行状況の報告
・次期中期経営計画の審議及び決議
・ルノーグループとの新たなアライアンス契約締結の決議
・ルノーグループからの自己株式取得及び消却の決議
・公正取引委員会の勧告を受けた下請法違反に関する決議及び社内調査結果の報告
・IR報告
・ニッサン・グリーンプログラム2030(NGP2030)及びニッサン・ソーシャルプログラム2030(NSP2030)の報告及び審議
・内部統制及びリスクマネジメント報告
・コーポレートガバナンス報告書の決議
また、筆頭独立社外取締役が議長を務める社外取締役のみによる会合を定期的に開催し、当社のコーポレート・ガバナンス及びビジネスに関する事項等について幅広く議論している。当事業年度の主な活動としては、ルノーグループとの新たなアライアンスの契約締結に向け執行側と複数回にわたり議論を行った他、個別のビジネス・トピックに関する執行側からのビジネスブリーフィングを行った。
さらに、独立社外取締役と会計監査人との間で、四半期開示制度の動向、気候変動及びその周辺のサステナビリティ開示の現状、インパクト加重会計などに関する意見交換会を当事業年度において2回実施している。
ii)各委員会の活動状況
●指名委員会
当事業年度における指名委員会の委員長は独立社外取締役であり、また、委員5名のうち4名が独立社外取締役である。当委員会では、株主総会に提出する取締役の選任及び解任に関する議案の内容の決定、取締役会に提案する代表執行役の選定及び解職に関する議案の内容の決定、及び社長兼最高経営責任者の後継者計画の内容の策定及び年次の検証を行う権限を有している。
当事業年度における指名委員会は、アンドリュー ハウス(委員長)、木村康、井原慶子、永井素夫、ジャンドミニク スナールの5名で構成されている。
当事業年度における、当委員会の活動には以下が含まれる。
・代表執行役の選定議案を審議
・第125回定時株主総会に提出する取締役選任議案について審議
・社長兼最高経営責任者の後継者育成計画プロセスについて審議
●報酬委員会
当事業年度における報酬委員会の委員(委員長を含む。)は、4名全て独立性を有する社外取締役である。当委員会は、法定の権限である取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針、並びに取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容を決定する権限を有している。
当事業年度における報酬委員会は、井原慶子(委員長)、ベルナール デルマス、永井素夫、アンドリュー ハウスの4名で構成されている。
当事業年度における、当委員会の活動には以下が含まれる。
・取締役及び執行役の報酬に関する方針の決定
・報酬水準検討のためのベンチマーク企業を選定、外部第三者専門機関の調査結果も踏まえた報酬水準の審議
・取締役及び執行役の当事業年度の報酬額及び個人別の報酬等の決定
●監査委員会
当事業年度における監査委員会の委員長は独立社外取締役であり、また、委員5名のうち4名が独立社外取締役である。監査委員会は、適切な資質・能力(社内での情報収集能力、国際的な監査の知見・経験及び監査人・会計士その他金融関連の専門的職務に従事した経験を有する等)を有する取締役を委員として選任し、執行役等の職務執行状況を監査するとともに、取締役会の監督機能の実効性についても監査を行う権限を有している。当委員会では、内部統制システムの構築・運用状況を含む業務執行の監査の一環として、年度監査計画に従って、また、必要に応じて、執行役、執行役員及び使用人から、当社及びグループ会社の業務執行に関する報告を受けている。また、委員長は、社長兼最高経営責任者をはじめとする執行役等と、定期的に会合を持ち、幅広く意見の交換を行っているほか、重要会議等に出席し意見を述べるとともに、決裁書その他の重要書類を閲覧し、必要に応じて執行役、執行役員及び使用人に対して説明又は報告を求めている。委員長が収集した情報については、適時に他の委員にも共有されている。
