有価証券報告書-第112期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、公共投資等の経済対策効果や設備投資の増加基調により、景気は緩やかな回復局面が継続しています。海外においては、米国は堅調さを維持しており、中国も安定的に推移しました。
自動車業界は、国内では、新型車投入効果や軽自動車の需要回復により好調に推移しました。海外では、北米は安定的に推移し、中国も日系各社が市場の伸びを大きく上回って好調に推移しました。タイでは国内需要が順調に回復し、緩やかながらも回復基調が継続しました。
電子機器業界は、スマートフォンの需要が引き続き堅調に推移しています。ハードディスクドライブについては、パソコン向けの需要は減少しているものの、サーバー向けの需要が増加しており、ほぼ横ばいの推移となっております。
事務機業界は、事務機市場の成熟化により、複合機の需要は微増、プリンターの需要は微減で推移しました。
このような環境の中、当社の当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
なお、当連結会計年度より、従来「電子機器部品事業」としていた報告セグメントの名称を「電子部品事業」に変更しております。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。なお、前連結会計年度のセグメント情報についても変更後の名称で記載しております。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末対比で437億円増加し、7,954億9千7百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末対比で10億8千3百万円減少し、2,956億3百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末対比で447億8千3百万円増加し、4,998億9千4百万円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は7,293億4千1百万円(前年同期比2.3%の増収)となりました。営業利益は449億3千4百万円(前年同期比13.0%の増益)、経常利益は562億9千1百万円(前年同期比23.2%の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は352億8千1百万円(前年同期比29.1%の増益)となりました。
当社のセグメント別の経営成績は以下のとおりです。
シール事業は、売上高は3,368億6千6百万円(前年同期比8.5%の増収)、営業利益は、408億8百万円(前年同期比9.9%の増益)となりました。
電子部品事業は、売上高は3,611億1百万円(前年同期比1.6%の減収)、営業利益は、29億6千3百万円(前年同期比23億3千1百万円の増益)となりました。
ロール事業は、売上高は208億3千1百万円(前年同期比7.8%の減収)、営業損益は、4千9百万円の損失(前年同期は8億1千8百万円の営業利益)となりました。
特殊潤滑剤等のその他事業におきましては、売上高は105億4千2百万円(前年同期比20.0%の減収)、営業利益は11億円(前年同期比0.4%の減益)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)の残高は、前連結会計年度末に比べ12億9百万円減少し894億2千万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動の結果、得られた資金は、695億2千6百万円(前年同期比2.2%の増加)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益の計上、および非資金項目である減価償却費の計上によるものです。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動の結果、使用した資金は、586億8千1百万円(前年同期比5.4%の減少)となりました。これは主として有形固定資産の取得によるものです。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動の結果、使用した資金は、130億1千万円(前年同期比77.6%の増加)となりました。これは主として長期借入金の返済による支出、および配当金の支払によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) | 前年同期比(%) |
| シール事業 | 351,522 | 112.7 |
| 電子部品事業 | 383,687 | 105.3 |
| ロール事業 | 21,232 | 95.5 |
| その他事業 | 11,078 | 83.6 |
| 合計 | 767,520 | 107.8 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2.上記中には商品仕入高を含んでおりますが、当社グループにおいては仕入販売事業の事業規模には金額的重要性はありません。
3.上記中には消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社グループは、主として得意先より生産計画の内示を受け、それに基づく見込み生産を行っているため記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) | 前年同期比(%) |
| シール事業 | 336,866 | 108.5 |
