訂正有価証券報告書-第113期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、西日本豪雨等の自然災害による影響はあったものの、設備投資は底堅く推移しており、景気は緩やかな回復基調を維持しています。海外においては、米国経済は底堅く推移しています。中国は米国との貿易摩擦の影響もあり減速傾向がみられます。
自動車業界は、国内では、軽自動車の需要が好調に推移しています。海外では、北米の需要は堅調に推移していますが、中国の需要は減速傾向がみられます。
電子業界は、下期に入り、携帯電話、ハードディスクドライブ、デジタルカメラの生産台数は減少しました。
事務機業界は、事務機市場の成熟化により、需要は横ばいで推移しました。
このような環境の中、当社の当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、785,133百万円となり、前連結会計年度末対比で8,180百万円の減少となりました。これは主に、現金及び預金が減少したことによるものです。
負債合計は、299,634百万円となり、前連結会計年度末対比6,214百万円の増加となりました。これは、買掛金は減少したものの、短期借入金と長期借入金が増加したこと等によるものです。
純資産は、その他有価証券評価差額金の減少、および配当金の支払いによる利益剰余金の減少等により、前連結会計年度末対比14,395百万円減の485,498百万円となり、自己資本比率は56.6%となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
b. 経営成績
当社の経営成績は以下のとおりです。
シール事業におきましては、自動車向けについては、国内では軽自動車が牽引する形で需要は好調に推移し、また東南アジアでの需要が好調に推移した事等により、販売は増加しました。一般産業機械向けについては、建設機械、工作機、ロボット向けについて底堅く推移した事により、販売は増加しました。
その結果、売上高は341,680百万円(前年同期比1.4%の増収)となりました。営業利益は、人件費・経費、償却費の増加等により36,209百万円(前年同期比11.3%の減益)となりました。
電子部品事業におきましては、自動車向けは好調に推移しましたが、高機能スマートフォンは生産減の影響により販売は減少しました。
その結果、売上高は297,374百万円(前年同期比17.6%の減収)となりました。営業損失は、販売の減少により、14,151百万円(前年同期は2,963百万円の営業利益)となりました。
ロール事業におきましては、金融、繊維機械向けの需要は伸びましたが、事務機向けの需要が生産調整により減少したため、トータルでの販売は減少しました。
その結果、売上高は20,071百万円(前年同期比3.6%の減収)となりました。営業損失は、経費等の削減に努めましたが販売減少の影響が大きく、129百万円(前年同期は49百万円の営業損失)となりました。
特殊潤滑剤等のその他事業におきましては、売上高は10,356百万円(前年同期比1.8%の減収)となりました。営業利益は、品目構成の変化により1,203百万円(前年同期比9.4%の増益)となりました。
営業外収支(収益費用の純額)については、当連結会計年度7,996百万円の収益(前年同期は11,357百万円の収益)となりました。これは主に、持分法による投資利益および為替差益が前連結会計年度より減少したことによるものです。
特別損益の収支(利益損失の純額)については、当連結会計年度18,225百万円の損失(前年同期は3,425百万円の損失)となりました。これは主に、電子部品事業を営む連結子会社である日本メクトロン株式会社の固定資産の減損によるものです。
税金等調整前当期純利益に対する法人税等の負担率は、当連結会計年度52.4%(前連結会計年度25.9%)となりました。
以上の結果、当社グループの業績は、売上高は669,482百万円(前年同期比8.2%の減収)となりました。営業利益は23,140百万円(前年同期比48.5%の減益)、経常利益は31,135百万円(前年同期比44.7%の減益)、親会社株主に帰属する当期純利益は、3,419百万円(前年同期比90.3%の減益)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)の残高は、前連結会計年度末に比べ8,658百万円減少し80,761百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動の結果、得られた資金は、63,854百万円(前年同期比8.2%の減少)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益の計上、および非資金項目である減価償却費と減損損失の計上によるものです。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動の結果、使用した資金は、79,259百万円(前年同期比35.1%の減少)となりました。これは主として投資有価証券と有形固定資産の取得によるものです。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動の結果、得られた資金は、6,633百万円(前年同期は13,010百万円の支出)となりました。これは配当金の支払を実施したものの、短期借入れ、および長期借入れによる収入が増加したこと等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) (百万円) | 前年同期比(%) |
| シール事業 | 344,255 | 97.9 |
| 電子部品事業 | 293,797 | 76.6 |
| ロール事業 | 20,253 | 95.4 |
| その他事業 | 10,361 | 93.5 |
| 合計 | 668,668 | 87.1 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2.上記中には商品仕入高を含んでおりますが、当社グループにおいては仕入販売事業の事業規模には金額的重要性はありません。
3.上記中には消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社グループは、主として得意先より生産計画の内示を受け、それに基づく見込み生産を行っているため記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) (百万円) | 前年同期比(%) |
| シール事業 | 341,680 | 101.4 |
| 電子部品事業 | 297,374 | 82.4 |
| ロール事業 | 20,071 | 96.4 |
| その他事業 | 10,356 | 98.2 |
| 合計 | 669,482 | 91.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
| Apple Inc. | 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) |
| 146,720 | 20.1 | 99,752 | 14.9 | |