さらに、監査委員会は、監査の実施にあたり、監査委員会、内部監査部門及び会計監査人の三者が適宜連携し、三様監査の実効性を高める取り組みを実施している。監査委員会のリーダーシップの下、三者間での連携により、監査上の指摘事項及びその対応状況をタイムリーに共有し、内部統制の実効性の向上を図っている。また、監査委員会は、内部監査部門を管轄し、以下の通り、内部監査部門が執行側から極めて高い独立性を確保する体制を構築した上で、内部監査部門から定期的に内部監査計画に基づく内部監査の進捗やその結果について報告を受けるとともに、必要に応じて、内部監査部門に対して内部監査に関する指示を行っている。
加えて、当委員会は、執行役等のマネジメントの関与の疑義がある内部通報の通報先となり、関係する執行役等が通報者及び通報内容を知りえない体制を構築の上、その対応に当たっている。
当事業年度における監査委員会は、永井素夫(委員長)、木村康、ベルナール デルマス、ブレンダ ハーヴィー、ピエール フルーリォの5名で構成されている。なお、当事業年度においては、監査委員会の重点監査項目を定め、それぞれの項目について監査委員会等の場を通じて検討・審議を重ね、必要に応じて執行側等へ提言を実施した。
内部監査部門の独立性を確保するための体制の具体的な内容、監査委員会・内部監査部門・執行側の関係図、重点監査項目及びその他の監査項目並びに当事業年度各月における監査委員会の上記に関する主な活動の詳細な状況は(3)[監査の状況]に記載している。
2023年度の取締役会及び指名・報酬・監査委員会の開催状況及び各取締役の出席状況は以下のとおりである。
氏名開催状況及び出席状況
取締役会指名委員会報酬委員会監査委員会
木村 康 ※◎100%(19/19回)100%(11/11回)100%(12/12回)
ジャンドミニク スナール※※89%(17/19回)100%(11/11回)
ベルナール デルマス ※100%(19/19回)100%(15/15回)100%(8/8回)
井原 慶子 ※100%(19/19回)100%(11/11回)◎100%(15/15回)
永井 素夫 ※100%(19/19回)100%(11/11回)100%(15/15回)◎100%(12/12回)
アンドリュー ハウス ※95%(18/19回)◎100%(11/11回)89%(8/9回)
ブレンダ ハーヴィー ※#100%(13/13回)100%(8/8回)
ピエール フルーリォ※※89%(17/19回)100%(12/12回)
内田 誠100%(19/19回)
坂本 秀行100%(19/19回)
豊田 正和※##100%(6/6回)67%(2/3回)100%(4/4回)
ジェニファー ロジャーズ※##100%(6/6回)100%(6/6回)100%(4/4回)
アシュワニ グプタ##100%(6/6回)

(注) 1 ( )内は、出席回数/在任中の開催回数を示す。
2 ◎は議長又は委員長を示す。
3 ※は独立社外取締役を示す。
4 ※※ジャンドミニク スナール及びピエール フルーリォについては、その兼職の状況を鑑みて、利益相反解消のための方針に従い、ルノーに関する案件が審議された取締役会を2回欠席している。
5 #ブレンダ ハーヴィーは2023年6月の定時株主総会において取締役に就任しているため、就任後に開催された取締役会と委員会の出席状況を記載している。
6 ##豊田正和、ジェニファー ロジャーズ、アシュワニ グプタの3名は2023年6月の定時株主総会の時をもって取締役を退任した為、退任までの期間に開催された取締役会と委員会の出席状況を記載している。
④ 企業統治に関するその他の事項
1. 内部統制システムの整備状況
当社の取締役会は、会社法及び会社法施行規則に定める「会社及び企業集団の業務の適正を確保するための体制」を決議し、内部統制について担当する執行役を置いている。その体制の概要及びその整備状況は以下のとおりである。
i) 執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
① 法令に基づく会社の機関設計として指名委員会等設置会社制度を選択した上で、取締役会において、経営の基本方針等、法令、定款及び取締役会規則に定めた重要事項の決定を行う。
② 効率的で機動的な経営を行うため、原則として業務執行の決定に関する権限(法令で定められた取締役会専決事項に係るものを除く)を大幅に執行役に委譲している。
③ 執行役社長兼最高経営責任者等を構成員として、事業戦略、重要な取引・投資等の会社の重要事項について審議し議論するエグゼクティブコミッティ、及び会社の日常的な業務執行に関する事項について審議し議論する別のコミッティを設置している。
