有価証券報告書-第74期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 13:17
【資料】
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【項目】
117項目

対処すべき課題

当社グループは、主力製品である自動車用のバックミラー製造を中心としたミラーシステム事業と光学薄膜部品の製造を中心としたオプトロニクス事業を展開しております。これらの事業を通じて、顧客・ユーザーの満足を得られる高品質で価格競争力のある商品を提供し、それぞれの産業の発展に寄与することを経営の基本方針としております。また、顧客、株主、取引先、社員、社会に貢献し、あわせて環境問題にも取り組み、企業としての社会的責任を果たしてまいります。
今後の経済見通しにつきましては、国内においては、企業収益の改善や個人消費の持ち直しも見られるものの、不安定な世界情勢により、景気回復のペースは鈍化すると予測されます。また、世界経済におきましても、中国やアジア新興国の成長鈍化傾向の継続、欧州諸国のEU離脱問題や米国の政策方針の影響が懸念されるなど、先行きの不透明な状況が継続すると予測されます。
このような状況の中で、当社グループは、バックミラーをはじめとする自動車用安全視認システムメーカーとして、世界トップレベルのサプライヤーを目指し、海外生産拠点の拡充、世界最適調達の推進や生産性向上を目的とした設備投資を進めてまいります。また、自動車メーカー各社が開発を進めている、自動運転車や安全運転支援システムなどへの対応や、電子ミラーをはじめとした法改正に伴う新しい後方視認装置の開発にも注力してまいります。
海外の事業展開では、中国におきましては、昨年10月に広東省佛山市に「佛山村上汽車配件有限公司」をバックミラーの製造・販売の新拠点として設立し、中国市場での需要拡大に対応してまいります。欧州事務所につきましては、継続して欧州自動車メーカーからの受注獲得に向け、営業・設計の窓口活動を継続してまいります。なお、インドネシアの拠点である「PT. Murakami Delloyd Indonesia」では受注の増加に対応した生産能力の拡大を目的に、また、タイ国のインナーミラーの製造拠点である「Murakami Manufacturing (Thailand) Co.,Ltd.」では洪水被害リスクの回避を目的に、新工場を稼働させる予定であり、それぞれ遅滞無く工場立ち上げを進めてまいります。
そのほか、今後も拡大が期待される車載用ヘッドアップディスプレイの凹面鏡などの拡販活動に加え、快適、安全/安心をキーワードに、当社の強みであるガラス加工技術や光学多層膜技術の融合・進展させる技術を蓄積し、ADAS(先進運転支援システム)、次世代コックピットなど、新しい市場に対応した新製品の開発を強化してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。