有価証券報告書-第65期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/29 11:33
【資料】
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【項目】
119項目

研究開発活動

当社は企業理念のひとつとして「お客様へのお役立ち」を掲げ、「高い技術力」と「細やかな対応力」をもった駆動系を中心とする総合メーカーとしてお客様に喜んでいただける高品質、低コストの商品開発のために研究開発活動を強化しております。当社グループの主な研究開発は、当社を中心に国内ではダイナックス、海外ではエクセディ重慶、エクセディダイナックス上海、エクセディフリクションマテリアル、エクセディエンジニアリングアジア、エクセディインディアがあります。
現在の当社グループの研究開発活動は、MT事業、AT事業を中心に推進しております。研究開発スタッフはグループ全体で 497名にのぼり、これは総従業員数の約3%に当たっております。
当連結会計年度における各事業セグメント別の研究開発活動の状況は次のとおりであります。なお、研究開発費については、各事業セグメントに配賦できない新製品開発費 1,654百万円が含まれており、当連結会計年度の研究開発費の総額は 5,208百万円となっております。
[MT]
手動変速装置(マニュアルトランスミッション)の乗用車系部品では、環境問題・低燃費に対応した希薄燃焼型エンジンや直噴ディーゼルエンジンから生じる振動を効率的に吸収する高性能ダンパー付きクラッチや2マスフライホイールを開発しております。
商用車系部品では、マニュアルクラッチをはじめ、マニュアルトランスミッションの発進・変速操作を自動化したAMT(オートメーテッドマニュアルトランスミッション)用として、コントロールユニットの指令に従って正確に作動するアクチュエータユニット及びモータードライバーなどの製品も開発しております。
なお、当セグメントに要した研究開発費は 884百万円であります。
[AT]
自動変速装置(オートマチックトランスミッション)用部品では、トルクコンバータ、ロックアップクラッチ、湿式クラッチなどを開発しており、湿式クラッチに関しては、内部の油の流れ,面圧を解明し、スリップ性能改善につなげる研究を最新のコンピューターシステムを駆使して継続的に進めております。
また、低燃費を実現するために低速度域までロックアップ領域を拡大し、低速のクラッチ締結時の振動を減衰するトルクコンバータの開発に成功いたしました。これらの研究成果に基づく新製品により新たな受注を獲得しております。
子会社のダイナックスでは、ロックアップクラッチ用摩擦材をはじめ、自動変速機の部品を開発しており、不織布を用いた湿式摩擦材など世界に例のない独特の技術を培っております。
また、2系統のクラッチにより動力を途切れなく伝達でき、MTに近い燃費を得ることが出来るデュアルクラッチトランスミッションへの適用部品開発を進めており、ダイナックスでは商用車初の湿式デュアルクラッチを量産しました。
なお、当セグメントに要した研究開発費は 1,574百万円であります。
[その他]
急速に普及し始めたハイブリッド車用に、モータ内周部に収容でき、エンジン/モータ間を断接する乾式多板クラッチや、エンジン/モータ切替え時、およびエンジン走行時に発生する振動を吸収するダンパー装置、エンジンへの過大負荷入力を防止するトルクリミッター付きダンパーなどの新しい製品分野の開発を行っております。
また、建機・産業車両用製品としてフォークリフトやラフテレーンクレーン車などの運転性・作業性向上及び伝達効率の追求を目的とした、トランスミッションの性能向上開発を継続的に行っております。
近年、東南アジアを中心に2輪市場が急激な拡大を見せております。当社は、4輪自動車で培ってきた技術を活かして、高品質で安価な2輪用クラッチを開発しております。
なお、当セグメントに要した研究開発費は 1,095百万円であります。