④ 地域及び特定の事業領域に関する事項を審議し議論するマネジメントコミッティを設置している。
⑤ マネジメント手法の一つとして、クロス・ファンクション(機能横断的活動)がある。なかでも、クロス・ファンクショナル・チーム(CFT)は、会社が取組むべき各種の課題や問題に対応している。CFTは、機能や組織の枠を越えて働く、当社が独自に開発した強力なマネジメント・ツールである。
⑥ 社内意思決定の迅速化を図り、意思決定プロセスを明確にするため、明確で透明性の高い、各執行役及び使用人の権限と責任を定める権限基準を整備している。
⑦ 中期経営計画及び年度事業計画の策定を通じ、経営方針と事業目的を具体化し、共有することにより、効率的かつ効果的な業務執行を行っている。
ii) 執行役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
① 世界中のグループ会社で働く全ての社員を対象として「グローバル行動規範」を策定し、その周知・徹底を図っている。
② 行動規範の遵守を確実なものとするため、eラーニングなどの教育プログラムを充実させている。
③ 当社の取締役や執行役等を対象に、「取締役・執行役等の法令遵守ガイド」を策定し、その遵守を徹底する。
④ 反社会的勢力に対しては、会社として毅然とした態度で臨むものとし、当社の役員・従業員は、万一反社会的勢力から何らかのアプローチを受けた場合は、速やかに上司及び専門の委員会に報告し、その指示に従うものとしている。
⑤ 当社の役員・従業員は、業務遂行上、直接・間接を問わず、詐欺・恐喝等の不正・犯罪行為に関わることなく良識ある行動をとるものとし、そのような不正・犯罪行為又はそのおそれがある事態に遭遇した場合は、毅然とした態度で臨むと同時に、速やかに上司及び専門の委員会に報告し、その指示に従うものとしている。
⑥ これらの遵守状況をチェックし、遵守を保証するための仕組みとして、「グローバルコンプライアンス委員会」を設置している。グローバルコンプライアンス委員会が検知したコンプライアンス課題のうち本社執行役及びマネジメントコミッティ議長に関連したものについては、監査委員会に直接報告を行う。
⑦ 内部通報制度を導入し、社内外に窓口を設置することにより、社員からの意見・質問・要望及びコンプライアンス違反の疑いのある行為等について直接当社マネジメントに伝えることを可能としている。執行役等のマネジメントの関与の疑義がある案件については、通報先を監査委員会として関係する執行役等が通報者及び通報内容を知りえない体制とする。
⑧ 社内規程を整備し、教育・研修プログラムを通じて、周知・徹底と啓発を行っている。
⑨ 金融商品取引法及び関連する規則や基準に基づき、財務報告の正確性と信頼性を確保するための内部統制の仕組みを強化するべく努めている。当社における財務報告にかかる内部統制には、一般に公正妥当と認められる内部統制の評価の基準(J-SOX)に準拠して実施するテスト、評価及び報告の手続を遵守することを含んでいる。プロセスを整備し、適切に運用するべく取り組むとともに、検出された会計及び内部統制に関する不備を適切にフォローアップし、その是正に取り組んでいる。
⑩ 取締役会は、その構成員の過半数及び議長に独立性を有する社外取締役(独立社外取締役)を選任し、執行役からの定期的な報告受領、独立社外取締役のみによる会合の定期開催、筆頭独立社外取締役の設置、事務局の人員・機能の充実化及び独立性確保等の諸策を講じる等して、執行役等の職務執行状況の監督に注力するとともに、その実効性について、3年に一度、第三者評価機関による評価を受ける。
⑪ 監査委員会は、その構成員の過半数及び委員長を独立社外取締役とし、適切な資質・能力を有する取締役を選任し、執行役等の職務執行状況を監査する。また取締役会の監督機能の実効性についても、適切に監査する。
⑫ 当社及びグループ会社の業務執行に関するプロセス、ポリシー、法令その他の問題について遵守がなされているかの監査を定期的に行うことを目的に、監査委員会の管轄の下、専門の内部監査部門を設置し、有効かつ効率的なグループ・グローバルな内部監査を行う。また、リージョンの内部監査部門を設置し、当社のグローバル内部監査室の統括の下に内部監査を行っている。
