有価証券報告書-第84期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 16:15
【資料】
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【項目】
127項目

研究開発活動

当社グループは、自動車内装部品専門メーカーとして、自動車内装部品のトータルコーディネートをテーマに、先進技術に裏付けられた魅力ある商品を提案できるよう、積極的に研究開発活動を進めております。
当社グループの研究開発は、当社の先行・製品工法開発部を中心に実施しており、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費12億11百万円であり、すべて「日本」セグメントに属しております。また、主な成果は次のとおりであります。
当社グループは提案型企業を目指し、お得意様ニーズ、環境ニーズに着実に応えるべく、新技術開発を進めております。とりわけ昨今の自動車産業の置かれた状況の中で、高品質、軽量、低コストの両立という課題に材料開発から製品開発まで積極的に取り組んでおります。
(1)軽量化
CO2削減や動力性能向上の観点から、自動車部品の軽量化は、すべての自動車メーカー様にとって重要課題であります。我々内装トリムサプライヤーも自動車メーカー様の要求に確実にお応えしていく必要があります。
ドア、ピラー、天井、トランクトリム等すべての部品において、軽量化を最重要開発テーマとして取り組んでおります。もちろん軽量化でのコストアップは許される状況になく、高品質、軽量、低コストを同時に成立させなければなりません。当社グループでは、無塗装でも表面品質を確保できる発泡成形、軽量化と傷の目立ち難さを両立した樹脂材料、剛性を保ちながらの薄肉成型、超軽量ウレタン天井等で業界トップ水準の製品を提供しております。
(2)安全性
車室内の側面衝突安全性に寄与するエネルギー吸収部品を、当社独自の設計構造とすることにより、高性能を低コストの射出成形部品で実現し、量産車に採用されました。また、CAE(コンピュータ・シュミレーション)を駆使した側面衝突解析技術は台上実験での検証を裏付けに実用精度に到達し、量産車の安全性確保に寄与しております。ますます要求が厳しくなる安全規制にも迅速に対応してまいります。
(3)地球環境保全
接着剤、塗料、洗浄剤等に含まれるVOC(揮発性有機化学物質)の削減のため、粘着材、水溶性接着剤、ホットメルト等への変更、塗装から樹脂基材へ着色剤の練り込み等の代替工法への変更や各種材料の脱VOCを推進しております。また、樹脂部品への植物由来樹脂(ポリ乳酸)の適用や塩化ビニール材のTPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)、TPU(ウレタン系熱可塑性エラストマー)への代替を推進しております。
また、リサイクル原材料の活用や工程内リサイクルの推進等、資源の再利用を活発に実施できるようにしております。
(4)快適車内空間
内装部品の防音性能の更なる向上を狙い、四駆シャシーダイナモを用いた実車実験、残響室等を用いた材料実験を踏まえ、音響理論やCAEを駆使して高性能な製品設計をしております。
また、低燃費と快適な車室内温度環境の両立を目指し、天井内装品等の断熱性能の向上開発を進めております。
(5)魅力&便利商品
どのような時代でも自動車の内装は、お客様にとって魅力的であるべきとの考えに基づき、ドア表皮やドアウエストオーナメントに代表されるような加飾部品、さわり心地の良い表面処理など美しく、やわらかく、しっとりとしたドア内装品、夜間も内装を魅力的にするイルミネーション加飾、擦り傷の目立ちにくい樹脂を用いたピラーやラゲッジ・ルームの開発を進めております。
また、SUVやワンボックス車でお客様の使い勝手の良いラゲッジ・ルームを実現するためのラゲッジ・システムも提案しております。