| 電子部品事業 | 361,101 | 98.4 |
| ロール事業 | 20,831 | 92.2 |
| その他事業 | 10,542 | 80.0 |
| 合計 | 729,341 | 102.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
| Apple Inc. | 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) |
| 148,155 | 20.8 | 146,720 | 20.1 | |
3.上記中には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。
その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的・保守的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、7,954億9千7百万円となり、前連結会計年度末対比で437億円の増加となりました。これは主に、商品及び製品と有形固定固定資産が増加したこと、および株価の上昇に伴い投資有価証券勘定の時価評価額が増加したことによるものです。
負債合計は、2,956億3百万円となり、前連結会計年度末対比10億8千3百万円の減少となりました。これは、繰延税金負債が増加したものの、長期借入金が減少したこと等によるものです。
純資産は、その他有価証券評価差額金の増加、および親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により、前連結会計年度末対比447億8千3百万円増の4,998億9千4百万円となり、自己資本比率は57.8%となりました。
2)経営成績
当社の経営成績は以下のとおりです。
シール事業におきましては、自動車向けについては、国内での好調な需要に加え、中国での日系車の好調を受けて、販売は増加しました。一般産業機械向けについては、中国を中心とした建設機械市場の回復に加え、工作機・ロボット市場等も好調に推移した事により、販売は増加しました。
その結果、売上高は3,368億6千6百万円(前年同期比8.5%の増収)となりました。営業利益は、増収により408億8百万円(前年同期比9.9%の増益)となりました。
電子部品事業におきましては、自動車の電子化に伴い需要が好調に推移しました。しかしながら、高機能スマートフォン向けの販売は減少しました。
その結果、売上高は3,611億1百万円(前年同期比1.6%の減収)となりました。営業利益は、自働化、歩留り改善効果、為替の影響等により、29億6千3百万円(前年同期比23億3千1百万円の増益)となりました。
ロール事業におきましては、複合機向けの需要は横ばいに推移しましたが、プリンターの市場在庫調整の影響により販売は減少しました。
その結果、売上高は208億3千1百万円(前年同期比7.8%の減収)となりました。営業損益は、人件費・経費等の削減に努めましたが販売の減少の影響が大きく4千9百万円の損失(前年同期は8億1千8百万円の営業利益)となりました。
特殊潤滑剤等のその他事業におきましては、売上高は105億4千2百万円(前年同期比20.0%の減収)となりました。営業利益は11億円(前年同期比0.4%の減益)となりました。
営業外収支(収益費用の純額)については、当連結会計年度113億5千7百万円の収益となり、前年同期比で54億2千4百万円収支が良化いたしました。これは主に、前連結会計年度においては為替差損を計上しておりましたが、当連結会計年度においては為替差益を計上したこと、および持分法による投資利益が前連結会計年度より増加したことによるものです。
特別損益の収支(利益損失の純額)については、当連結会計年度34億2千5百万円の損失となり、前年同期比で4億5千9百万円収支が良化いたしました。これは主に、固定資産売却益が前連結会計年度より増加したこと、および事業構造改善費用が前連結会計年度より減少したことによるものです。
税金等調整前当期純利益に対する法人税等の負担率は、当連結会計年度25.9%(前連結会計年度27.8%)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は7,293億4千1百万円(前年同期比2.3%の増収)となりました。営業利益は449億3千4百万円(前年同期比13.0%の増益)、経常利益は562億9千1百万円(前年同期比23.2%の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は352億8千1百万円(前年同期比29.1%の増益)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
シール事業
「事業の拡大」、「競争力ある生産体制の構築」、「グローバル事業の強化」、「ダントツ品質の追求」を柱に、持続性ある企業体質の構築を図ることが重要と考えております。
「事業の拡大」につきましては現有製品のシェアアップ、新商品開発力強化と発明創出の促進、中国・東南アジア事業の拡大を図り、「競争力ある生産体制の構築」につきましては製品所管部門へのマザー機能の拡充、生産子会社との連携強化を促進し、「グローバル事業の強化」につきましては新商品の海外展開を進め、「ダントツ品質の追求」につきましては品目毎の重点管理並びに品質・技術の教育・伝承を検討してまいります。
電子部品事業
「拡販による顧客ベースの多角化」、「変化に対応できる収益体質の強化」、「ダントツ品質の実現」により、変化を乗り越える構造改革の断行を進めてまいります。