⑬ 監査委員会は、必要に応じ、指名委員会及び報酬委員会との間で随時連携を行う。
⑭ ルノーその他の主要株主又はアライアンスの相手方である三菱自動車工業株式会社と当社との間における利益相反の可能性に鑑み、当社の代表執行役は、ルノーその他の主要株主若しくは三菱自動車工業株式会社又はその子会社若しくは関連会社の取締役、執行役その他の役職員を兼任してはならないものとし、当社の代表執行役就任時に当該役職員に就任している場合には、速やかに兼任を解消するための措置を採るものとしている。
⑮ ルノーその他の主要株主若しくはアライアンスの相手方である三菱自動車工業株式会社又はその子会社若しくは関連会社において取締役、執行役等を務めた経験を有する取締役は、当該勤務経験先と当社グループとの間で利益が相反する可能性のある議案が当社の取締役会に上程される場合には、当該議案の審議及び決議に参加しないものとしている。
⑯ 当社・ルノー・三菱自動車工業株式会社間のアライアンスに関する活動については、当社の取締役会、エグゼクティブコミッティ、関係する執行役等の指揮、監督のもと行っている。また、関連する意思決定は、権限基準に基づき、当社の取締役会、執行役、又は従業員が法令を遵守し、当社・ルノー・三菱自動車工業株式会社間の利益相反の可能性にも配慮した上で行っている。
⑰ 社内組織の新設又は変更にあたり、法務、経理、財務その他の管理部署の牽制機能を阻害する可能性のある権限分掌構造を採用しないものとしている。
iii) 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
① リスクを早期に発見し、必要な対策を検討・実行することにより、発生率の低減を図るとともに、万一発生した場合に会社に与える被害の最小化に努め、その目的達成のため、「グローバルリスク管理規程」に基づき行動している。
② 全社的・組織横断的なリスクのマネジメントについては、リスクマネジメント委員会メンバーを中心に管理責任者として任命し、その責任の下、リスク管理マニュアルを策定する等具体的対策を講じている。
③ 全社的レベルのリスク以外の個別のビジネスリスクの管理は、それぞれのリスク管理責任者が担当し、リスクの発生を極小化するために、本来業務の一環として必要な措置を講じている。
④ 内部監査部門は、監査委員会の管轄の下、リスクベースの手法による内部統制の状況に対するアシュアランス、及び必要に応じたコンサルティングの提供を目的として、関連する監査基準等に従って監査活動を行っている。
iv) 執行役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
① 法令及び社内規則の定めるところに従い、当社の執行役の職務の執行に係る文書その他の情報を保存し、適切に管理している。
② 各部署の業務遂行に伴って職務権限基準に従って決裁される案件は、書面又は電子システムによって決裁し、適切に保存・管理している。
③ これらの情報は、主管部署が秘匿管理に配慮した厳格な管理を行っており、特に重要な経営会議体に関する資料等については、当社の取締役、執行役等から業務上の必要により閲覧の申請があった場合には、合理的な範囲で閲覧できる仕組みとしている。
④ 情報の作成・利用・管理等に関するポリシーを整備し、情報の適切な保管・管理を徹底のうえ、情報の漏洩や不適切な利用を防止している。さらに、情報セキュリティ委員会を設置し、全社的な情報セキュリティを総合的に管理するとともに、情報セキュリティに関する意思決定を行っている。
v) 当社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(a) 子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
① 適正かつ効率的で統一的なグループ経営が行われるよう、グループ会社横断的な各種マネジメントコミッティを設置している。
② マネジメントコミッティを通じて、グループ会社に対して情報を伝えるとともに、当社の経営方針を共有し、国内外のグループ会社の意思決定が効率的かつ迅速に行われることを確保している。
③ 各グループ会社においても、明確で透明性の高い権限基準を策定するため、当社は協力している。
(b) 子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