3.上記中には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。
その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的・保守的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
2)経営成績
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
シール事業
「事業の拡大」、「競争力ある生産体制の構築」、「グローバル事業の強化」、「ダントツ品質の追求」を柱に、持続性ある企業体質の構築を図ることが重要と考えております。
「事業の拡大」につきましては現有製品のシェアアップ、新商品開発力強化とともに成長を続ける海外市場での拡販を図り、「競争力ある生産体制の構築」につきましては生産子会社の体制の見直し、「グローバル事業の強化」につきましては変化する環境への迅速な対応を行い、「ダントツ品質の追求」につきましては品質・技術の教育・伝承の充実及びIoTの活用による品質向上を検討してまいります。
電子部品事業
「拡販による顧客ベースの多角化」、「変化に対応できる収益体質の強化」、「ダントツ品質の実現」により、変化を乗り越える構造改革の断行を進めてまいります。
「拡販による顧客ベースの多角化」につきましては自動車向けビジネス拡大の加速並びに提案力の強化により新規顧客・新用途向けビジネスを拡大し、「変化に対応できる収益体質の強化」につきましては人に頼らないものづくりの実現、聖域なき総原価低減活動の推進、業務の生産性向上による間接部門のスリム化、フリーキャッシュフローの増加による財務体質の改善を進め、「ダントツ品質の実現」につきましては人に頼らないものづくりによる品質の安定化、自動車要求品質への対応を行ってまいります。
ロール事業
業績回復を図るために、積年の課題である「拡販の推進」を最優先課題とし、並行して「BEPの改善による利益体質の強化」並びに「抜本的な品質改善」を強力に推進してまいります。
「拡販の推進」につきましては新仕様開発による受注拡大、立上品質の確保、価格競争力の向上を図り、「BEPの改善による利益体質の強化」につきましては生産性向上・品質改善・内製化に加えて、生産管理システムの再構築と活用、業務の効率化を推進し、「抜本的な品質改善」につきましては徹底した現場管理による品質の安定化と良品・量産条件の再検討による品質の改善を推進いたします。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」で述べましたとおり以下が主なものとなります。
a. 自然災害等
b. 政治経済情勢
c. 法的規制等の影響
d. 訴訟その他の法的手続にかかわるリスク
e. 知的財産権侵害の影響
f. 情報流出の影響
g. サイバー攻撃等の影響
h. 環境規制が及ぼす影響
i. 製品の品質問題が及ぼす影響
j. 為替変動の影響
k. 金利変動の影響
l. 株式市場の動向による影響
m. 原材料の価格変動
n. 顧客の業績への依存
o. 需要動向の変化による影響
p. 他企業との提携
当社グループでは自然災害等に備え、BCM(事業継続マネジメント)の構築、ますます拡大する海外事業の適切な管理、品質力の更なる向上や新商品開発、並びにこれらを担う人材の育成に力を入れ、将来を見据えて当社グループが持続的に成長発展していけるよう、3カ年計画(2017年度から2019年度まで)を作成し、取り組んでおります。
また、経営成績に影響する各種リスクを回避できるよう、引き続き経営者として努力してまいりますとともに、企業目的である「全てのステークホルダーに利益と誇りをもたらす」、そのための事業方針である「技術に裏打ちされた独自性ある、かつ社会にとって有用な商品を世界中で安くつくり適正価格で売る」の具現化に努めてまいります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
②契約債務
2019年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
| 年度別要支払額(百万円) | |||||
| 契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超3年以内 | 3年超5年以内 | 5年超 |
| 短期借入金 | 66,972 | 66,972 | - | - | - |
| 長期借入金 | 19,563 | - | 9,314 | 8,713 | 1,535 |
| リース債務 | 236 | 67 | 115 | 44 | 9 |
③財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は固定金利の長期借入金で調達しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
2018年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 指標 | 2018年度(計画) | 2018年度(実績) | 2018年度(計画比) |
| 売上高 | 755,000 | 669,482 | △85,517(△11.3%) |
| 営業利益 | 49,000 | 23,140 | △25,859(△52.8%) |
セグメント別の達成・進捗状況は以下のとおりです。
シール事業
自動車向けの販売については、国内ではある程度堅調に推移したものの、米国との貿易摩擦に端を発する中国市場の減速影響を受け、計画対比では減収となりました。
一般産業機械向けについては、建設機械、工作機、ロボット向けについて市場はいずれも底堅く推移したものの、顧客構成の変化等から計画対比では微減となりました。
一方、生産活動においては、昨年度より不足していた人員の手配や設備能力の拡充を図ったため固定費が増加傾向にあることに加え、その過程で品質や教育に追加のコストが発生したことから、収益面では苦戦を強いられることとなりました。
また拡販・増産や技術力強化のための大型投資も当年度中に稼働を開始したことから償却費が増加しており、これらの効果を早期に実現することが今後の課題となります。
以上の結果、売上高は341,680百万円(2018年度計画比2.1%の減収)となり、営業利益は36,209百万円(2018年度計画比13.8%の減益)となりました。
電子部品事業
高機能スマートフォン向けの需要が減少し、全体として販売は計画対比大幅に減少しました。販売減の影響が大きく損益も大幅に悪化しました。
以上の結果、売上高は297,374百万円(2018年度計画比20.7%の減収)となり、営業損失は14,151百万円(2018年度計画は7,000百万円の営業利益)となりました。
ロール事業
売上高は市場在庫調整等の影響で第4四半期に減速しましたが、年度としては当初計画に対して微増収で終了しました。営業利益は経費と投資の抑制に加えて収益体質の強化に努めたことと、品目構成の良化もあり当初計画に対しては大幅な良化となりましたが黒字化までには至らず、二期連続の赤字で終了しました。
以上の結果、売上高は20,071百万円(2018年度計画比0.4%の増収)となり、営業損失は129百万円(2018年度計画は800百万円の営業損失)となりました。