「拡販による顧客ベースの多角化」につきましては自動車向けビジネス拡大の加速並びに提案力の強化により新規顧客・新用途向けビジネスを拡大し、「変化に対応できる収益体質の強化」につきましては人に頼らないものづくりの実現、聖域なき総原価低減活動の推進、業務の生産性向上による間接部門のスリム化、フリーキャッシュフローの増加による財務体質の改善を進め、「ダントツ品質の実現」につきましては人に頼らないものづくりによる品質の安定化、自動車要求品質への対応を行ってまいります。
ロール事業
「現場管理・量産条件による抜本的な品質改善」、「BEPの改善による利益体質の改善」、「拡販の推進」を軸に、OA機器業界NO.1のロールメーカーを目指してまいります。
「現場管理・量産条件による抜本的な品質改善」につきましては徹底した現場管理による品質の安定化、良品・量産条件の再検討による製法の見直しを促進し、「BEPの改善による利益体質の改善」につきましては品質改善・生産性向上・内製化、生産管理システムの構築と活用、業務の効率化を推進し、「拡販の推進」につきましては新仕様開発による受注拡大、立上品質の確保、価格競争力の向上を図ってまいります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」で述べましたとおり以下が主なものとなります。
a. 自然災害等
b. 政治経済情勢
c. 法的規制等の影響
d. 訴訟その他の法的手続にかかわるリスク
e. 知的財産権侵害の影響
f. 情報流出の影響
g. 製品の品質問題が及ぼす影響
h. 為替変動の影響
i. 金利変動の影響
j. 株式市場の動向による影響
k. 原材料の価格変動
l. 顧客の業績への依存
m. 需要動向の変化による影響
n. 他企業との提携
当社グループでは自然災害等に備え、BCM(事業継続マネジメント)の構築、ますます拡大する海外事業の適切な管理、品質力の更なる向上や新商品開発、並びにこれらを担う人材の育成に力を入れ、将来を見据えて当社グループが持続的に成長発展していけるよう、3カ年計画(平成29年度から平成31年度まで)を作成し、取り組んでおります。
また、経営成績に影響する各種リスクを回避できるよう、引き続き経営者として努力してまいりますとともに、企業目的である「全てのステークホルダーに利益と誇りをもたらす」、そのための事業方針である「技術に裏打ちされた独自性ある、かつ社会にとって有用な商品を世界中で安くつくり適正価格で売る」の具現化に努めてまいります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
②契約債務
平成30年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
| 年度別要支払額(百万円) | |||||
| 契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超3年以内 | 3年超5年以内 | 5年超 |
| 短期借入金 | 58,398 | 58,398 | - | - | - |
| 長期借入金 | 9,931 | - | 7,078 | 1,321 | 1,531 |
| リース債務 | 317 | 147 | 111 | 55 | 3 |
③財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は固定金利の長期借入金で調達しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
平成29年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 指標 | 平成29年度(計画) | 平成29年度(実績) | 平成29年度(計画比) |
| 売上高 | 705,000 | 729,341 | 24,341(3.5%) |
| 営業利益 | 40,000 | 44,934 | 4,934(12.3%) |
セグメント別の達成・進捗状況は以下のとおりです。
シール事業
自動車向けの販売については、国内の新車需要増、軽自動車の復調、また中国での自動車税減税終了に伴う反動減が想定ほど大きくなかったこと等から、増加しております。
一般産業機械向けの販売については、中国建機市場が計画時点での想定以上に回復が進み、国内外で販売の増加に繋がっております。
これらの急激な販売増に対し、生産面では人員の確保や設備の導入が思うように進まなかったため、現場の努力を中心にカバーせざるを得ませんでした。結果として固定費を大きく増やさず生産対応することとなり、当期の利益増に繋がりましたが、引き続き償却費等あるべき固定費の配置や時間外労働時間のコントロールが課題となります。
以上の結果、売上高は3,368億6千6百万円(平成29年度計画比8.0%の増収)となり、営業利益は408億8百万円(平成29年度計画比27.5%の増益)となりました。
電子部品事業
下期に高機能スマートフォン向けの需要が減少しましたが、為替の影響もあり全体としてはほぼ計画並みの販売となりました。また下期の急激な販売減に伴い減益となりました。
以上の結果、売上高は3,611億1百万円(平成29年度計画比0.3%の増収)となり、営業利益は29億6千3百万円(平成29年度計画比57.7%の減益)となりました。
ロール事業
市場在庫調整とプリンターの減産影響により販売は減少しました。また販売の減少の影響が大きく、減益となりました。
以上の結果、売上高は208億3千1百万円(平成29年度計画比2.7%の減収)となり、営業損益は4千9百万円の損失(平成29年度計画は2億3千万円の営業利益)となりました。