① グローバル行動規範の下に、グループ各社は各社独自の行動規範を策定するとともに、コンプライアンス委員会を設置し、法令や企業倫理の遵守を図っている。グローバル・コンプライアンス委員会では、定期的に国内外のグループ会社の状況をモニターし、さらなる法令及び定款の遵守並びに企業倫理の徹底に取り組んでいる。また、グループ会社でも内部通報制度を導入し、意見・質問・要望等を直接所属会社又は当社に提出する仕組みを整備している。
② 内部監査部門は、グループ会社の業務執行の監査を実施するとともに、リスクマネジメント、コントロール及びガバナンスプロセスの有効性の評価並びに向上を目的として監査を実施している。
③ 監査委員会は、連結経営の観点より、グループ全体の監査の実効性を確保するため、定期的にグループ各社の監査役と情報及び意見の交換を行う。
④ 特にグループ会社に対する内部監査その他のモニターの範囲や頻度等については、特定されたリスク、当該グループ会社の規模や業態、重要性等に応じて適宜、合理的な差異を設ける場合があり得る。
(c) 子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
① グループ会社は、グローバルリスク管理規程に基づき行動している。
② グループ全体に影響を与えるグループ会社のリスクのマネジメントについては、リスクマネジメント委員会メンバーを中心に管理責任者として任命し、その責任の下具体的対策を講じている。
③ 上記以外のグループ会社のリスクに関するマネジメントは、それぞれのグループ会社が責任をもち、リスクの発生を極小化するために必要な措置を講じている。
(d) 子会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
上記(a)ないし(c)で述べた体制のほか、当社の各機能部署によるグループ会社の対応する機能部署との連携等複数のルートを通じて、グループ会社の取締役等の職務の執行に係る事項のうち重要な事項の報告をグループ会社に求め、その把握に努めている。
vi) 当社の監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項、当該取締役及び使用人の当社の執行役からの独立性に関する事項、並びに当該取締役及び使用人に対する当社の監査委員会の指示の実効性の確保に関する事項
① 当社の監査委員会の職務を補助するための組織として監査委員会事務局を設置し、スタッフを必要数配置し、監査委員の指揮命令の下にその職務を遂行する。
② 当該スタッフの評価は監査委員間で協議し、人事異動や懲戒処分については、監査委員会の同意を必要としている。
vii) 当社の監査委員会への報告に関する体制及び当該報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
(a) 当社の取締役(監査委員を除く)、執行役及び使用人が当社の監査委員会に報告をするための体制
① 当社の監査委員会は、年度監査計画を策定し、監査を実施する。当該計画には社内各部門による業務報告を含み、これに従って、取締役(監査委員を除く)、執行役及び使用人は報告を実施する。
② 当社の取締役(監査委員を除く)、執行役及び使用人は、会社の業績・信用に大きな悪影響を及ぼしたもの、又はそのおそれのあるもの、グローバル行動規範その他の行動規範への重大な違反行為、又はその恐れのあるもの、及びこれに準じる事項を発見した場合、速やかに当社の監査委員会に報告する。
③ 当社の取締役(監査委員を除く)、執行役及び使用人は、当社の監査委員会から業務の執行状況について報告を求められた場合、迅速に対応する。
④ 内部監査部門は、リスクベースの監査計画及び監査発見事項等を当社の監査委員会に継続的に報告する。
(b) 子会社の取締役、監査役その他の役員等及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当社の監査委員会に報告をするための体制
① 当社の監査委員会は、連結経営の観点より、グループ全体の監査の実効性を確保するため、定期的にグループ各社の監査役と情報及び意見の交換を行い、グループ各社の監査役は、当社の監査委員会に対して、グループ全体に影響を与える事項を中心に報告を行う。
② グループ会社の役員等及び使用人は、当社の監査委員会から業務の執行状況について報告を求められた場合、迅速に対応する。
③ 当社の取締役(監査委員を除く)、執行役及び使用人(内部監査部門に所属する者を含む。)は、上記v)の体制を通じて報告を受けたグループ各社の事項について、上記(a)のとおり、当社の監査委員会に対して報告を実施する。
(c) 上記(a)ないし(b)の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
当該報告をしたことを理由とする不利な取扱いを禁止するものとし、当該報告をした者を保護するために必要な措置をとるとともに、そのような不利な取扱いを行った者に対しては、懲戒処分を含めた厳正な対処を行うものとしている。
viii) 当社の監査委員の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
当社は、監査委員からその職務の執行について費用の前払や債務の弁済等の請求を受けた場合、会社法に従い、当該請求に係る費用又は債務が当該監査委員の職務の執行に必要でないことを証明できる場合を除き、速やかに当該費用又は債務を処理するとともに、毎年、必要と認められる一定額の監査費用予算を設けている。
ix) その他当社の監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
① 当社の監査委員会は、その構成員の過半数及び委員長を独立社外取締役とすることで、独立性をより強化している。その上で、監査委員会の監査の実効性を確保するため、常勤監査委員を1名以上置いている。
② 監査委員会は、監査の実施にあたり、内部監査部門及び会計監査人と適宜連携する。監査委員会は、内部監査部門を管轄し、内部監査部門に対して監査に関する指示を行う。内部監査部門は、内部監査の基本方針、年度計画、予算及び人員計画について監査委員会の承認を得ることとし、監査委員会に対して継続的に職務の執行状況及び発見事項等を報告する。内部監査部門の責任者の人事及び評価については監査委員会の承認を得る。
③ 社長兼最高経営責任者を始めとする執行役と監査委員会は、定期的に又は監査委員会の求めに応じて会合を持ち、幅広く意見の交換を行う。
④ 監査委員会は、重要会議等に出席し、意見を述べることができるほか、決裁書その他の重要書類を閲覧し、必要に応じて執行役及び従業員に対して説明又は報告を求めることができる。
⑤ 監査委員会は、必要に応じ、指名委員会及び報酬委員会との間で、相互に情報・意見交換を行う等、随時連携を行う。
2. 責任限定契約の内容と概要(会社法第427条第1項に規定する契約)
当社は、会社法第427条第1項の規定により、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)との間に、金500万円と法令が定める最低責任限度額のいずれか高い額を限度額として、会社法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結することができる旨を定款に定めている。
なお、この規定に基づき、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)8名と責任限定契約を締結している。
3. 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
① 被保険者の範囲
当社及び当社の全ての子会社(除く日産車体株式会社)の全ての取締役、執行役、監査役、執行役員、管理職。
2024年6月25日の当社取締役会の決議をもって2024年7月1日更新の契約から日産車体株式会社及びその全ての子会社の全ての取締役、執行役、監査役、執行役員、管理職も対象とする。
② 保険契約の内容の概要
被保険者が①の会社の役員等としての業務につき行った行為(不作為を含む。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や争訟費用等を補償するもの。ただし、贈収賄などの犯罪行為や意図的に違法行為を行った役員自身の損害等は補償対象外とすることにより、役員等の職務の執行の適正性が損なわれないように措置を講じている。保険料は全額当社が負担する。